| 県民ネットワーク会派代表質問 本会議における出原いつみの一般質問・部門別質問Q&A公開中! |
| 2009年の本会議報告 | |
| 2008年の本会議報告 | |
| 2007年の本会議報告 |
6月4日(金)に九里学議員(栗東市選出)が民主党・県民ネットワークを代表して質問を行ないました。その内容を以下報告します。 「動けば、雷電の如く、発すれば風雨の如し」 身分、職業にとらわれず、志あるもので奇兵隊を編成し、激動の時代を狂おしくも聡明に生き抜いた幕末の長州藩士、高杉晋作。 多くの人たちからその人間像を称えられた氏の生きざまには学ぶべきところが多く、こうした積極的且つ前向きなリーダーを時代は求めています。 先行きの見えない状況を打開し、身を粉(こ)にして新しい国づくりに奔走した高杉晋作。 新しい代表には、高杉晋作の如く、そして職を辞してまで党再生を訴えられた鳩山首相の思いに応えるべく気迫あるリーダーシップによる政権運営を心から望みます。 その為に我々仲間の地方議員も日々透明で県民に身近かな県政の発展のため尽力しなければなりませんし、と同時に政治に哲学をもち、五年後、十年後のビジョンに向かって常にチャレンジャーの立場、気概を持ち続け政策を実行しなければなりません。 政治や行政が、住民の立場や視点で共生の理念のもと柔軟で創造性に富んだ政策形成をしていかなければならないのです。 今こそ知恵を働かせ、財源を工面し、未来ある指針を出す元気な滋賀県構築に展開を図るべきなのです。 「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものは 心なりけり」 二元代表制のもと、会派16名、情熱と使命感をもち、今議会も真摯に臨んでいくことを誓い以下質問します。 |
| はじめに、家畜伝染病である、口蹄疫について、知事に伺います。 4月20日に、宮崎県で口蹄疫が疑われる牛が確認されて以来、異常な勢いで感染は広がり、政府は、蔓延防止のために感染発生地から半径10キロ圏内のすべての牛や豚を計画的に殺処分することにいたしました。この対象となる家畜頭数は、最終的に30万頭を超すと言われています。既に1ヶ月余りが経ちましたが、依然として、収束の見込みは経たず、まさに口蹄疫は「国家経済を揺るがす破壊力をもった家畜伝染病」と言えます。 滋賀県のブランドである「近江牛(うし)」も子牛の約4割を宮崎産に頼っているなど、今回の事態は、全国各地に深刻な影響を及ぼしてきています。民主党滋賀県総支部連合会では、5月21日「滋賀県家畜商業協同組合」の運営委員の方々と懇談をし、同24日、知事に対して「口蹄疫について3項目の緊急要望」を行なったところであります。また、我が会派においても5月30日『グリーン近江・肉牛部会』の役員の皆さんと意見交換を行いました。このことを踏まえ、以下、伺います。 今回の事態は、単に宮崎県だけの問題ではなく、全国の都道府県においても「いつ自分のところでも発生するかわからない」という面からも他人事ですまされない問題なのです。仮に、滋賀県内で発生すれば、生産数から見て「近江牛(うし)」というブランドが消滅する恐れがあり、一旦崩壊すると再生は容易ではないことは明らかです。 各府県においても、独自の取り組みを始めており、福岡県では、5月21日から『家畜伝染病予防法』に基づき、知事命令による消毒作業を始め、島根県では、毎週水曜日を「一斉消毒の日」として取り組まれています。牛や豚だけでなく、ヤギにも感染の疑いがあることが既に確認されてきていますが、知事は、今回の事態をどのように捉え、どのように対処されようとしておられるのか伺います。 今回、被害がここまで広がった理由に「最初の確認が遅れたこと」や「消毒の徹底や殺処分などの初期対応のまずさ」があげられています。特に、最初の確認の遅れは、現場力の問題であり、今まで経験したことがない本県にあっては大きな課題であるといえます。口蹄疫は、他に症状の似た病気もあり、ベテランの獣医師でも診断は難しいと言われていることから、獣医師及び畜産農家など日常的に家畜に接しておられる方々の診断力、判断力の向上が求められます。 4月20日に、宮崎県において口蹄疫が疑われる牛が確認されて以来、県が畜産農家や関係者を集めて初めて研修会を実施されたのは、ほぼ1ヶ月後の5月19日からでした。この間、衛生情報誌の発行や電話による聞き取りなどが行なわれておりましたが、畜産農家にとっては大変な不安があったと申しておられました。当分の間「畜産農家に接触しないこと」という国の方針があったようですが、畜産農家に安心を与える取組みが必要だったのではないでしょうか。このような診断力、判断力の向上、安心への取組みについて、知事は、どのように考えておられるのか伺います。 次に、滋賀県では、4月28日に「滋賀県口蹄疫対策本部設置要綱」が施行されましたが、「発生予防対策」「蔓延防止対策」のマニュアルがまだできていない、市町へも通知がされていないと仄聞しています。 また、知事と同様に市町長においても『家畜伝染病予防法』で予防及び蔓延防止の措置が義務付けられていますが、県下市町に獣医師などを配置しているところはないようであり、緊急時の国・県・市町のスピードある取組みが求められることから、市町の位置付け及び役割を明確にしておくことが大切であると考えます。昨年発生した新型インフルエンザにおいては市町間に温度差がありました。口蹄疫は感染力が強く、まさに初期対応が勝負だといえます。市町においても「役割に応じた発生予防対策」「蔓延防止対策」のマニュアル化が必要であると考えますが、県としての考えを伺います。 次に、畜産農家における予防対策には、先の緊急研修会においても指示されているとおり「農場の消毒の徹底」が必要不可欠です。滋賀県における牛、豚の畜産農家は182戸で、規模的には千頭を超える農家から10頭にも満たない農家など様々です。「徹底というのはどの程度をもっていうのか」「規模が小さいほど設備的にも難しい」という意見があり、全ての畜産農家に共通するのは、先の民主党滋賀県連から緊急要望しました「消毒剤の入手が困難である」ということです。 仄聞したところでは、県は、先の説明会で配布した消毒剤は、『消毒方法を周知徹底させるためであって、本来は畜産農家が準備すべきである』ということのようですが、これでは、県の本気度を疑わざるを得ません。今、畜産農家は戦うにも鉄砲も弾もない状態であり、精神的にも追い詰められてきています。県や市町がしっかりと支えることが大切なのではないでしょうか。畜産農家の取り組みに大きな温度差が生じないことへの対応及び消毒剤の確保について伺います。 この項の最後に、今回の宮崎県の事態に対して、民間からは風評被害を懸念する声や、畜産農家を支援する募金活動が行なわれています。第一次産業に逃げ場はなく、再生への道のりは遠くかつ多難であり、多くの支援が必要です。各自治体の自主的な支援活動、自治体間の支援システムの構築をすることが今こそ必要ではないでしょうか。このことが結果として、牛肉の安全性を高め、風評被害を抑止し、近江牛(おうみぎゅう)や松阪牛(まつざかぎゅう)、神戸牛(こうべぎゅう)といったブランドを守ることにも通じるのです。同時に、滋賀県と宮崎県との信頼関係をより強固なものにする機会になると思いますが、県の応援策について、知事の考えを伺い、次の質問へ移ります。 |
|
| [知事答弁] 民主党・県民ネットワーク九里議員の代表質問にお答えさせていただきます。まず、第1点目の口蹄疫についての5点のご質問でございます。 1点目の「宮崎県の口蹄疫発生の事例をどのように捉え、どのように対処するのか」についてでございます。口蹄疫は、極めて伝染力が強く、急速な拡大により、宮崎県では非常事態宣言を出される事態に至っておりまして大変痛ましく感じております。 この問題は、宮崎県だけではなく、我が国の畜産全体の危機であり、とりわけ日本三大銘柄牛の一つであります「近江牛」を抱える本県では、宮崎県からの第1報を受けて以来、危機管理事案としてその侵入防止と、万一の場合に対応できる体制の整備に全力を注いでまいりました。 侵入防止については、ウイルスの潜伏期間等を考慮し、3月1日以降に宮崎県から本県に導入された子牛を対象に、直ちに家畜保健衛生所の家畜防疫員が臨床検査を実施したほか、宮崎県からの導入実績のない農家も含め、牛や豚などの偶蹄類を飼養されている畜産農家全てにつきまして、緊急調査を実施し異常のないことを確認をいたしました。 また、畜産農家や関係団体を対象に緊急の研修会を実施し、改めて消毒の徹底を呼びかけ、全国的な消毒薬の不足に対応するため、県の負担により消毒薬を確保し、全畜産農家に配布をしたところでございます。 万一の事態を想定した体制整備につきましては、本県や近畿各府県等で口蹄疫が発生した場合には、知事を本部長とする対策本部を直ちに立ち上げ、危機管理事案として対応する体制を整え、4月28日には、関係者連絡会議を開催し、その内容について確認したところでございます。 このように、本県としては4月20日の発生報告以降、風評被害を含めた様々な課題に細心の注意を払いながら考え得る全ての初動対策をしっかりと構じてきたところでありまして、今後とも緊張感を持ってとりくんでまいる所存でございます。 次に、2点目の「獣医師および畜産農家の診断力・判断力の向上」についてでございます。 家畜防疫の基本は、様々な症状の現認に際し、例えば牛の場合はまずは口蹄疫を疑うことが最優先されるものとされておりますが、今回の事例からは症状にも個体差があり、早期発見や診断が非常に難しいとも言われております。また、宮崎県へ派遣した本県の家畜防疫員からもそのような復命がなされたと承知しております。 このため、現地で経験してきた家畜防疫員の体験や情報、写真等を活用し、本県の獣医師はもとより畜産農家や関係団体等の担当者と研修を重ねるなどによりまして、早期発見や確実な診断が可能となるよう、情報の共有と技術の向上に努めているところでございます。 また、安心への取り組みについてですが、口蹄疫は非常にその伝染力が強く、空気感染も検証されていることから、細心の注意を払いながらの防疫活動が求められております。過去の発生例から、極力家畜防疫員が各畜産農家へ立入ることを避けることが重要でありまして、そのため電話による聞き取りやファックスによる「家畜衛生情報」の提供に努めてまいりました。 その様ななかで、宮崎県から最後に導入された素牛の潜伏期間とされる3週間が経過し、全頭安全確認をした後の5月19日から3日間にわたり、各畜産農家を対象にした防疫研修を開催するとともに、現在、県家畜防疫員が3〜4班体制で各班1日1農家に限定し、各農家を巡回し、安全を確認するとともに、さらなる防疫体制の徹底に努めているところでございます。 次に、3点目の「市町におけるマニュアルについて」ですが、まず県のマニュアルがまだ作成されていないとのご指摘でございますが、県では既に豚での発生を想定したマニュアルを平成11年3月に策定しているところであります。今回、平成22年4月20日の宮崎県による初発が牛でありましたことから、直ちに牛を想定したマニュアルの作成作業に着手したところでございます。 しかしその後、事態が想定を大きくこえる展開となり、宮崎県の現地におきましては感染拡大を防止するため、我が国初のワクチン接種の導入や本日施行されました口蹄疫対策特別措置法の制定、さらには埋却地の確保についての移動制限の特例措置など様々な対応策が次々に日々打ち出されてまいりました。このように、めまぐるしく変わる状況に適切に対応する必要もあり、今マニュアルの見直しを行っているところでございます。 いずれにしても、マニュアルを手がかりにしつつ、発生する状況にスピーディーかつ柔軟に対応することが必要でございます。 家畜防疫は、都道府県が主体となって行うとされ、通常、そのマニュアルは県が設置するものでありますが、県市町はもとより各関係機関の役割も明示しております。想定される事態に的確に対応するため、出来るだけ早い段階でマニュアルを用いた防疫演習を開催し、市町関係団体など周知を図ってまいる所存でございます。 次に、4点目の「畜産農家における消毒の温度差への対応や消毒剤の確保について」でございます。県内全ての家畜の安全を確認した後に、5月19日から防疫を中心とした研修会を開催し、対象農家182戸のうち113戸に出席いただき、具体的かつ効果的な消毒方法の徹底や、また当面必要となる消毒薬を配布いたしました。そのとき同時に消毒薬の代替物となる酢の利用などの情報も普及をさせていただいております。 また、当日研修会に参加できなかった農家に対しましては、その後6農協の会場において追加の研修会を開催するとともに、さらに個別指導等により全県的な防疫体制の徹底に努めてきたところでございます。 また、全国的に消毒薬が品薄となっておりますことから、農協中央会や全農滋賀に対し備蓄の申し入れをし、現在、約230tの消石灰を確保するとともに、また県内医薬品販売業者とも連携し、県内必要量の確保を図ったところでございます。 最後に5点目でございますが宮崎県への対応策についてお答えします。 宮崎県への県職員の派遣につきましては、これまでに5名を現地に派遣し、殺処分や防疫措置などに従事されたところでございます。 勿論、派遣した家畜防疫員は帰庁後の公務に従事する場合は直接、県内農家への巡回等にたずさわることがないよう一定期間、職務内容に配慮する等の対応を講じているところでありまして、今後も国や宮崎県の要請があれば、必要な支援をしたいと考えております。 なお、一昨日、6月2日に開催されました近畿ブロック知事会議においても、近畿府県における共同の取組みとして、近畿ブロック内の府県間における早期通報体制の確立や、初動防疫資材の融通等と併せて、宮崎県における感染の早期終息への支援について、一致したところでございます。 |
| 次に、嘉田マニフェストの総括について、知事に伺います。 知事は、5月30日、嘉田マニフェストの自己評価を公表されました。そして、その自己評価を県民の声とともに次期マニフェストに活かされる作業を進められていると仄聞しております。我が会派「民主党・県民ネットワーク」と「民主党滋賀県総支部連合会」は、知事のこの4年間の実績を高く評価し、嘉田知事再選に向け支えていこうとすでに確認をしているところです。そこで、叱咤激励の意味も含めて知事の自己評価について、以下伺います。 知事は、4年前、厳しい状況の中で、「もったいない県政」を前面に出し、嘉田マニフェストを掲げて選挙に挑まれ、勝利されました。それ以降、県民の期待を一心に背負い、マニフェスト実現に向けて取り組んでこられました。今まさに、その成果を踏まえ、再選に向けて取り組まれています。 そこで、新人候補としてやむを得ないとは受け止めておりますが、当初のマニフェストの策定過程で、短期間での策定作業であったこと、情報量不足など、かなりご苦労をされたと仄聞しています。その意味では、今回の自己評価に当たっての問題点など、どのような点を総括され評価されたのか、まずは伺います。 今回公表された自己評価結果の基準、また、どのような過程、工程を経て自己評価されたのかお伺いします。特に、A評価をされている「企業誘致」、「企業誘致・雇用増」については、マニフェストに掲げられた数値は確かにクリアされていますが、数値目標を達成すればよいというものではなく、企業誘致によってどれだけ「実質的雇用の創出と地域の活性化」が達成出来たのかが重要な指標ではないのかと考えますがいかがでしょうか。他にも「県全体の医療水準の向上」や「琵琶湖の生態系の復元」なども同じことが言えるのではないかと考えますが、知事のご所見を伺います。 次に、今回の自己評価はあくまでも4年前の経済・財政状況を基準に目標設定され、それをベースに評価されていると理解していますが、リーマンショック等から来た100年に1度の世界不況、雇用不安、逼迫した県財政など、負のスパイラルとも言うべき今日的状況を踏まえると、県民の受け止める実感と今回の知事の自己評価との間には大きな乖離があるのではないかと考えますが、知事のご所見を伺います。 次に、今回は、自己評価ですが、1年目のマニフェスト評価の際は、第三者評価も併せて評価されたと聞いております。やはり、客観的な評価を得るには、自己評価に加え、第三者評価もすべきと考えますが、知事のご所見を伺います。 次に、この4年間に実施されてきた政策と嘉田マニフェストとの整合性について伺います。 マニフェスト実現のため、県の施策として「滋賀県基本構想」が当てはまると考えていますが、今回の嘉田マニフェストの自己評価と滋賀県の将来ビジョンとも言うべき「滋賀県基本構想」の進捗状況との関係についてどのように受け止めておられるのか伺います。また、新しい行政改革の方針と財政構造改革プログラムとの関係について伺います。 次に、緊急提言項目である「新幹線栗東新駅」及び「ダム建設」については、B++(ダブルプラス)及びB+(プラス)評価とされていますが、反面、公共事業撤退のスキームや政策転換後の地域振興策等、残された課題も多いと受け止めています。やり残したマニフェスト項目、特に評価B,Cランクについて、今後、どのように対応されようとしているのか新たなマニフェストとの関わりも含めて知事のご所見を伺います。 これまで知事は、県民との約束事である「嘉田マニフェスト」の実現のため、粉骨砕身、努力されてきました。その姿勢は、多くの県民が認めるところであり、県内外とも高く評価をされているものと受け止めております。最後に、新たなマニフェスト策定に込めた知事の思いと、そのことに関わる県民へのメッセージを伺い、次の質問に移ります。 |
|
[知事答弁] |
| 次に、知事が目指そうとしておられるこれからの滋賀県の成長戦略について、伺います。 第1期の嘉田県政は、従来手がつけられなかった滋賀県が抱える問題に「もったいない」という観点から果敢に挑戦してこられました。このことについて、我が「民主党・県民ネットワーク」は高く評価するところです。しかし、長引く不況と不安定な雇用経済情勢、少子高齢化の潮流、国や地方を襲う財政の悪化、地球温暖化に代表される環境悪化、そして、持続可能性を脅かす食糧とエネルギー事情といった、まさに「時代の曲がり角」におかれている中で、時代はいやおうなく大きな転換を必要としています。長く続いてきた「自民党を中心とした政治では」この時代の転換ができないという国民の判断が、昨年の衆議院選挙での政権交代の背景にあったのです。 それだけに、国政を担う民主党として、責任の重さを改めて感じるところですが、地方においても地域主権のもと、不安を安心に変える着実な政治の方向転換が求められており、県のトップリーダーである知事が、目指すべき将来像を示し、県民に滋賀県の将来像の共有を進め、滋賀の新たな成長戦略を練り上げるべきだと考えます。 そこで、まず、知事は、「滋賀の目指すべき将来像」を具体的にどのようにお考えなのか、伺います。 次に、「企業誘致」という、「外発的地域活性化策」の手法は、成長戦略としてこれからも重視すべきかどうかを考える時期を迎えているのでないかと考えます。 アメリカでは、従来の大企業誘致型の地域産業創出でもなく、かといってシリコンバレー型の大規模なテクノロジー産業創出でもない、地域内での中小規模の根付く事業を育てる手法として「エコノミック・ガーデニング」という手法での成功例が注目されています。 「今ある企業をどのように育てていくか」という取り組みは、ガーデニングに似て、息の長さを必要とします。しかし、そのための適切な「インフラ整備」「異業種をつなぐ交換の場の設定」「マーケット形成に必要な情報提供」などを戦略的に進めることで、このエコノミック・ガーデニングという手法が有効なことが実証されています。 足腰の強い経済成長を創り出すためには、花形産業を誘致すること以上に、すでに地域にある企業や事業者を育てるという戦略を重視すべきと考えます。例えば、「環境問題への対応」「持続可能な時代を担う人材育成」「健康を志向するニーズの増加」「大学をはじめとする知的集積」など、本県の特質を活かした新たな産業を育てるための条件はすでに整いつつあります。そこで知事がお考えの成長戦略の哲学について伺い、次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] 先行きの不透明感が増している中で、県民の皆さんが直面している様々な不安、すなわち景気低迷による経済・雇用への不安、医療、福祉や災害など目の前の命への不安、あるいは子どもが生まれ育ちにくいという命のつながりへの不安、固有の文化の大切さ、文化的アイデンティティを失うのではないかという不安、さらには地球温暖化などへの不安、そういった不安を安心に変える政策の実現が今県政に求められています。 私が考える滋賀の目指す将来の姿は、こうした県民の皆さんの不安を取り除き、未来に向けて安心できる、希望の持てる「未来可能な安心希望社会」であります。 特に滋賀には、先人から受け継がれてきた自然や人のつながり、くらしの知恵が奥深く蓄積されていまして、その蓄積をもう一度見つめ直しながら、もったいない、失ったら心苦しいという気持ち、そして、潜在的な力に敬意を払うという生活哲学を活かしていきたいと考えています。 さらに、経済雇用の振興や、歴史、文化、自然などの地域資源の活性化を図りながら、滋賀県が本来もっている潜在力を一層発展させること、そのことにより、県民の皆さんが、ともすれば、京都、大阪に近い中で誇りを失いがちであった状況の中で、自ら誇りをもって、未来に安心と希望をもてる社会を作っていきたいと考えています。 特に、次の世代を担う若者が、自らの力を発揮しながら生き抜いていくことができる、活力ある滋賀の未来を目指していきたいと考えています。 これまで、ともすれば外部の産業を導入することが地域経済振興の主たる戦略かのように考えられてまいりました。もちろん、外部の産業を導入することの重要性は変わりませんが、これに加えて、地域の資源や需要に光を当て、内的発展を遂げることがもう一つの重要な戦略ではないかと思います。 ご指摘のしくみも含めて、滋賀本来の素材に磨きをかけ、潜在的な力を引き出しながら、強みの発揮できる産業を育て、雇用を創出していくこと。これを「滋賀の未来成長戦略」として掲げ、推進していきたいと考えています。 具体的には、3つの大きな柱を考えています。すなわち、一つには、医療や福祉・介護、子育てなど、人と人がつながる、人と人が助け合う分野におけるサービス産業の拡大を推進する「ヒューマンニューディール」でございます。例えば、2000年以降、介護保険では約700億円の経済がまわっていますし、今年度から始まります子ども手当においても約300億円の経済循環がございます。二つ目は、滋賀の宝である琵琶湖の保全と修復、また地球温暖化対策を推進していく上で、これまで本県が蓄積してきた環境技術やものづくりの集積を活かす「グリーンニューディール」でございます。例えば、太陽光発電や水環境保全などの環境関連産業の振興に努めてまいります。そして、三つ目は、滋賀の自然豊かな地域特性、あるいは滋賀ならではの奥深い文化を生かした地域活性化の取組を進める「ふるさとニューディール」でございます。具体的には、地域固有の資源を活かした文化観光や、農業、漁業、地場産業など滋賀の特性を活かした環境調和型産業の振興を図っていくことが大切であると考えております。 |
| 次に、「関西広域連合構想」について、知事に伺います。 関西広域連合構想は、関西広域機構(KU)に近畿2府4県と福井県、三重県、徳島県、鳥取県の4県。4政令市の各自治体に関西の経済団体を構成団体として『分権改革推進本部』が設置され、平成19年10月からこれまで5回の本部会議等を開催し、設立に向けた検討がされてきました。 この間、奈良県、三重県、福井県の不参加表明により、参加を前提とした検討に前向きな府県で構成する体制に変更され、本年1月8日の関係府県知事会議において「議会での議論を深め、本年中の適切な時期に各府県が足並みを揃えて各府県議会に規約案を提案できるようにしていく」との内容で合意をされたところです。本県では、平成20年5月から約2年間にわたり、議会への説明、報告がされ『地方分権・行財政対策特別委員会』を中心に議論、検討されてきました。先の2月議会でも、我が会派を始め、多くの議員の皆さんが質問され「関西広域連合は地方分権改革の突破口を開く仕組み」「早期に実施可能な住民生活に直結する事務から取り組む」と、基本方針を含め設立に向けた検討が進められてきています。知事は2月議会でも1月の関係府県知事会議での自らの発言を出し「議会や県民の理解は不十分、議会への提案時期については急がば回れ」と述べられ、議会をはじめ、県民、市町、経済界等への説明の必要性を答弁されています。県議会でのこれまでの検討状況を踏まえれば「議会や県民からの理解を得るには相当の期間が必要」と考えますが、現時点において12月議会までわずか半年の期間しか残されていません。そこで先ず、今後、規約案上程に向けてどのように知事として判断されようとしているのかまず伺います。 次に、参加団体と国の出先機関の受け皿について伺います。「広域防災」「広域観光」「広域医療」連携を政令市、とりわけ隣接の京都市不参加の中考えられるのでしょうか。また、国の出先機関の受け皿について、道路や河川を整備・管理する近畿地方整備局の移管については地方自治体への移管を大筋で認めてはいるものの、「基幹道路や災害時に流域への大きな被害が予想される河川については、国が責任を持つべきだ」として否定的であり、さらに、受け皿としての関西広域連合については、検討課題が残るとして慎重姿勢を示しています。 このように、「政令市・奈良県などが不参加」「国の方針が不明確ましてや説明不足」という現状の中、『急がば回れ』と言いつつも知事が拙速に関西広域連合の設立を目指される狙いはどこにあるのでしょうか、お伺いします。また、課題解決後の参加という選択肢はないのでしょうか、知事の考えを併せて問います。 次に、知事は、『広域連携』と『広域連合』の違いは、連合長が法的根拠をもって広域的課題を一元的、かつ迅速に決定し執行ができる仕組みがあるかどうかであり、今後、『連携』でなく『連合』とすることの具体的なメリットを示すと2月県議会で、答弁をされています。『連携』と『連合』の違い、双方の具体的なメリットとデメリットについて伺います。 これまでの県議会での議論は『関西広域連合』参加に対して積極的な意見は少なく、参加予定の他府県議会の議論でも一部を除き同様であると仄聞(そくぶん)しています。特に、京都府では、特別委員会の検討状況を記す会議録を見ても『本県以上に消極的である』など、関係府県の知事の思いと議会に大きな相違があるようにも感じます。こうした状況下、知事は他府県からの同意が得られる見込みがあるとお考えでしょうか、ご所見を伺います。 この項の最後に、道州制との関係で参加予定の府県の中でもそれぞれ目指す方向が異なっています。大阪府の橋下知事は、『関西広域連合』は道州制への一里塚として考えておられますし、兵庫県の井戸知事は、道州制自体に反対の立場です。嘉田知事は、井戸知事に近い考えとお聞きしますが、このような、同床異夢の連合体が設立され、事務を行えば、いずれ対立が起きるのでは?と懸念するところですが、こうした見解ついての知事のご所見を最後に伺い次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] 関西広域連合の設置については、参加する関係府県が、規約案を同時に揃って議会に上程し、議決されることが必要となっております。本県では、この2月議会の特別委員会において、設立当初から取り組む事業の効果などについて、ご議論いただいてまいりました。しかし、現時点では、規約案を上程するかどうかの判断ができる状況ではないと認識しており、この6月議会で再度、議論を深めていただきたいと考えております。また、県内の経済団体や市・町をはじめ、県民の皆様へ説明を重ねてきており、今後とも、広報誌や、県のホームページ、各種の会議の場などを活用しながら、説明を継続していきたいと考えております。併せて、しかるべき時期には、関係府県において、提案の時期も含めて意見交換がなされることとなります。こうしたことを経て、本県が規約案を上程できる状況かどうか、議会や県民の皆さんの意見を十分踏まえた上で、総合的に判断することとしております。 関西広域連合構想は、分権型社会の実現のため、関西が全国に先駆けて都道府県を越える、広域的課題に対応できる責任主体をつくることを、ねらいとしております。分権を着実に前進させるためには、可能な事務から始めるという考え方で、私もそれは良しと考えております。一方、今月中にも国の方で策定が見込まれている地域主権戦略大綱には、国の出先機関改革の基本的考え方が盛り込まれる予定となっております。国の地域主権改革の柱の一つであります出先機関の事務・権限の地方への移譲が確実に視野に入ってきております。二重行政として、住民の遠いところで、見えにくい、また、高コスト体質になりがちな、例えば出先機関の道路、河川事業などについても、確実に県民のみなさんに、住民のみなさんにそのコスト構造などをお伝えしながら、広域連合化するうえでのメリットをお示しする必要もあると考えております。そのような中で、国に対して移譲を積極的に働きかけるためにも、今から府県が連携して、権限の受け皿を整えていく必要があり、広域連合はその有力な候補であると考えております。 参加の判断については、先に申し上げましたように、これからの議会や県民のみなさんの意見を十分踏まえて、判断させていただきたいと思っております。いずれ参加するというのであれば、すべての課題が解決してから参加するというのではなく、当初から積極的に関わり、本県の主張を反映させていくことが、県民のみなさんの現在、かつ、将来の利益につながるものと考えている。 広域連合は、地方自治法上の特別地方公共団体でありまして、単なる広域連携とは異なり、責任主体として広域的な行政を担うことができます。また、国の事務・権限の一部を広域連合が処理するよう 要請できる点が、広域連携との大きな違いであります。次に、広域連合で取り組むことのメリットについては、まず、法的な根拠に基づく広域事務の調整の場ができ、確たるルールのもとで、本県が発言権を確保できるという点が挙げられます。また、3月の特別委員会でお示ししましたように、例えば、災害発生時には、県外から帰宅する9万5千人の県民の方へ一元的に情報提供することや、共同備蓄により、約3億4千万円分の食料が確保できます。さらに、昨年、ちょうどこの時期大変大きな課 題となりました新型インフルエンザや、今まさに問題となっております口蹄疫などのリスク共有や 対応の一元的な実施が図ることにより、県民のみなさんの命へのリスク対応は大変重要であると考えております。さらには、資格試験・免許等の事務については、業務を 集約化し、一元的に実施することにより、事務の効率化や経費の削減を図ることができると考えております。デメリットとしては、新たな組織体制づくりや一定の負担金が必要となることが考えられますが、これらは、広域連合が広域的な行政を担う責任主体として、権限をもって事業を行う上で必要なことと考えております。 他府県では、大阪府や兵庫県、和歌山県などでは議会の合意が得られつつあると伺っております。一方、京都府などでは、慎重論が強いことから、引き続き議会へ説明されると聞いております。現時点では関係府県の議会が揃って規約案の議決を得られる状況にはないと認識しておりますが、どの府県も、理解が得られるよう努力されているものと考えております。 道州制は、現行の行政の体制を根本的に変えるものでありまして、地方自治法に基づく広域連合とは、全く異なるものでございます。広域連合が、そのまま道や州に移行することはあり得ないことでございます。 6月2日、一昨日に開催された近畿ブロック知事会議で、このことを私自身、はっきりと確認をさせていただきました。私の質問に対して、道州制推進論者と言われている大阪府の橋下知事も、「広域連合が道州制になるとは全く思っていない。」「広域連合は今の都道府県が前提であり、道州制とは別の次元のもの。」と明言されておりまして、また、井戸知事ともその認識は共通しているところでございます。決して同床異夢ではないということを報告をさせていただきたいと思います。 広域連合構想については、これまで、広域的な課題の解決や、国の出先機関の事務・権限の受け皿とすることについて、議論を積み上げてきており、関係府県が協力して取り組んでいくことにより、ともすれば県外への発信について、また連携について不足がちな部分において、この連携を強化することによって、現在の県に、また、将来の県民のみなさんの利益を担保できるような体制が可能となれば幸いと考えております。 |
| 次に、新型インフルエンザについて、知事に伺います。 昨年、4月24日、メキシコで豚由来のインフルエンザが流行し、60人もの死者が出たと報告され、さらに感染疑い例がメキシコとアメリカで確認されたと世界保健機構、WHOが発表したニュースは、世界を大きく動揺させました。 5月16日、渡航歴のない神戸市の高校生の感染者が日本国内で初めて確認され、その驚きの最中の5月20日、本県においても初の感染者が確認されました。 その後、6月11日には、WHOが、パンデミックを宣言。警戒レベルがフェーズ6になり、一層、流行に対する不安が高まりました。 すでに、本県においては、4月28日に「滋賀県新型インフルエンザ対策本部」が設置されていましたが、9月に、当時7歳の尊い命が新型インフルエンザ感染によるインフルエンザ脳症で奪われると言う、とても悲しい出来事がありました。 昨年5月の県内感染者の一報から今年3月にかけて、県内の罹患状況は『国立感染症研究所感染症情報センターサーベランス』の推計で、約22万7千人にも及び、新型インフルエンザの脅威に県全体が震えあがった一年でもありました。 世界的には、未だパンデミック状態にありますが、今年3月17日、知事から県民の皆様に向けてのメッセージの中に『「新型インフルエンザ対策本部」を解散し、副知事をトップとする「新型インフルエンザ対策会議」を設置。引き続き、新型インフルエンザ対策に取り組んでいく』とありました。 新型インフルエンザ流行から一年あまり。感染症対策や危機管理など、2008年12月に改定した「新型インフルエンザ対策行動計画」に基づいて対策が講じられたと理解しておりますが、その問題点も含めて、どのように総括をされたのか、お伺いします。 特に、当初、毒性が不明な中で、市町との連携、県民の皆様への自己防衛を含めた正しい知識を持っていただくための情報提供の在り方はどうだったのでしょうか。 感染者発生状況判断による学校の休校、幼稚園、保育所などの休園、県主催のイベントの中止、集会の自粛など、社会経済活動の面で大きく影響が出ることとなりましたが、とりわけ大きな損失に繋がった福祉施設、介護施設、ホテルのキャンセルなどが発生した観光関係へのその後の対応はどのようにされたのか、お伺いします。 昨年の10月19日から始まった新型インフルエンザワクチン接種について、4月の新聞報道で全国的に新型インフルエンザワクチンが大量に余っているとありましたが、本県の新型インフルエンザワクチンの接種状況と在庫状況、そして、それらに対する今後の対応についても伺います。 いずれにしても、この一年の教訓を今後の対策にしっかりと活かしていくことが重要と考えます。 次に、引き続いて設置された副知事をトップとする「新型インフルエンザ対策会議」について、これまでの対策本部と比較してどう違うのか、また、具体的な役割とその体制について伺います。 先月17日、山梨県の大学で82人が新型インフルエンザに集団感染があったと発表されました。幸い全員軽症のようでしたが、新型インフルエンザ沈静化の傾向のなかでの発表だけに、いまだ油断できない状況にあると認識したところであります。 先般、「岡山市で医師会主催による『強毒性想定訓練』が小学校の敷地を利用してドライブスルー方式で実施された」との新聞報道があり、患者として参加した地域の方々によると「車に乗ったまま、白い防護服を着た医師が窓越しに診察する訓練を実施し、現実的な訓練にとても分かりやすかった」と感想を述べられ、主催者側の訓練実施後の感想でも「診察を1台につき1分間と見込んでいたが、もっと時間がかかることが分かった」と訓練による収穫を率直に述べられていました。 この様に本県も強毒性になったことを想定したこうした訓練を喫緊に実施してはどうかと考えますが、訓練実施に関しての知事のご所見を最後に伺い、次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] 新型インフルエンザについての6点のご質問にお答えさせていただきます。 1点目のこれまでに講じた対策を、どう総括したかについてでございます。昨年5月以来、新型インフルエンザ行動計画に基づき、サーベイランス、予防・まん延防止、医療の確保、情報提 供・共有などに取り組んで参りました。このような取り組みを踏まえて、医療体制をウイルスの毒性に見合ったものにすること。感染拡大防止の対策をウイルスの毒性に即したものとすること。こうした2つの課題を総括いたしました。これらを踏まえて、昨年10月に行動計画を見直したところでございます。 2点目の情報提供についてですが、県内で初めての感染が確認された昨年5月20日には、新型インフルエンザの正しい情報に基づき冷静に対応されるよう県民の皆さんに呼びかけを行いました。休業要請を解除した5月26日には、通常の社会生活に戻っていただき、新型インフルエンザに対する警戒を怠らず、正確な情報に基づく冷静な行動をとられるよう重ねて私自身呼びかけさせていただきました。新型インフルエンザ対策本部を解散した今年3月17日には、新型インフルエンザの流行は落ち着きましたが、感染症を予防するためには、手洗い、うがいを励行し、県民の皆さま、お一人お一人、また家族などの健康管理にそれぞれの地域、家庭で努められるよう呼びかけさせていただきました。これらに加えて、広報紙プラスワン、広報番組、ホームページなどを通じて積極的に情報を提供して参ったところでございます。 次に3点目の福祉施設、介護施設、観光関係への対応についてでございます。 障害者福祉サービス事業所については、国の障害者自立支援対策臨時特例基金を活用した事業運営安定化事業、また、県単独の障害者自立支援事業所運営費補助金などの制度を活用いたしました。また、介護サービス事業所については、独立行政法人福祉医療機構において設けられた低金利の融資制度の活用を全事業所にお知らせいたしました。全国一律の恒久的な制度が必要であることから、昨年来、さまざまな機会をとらえて国に支援制度の創設を要望してきたところでございます。また、観光については、新型インフルエンザ対策事業として観光客を修学旅行客も含め呼び戻すため、官民一体となって教育旅行誘致キャンペーンや宿泊を伴うバスツアーへの費用助成など、「元気やで!おいで〜な滋賀」キャンペーンを緊急的に実施しました。その結果、例えば、平成21年度の修学旅行につきましては、過去3カ年平均の延べ人数や学校数とほぼ近い数字となっております。これらのことから、県内の旅館・ホテル業界におきましては、インフルエンザの影響についてはほぼ回復したものと認識しております。 4点目の新型インフルエンザワクチンの接種状況 と在庫状況についてでございます。接種状況は、この3月末で231,944人となっております。在庫状況は、同じくこの3月末で28,792人分でございます。ご質問にあるように、新型インフルエンザ対策には、引き続き十分な備えをしなければなりません。県民の皆さんには、ワクチンを接種されるよう、なお一層呼びかけを行って参りたいと考えております。 次に5点目の新型インフルエンザ対策会議と対策本部との違いでございます。新型インフルエンザ対策会議は、インフルエンザの発生に備え、普段から関係機関が情報共有を円滑にする役割を担い、副知事を議長としております。対策本部は、新型インフルエンザが発生し、もしくは発生の可能性が高まったときに、具体的な防疫対策を講ずる役割を担い、知事が本部長となっております。昨年4月28日には当時の発生状況を踏まえ、第1回の対策本部会議を開催いたしました。本年3月17日には、流行が落ち着いてきたため対策本部を解散し、現在は対策会議で副知事のもと、発生動向を注視しながら、必要な情報収集などに努めているところでございます。 この強毒性を想定した訓練についてでございますが、まさに昨年の今頃、新型インフルエンザの県内発生を受けて県内の医療機関では、受診の時刻や場所を指定し、あるいは車の中での待機をお願いするなど大変なご苦労の上、診察が行われておりまして、議員がテレビで見ていただいたような光景は、まさに昨年、この滋賀で担当の皆さんがご苦労いただいていたことでございます。今後の備えを怠らないためにも医師会、病院、看護協会、 薬剤師会など関係の皆さんと協力して、昨年の実践を活かして訓練は、実施をして行きたいと考えております。 |
| 次に、「低炭素社会の実現」について、知事に伺います。 5月18日「地球温暖化対策基本法案」が衆議院本会議において可決され、現在、参議院で審議されています。また、温室効果ガス排出量を2020年に25%削減、2050年に80%削減を実現するための対策、施策が中長期ロードマップとして小沢環境大臣から提示されております。その中では、温暖化対策は、負担のみに着目するのではなく、『新たな成長の柱』と考えることが重要であり、低炭素社会構築のための投資は市場、雇用の創出につながるほか、『地域の活性化』『エネルギーの安全保障の確保』といった便益が存在するとされています。 そこでまず、(仮称)滋賀県地球温暖化対策推進条例、滋賀県低炭素社会実現のための行程表について伺います。 2008年3月に『持続可能な滋賀社会ビジョン』が、2009年12月には、『第三次滋賀県環境総合計画』がそれぞれ策定されました。また、本年3月10日には『滋賀県環境審議会』から、「滋賀県における低炭素社会の実現に向けて」の答申がされました。低炭素社会の実現、2030年温室効果ガス排出量の90年比50%の削減を目指し、今後、県民との間で、どのような内容の条例策定をされていかれるつもりなのか、スケジュールも含めて伺います。 次に、『滋賀県低炭素社会実現のための行程表』に関してお伺いします。 現在、滋賀県では、行程表の素案を公表され、県民との意見交換会などを実施した上で、最終的な行程表を出されると仄聞しております。行程表では、目的達成に向けた必要な取り組みを体系図として表示され、その図で整理した情報をもとに、実施時間を時系列に並べた手順図を作成し、行程表の精度を高めていくとされています。しかし、施策は広範囲にわたり、行程表の遂行のためには、施策や予算を集積していかなければなりません。部局連携のもと、県庁が一丸となって意思形成を図る必要があると考えますが、行程表実現に向けた知事の決意を伺います。また、行程表素案に記載されている様々な施策を遂行しようとするためには、多くの費用が必要ですが、それらをどのように試算されるのでしょうか。お伺いします。併せて、その予算確保のために環境税など、新たな歳入の確保策を検討されているのか、伺います。 今年の4月から、東京都は、大きなオフィスビルや工場にCO2の排出削減を義務付ける制度を始めました。この制度は、排出の上限枠、キャップを決め、その過不足分を売買、トレードするため「キャップ・アンド・トレード」と呼ばれております。この制度の特徴は、達成できない場合は、罰則もある条例です。こうした東京都のような動向に対しての知事のご所見を伺います。 最後に、「環境と経済の両立を目指した戦略」に関して伺います。 現在、環境省では「環境経済成長ビジョン〜チャレンジ25を通じた経済成長〜」を発表しており、環境と経済の両立を目指し、環境政策を通じ、経済再生や地域の活性化につなげ、世界を視野にした経済発展の基盤となるとしています。今後、地域社会を活性化していくためには、低炭素型の技術をはじめとする新たな環境産業に投資することや、交通体系やライフスタイル等、まちづくりの新たな方向性を指し示すことが、必要不可欠であります。 滋賀県はこれまで『環境先進県』として長年取り組みを行ってきましたが、低炭素社会の実現に向け、「環境と経済の両立を目指した戦略」を今後どのように考えておられるのか伺い、次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] 低炭素社会の実現についての5点のご質問にお答えいたします。まず、1点目の、今後制定する条例の内容、スケジュールについてでございます。 環境審議会の答申においては、長期的な目標である低炭素社会の実現に向けた施策の実効性を高めるためには、制度的な枠組みとして新たな条例が必要であり、また、低炭素社会の実現と経済発展の両立などの視点が重要であるとされております。 その上で、「考えられる制度案」として、 @大規模工場等の立地に当たっての公共交通機関利用への配慮 A通勤等に公共交通機関の利用を促すための計画書制度 B事業者に対する温室効果ガス削減計画書制度 など6項目の提案を頂いたところでございます。 条例の内容については、このような答申の内容を基に検討を進めているところでありまして、温暖化対策を通して長期的な目標である低炭素社会の実現を図っていくという視点を重視した条例を目指しております。 条例制定のスケジュールとしては、今年度は、行程表の策定と並行して条例化作業を進め、年度内の新条例制定を目指しております。 なお、新条例検討の過程では、県民の皆さんや経済団体を始めとする様々な関係団体と意見交換するとともに、議会におかれても十分な議論をお願いしたいと考えております。 次に、行程表実現に向けた私自身の決意でございます。 行程表では、関連する施策が広範囲にわたることから、県庁においても一丸となって取り組む必要があると考えております。現在のところ、小項目190項目からなる行程表を想定しております。 県では地球温暖化対策を総合的かつ有機的に推進するため、私自身が本部長を務める部局横断組織の県地球温暖化対策推進本部を設置しておりまして、この4月からは新たに温暖化対策課を設置したところでございます。 行程表素案の検討においては、この本部の下に庁内35の所属からなる温暖化対策検討プロジェクトチームを設置し、部局横断での議論、意思形成を行ってきたところでございます。 行程表策定後の温暖化対策推進においても、引き続き同本部を中心に県庁一丸となった取り組みを展開していく決意でございます。 次に3点目の、行程表素案に記載されている施策を遂行するための費用の試算および新たな歳入の確保策についてお答えいたします。 行程表素案では、「持続可能な滋賀社会ビジョン」で想定した対策項目および対策項目毎の温室効果ガス排出削減量を基に、必要となる施策を体系的に整理しております。 さらに施策毎に設定した温室効果ガス排出削減量から、必要となる事業実施規模を推計しており、現在この規模をもとに必要となる費用の試算をしております。 現在試算中の必要な費用については、できるだけ早期に公表するとともに、今年度実施する県民意見交換会等での議論をふまえて、精度を高めて参りたいと考えております。 また施策を推進するための新たな歳入の確保策についてでございますが、温暖化対策は、国、地方などあらゆる主体を挙げて取り組むべき課題であります。その中で、地方が責任を持って施策を推進できるよう、国において税の創設など財源を確保していただくことが必要と考えております。 そのため、先日、5月31日、地球温暖化対策の推進のため、必要な税財政措置について政府へ政策提案を行ったところでありまして、今後も地方が必要とする税財源を確保する仕組みについて、国に提案してまいりたいと考えております。 次に4点目の、東京都の排出削減義務付け制度などについての見解でございます。 東京都の制度については、事業所の詳細な省エネ実態調査などを基に、総量で削減義務を課すことと併せて、排出量取引制度も創設したことなど、国に先駆けて導入されたことを高く評価しております。 なお、本年4月にスタートしたばかりの画期的な制度でありまして、現時点では他府県に制度が広がっておりませんが、現在、国において国内排出量取引制度が検討されており、その検討状況と併せて、東京都の制度の運用状況についても一層注視していきたいと考えております。 次に5点目の、環境と経済の両立を目指した戦略についてでございます。 石油に代表される化石燃料に依存した社会から脱却し、新たな社会を構築するうえで、新エネルギーや再生可能エネルギー、自然エネルギー分野の技術革新、製品開発が不可欠であるとともに、環境関連産業が新たな成長分野と目され、経済成長のエンジン役となることを期待されております。 日本として鉱物性燃料、石油などでございますが、鉱物性燃料を10%節約して、太陽光など自然エネルギーに代替すれば、実質GDI、国内総所得成長率を1.2%高めることが出来るといった経済レポートもあり、大きな経済効果が見込めるものと考えております。 この経済レポートは、遠く国外から石油、石炭などを輸入する経済に依存するのではなく、まさに、目の前の太陽光、自然エネルギーに依存することの安定性、また、経済性について数値化した、極めて貴重なレポートであると私自身評価をしております。 本県としては、今後の経済成長を実現する上で環境を軸と考えておりまして、このことが県民生活の向上や新たなビジネスチャンスの拡大など、県全体の発展につなげていく好機につながっていくものと考えております。 これまで、本県では12年にわたる「びわ湖環境ビジネスメッセ」の成果により環境関連産業の情報が集積していることに加え、太陽光発電のパネルや、電気自動車用のリチウムイオン電池などを製造する新エネルギー関連企業の立地が進んでいるなど、潜在的な素地がますます高まっております。 また、こうした企業の中から、例えば社団法人滋賀経済産業協会の会員企業では「電気自動車検討部会」が立ち上げられ、滋賀県産の技術や部品を集大成した電気自動車の試作に取り組んでおられるなど、経済界の主導によるプロジェクトも進められているところでございます。 本県は、このような強みを生かして、環境関連企業のさらなる集積はもとより、県内企業のすぐれた製品・技術を県内外へ発信し、販路開拓や市場化の支援を行うなど、環境と経済の両立の実現に向けた取り組みを行ってまいる所存でございまして、私自身、先頭に立って走っていきたいと考えております。 |
| 次に、「RDエンジニアリング最終処分場問題」について、知事に伺います。 「環境省からの助言などを踏まえたRD事案に関する今後の県の対応について」周辺7自治会としての総意の集約、窓口一元化に関して、県は2月議会で、3月末までの期限を設定されました。 私自身、知事提案されたこの期限の直前、地元自治会長や関係者を訪ね、県議会の状況報告を率直に述べさせていただきました。 さらに、3月29日、周辺7自治会の代表者会議で、各自治会長から現状報告を受けましたが、当日7自治会全ての同意にまで至ることは出来ませんでした。そこで、知事が2月議会答弁で述べられた、約束の3月末までの期限の意味、周辺自治会の窓口の一元化を未だ得られていない状況と、今後の見通し、さらには、期限から2ヶ月が経過したことに対しての現在の心境について、まず伺います。 次に、本年度に入り、4月17日に、県は、焼却施設撤去工事現場説明会を実施され、ついに緊急対策工事に着手されました。 焼却施設撤去工事を含めた緊急対策工事の現在の進捗状況は、スケジュール通りで遅れはないのでしょうか、ダイオキシンの飛散を含め、現在まで、周辺の生活環境上の支障はないのでしょうか、伺います。 次に、現在、県は、地元住民と有害物調査等の予算執行について話し合いを重ねておられますが、先月17日の周辺自治会住民説明会で、県は「まとまった量の有害物でなくても地下水汚染などに影響が大きければ除去対象とすること」「調査結果によっては、有害物を現地で浄化するとした県案にこだわらないこと」など、住民側の要望に軸足をおいた発言を初めてされ、一定住民側に歩み寄りをされました。 ここでいうところの有害物撤去の規模及び除去対象について、県は、環境基準以上の有害物だとされましたが、住民は、地下水に溶けない有害物を含めての除去を求め、過去に粘土に包まれ、場内に埋め戻された鉛などの有害物除去も切望されています。「溶出基準を超えない粘土で包まれた有害物は地下水外に流出しない」とする県の見解と住民の要望には隔たりがあると仄聞していますが、本当に流出しないのか、その根拠とこれらを除去対象としない明確な理由、また、県は「できる限り有害物を除去する」とされていますが、どの様に有害物を探し、除去するお考えなのか、伺います。 次に、県は「元従業員の証言で有害物が埋められている疑いのある区域も詳細に調査する」と住民に約束されました。当時の資料、従業員の証言にもとづき、詳細に調査されることに間違いないのでしょうか、改めて伺います。 知事は、去る18日の定例会見で「まずは有害物を調査させてほしい。どういう対策工事が妥当かは次の段階としたい」と調査と対策工事を切り分けて住民の合意を求める旨の発言をされました。本年度、予算計上されています処分場の調査をいち早く進めることは、非常に重要であり、まず処分場の内部実情を詳細調査することで区域内部を透明化することは、住民の皆さんが望んでいることだと考えますが、調査実施並びに対策工に対する知事の基本的な考え方と調査開始時期のリミットについて伺います。 次に、『有害物調査検討委員会』について伺います。 知事は、2月議会で「委員選定にあたっては周辺自治会や環境省などの意見を幅広く伺う」と答弁されましたが、住民側は、委員会のあり方、検討委員会を公開ですること、住民推薦委員を選任することを望んでおられます。 委員会のあり方、公開、委員選考にあたっての知事の考え方について、伺います。 県は、住民の理解を得た後、国の支援を受けて事業にいち早く着手したいと平成23年度に向けての我が党への政策提案に明記されており、田島環境副大臣からも「住民の理解をしてもらうために環境省としても地元の方々への説明にいつでも伺う」とのお話をいただいています。 去る、5月28日の周辺自治会連絡会と県との話し合いを傍聴し、基本方針、調査、対策方法について、県は、住民側へ一定、軸足を置かれたように理解していますが、今後、住民の意見や要望を調査内容や対策工検討にどのように反映させていくのか、伺います。 本年度、予算化された支障除去対策工、処分場施設管理、周辺環境影響調査の各事業が一刻も早く住民理解のもと進捗でき、実施計画書策定が行われるよう会派として、地元議員として、より一層尽力することを誓い、次の質問へ移ります。 |
|
| [知事答弁] 次に、RDエンジニアリング最終処分場問題についての7つの質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目の3月末としていた期限から2ヶ月経過したことについての現在の心境でございます。3月末を期限としたのは、財政状況が大変厳しい中で多額の予算を議会に認めていただいたものでありますことから、3月末までに地元に同意いただき、1日も早く調査に着手したいと考えたからであります。 また、窓口の一元化については、地元の総意としての同意をいただくには、それがベストであると考えてまいりましたが、現在はそのような状況にはございませんが、引き続き7自治会を対象として話し合いを続け、同意を求め、ベストでは無くてもベターな方策を求めていきたいと考えております。 次に、同意期限を2ヶ月超過したことは残念でございますが、地元住民の皆さんも、有害物調査の必要性や、一刻も早い対策工の着手についてはご理解いただいております。去る5月28日にはこれまでの話し合いを総括し、合意できる多くの事項を確認しあったところであります。現在、地元において最終的な詰めの協議を進めていただいているところですが、まずは調査に1日も早く着手できるよう全力を尽くして参りたいと考えております。 次に2点目の緊急対策工事の進捗状況でございます。 緊急対策工事は概ね計画どおり進んでおります。このうち、地元住民の皆さんの関心が最も高い焼却施設解体撤去工事については、現在、焼却炉の洗浄が終了し、今月中には解体撤去が完了する予定です。現在まで、緊急対策工事に対する苦情は全くなく、焼却炉解体撤去工事中の周辺環境モニタリングにおいても、ダイオキシン類の飛散、騒音、振動についても問題ないことを確認しております。 次に、3点目の鉛汚染土についてでございます。 平成16年度の調査で確認された、鉛含有量が 土壌汚染対策法の基準値、1kgあたり150mg、を超えて検出された廃棄物土約5,000m3については、溶出試験による分析を行った結果、土壌環境基準を下回っており、鉛が流出することはないと判断いたしましたが、地元住民の皆さんの不安を解消するために粘土で包んだものであります。今回実施しようとする対策工は、生活環境保全 の支障またはそのおそれの除去という観点から行うものでありまして、溶出することがなければ除去する必要はないものと考えております。それでも地元住民の皆さんの中には心配される声もあり、念のため、今後設置しようとする有害物調査検討委員会にもこの対応についてお聞きしていきたいと思っております。有害物調査は、これまで未調査となっている部分を30mメッシュでボーリングすることを基本と して行いますが、調査位置の選定にあたっては、元従業員からの情報や地元住民の皆さんの意見を反映するなど、有害物の発見に努めてまいりたいと考えております。 次に、4点目の元従業員の証言等に基づく調査について でございますが、有害物調査位置の選定にあたっては、元従業員からの情報や地元住民の皆さんの意見を反映するなど、有害物を発見するために柔軟に対応していきたいと考えております。 5点目の調査実施並びに対策工に対する基本的な考え方と調査開始時期のリミットでございます。今回実施する有害物調査は、有害物をできる限り除去することを盛り込んだ対策工法を最終決定するための最後の調査であります。地下水への影響を考慮すると、地元の同意をいただいて、一日も早く詳細な調査に入りたいと考えております。なお、対策工については、調査結果が判明しないと検討できないものでありまして、まずは調査に着手させて頂きたいと考えております。 6点目の有害物調査検討委員会についてですが、委員会は、あくまでも県が最終判断するために専門的な助言をいただく場と考えております。従って、基本的に、各委員からそれぞれの専門分野についての助言をいただくことを想定しておりまして、分野ごとに最も適切な人をお願いしたいと考えております。委員の選任や委員の人数等については、地元住民の皆さん方の提案も参考にしながら、環境省の助言もいただいて決定して参りたいと考えております。なお、当然のことながら、委員会はすべて公開で行う考えでございます。 最後に、7点目の住民意見の反映についてでございますが、今後も地元住民の皆さんと話し合っていくのはもちろんのこと、有害物調査については、有害物調査検討委員会で地元住民の皆さんの意見をお聞きする機会を設ける考えであります。基本とする対策工を決定するにあたっては、有害物調査検討委員会や環境省の助言を踏まえ、地元住民の皆さんとも十分に話し合い、栗東市のご意見を伺った上で、最終的に県が決定して参りたいと考えております。 |
| 次に、観光振興について、知事に伺います。 地域主権が声高に叫ばれ、地方への財源、権限委譲が求められる昨今、観光振興は、地域振興の中でも経済波及効果が大きいことや地域文化の創出・発掘が求められること、さらには、地域住民の余暇生活の向上の目的からも、全国の多くの自治体で地域経済活性化の切り札、核として大きな期待が集まっています。 「今後の時代の要請に応えられる新しい観光振興をどう発想し、いかに戦略化していくか」このことが、本県の観光振興を成功に結びづけられるかどうかの一つの重要な要素であることは言うまでもありません。 そこで、今回は、2月議会代表質問での本県観光振興についての基本的な考え、目指すべき観光振興のあり方を一歩深め、実践への指針、理論的裏づけについて伺います。 まず、「観光交流局」の設置について伺います。 言うまでもなく、観光振興の主体は、「地域住民」「地方自治体」「観光関連団体」「観光企業」そして、これら幾つかの「複合的な連合体」です。これら主体が、その土地の地域資源をいかに活用し、集客力のある個性豊かな地域づくりをするかで、そこに住む人々が、生きがいや誇りをもち、自主、自立の精神を促し、観光を媒体に生活の質を充実することが出来るのです。 知事は、本県の観光振興の主体を担う「観光交流局」を、本年度より県庁内に組織化されました。「観光交流局」設置の狙いについて、伺います。 次に、観光振興の方法について伺います。 観光振興には、「観光地の開発」「観光イベントの開催」「特産品・土産物の開発」など、観光客を県外、国外から誘致するための様々な方法が考えられます。そこで、知事の考える、滋賀県の観光地戦略、観光イベント戦略、特産品戦略について具体的に伺います。 次に「観光振興の手段と条件」について伺います。 観光振興には、観光客誘致のためのマーケティング活動が何より重要だと考えます。 ニーズにもとづいた「観光リサーチ」「観光商品企画・価格決定」「交通手段を含めた人的・物的流通経路設定」「広告営業並びに販売促進活動」などをいかに具体的、有機的かつ効果的に遂行するかによって、その地域の観光振興の優劣が決まると言っても過言ではありません。 そこで、本県は、現在どの様な観光マーケティングに取り組んでおられるのでしょうか、将来的な独自手段を含めて伺います。 観光振興で成功している先進地の事例をみると「リーダーの存在」「地域住民の理解と協力」「地域資源の発見と活用」「アイデアの収集力」「エンターテイメント・アミューズメント性といった娯楽要素の重視」「おもてなしの心(ホスピタリティ)の提供」「専門化の活用」といった統一した条件が兼ね備えられています。「本県を観光先進県」として成功させるための条件について知事はどう捉え、どのように導こうとされているのか、伺います。 この項の最後に、観光振興条例の制定について伺います。全国に先駆けて、北海道で観光振興条例が施行されたのは、昭和55年3月1日でした。以来30年あまり。今日まで「観光振興条例」が制定されている都道府県は全国で18道県に及びますが、近畿は、本年4月1日施行の和歌山県1県のみです。反面、近年の施行状況をみてみると、平成20年制定5県。平成21年制定5県。本年制定2県と『ニューツーリズム』『観光新時代』と言われるだけ急増し、2年半で条例施行された件数は12件と全体の3分の2の比率を占めています。 湖国滋賀が「観光先進県」として条例制定により、県民に意識づけられることで、魅力ある観光地の創出と発想に県民の皆さん自らが積極的に関わってもらうことも可能となり、「自然環境生態系の破壊」「生活環境・景観の悪化」「観光資源の損傷」といった観光振興によるマイナス効果を少しでも軽減されることからも条例の制定は大変意義があると考えます。県外、国外に『観光の滋賀』を受発信できる一大契機となるべく、本県の組織再編で観光交流局ができ、NHK大河ドラマ『お江』ブームが起こる前の今こそが条例制定の絶好のタイミングだと考えますが、制定に向けての県としての意気込みについて伺い、次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] 次に、観光振興についての質問にお答えいたします。 まず、観光交流局を設置したねらいについてでございますが、観光振興施策と国際施策を一体的、有機的に実施することにより、本県への更なる誘客促進をはかることなどを通じて活力ある、魅力ある、誇りの持てる地域社会を実現していくことにございます。 特に国外からの誘客については、長年にわたる友好州省との交流等、国際施策の推進を通じて培ったノウハウの活用により、観光交流局としての強みを最も活かすことができる分野となりますので、これまでにない強力な取り組みを推進してまいりたいと考えております。 なかでも、経済成長の著しい中国については、誘客の増加が大いに期待できるものでございます。ビザ発給の要件も緩和される見通しでございまして、中国からの誘客については、これまでの国際交流によって培われたつながりを活かして、更なる誘客推進を図ってまいりたいと考えております。 次に2点目の観光戦略についての私の思いでございます。 各種の調査、観光関連調査を見させていただきますと、滋賀の観光地としての認知度は残念ながら総じてあまり高くありません。はっきり申し上げて低いと言わざるを得ません。 また、人びとの価値観やライフスタイルの多様性により、従来のマスツーリズム型観光から、自らの知的好奇心などに応じた個人単位の本物志向の旅や、自然とふれあう旅というように社会のニーズが変化してきております。 このようなときこそ、まず滋賀の強みが発揮できるのではないのかと考えております。観光地戦略については、滋賀の持っている「豊かな自然」、琵琶湖はもちろんですが、周辺の河川、水田、そして里山、森林、また「奥深い歴史文化」、あるいは「知る人ぞ知る」ではもったいない、滋賀の魅力を国内外に発信し、滋賀のことを知ってもらい、実際に来て楽しんでいただくことが重要であります。 「白洲正子の愛した近江」、あるいは水に関する文化資産を選定した「近江水の宝」、地域で守り受け継いできた文化財の魅力、仏教文化の発信など「2010近江の文化財再発見事業」などを行うこととしております。 また、観光イベントについては、歴史・文化に根ざした地域の祭りへの支援や、「びわ湖大花火大会」や「イナズマロックフェス」など、本県を代表する琵琶湖をモチーフとしたイベントにも取り組んでおります。 さらに、滋賀の特産品については、観光誘客のためにも、大都市圏を対象とした滋賀の特産品の魅力情報の発信が必要であります。 このため、例えば東京の百貨店での「大近江展」など観光物産展を継続的に開催し、特産品の魅力を全国に発信して、誘客促進につなげていくこととしております。 次に3点目の本県の観光に関わるマーケティングの方法また独自手段でございます。 観光は多様な業種にわたる大変幅の広い総合産業であります。旅行業、宿泊業、輸送業、飲食業、土産物販売業、また、素材を提供する農林水産業などの産業が関連し、様々なサービスを提供しております。 一方で、来訪者が観光に求めているニーズについては、先ほども申し上げましたように、多様化・個別化しており、癒し、健康志向などの多様なニーズが広がりつつあります。 このことから、観光マーケティングは、観光戦略を立てる上で、また、観光振興策を実施する上での基本となるものであり、観光素材を発掘し、観光事業者と観光客のニーズを的確にとらえ、本県の強みを活かしていくことが重要であると認識しております。 このため、現在実施しております観光動態調査にあたっては、体感型観光など、新たな調査対象や項目を増やすなどの充実をはかっております。その他にも来県者や物産展来訪者、コンベンションの参加者等への聞き取りやアンケート調査、旅行会社への意見聴取など、マーケティングを進めていくこととしております。 今後とも、観光振興にあたっては、マーケティングに意を用いて、戦略づくりを行ってまいりたいと考えております。 次に4点目の、本県を観光先進県として成功させるための条件づくりでございます。 まず、滋賀ならではの多彩な魅力を国内外に発信していくことが重要でありまして、私自身も先頭に立って取り組んでおります。 昨年度は、修学旅行での来訪を推進するための学校訪問や、中国・北京に出向いての誘客推進などを行ってまいりました。 さらに重要なこととしては、行政、観光事業者、県民の皆さんが一体となって、滋賀に誇りや愛着を持ち、来訪者の皆さんと接する、その場面での「おもてなしの心」が大変重要であると考えております。 今後とも、より多くの方に「滋賀」を訪れていただき、深い感動や高い満足度を感じていただけるよう、県民の皆さん、事業者の皆さんと協力をして、滋賀の有する様々な特性を活かして取り組みをすすめてまいりたいと考えております。 5点目の観光振興条例についてでございます。 条例については議員ご指摘のように19道府県で制定されておりますが、そのうち約半分が議員提案で制定されたと承知しております。 一方、県では、平成21年3月に、新・滋賀県観光振興指針「近江の誇りづくり観光ビジョン」を策定し、この指針に基づきまして、県民の皆様や市町、びわこビジターズビューロー、観光事業者など関係の皆様とともに、この地に備わる素晴らしい素材を見つめ直し、本県の魅力を積極的に県外、国外に発信することで、滋賀の観光を盛り上げているところでございます。 今後とも、滋賀を訪れた人々が深い感動と高い満足を得て、繰り返し訪れてもらうという好循環が生まれるよう、先ずは、指針に基づき様々な具体的な取り組みを進め、魅力ある観光滋賀を創ってまいりたいと考えております。 |
| 次に、子育て政策について、知事に伺います。 いよいよ今月から「子ども手当制度」がスタートします。この「子ども手当制度」の実施は我が国の子育て政策の歴史的大転換といえます。0歳から15歳まで、全ての子どもに等しく『子ども手当』を支給すること。高校生への高校授業料を実質無償化すること。更には、奨学金制度を拡充すること等、「政治が一貫して、子どもたちの育ちをしっかり支え、子どもたちを社会が守り育んでいく」といった「チルドレンファースト」を我が党が基本的な理念とし政策の柱としてきた制度がついに始まったのです。我が会派も、3年前から『子育て環境日本一宣言』を掲げた「びわこマニフェスト」の中で、社会全体で子育てに関する費用を負担していく観点から「子育て保険の創設」などを提唱。子育ての社会化を推進するべきだと訴えてきました。まさに、今、そのことが現実のものとなったのです。 さらに、地元の林久美子参議院議員も参議院予算委員会総括質問で、「待機児童の解消に向けて「幼保一体化」の必要性とその実現に向けた法整備」を訴えられています。 知事も次期知事選における新マニフェストの骨格の中で、「人生版」として、「生まれる時から見送られる時まで、あなたの人生に希望と安心を!」を掲げられておられ、まさに、人生の希望と安心は、子育て支援からスタートするといっても過言ではないのです。 そこでまず、「知事の子育て政策の基本的な考え方」について、伺います。 次に、成長戦略の一環として、仙石国家戦略大臣は「幼保一体化」を実現し「子育て、男女の働き方などの戦略的な目標の設定を行い、これら目標達成の為に平成23年度までに「家庭局、子ども家庭省」などの法整備を含めた省庁の体系化の検討をしていく」とされています。 そこで、先んじて子ども政策の一元化を目指して、「子ども青少年局」を立ち上げられた知事の国策への期待感と、「国と地方の役割分担」を含めたご所見をお伺いします。 日頃から我が会派は、知事に県政全般についての政策提言させていただいており、この提案に対しての真摯な対応には高く評価しているところですが、先般の政策提言でも知事に述べました「子育て政策」の中の「放課後児童クラブの拡充」「保育所の待機児童ゼロ」「ひとり親家庭の自立に向けたきめ細やかな取り組み」等の『子育て環境の充実・強化』に対しての知事の思いと決意についてお伺いし、次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] 最後に、子育て政策についての3点のご質問にお答えいたします。 まず、1点目の、子育て政策の基本的な考え方についてであります。 社会環境の変化に伴って、子育ての孤立感や負担感が増している中で、子どもを生み、育てたいと思っている人たちの不安を取り除き、子育ち・子育てに対する県民の皆さんの希望をかなえること。 また、子どもたち自身が、未来に夢を持って自立への道を着実に歩むことができるよう、子どもが生まれる前から自立するまでを社会全体で切れ目なく支えること。 更に、子育て家庭に最も身近な地域の人たちが、子育てに対して関心を持ち、地域の「きずな」で「子育ち・子育て」を支え、親が子育ての責任をしっかりと果たせる環境を整えること。これら、三つの方針を大切にしたいと考えております。この考え方を基本にしまして、県民一人ひとりにも、子育てをめぐる課題認識を共有していただきながら、この3月に策定した淡海子ども・若者プランに基づきまして、子ども・若者育成支援施策を計画的・総合的に推進し、子どもが安全に安心して健やかに育つ「子によし」、親が子どもを生むことに幸せを感じ、責任を持って育てていける「親によし」、そして、その結果として、全ての世代がいきいきと輝き、地域に更なる活力が生まれてくる「世間によし」という、「子育て三方よし」社会を実現していきたいと考えております。 2点目の、子ども政策の一元化を目指した国策への期待であります。 本県においては、子ども・青少年施策を部局横断で総合的に推進する必要性を感じ、それを推進するため、具体的に平成 19年4月に子ども・青少年局を設置いたしました。 国においては、現在、「子ども・子育て新システム検討会議」において、幼保一元化を含む新たな次世代育成支援のための包括的・一元的なシステムの構築について検討されていると承知しております。 これは、子育てに関わるサービス提供のあり方、子ども子育て支援に関する権限と財源、社会全体の費用負担、新システム実施体制など、これまでの子ども政策を根本的に見直すものでございます。 これまでの行政の縦割りを解消し、利用者本位のサービスを包括的・一元的に提供する制度や体制が実現されるよう、強く期待しておりまして、今後も国の動向を注視させていただきたいと考えております。 また、利用者本位という点では、子育て政策における国と地方の役割分担の見直しも必要でございます。地方自治体が地域の実情に応じて、主体的に子育て支援施策を推進できるよう、地方への恒久的な財源移譲と権限移譲をセットで進めるなど、国においても、地域主権の実現を積極的に推進していただきたいと考えております。 次に3点目の「子育て環境の充実・強化」についてでございます。 保育所待機児童の解消、放課後児童クラブの充実は、ひとり親家庭も含めた保護者の就労支援ともなり、安定した家庭と望ましい子育て環境を実現するためには欠かすことのできないものでありまして、議員ご指摘のとおりでございます。 このため、淡海子ども・若者プランでは、平成26年度までの5年間で、保育利用児童数を約1,800人増やすこと、小学1年生から3年生の放課後児童クラブ利用児童数を約1,300人増やすことを数値目標として掲げております。 こうした子育て環境の充実については、数値目標をできるだけ早期に達成できるよう市町とともに取り組みを進めてまいります。 保育所待機児童の問題や、子どもを保育所に預けて仕事を続けていた保護者が、小学校進学と同時に子育てか仕事かの二者択一を迫られる、いわゆる「小1の壁」の解消も図って参りたいと考えております。 また、ひとり親家庭に対しては、就業支援、生活支援、子育て支援、経済的支援、さらに各種施策や養育費などについての相談や広報の実施など、ひとり親家庭の自立に向けた取り組みの充実を図っていきたいと考えております。 |
| 最後に、県立高校の再編計画について、教育長に伺います。 県教育委員会は、先の常任委員会で、今年度中に県立高校の再編計画を策定することを表明されました。以後、小規模校や職業校を多く抱える地域の住民や保護者などに不安や戸惑いが広がりつつあります。特に、東北部で顕著であると仄聞しております。 県立高校の再編は「県立学校のあり方検討委員会」や「滋賀県産業教育審議会」で検討を重ねられてきました。「あり方検討委員会」は、昨年3月に報告書を提出。「産業教育審議会」も本年3月に中間審議まとめをされ、9月には最終答申をされる予定です。 県教育委員会は、9月の産業教育審議会の答申を受け、「県立高校再編基本計画」を策定し、その後、「再編実施計画」を策定するとされていますが、今年度中に再編実施計画にたどり着くのは、スケジュール的に無理があるのではないでしょうか、ご所見を伺います。 また、この再編計画は、概ね(おおむね)何年後を目途とした計画なのか、実施時期はいつ頃を想定されているのか併せて伺います。 次に、「学校の統廃合」について伺います。 まず問題になるのが学校規模ですが、「検討委員会」では様々な視点から検討を加え、1学年『6学級から8学級』が適正と報告されています。しかし、その根拠は必ずしも明確ではありません。本県では『4学級から7学級』ボがリュームゾーンとなっておりこれは、平成14年に報告された「県立高校将来構想懇話会」の適正規模には合致していますが、果たして「検討委員会」の結論を厳格に適用しようとされているのか、見解を伺います。 湖北地域の生徒数の減少には、全県一区制も影響していると思われます。全県一区制が採用されてすでに5年が経過しますが、どのように総括されているのか、伺います。 次に、大学進学率の向上と共に普通科志望が高まる中、普通科と職業学科、総合学科の割合を表す普職比率に不均衡が生じていることが指摘されておりますが、このことは、統廃合にどのような影響を与えるのか伺います。 また、職業系専門学科では、教育内容と進路先のミスマッチの指摘もされています。この件では、学科の再編を意図されているのか、学校の統廃合まで描いておられるのか、ご所見を伺います。 最後に、「統廃合についての考え方、プロセス」について伺います。 「検討委員会」は、「小規模な改革・改善だけでは不十分であり、学校の廃止も含めた大幅な統合・再編」も求められておりますが、県教育委員会としては、この考え方に添ったドラスティックな再編を考えておられるのでしょうか、伺います。 財政の視点に偏り過ぎず、「生徒の将来にとって何が最適なのか」の視点が最も重要であり、市町教育委員会や保護者並びに地域の意見を十分聴き取ることが何より必要不可欠であると考えますが、このことに関してのご所見を最後にお伺いし、 以上で民主党・県民ネットワークを代表しての質問を終わります。 |
|
| [教育長答弁] 県立高等学校の再編計画についての御質問にお答えいたします。 まず、今年度中に県立高等学校再編計画を策定するのはスケジュール的に無理があるのではないかとの御質問ですが、平成21年3月にいただいた「県立学校のあり方検討委員会」の「報告」において、早急に再編計画を策定し、実施することが必要であると御指摘いただいていること、さらに、本年9月に滋賀県産業教育審議会の答申をいただいたく予定であることから、生徒が豊かな教育環境を早期に享受できるよう、今年度中に計画を策定してまいりたいと考えております。 次に、再編計画の計画期間についてですが、再編計画については、概ね10年を見通した基本的な考え方をまとめた「基本計画」と、まずは当面の具体的な再編を示す「実施計画」をあわせて策定することを検討しております。 実施時期については、再編の形や規模により必要な準備期間も異なることから、実施計画の中で具体的に示してまいりたいと考えております。 次に、適正な学校規模の考え方についてですが、県立学校のあり方検討委員会の報告では、1学年あたり概ね6学級〜8学級程度が妥当であるとの考え方が示されております。 同時に、報告では、地域ごとの生徒の増減や地理的条件などの地域性、教育内容等に応じた規模の妥当性、生徒の志望状況、学校の実情なども考慮する必要があるとされております。 こうしたあり方検討委員会で示された考え方を尊重しながら、検討してまいりたいと考えております。 次に、全県一区制度の総括についてですが、制度導入後の5年間では、各高校の特色ある学校づくりの努力もあり、旧通学区域を超えて普通科に進学した生徒は5%〜6%程度で、従来同様に多くは地元の高校に進学しており、極端な集中や偏りもなく安定的に推移しております。 そうした中においても、生徒が主体的に学校を選択していくことにより、目的意識や責任感、学習意欲が育まれているものと認識しております。 今後も各高校においては一層の特色化に努め、引き続き、魅力ある学校づくりに努めてまいりたいと考えております。 次に、普職比率が再編に与える影響についてでありますが、県立学校のあり方検討委員会でも指摘があったとおり、全県的に見てみますと、普通科と職業学科、総合学科との割合については、生徒の志望状況と乖離する傾向にあり、地域ごとにもその割合に多少の違いが生じてきております。 こうしたことから、今回の再編にあたっても、生徒の学習ニーズや進路選択なども注視しながら、学科の構成について検討してまいりたいと考えております。 次に、職業学科の再編についての御質問ですが、職業学科は、従来から、生徒や社会のニーズに応え、職業人として必要な専門的な知識・技能を習得し、様々な産業の担い手として活躍する人材を育成することにより、産業経済の発展に寄与してきております。また、近年、職業学科においても上級学校への進学者が一定存在している現状もございます。 こうした状況から、生徒の学習ニーズに対応した課程や学科のあり方、望ましい規模や配置などについて、本年9月の滋賀県産業教育審議会の答申も踏まえ、検討してまいりたいと考えております。 次に、再編の考え方についての御質問ですが、学校活力の維持向上と教育内容の質的充実を図るため、多様な生徒や社会のニーズに応じた魅力ある教育内容の提供を主眼とし、「県立学校のあり方検討委員会」の「報告」ならびに「滋賀県産業教育審議会」の「答申」を踏まえ、統合や学科改編も視野に入れ、検討を進めてまいりたいと考えております。 最後に、「生徒の将来にとって何が最適なのか」が最も重要な視点であり、地域等の意見を十分聴き取ることが必要なのではとの御質問ですが、議員御指摘の観点が重要だと考えております。 こうしたことから、市町教育委員会や保護者、地域の方などからの御意見もお聞きしながら、生徒たち自ら未来を切り拓いていくことのできるたくましさを身につけられるよう、学校活力の維持向上と教育内容の質的充実を図り、魅力と活力のある学校づくりに努めてまいりたいと考えております。 |
2月19日(金)に山田実議員(東近江市選出)が民主党・県民ネットワークを代表して質問を行ないました。その内容を以下報告します。 |
| 民主党・県民ネットワークを代表して、知事および教育長に質問いたします。
まず、平成22年度予算と知事の基本姿勢についてお尋ねします。 はじめに、知事は、所信表明で、次期知事選挙への出馬の意志を表明されました。 知事は、1期目では「もったいない」を標榜され、それまでの大型公共事業に頼ってきた自民党型政治を乗り越えた県政を進めてこられました。「新幹線新駅の中止」や「ダム建設の凍結」はその象徴的事業でありました。 また、「造林公社問題」や「RDエンジニアリング最終処分場問題」など、これまで先送りされてきた諸問題の解決に向けて、真正面から取り組んでこられました。 これまで民主党・県民ネットワークは、その姿勢を支持するとともに、個々の施策の推進については是々非々の立場で嘉田県政と向き合ってきたところです。 しかし、我が会派は、知事が標榜されてきた「対話と共感」の県政については、十分であったとは言えないという評価や、これまでの嘉田県政では、財政難への対応やそれまでの県政を転換するために、事務事業を見直しや中止することに重きが置かれ、この滋賀県をどうしようとされているのかのビジョンが不明瞭であるとの声があります。 知事に就任されて以降3年半の嘉田県政について、ご自分ではどのように総括し、自己評価しておられるか、お伺いいたします。 また、鳩山内閣では、成長戦略として、公共事業に頼る「第1の道」でもなく、行き過ぎた市場原理主義の「第2の道」でもなく、需要拡大を柱とする「第3の道」を提唱しています。 知事が、引き続き、県政を担おうとする限りは、厳しい財政事情や世界的な経済社会の変化を踏まえながら、どのような滋賀県を目指していくのかを県民に分かりやすく説明し、県民が一丸となって取り組める嘉田ビジョンを指し示す必要があると思いますが、知事のご所見をお伺いします。 さて、21世紀に入り、10年目を迎えました。私は「鉄腕アトム」の世代ですが、私が子どものころに描かれていた21世紀は希望にあふれる時代でした。 しかし、すでに10年も経っているにもかかわらず、現実の21世紀は、まだ20世紀の尻尾を引きずりながら、新しい世紀への脱皮を成し遂げられずに苦しんでいるのが実情です。 とりわけ、1990年代初めのバブルの崩壊以降、「失われた10年」とも「失われた20年」ともといわれる時代に入りました。この20年は「日本の資産価値が失われた20年」という以上に、私たちが将来に向けて「夢を見る力が失われた20年」だったのではないかと思います。 私たちは経済的な豊かさを追い求めるあまり、家族や地域の絆、自然環境、地域の個性などといった、経済の拡大だけでは獲得できないものを数多く切り捨ててきたように思います。21世紀を、豊かさを実感できる世紀にするためには、「経済の拡大だけでは獲得できない豊かさの姿」を示し、それを実現する滋賀のありようを提案することが、政治家の使命ではないかと考えます。そして、地域のリーダーとしての知事には、その滋賀の方向を指し示し、実現に向けての青写真を示すことが求められます。「夢見る力」を取り戻すためにも、予算の編成は、その青写真のひとつであり、これからの滋賀の行方を示す海図とも言えるものであります。 こうしたことを踏まえ、まず、平成22年度当初予算について、知事に伺います。 今回の滋賀県の予算は「県民の生命と暮らしを守り、次世代を育成する予算」とされ、5つのテーマに基づいて編成したという提案説明がありました。厳しい財政状況を踏まえ「県民の不安を安心に変える」として編成されたこの平成22年度当初予算は、苦労の後が感じられますが、来年度以降の県予算を考えたとき、本当に「不安を安心に変えられるのか」が心配になります。将来を見据えながら、平成22年度予算をどのように編成されたのか、その基本的なお考えをお伺いいたします。 次に、歳入について、お伺いいたします。 景気の低迷の影響で、県税収入が前年度当初に比べ275億円減の1,202億円と見込んでおられます。とりわけ、法人二税の落ち込みは激しく、平成20年度には約725億円であったものが、21年度には約396億円、そして22年度は約222億円とされております。これは、今から30年前の昭和54年の水準であります。 こうした極めて景気の先行きが不透明な中で、どのような見通しのもとに県税収入を見積もられたのか、お伺いいたします。 法人二税の大幅な減収が見込まれるものの、地方交付税が前年度に比べ165億円増額されたこともあって、当初懸念されていた230億円の財源不足額は187億円になりました。そして、その不足分を、財政調整基金等の取り崩し、県債の発行、県有地の売却等で対応されています。しかし、この結果、貯金に当たる基金はわずか24億円しか残らないという極めて綱渡りのような財政運営を強いられています。 こうした中で、将来の財政再生団体転落への回避をどのように考えて、平成22年度予算編成に臨まれたのか、お伺いいたします。 次に、財源不足への対応が続いている中で、来年度予算案を見る限り、県債残高を抑制し、財政再建にこだわりを見せた知事のご努力は評価したいと思います。しかし、臨時財政対策債を除く、実質的な県債残高は279億円減少し、7,288億円となったものの、国が大きな国債残高を持った状態の中では、臨時財政対策債が地方交付税に代わる財源であり、地方が国の肩代わりをしているという説明だけでは、9,998億円という県債残高は、結局、滋賀の将来にとって大きな足かせになるのではないかと、県民に財政的な面で不安を与えています。まして、平成22年度のプライマリーバランスは、今年度に引き続いてマイナスとなっており、その幅も拡大しています。 知事は、健全な県政経営のための、今後の財政運営をどのように考えておられるのか、ご所見をお伺いします。 財政健全化と関連して、県が昨年6月に公表した財政収支見通しでは、平成23年度以降も毎年300億円を超す財源不足が続くと試算されています。同時に、知事は「もう骨と皮しか残っていない」と述べておられますが、今後の地方財政を考えると単なる歳出抑制では限界があります。国・地方の関係を財政面からも抜本的に変革しない限り、地方は毎年の財源不足に悩まされ続け、本来の地方自治を進めることには限界があると考えられます。 鳩山内閣では、「地方主権の確立は改革の一丁目一番地」としていますが、今後、滋賀県として、地方財政健全化のための抜本的な制度改革に向けて、国にどんな提案をし、力強い地方自治を築いていくために、国とどのように連携を図ろうと考えておられるのか、知事のご所見をお伺いいたします。 景気の低迷が県税の減少につながる以上、税収の確保のためにも、確固とした成長戦略をもち、景気の回復に、全力で取り組む必要があります。 知事が考えておられる「目指すべき滋賀県の将来像」については、お尋ねしたところですが、この予算案はその方向を意識して編成されたのかどうか、お伺いいたします。 次に、予算案の支出面からの質問をいたします。 平成22年度一般会計予算は、予算額こそ4,946億円であり、前年度当初予算に比べて、1.9%、94億円増となっていますが、国の経済危機対策への対応した基金関連事業173億円を除けば、実質は1.6%減の4,773億円という緊縮型となっています。 こうした中にあっては、構造的な県の財政危機の状況を県民、市町等と共有し、これを克服するための取り組みを進めなければならないと考えます。事業の選択と集中により、この財政難を乗り切るには重点テーマの数が多すぎるという印象があります。財政難は、歳出構造を変えるチャンスでもあります。今回の予算案は、土木交通費を前年度より圧縮し、コンクリートから人への投資にシフトされていることは評価したいと思いますが、県民をあげた議論をさらに広く、深く行っていくことが必要だと考えるものです。知事のご所見をお伺いします。 次に、平成22年度予算案には、「協働型県政への転換」という方針のもと、今年度創設した協働提案制度で募集した事業が盛り込まれ、経費を伴わない事業を含めると、「創造型」4件、「応募型」7件の11事業が選考されています。 これらは、いずれも財源が厳しさを増す中で、県だけでは対応しきれない行政課題に、県民と協働で対応していこうという狙いがあると思いますが、協働の中でも、県と住民とのがお互いの役割と責任をしっかり認識することが大事だと考えます。お互いが相乗効果を上げるような取り組みとするために、協働型県政の展開に向けてどのような運用を図ろうと考えておられるのか、知事にお伺いします。 また、今回の予算案の中では「ゼロ予算事業の取り組み」、いわゆる知恵だし汗かきプロジェクトとして、特別な予算を伴うことなく職員ひとり一人が知恵と汗を出すことにより、120件の政策課題の解決や県民サービスの向上を目指す取り組みを進められています。 職員の潜在的な能力を可能な限り活用していくことは、政策的経費が限られている中にあっては非常に重要であり、県庁力の最大化のためにも、今後一層こうした取り組みを進めていただきたいと考えます。 しかし、ゼロ予算事業の取り組みには「7つの取り組みの視点」以外に、「県庁内での他部局との連携を図る」ことが県民へのサービス向上のために大事ではないかと考えます。国で省庁の壁の高さが県民サービスの足かせになっているとしたら、その打破を国に求めるとともに、滋賀県が率先して国の省庁の壁を切り崩す挑戦を行うべきではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いします。 同時に、職員は、様々な活動や成果などを「つなぐ」という視点をもって、仕事をするべきではないかと思います。地域を活性化していくために、知事は「あるもの生かし」ということを言われますが、あるものを生かすためには、「あるものをつなぐこと」が重要です。 行政職員の皆さんが持っている情報を有効に活用し、現場をよく知り「あるものをどのようにつないでいけば新しい価値が生まれるか」という発想と行動力を持った職員の育成が大事だと思います。 職員の力を発揮させるチャンスです。やる気とチャレンジ精神を持った職員をいかに育てるか、知事のご所見をお尋ねし、次の項へと移ります。 |
|
| [知事答弁] まず、民主党・県民ネットワーク、山田議員の代表質問にお答えさせていただきます。 最初の御質問、平成22年度予算と知事の基本姿勢、12点についてお答え申し上げます。 まず1点目ですが、3年半の嘉田県政について、どのように総括し、自己評価しているのか、との御質問でございます。 4年前の知事選挙で掲げたマニフェストでは、3つの緊急提言、さらに40項目からなる7つの政策提案を行いました。 平成19年12月には、県政運営の最上位計画である「滋賀県基本構想」を策定いたしまして、毎年度の施策構築や予算編成、さらに組織体制づくりにより、このマニフェストの実現を図ってまいりました。 マニフェストでは、「もったいないを活かす滋賀県政」を掲げましたが、この3年半の間、「もったいない」という言葉が、ある意味で事業の中止など、象徴的に表れたところがございまして、誤解を受けてきたのではないのかと残念に思っております。 「もったいない」とは、決して「何もかも止める」「縮み志向」ということではなく、人やモノが持つ本来の価値を損なうことなく、その力を発揮させることであります。つまり、伝統や文化、自然の力を未来の成長へとつなげていこうとする理念であり精神でございます。 こうした考えの下、基本構想には、”もったいない”の想いを埋め込み、「未来を拓く共生社会へ」を基本理念に掲げました。 さらに、滋賀県が持っている本来の力、「人の力」「自然の力」そして「地と知の力」を活かすことを戦略とし、その実行計画となる「戦略プログラム」を策定し、戦略の円滑かつ着実な推進を図ってまいりました。 この戦略には私が提案をしたマニフェストの政策を出来る限り反映し、さらに、社会経済情勢の変化を的確に捉えながら、毎年度、県政運営の基本方針や重点テーマとして設定することで、その実現に精一杯取り組んでまいりました。 また、御指摘の中に、「対話と共感」の県政に対する評価がございますが、県政の課題は、常に住民生活の現場にあります。現場の声に耳を傾けることが何よりも県政の原点でございます。 こうしたことから、県政運営にあたっては、「対話」すなわち意思決定までの合意形成のプロセスを大切にする姿勢を重視したいと思ってまいりました。 私自身、直接、住民の皆さんと対話を行う場として、「知事とふれあい座ぶとん会議」、あるいは「おじゃまします!知事です」、あるいは「防災の現場を訪ねて」など実施してまいりました。 具体的には、「座ぶとん会議」は、26回、延べ366人、「おじゃまします!知事」では、23回、延べ140人、 「防災の現場を訪ねて」では、37回、延べ374人と、合計86回、延べ880人の方と対話を重ねさせていただきました。 しかしながら、マニフェストで掲げました新駅問題、ダム問題など、懸案を抱える地元の住民当事者の皆さんの間には、事業の中止に対するとまどいや不安、あるいはやり場のない憤りや、行政に対する不信感は、確かに大変大きいものがございました。私自身、それぞれの話し合いの現場に出かけさせていただき、まさに針のむしろのような所で、誠実に話し合いをさせていただきましたが、なかなか冷静に進まなかった場面もございます。 そのような反省を踏まえながら、今後は、信頼関係を築き、たとえ時間が掛かっても、まずは相手の皆さんの意見に耳を傾け、粘り強く話し合うという姿勢を貫いていきたいと考えております。 また、その事業中止、あるいは懸案事項の現場では、職員、ずいぶん苦労してもらいました。 その職員とともに、地元や当事者の方々の声に真摯に耳を傾け、粘り強く「対話」を行うことで課題解決に向けた信頼関係を今後構築していきたいと覚悟して考えております。 知事に就任以来、マニフェストに掲げた県民との約束を実現するため、不退転の決意で取り組んでまいりましたが、まだまだ十分に成果が現れていないものも多いと認識しております。 しかし、私としては、この数年の間に少子高齢化の進展、地球規模での環境問題、より顕在化したことに加え、新たな経済・雇用不安、高まっております。 そうした中にあって、県民の皆さんの生活現場の願いと想い、希望をくみ上げ、県民の満足度向上を第一に、まさに「未来を拓く共生社会」に向けた種まき、芽だしのできた1期目であったと考えております。 次に、2点目の、県民が一丸となって取り組める嘉田ビジョンを指し示す必要があると思うが、所信を問うとの御質問でございます。 先ほど述べました基本構想において、人と人、人と自然が共生する社会を目指した基本理念「未来を拓く共生社会」のもと、例えば、温室効果ガスの抑制をはじめとした、2030年頃の暮らしと社会の将来の姿を具体的に描いてまいりました。 しかし、社会経済情勢が変化する中で、県民の皆さんが抱いている不安も、さらに明らかになってまいりました。県民の命の不安、命のつながりへの不安、自然破壊への不安、また、雇用・経済の不安、さらには共生の時代における文化的アイデンティティ喪失への不安などがございます。 私としてはこれらの不安を取り除きながら、未来にむけて安心できる、希望が持てる社会の実現に取り組んでいく必要があると思っております。 そこで、昨年8月に策定をいたしました「22年度県政経営の基本方針」では、このような県民の皆さんの不安を取り除き、基本構想の実現に向けて戦略的に取り組むため、5つの重点テーマを設定し、施策構築を図ってまいりました。 さらに、先ほどから申し上げているような、極めて厳しい経済・雇用情勢の中で、社会経済情勢の短期的な変動に左右されない、滋賀県独自の長期的な内発的成長発展力の強化にも引き続き取り組んでいきたいと考えております。 そのためには、雇用の確保、そして雇用による経済成長が何よりも大切であると考えております。これを「滋賀ニューディール」とも言える政策として取りまとめ、3つの分野から取り組んでいきたいと考えております。 まず1つは、「ヒューマンニューディール」とも言えるものでございまして、人と人をつなぐ成長有望な分野でございます。医療、福祉・介護、子育てなど、どちらかというと、これまでは成長・経済の一翼とは考えられていなかった、その分野に対して、就労を間接的に支援をしながら、サービス産業市場を育成することが必要であると考えております。いわば、福祉経済という分野でございます。 そして、2つ目は、滋賀の宝である琵琶湖の保全、あるいは地球温暖化対策を推進していく上で、本県がこれまで環境先進県として蓄積をしてまいりました環境保全の技術を生かしていく、いわば「グリーンニューディール」という分野でございます。 そして3つ目が「ふるさとニューディール」とも言えるものでございまして、滋賀の持っている自然豊かな地域特性や、奥深い文化を生かした、観光なども含めた地域活性化でございます。 この3つのニューディール、いわば資源の配り直しの政策のもと、滋賀本来の素材に磨きをかけ、潜在力を引き出しながら、将来にわたり未来可能な経済成長、併せて社会成長をもたらし、県民の皆さんの満足度、地域の生活価値を高めていきたいと考えております。 こうした滋賀の未来成長戦略は、鳩山政権における「コンクリートから人へ」という方針や12月末に示された新成長戦略と方向を同じくするものであります。国の政策を十分に活用しながら、「未来可能な安心希望社会」を県民の皆さんとともに実現していきたいと考えております。 こうした社会を築いていく上で大変重要な考え方が、新政権が提案をしておられる「新しい公共」でございます。 コミュニティ活動や、NPO、社会的企業などの支援を行い、若者、女性、高齢者などが活躍するための居場所と出番をつくっていく必要があります。 これまで、県政においても、自助、共助、公助と申し上げました、特に共助を太くする分野であると考えております。 さらに、地域の希望の再生のためには、「地域の個性の再構築」、「将来構想の共有」、そして人と人の「ネットワークの構築」の3つの要素が不可欠でございます。この3つを生み出すキーワードが「対話」であると考えております。 本県では、地域自治の伝統、人と人のつながりを大切にする気風が、これまでにも強く地域社会の中で受け継がれ、希望を生み出す素地は十分にあると考えております。これからの県政においても、対話でつなぐ協働の取組を一層進め、希望の再生を図っていきたい。このことにより、来るべき地域主権時代において、地域の多様な主体の参加により支え合う、そして分かち合う、さらに結果として高め合う仕組みづくりを進めていきたいと考えております。 平成22年度の当初予算編成に当たりましては、県の役割として特に優先すべき5つの重点テーマを設定し、「県民の皆さんの生命を守る施策」として、在宅医療の推進に向けた医療体制整備や、学校、病院等の耐震対策の充実を図るとともに、「社会で子育てを支える施策」としては、保育所や放課後児童クラブに対する助成等の充実をすることといたしました。 また、福祉・介護の分野での安定的な雇用の確保、若者の雇用機会の創出等、経済・雇用対策にも力点を置き、新たに4,300名近くの雇用創出するなど、県民の皆さんの目前の「不安を安心に変える」政策の実現を図ったところでございます。 さらに、国の政策変更の影響についても適切に反映するとともに、県民の皆さんとの「協働」を共通の横串といたしました施策を構築するなど、「協働型県政」への転換を着実に推進するほか、県庁の「県庁力の最大化」を目指し、「人財」を活用した「知恵だし汗かき」事業を進めることといたしました。 このように、極めて厳しい財政状況の中にあるからこそ、次の時代を見据え、子や孫にツケを残さないように、また、経済的活力を維持、発展させ、「未来可能な安心希望社会づくり」に向け、精一杯の取組に意を用いたところでございます。 将来に亘って安定的に行政サービスを供給していくため には、財政再生団体への転落という最悪の事態は絶対に回避しなければなりません。そのため、今後の財政運営に向けては、引き続き収支改善に取り組んでいく必要があります。 このため、平成22年度当初予算の編成に当たっては、財政構造改革プログラムに加えて収支改善に向けた事業見直しに取り組み、54億円の縮減を行うなど、事業や施策全般に亘って県民目線に立った、緊急性や必要性を精査し、歳出の抑制に努めることにより、財源不足の縮減に最大限の努力を払ったところでございます。 社会財政状況は極めて厳しいところですが、先程来申し上げておりますように「未来可能な安心希望社会づくり」に向け取り組んでいくためにも、県政を支える健全な財政基盤の確立は根本でございます。 昨年試算した財政収支見通しにおいては、今後とも引き続き巨額の財源不足が見込まれることから、収支改善に向けて、施策全般の緊急性や必要性を精査し、まずは歳出の抑制に努めていく必要があります。 また、プライマリーバランスについては、ご質問のとおり、2年連続してマイナスとなっておりますが、臨時財政対策債、いわば「身代わり借金」を除きますとプラスとなっておりまして、引き続き実質的なプラスを維持できるよう取り組んでいくことが重要であると考えております。 さらに、「入り」を増やすために産業振興策を適切に講じることによりまして、県税収入の安定的な確保を図ることが重要でございます。特にこの産業振興の中には、雇用政策が大変大事でございます。人々の参加を保障し、そして税収を確保するための雇用政策に力を入れながら、歳入の面においても最大限の努力を払い、持続可能で健全な財政基盤の確立に努めてまいりたいと考えております。 持続可能な財政基盤の確立のためには、県の自助努力だけでは限界があると考えておりまして、国に対しては、分権化の実現、とりわけ地方交付税の増額や税源移譲など、税財源の充実・強化について、引き続き強く求めてまいりたいと考えております。 国においては、「地域主権」の確立のため、地方が自由に使える自主財源を大幅に増やす努力をしていただいております。またさらに、制度的改革としては、ひも付き補助金の見直しや、国の出先機関の原則廃止など、まさに明治以来の中央集権体制を大きく変革する取組が始められております。地方自治体が地域のニーズにスピーディーに、また最小の費用の中で適切に応えられるようにすることを打ち出しており、私としても大いに期待をいたしております。微力ながら総務省顧問として、地方からの具体的な提案も行っていきたいと考えております。 さらに、深刻な経済・雇用情勢が続く中で、第一線で住民生活や地域経済を支える地方自治体の果たす役割は、ますます大きくなるものと考えておりまして、県民の皆さんの生命とくらしを守るため、様々な段階において情報を共有するとともに、先に申し上げましたように、具体的な提案を行っていき、今後とも国との連携を強化してまいりたいと考えております。 次に、8点目の御質問ですが、予算案は「目指すべき滋賀の将来像」を意識して編成されたのかどうか、との御質問でございます。 先ほどお答えいたしましたが、未来可能な安心希望社会を実現したいという思いで、予算編成に取り組んでまいりました。 極めて厳しい経済・雇用情勢をふまえた内発的成長発展力の強化も含め、目の前の課題を克服し、同時に、県民の持つ様々な不安を安心に変える施策に取り組むためにも、2030年頃のあるべき姿をイメージしながら、今、県として何をなすべきか、「人」、「自然」、「地と知」の潜在的な力を最大限引き出すことを目指し、「政治は未来をつくるもの」という理念に則った形で、具体的な事業として形にしてきたところでございます。 平成22年度の予算編成に当たっては、県政世論調査における県民ニーズや経済情勢等を踏まえ、県の役割として特に優先すべき5つの重点テーマを設定し、戦略的に施策を推進することとし、メリハリのある予算編成に努めました。 厳しい財政状況の中にあってこそ、今後とも、より一層の施策の重点化を図ることが必要であると考えておりまして、引き続き、県民ニーズを的確に把握していくことが重要であります。 そうした一方で、併せて、県のホームページで予算の見積状況等を公表するとともに、予算の編成過程の見える化にも努めてまいりました。県民の皆さんに、県政に参加していただくとともに、逆に行政自身も県民生活の現場に参加をさせていただく、その行政参加という双方向の中で、本県の財政状況をお示しし、課題を共有しながら対話と共存の県政を作り上げて行きたいと考えております。 議員もご指摘のように、まさに協働とは、多様化する地域課題の解決に有効な手法と認識しております。また、新政権がめざしております「新しい公共」のひとつの重要なステップでもございます。 今回の協働提案制度は、その手法を具体的に活用するために創設したものでございまして、県民の方々とともに過去2年以上をかけて練り上げた、協働型県政を進めるための仕組みのひとつであります。 今年度は、庁内から募ったテーマで提案を募集し、NPO等から28件の応募がございました。また、公開プレゼンテーションを含む外部委員による審査を2回行い、審査の間には提案者と担当課による協議の場を設け、まさに協働の作業でよりよい提案に仕上げていくなど、時間をかけて事業を選考してまいりました。 来年度、具体的な事業にいよいよ着手するわけでございますが、その際には、双方が対等な関係であることを認識し、お互いの特性を活かしながら取り組んでいきたいと考えております。さらには、協働提案制度の中で学んだ手法を大切にしながら、他の事業にも広げ、これまで以上に県民の皆さんに県政へ参画していただき、より一層、生活者の現場ニーズに即した施策の展開を図ってまいりたいと考えております。 国の各省庁は、例えば、就学前の子育て一つをとりあげてみましても、幼保一元化の問題に代表されるように、縦割りの組織となっております。また、その国の出先機関についても、議会の監視の目が届かない、事業の実施にあたり、地域の意見や実情が十分反映されないなど、様々な課題があると考えております。 私自身、就任以来、例えば河川整備計画などで、この国の出先機関問題、具体的に、また、直接提案をさせていただきました。 県では、これまで、国の省庁の権限など、障害となっていて、地域の実情を踏まえた施策が実現できないものについては、まさに、県民利益の向上という観点から、政策提案、全国知事会などの場を活用して主張を行ってまいりました。 今後とも、総合行政を担う地方公共団体として、省庁の縦割りの弊害が県民サービスの向上を妨げている、そしてどちらかというと高コスト体質の行政になっているというような実態を踏まえまして、引き続き国に対して、地域の意見や実情を踏まえた政策を実現できるよう、提案を行ってまいりたいと考えております。県として、例えば先ほど申し上げました、河川政策あるいは琵琶湖政策、さらには雇用政策、子ども政策など、国の省庁の壁にとらわれない、部局横断的な取組を進め、県民サービスの向上にさらに努めていきたいと考えております。 |
| 次に、職員の不祥事と「株式会社 SILC」に関する諸問題について、知事にお尋ねします。 新年早々の1月12日、県幹部が、東近江市の農協にコンピューターシステム導入を働きかけた見返りに、システムを開発した会社から現金を収受していた容疑で逮捕され、2月2日には起訴される事態となりました。 平成22年度の予算編成において、県民にも負担増を求める事業見直しに対して多くの意見が出ている中、今回の不祥事は県民に失望感を与え、「県」に対する県民の信頼を完全に裏切ったものといえます。 新聞情報等によれば、知事は被告について、かねてから「仕事ぶりはまじめで、よくやっていると高い評価」をされており、平成20年3月に市民オンブズマンが東京事務所勤務時の出張経費の返還を求めて監査請求をされた際も、全く問題視されず、平成21年4月には管理監に抜擢されています。 また、昨年10月には、ある新聞社が被告に対して業者との関係を取材するなど、以前から業者との関係を疑う声があったにもかかわらず、被告をかばうような立場におられたようです。 たとえ、疑いといえども、本来このような不祥事があれば、部下に対して調査を指示するのは当然のことであり、また、逆に副知事や部長、あるいはその他の職員からも情報として上がってくるのが、組織としては当然であります。 そこで、知事として、今回の不祥事をどのように受け止められているのかお尋ねします。 次に、本人に対して、監査請求されるといった問題があった中で、今回の不祥事が起こったことについて、組織として十分な対応がされてきたのか、今回の不祥事を踏まえて組織としてのあり方をどのように受け止められているのかお尋ねします。 次に、被告は企業誘致担当として、滋賀統合物流センター事業(SILC事業)に当初から深く関わっておりますが、当事業においても問題が発生しています。 SILC事業は、民間企業 株式会社SILCが事業主体でありますが、仄聞するところでは、同社は被告の要請で設立され、組織も本社は同社社長が経営する別会社の一角におかれ、常駐社員はいない、被告と数人の関係者だけで、国や米原市、関係企業との交渉や取引が進められていたといわれております。 そうだとすれば、被告が県を代表して主体的に推進してきたものと推測され、県としても、被告の個人的な行動であると言い切れないと思います。また、このような大型プロジェクトを推進する事業主体の実態を被告以外のものが正確に把握していなかったとすれば、県はあまりにも無責任であり、厳しく指摘されても弁明の余地はないと思います。 知事は、「事業主体はSILC社と米原市」といわれておりますが、SILC社社長は「事業を主導していたのは県」といわれており、一方の当事者である米原市長も、2月3日の定例記者会見で「県にも事業責任がある。」と話しておられます。 県として、今後、この事業にどのように関わっていこうと考えておられるのかお尋ねします。 次に、この二つの問題については、県としてもまだ問題の全容は把握できていないようですが、「問題の全容解明」「問題発生の原因追及」「事前チェックができなかった組織上の問題」など、県として多くの課題を抱えています。 県政史上においてもまれな県幹部による多額の現金を受け取った収賄事件は、県政への信頼を根底から崩してしまいました。県民の信頼を回復するためには、知事自らが県民に対して説明責任を果たすべきであります。まず、徹底した調査が大切であると考えますが、知事の考えをお尋ねします。 この項の最後に、知事は、今回の事件に対して「綱紀の粛清とコンプライアンス(法令順守)を徹底したい」といわれておりますが、平成18年度以降の職員の懲戒処分は14件を数えており、「収賄が2件、痴漢行為・ストーカー行為等が4件、窃盗2件、飲酒運転3件、その他」の処分が行われています。 組織的には、まだ記憶に新しい「入札事務不適正執行や不適正な会計事務処理」などがあります。 その都度、再発防止に取り組まれているとは思いますが、このような状態をみますと、職員にも組織にも効果がない、その場限りの対応で終っているのではないかと疑わざるを得ません。 問題行動の分析、専門家の意見や民間企業等の取組み状況を参考に、メンタル事業の実施、人事管理制度の見直し、組織のあり方などを含め、再発を許さない取組みこそ必要ではないでしょうか。知事の考えをお尋ねし、次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] 次に、職員の不祥事と(株)SILC問題についての5点のご質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目ですが、今回の不祥事をどう受け止めているのかでございます。今回、県幹部である次長級の職員が収賄で逮捕、起訴されるという不祥事が発生したことについては、県政に対する信頼を損ね、大変遺憾でありまして、県民の皆さんに深くお詫びを申し上げます。 今後、司法の場において、事実関係が明らかとなり、判断が下されるものと思いますが、県としても起訴事実が確認できた場合には、厳正な処分を行ってまいります。 また、職員一人ひとりにあらためて綱紀粛正と服務規律の確保を徹底し、二度とこのようなことがおきることのないように努め、県民の皆さんの県政に対する信頼を一日も早く回復できるよう全力をあげてまいりたいと考えております。 次に、2点目の本人に対して問題が指摘される中、不祥事が起こったことについて、組織として十分な対応がなされていたのか。今回の不祥事を踏まえ、組織としてのあり方をどう受け止めているのかとのご質問でございます。 平成17年度および18年度の出張旅費に関し平成20年3月10日に請求された住民監査請求は、当時の監査委員のご判断により、要件を欠き、不適法であるとされたところでございます。 また、企業誘致活動においては、さまざまな地域で、多くの企業との調整が不可欠であることから、年間を通じて出張日数が多かったことは事実ですが、特段の問題はないという報告を担当部局から受け止め、そのような報告を受け、私自身認識していたところでございます。 今回の不祥事により失った県政に対する県民の信頼を回復するため、職員の意識、組織のあり方に問題がなかったかどうか、古川管理監への聴き取りを含め、調査を行い、必要な対策を講じていきたいと考えております。 SILC事業は、米原市が策定した特区計画に基づき、その事業主体である(株)SILCが製造と物流を融合した統合物流事業を展開するものでありまして、地元米原市の活性化と経済振興を図るうえで重要なプロジェクトであると認識しております。 そこで、議員ご質問の、県として、今後どのように関わっていくのかについてでございますが、まずは、(株)SILCが米原南工業団地で共同事業を行う企業を募集していることから、企業誘致の観点から支援を行ってまいりたいと考えております。 また、同社が鉄道輸送の拠点となります(仮称)米原貨物ターミナル駅との事業連携を予定しており、当施設とのアクセス道路が国直轄事業として計画されていることから、その早期整備に向け、国への要望活動も行ってまいります。 さらに、米原市では、特区期間が平成21年度に終了するのに備え、「企業立地促進法」を活用すべく、県とともに基本計画を策定し、既に国の同意を得たところでございます。 県としては、今後、この基本計画に基づき、高度モノづくり産業などの集積を図るため、立地企業への税の優遇措置や国の補助金、融資等も活用していただけるよう、できうる限りの支援をしてまいりたいと考えております。 次に、4点目の県民の信頼回復のためには徹底した調査が大切であるが、とのご質問でございます。 県民の信頼回復のためには、議員ご指摘のように徹底した調査が必要でございます。指導的立場にある幹部職員が収賄容疑で起訴されるという事実は、県政への信頼を大きく揺るがすものでありまして、私自身先頭に立って、説明責任を果たしていかなければならないと考えております。 現在、古川管理監は被告人として勾留され、弁護人以外の者とは接見が禁止されております。また、関係文書が捜査機関によって押収されていることから、県としてその全貌を把握し、真相究明を行うことが困難な状況にありますが、現時点では、古川管理監に対する公判の進行を慎重に見守りつつ、当面は、同人の担当職務の内容や勤務状況など、可能な範囲で必要な調査をしているところでございます。 5点目のご質問でございますが、問題行動の分析、専門家の意見や民間企業等の取り組み状況を参考に、メンタル事業の実施、人事管理制度の見直し、組織のあり方などを含め、再発を許さない取り組みが必要でないかとのご質問でございます。 県政に対する県民の信頼を回復するためには、再発防止が何よりも大事でありまして、そのためには徹底した原因究明を行った上で、職員の意識改革と組織のあり方の見直しの両面が必要であると考えております。 これまでもこうした考えに立って、再発防止に取り組んできたところでございます。 今回の古川管理監の起訴事案につきましても、JAのコンピューター導入にかかわる贈収賄の起きた平成17年春当時に遡りまして、当時の政治社会状況や県組織のあり方など、特に利害関係者との関係の持ち方など確実に調査をしながら、「李下に冠を正さず」という観点から、公務員のコンプライアンスも含めて再発防止策を講じてまいりたいと考えております。 |
| 次に、県の役割について、知事にお伺い致します。 国では、昨年11月9日、地方分権改革推進委員会が『自治財政権の強化による「地方政府の実現へ」』とのタイトルで、最終勧告となる第4次勧告を提出し、あるべき地方財政制度の再構築に向けた提言がなされました。 そこでは「地方が主役の国づくりを進めるため、地方の自治立法権、自治行政権、自治財政権を創出することが重要」と結論づけております。 一方、政府では、この春に「第1次地域主権一括法案」を上程し、地域主権戦略会議の設置や義務付け枠付けの見直し等が法制化されようとしております。また、夏頃には、(仮称)地域主権戦略大綱が制定され、22年度中に「第2次地域主権一括法案」を上程し、「基礎自治体への権限委譲」などが図られる予定であります。 こうした流れの中で、基礎自治体優先が、より強化され、県の役割も広域的課題への対応や、県が積み上げてきた専門性の発揮、小規模自治体への協力、助言及び自治体間の調整などに特化して行くことが予期されます。 そこで、地域主権改革後の県のあり方について、お伺い致します。 機構改革については、県も行財政改革の中で見直しを重ねられて参りましたが、国全体の統治システムの変化という視点から県の機構再編や事業の見直しを図らなければなりません。組織の縮小・統合、出先機関や外郭団体の更なる見直し等も考えられ、また、国と基礎自治体との直接のやりとりの増加に対応した各部局の事業見直しにも早期にとりかかる必要があると考えますが、先ず、ご所見をお伺い致します。 さらに、地域主権改革後の県と市町との役割分担を明確にしておくことも重要です。 これまで、自治創造会議の中で議論がなされてきましたが、県の財政難を背景に「県の考え方」を市町に押し付けて来たように見受けられます。対等のパートナーと言いながらも信頼関係が築けていないのは、白紙の状態から対等の立場で議論し、共に納得した結論が得られていないからではないでしょうか。地域主権が、現実のものとなる今こそ、自治創造会議や事務方協議を有効に機能させることが求められると考えますが、知事はいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。 次に、本県の地域自治について、お伺い致します。 統治の仕組みは変わっても、滋賀が培ってきた地域自治は、守り引き継いで行くべきものと考えます。近年、地域の絆が希薄になり、昔からの自治会においても高齢化や役員のなり手が無く、運営に支障をきたすような状況も見受けられます。地域自治の衰退は、地域の教育力や福祉力、文化力などを衰退させ、滋賀県の底力を弱めて行きます。市町や県民も含めて今後の滋賀の地域自治のありかたを見出すことも大きな県の役割であると考えますが、ご所見をお伺い致します。 また、これらを踏まえて、神奈川県では、昨年、都道府県で初の「自治基本条例」が制定されました。統治の変化に伴う、県と市町の役割分担や行政及び議会の役割、住民自治や地域自治のあるべき姿等を明確にした「自治基本条例」が滋賀県にも必要ではないかと思いますが、ご所見をお伺いします。 次に、これらに関連して、関西広域連合についてお伺い致します。 関西広域連合については、議会では慎重な意見が多い中、知事は、合意をされました。滋賀県の負担金は、約3,000万円ですが、これに見合う事業効果が得られるのかどうか、滋賀県にメリットがあるのかを明示する必要があると思いますが、先ず、ご所見をお伺い致します。 さらに、地方分権改革推進委員会の勧告や政府でも検討されている「国の出先機関の統廃合」の受け皿になるとの考えも示されておりますが、それなら、奈良県、三重県、福井県の不参加はイレギュラーと言わざるを得ませんし、また、鳥取県や徳島県は、それぞれ中国、四国のブロックで受け皿となる組織に加入するなら、将来、広域連合の再編問題も出てくるのではないかと危惧致しますがどうでしょうか。 次に、広域連合議会についてですが、部分参加の県があるにもかかわらず、それらの県選出議員が全ての案件で議決権を行使できることは極めて不合理と言わざるを得ません。知事のご所見をお伺い致します。 この項の最後に、関西広域連合の必要性について、お伺い致します。 事業規模と経費の関係ですが、初年度の事業規模は約3億円、内、人件費や議会費などの事務経費が1億6,000万円と仄聞しております。わずか9,000万円の事業にこの経費は適正なのでしょうか、お伺いします。 さらに、費用対効果も明らかになっていない中、この程度の事業であれば広域連携でも十分対応できるのではないかと思われます。どうも「関西から地方分権を発信する」というパフォーマンス的な側面が強いように感じられます。大阪府の橋下知事が主張する道州制や大阪の一人勝ちにつながることを危惧する声も聞かれます。 国の出先機関に関する方針が明確になるまでは、現在の広域連携を活用するべきとの考え方もあると思いますが、知事のご所見をお伺いし、次の質問へ移ります。 |
|
| [知事答弁] 地域主権改革については、今後、地域主権戦略会議の議論を踏まえ、段階的にその具体化が図られてまいりますが、基本的には基礎自治体を重視する方向で進んでいくものと認識しております。 昨日、2月18日にも、国・地方の協議の法案が固まってきたと今朝ほどの報道にございます。 そうした中で、地域の課題については、できる限り身近な市町で対応いただくことが基本となりますが、そのことにより直ちに県の役割がなくなるというものではないと受け止めております。 小規模自治体の支援をはじめ、琵琶湖の保全などの広域的な課題や2次医療計画などの高度、専門的な課題などに特化した役割の重要性は依然として残るものと認識しております。 今後、現在、国で検討中の地域主権改革の動向も注視しつつ、新しい地方自治の枠組みの中で、地域主権の担い手として果たすべき県の役割を見極めながら、組織・機構や事業の見直しについてもスピード感をもって取り組んでまいりたいと考えております。 次に、2点目の県の自治創造会議や事務方協議を有効に機能させることが求められるが、その考えはいかがかとのご質問でございます。 自治創造会議は、知事と市町長が一堂に会し、双方向で議論できる場として、平成18年12月に第1回会議を開催いたしました。 平成20年4月からは、「滋賀県市町対話システム」として、自治創造会議に加えて、事務方の協議の場となる副知事・担当部長と、副市町長をメンバーとする調整会議を設けるなど、市町からの意見提出や提案の機会を確保し、より機動性、実効性のある仕組みを整えたところでございます。 知事就任以降、厳しい財源不足が続き、市町にも予算削減、あるいは、事業の縮小をお願いせざるを得ない状況の中で、市町からは、県の姿勢は対話ではなく、一方的な押しつけに過ぎないなど、強い批判、不満が大きかったのも事実でございます。予算が潤沢な時代と比べ、このような厳しい財政下の中であっても、お互いの理解を深めるにはどうしたらいいのか私自身も反省をするところでございます。 今後、地域主権が進む中、住民に身近な市町の役割は益々重要になって参ります。住民にとっては事業は、市や町、県、国、どこが担ってもいいわけでございます。また、地域を良くしたいという思いは、市や県、国も同じでございます。これまでの経験を活かし、市町とは率直に対話を重ねる中で、しっかりとした信頼関係を築き上げ、ともに地域主権を支えるパートナーとして市町との協議の場を強化しながら、滋賀の自治を担っていきたいと考えております。 次に、3点目の市町や県民も含めて今後の滋賀の地域自治のあり方を見いだすことも県の役割ではないかとのご質問でございます。 滋賀には、古くから、まさに中世の惣村の時代から、地域コミュニティが「自助」、「共助」の精神の中で、自らの手で地域を守り、運営してきたという長い地域自治の歴史、伝統がございます。 この伝統と、それを支えた「人の力」は、滋賀の大きな財産であります。また、新しく形成された新興住宅地においても、新たな地域自治の仕組みが生まれております。議員のお考えと同じく、私も守り引き継いでいく、また、新たに創り上げていくものとして、人と人の力をいかに活かしていくか、社会経済状況の変化などにより、従来のコミュニティの維持は困難な状況となっておりますが、この維持、発展が大切であると考えております。 私の現場での経験から、本県の目指すべき地域自治は、住民をはじめ多様な主体が協働して地域課題に取り組むことで、住民ひとり一人が愛着と誇りを持ち、この土地、地域に住み続けたいと思える地域をつくっていくことでございます。 県としては、これまでも市町の皆さんと議論を深めてきたところでございますが、今後は、「地域づくりシンポジウム」などを開催する中で、情報交換・交流の場として「地域づくり交座」、レクチャーの講座ではなく、まじわりの座の「地域づくり交座」など新しい仕組みを設置し、県民の皆さん、市町を主体にしながら、未来を拓く地域づくりの実現に向け、ともに汗をかいていきたいと考えております。 これまでご説明申し上げてまいりましたように、「地域主権」が推進される中で、真の「地方政府」として自治体の自立的な行政運営が期待される中、自治の基本原則を確立しようという試みは、大変重要で意義のあるものでございます。 本県においても、地域主権の実現に向けて、現在、自治基本条例の意義や必要性なども含め、地域主権時代において県がどうあるべきか検討をしているところでございます。 関西広域連合が、本県にとってどのような具体的なメリットがあるのかについては、さまざまなデータを参考にしながら、現在、庁内で検討を進めているところでございます。 例えば、防災分野につきましては、花折断層帯による大規模地震が万一発生した場合には、約85,000人の県民が県外に通勤、通学をしており、帰宅困難となる恐れがございます。そうした県民への支援が円滑に行えるようになるなどのメリットがあると考えております。 これはほんの一つの例でございますけれども、全体像についても、今議会の中でもできるだけ、緻密に確実な検討結果をお示ししたいと考えております。 各府県それぞれの事情があるなかで、今現在、当初からの不参加を表明している県におかれても、地域主権を実現したいという思いは同じでございます。まさに今、国の方で議論になっております、国の出先機関の原則廃止など、地域主権の方向と鑑みて、国の権限の地方への移譲等が具体化する中では、改めて、参加に向けた検討が行われるのではないのかと考えております。 議員ご質問のとおり、仮に関西広域連合設立後に、その区域が変更された場合には、その時点で改めて、事務の整 理等必要な手続が行われるものと認識をしております。 広域連合議会の議員の権限については、ご指摘のように、選出母体となる府県の広域連合への参加状況に関わらず、広域連合のすべての議案に対し議決権を有するとの総務省の解釈が示されております。 これは、広域連合議会の議員である以上、議決権は、選出母体である府県の利害関係ではなく、広域連合全体の利益を考慮して、議決権を行使するべきとの考え方であると理解をしております。 先程来申し上げておりますように、関西広域連合は、中央集権体制の打破や分権型社会の実現のため、現民主党政権がまさに一丁目一番地と言っている、大切な、大事な政策でございます。そのような中で、関西が全国に先駆けて広域的課題に主体的に対応できる責任主体をつくりあげることを、設立の大きなねらいとしております。 その中で、まずは、先ほどご紹介しましたような広域防災、大地震が起きた場合の広域防災や、あるいは広域観光など、特に海外も含めた広域観光など、早期に実現可能な事務から取り組み、順次、事務を拡大することとしております。初期段階はまず、制度設計等に重点が置かれることとなり、おのずと事業費に比べて人件費の割合が高くなるものと理解をしております。 また、広域連合は、広域連携とは異なり、連合長が法的根拠をもって広域的課題を一元的かつ迅速な決定、執行ができる仕組みでございます。 今後、広域連携ではなく、広域連合という特別地方公共団体で取り組むことの具体的なメリットについて、引き続き検討していきたいと考えております。 |
| 次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について、知事にお伺い致します。 県は、去る1月23日、環境省立会いのもと、周辺7自治会代表の皆さんとの話し合いの場をもたれました。 この場で、RD事案に関する今後の県の対応についての基本方針で「区域内の有害物の調査・除去」について初めて踏み込んだ発言をされ、調査実施にあたっては、学識者による「有害物調査検討委員会」設置を提案されました。 この話し合いの場で、住民代表から、「有害物調査検討委員会」のメンバーに住民代表もしくは住民推薦の委員をいれて欲しいとの意見が多数出ましたが、委員会委員選考にあたっての考え方について、まず、お伺いします。 次に、浸透水及び地下水について、お伺いします。 県の対応についての基本方針で、「有害物除去後、残存した有害物に対しては浸透水及び地下水への揚水、水処理、浄化の対策を講じる」とされていますが、未だ、この対策について、生活環境上の不安が周辺住民並びに栗東市民の一部に根強くあります。 環境省の助言等にもあるように、県として、栗東市と連携協力し、水質汚染区域の限定や住民の要望に対する日々の対応、地下水等調査結果を住民にわかりやすくまとめて対外的に説明できるよう、これまでの調査結果はもちろん、今後も随時住民に公表、説明してはどうかと考えますが、このことに関しての県の考えをお伺いします。 先の環境省の助言では、「現行の産廃特措法の期限にこだわらず、県として周辺自治会と十分に調整して最終決定された対策工法により実施計画を策定し、産廃特措法に基づく支障除去等事業に係る期間を明確にすること」とされています。 このことは政府自らが、「期限にこだわらず県として周辺自治会の方々と調整し理解を得て実施計画の策定をすべき」ことを県に助言をされたことにほかなりません。 このことを受け、来年度予算に対策工を確定させるための調査検討費、実施計画書検討調査費を県として予算化されており、新年度からの執行のためには、3月末までの7自治会の一元化が必要不可欠となっています。7自治会一元化のため、県として、3月末までに地元自治会に対して、どの様な働きかけをされるのでしょうか、お伺いします。 また、実施計画策定に向けた取り組みは今後どのようになるのか、お伺いします。 近々始まる予定の緊急対策工事がこの問題の抜本的解決の糸口となることを願い、次の質問へ移ります。 |
|
| [知事答弁] 次に、RDエンジニアリング最終処分場問題についての4点のご質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目の「有害物調査検討委員会」の委員選考の考え方でございます。 環境省からは、「純粋に専門家の先生から助言をいただいて進めてはどうか」との助言をいただいておりまして、これをもとに、委員会を設置する考えでございます。 その上で、委員選定にあたっては、周辺自治会や環境省など、幅広く意見を伺って、決定したいと考えております。 次に、2点目の県として、栗東市と連携協力し、水質 汚染区域の限定や地下水等調査結果をわかりやすくまとめて、今後、住民に公表、説明していくことはどうかとのご質問でございます。 環境省からは、「改めて既存の井戸を活用して、現状の地下水等の調査をしてはどうか」との助言とともに、過去、実施してきた地下水等の調査結果についても、「わかりやすくまとめた上で、いろんな場面で説明できるように調査してはどうか」との助言もいただいております。 これらをもとに、処分場周縁などの地下水等の状況について、住民の皆さんと共通認識が図れるよう、栗東市と連携をさらに密にするとともに、調査データをわかりやすくまとめ、適宜、的確に公表し、説明していきたいと考えております。 次に、3点目の7自治会一元化のため、県として、3月末までに地元自治会に対して、どのような働きかけをするのかとのご質問でございます。 今後の県の対応方針について周辺自治会から同意いただく上で、7自治会の窓口一元化は大変重要でございます。 去る1月23日には、周辺7自治会が一同にお集まりいただき、県の対応方針を説明させていただいたところでございます。また去る2月15日にはこの対応方針にかかる71項目にわたる地元の皆さんからのご質問等にお答えするなど、住民の皆さんと情報を共有するとともに、共通の理解が、共通の舞台で深まるように努めてまいったところでございます。 これからも7自治会が一緒にお集まりいただく中で、誠意をもって丁寧にご説明し、地元関係者や栗東市とも連携しながら、住民の皆さんの不安を解消できるよう積極的に努めてまいりたいと考えております。 次に、4点目の実施計画策定に向けた取り組みは、今後どのようになるのかとのご質問でございます。 今後、周辺自治会の同意がいただければ、ボーリング調査などの有害物調査を行った上で、有害物調査検討委員会や周辺自治会の意見などを伺い、最終の対策工法を決定し、実施計画書を策定することになります。 できるだけ早い時期に実施計画書が策定できるよう努力してまいりたいと考えております。 |
| 次に、平成20年10月に開業した滋賀県の管理型最終処分場「クリーンセンター滋賀」について、知事にお伺いします。 これまでの県議会環境農水常任委員会などの報告によると、同センターは当初想定の受け入れ見込み量を確保できず、開業前に受け入れ見込みを当初の3分の1以下の年平均2万トンに大幅下方修正されました。その上で、県が21年度も出捐金など12億円を支出し、22年度見込み額も含めれば、総額115億円に達すると見込まれていますが、クリーンセンター滋賀の県における位置付けと役割、そしてこれまでの改善策も含めた廃棄物受入れ量等の運営状況についてお伺いします。 次に、借地として年間4500万円支払い、その上で、周辺地域の振興を図るための地元市への助成が行われていますが、一部で、「迷惑施設の受け入れと言え過大な投資ではないか」という声も聞かれますが、そのことへの見解と、これまでの助成の経過と内容も含めてお伺いします。 クリーンセンターの構想は、計画そのものが、甘い見通しでつくられたものではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。 いずれにしても、開業前から運営状況が危ぶまれていたクリーンセンター滋賀については、埋め立て期間15年の問題も含めて、今後の見通しも極めて厳しいものがあると言わざるを得えません。滋賀県の財政状況を勘案すれば、3年の経過を見た上で中期経営計画を策定するのではなく、早急に、抜本的な改善策を県民に提示する計画の修正は行わないと県としての過重な負担となる心配はないのか伺います。 財団法人滋賀県環境事業公社の経営についても、公金を投じて赤字の穴埋めをし続けることではなく、管理型最終処分場として魅力を持った施設に再生し、早急に身の丈に合った経営をさせることだと考えます。そのために、知事は「財団法人 滋賀県環境事業公社」の運営を、今後、どのような方針で進められようとされているのか理事長としての立場も含めてお伺いし、次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] クリーンセンター滋賀の位置付けと役割については、3つの観点から必要な施設であると考えております。1点目は、県内には民間の産業廃棄物管理型最終処分場がなく新規立地が困難なこと、2点目は、廃棄物の適正処理や企業誘致のための産業基盤の確保が必要であること、3点目は、万一の大規模災害時の対応が必要であることでございます。 廃棄物を受け入れるための改善策としては、排出者はもとより中間処理業者に対する営業活動の強化、また顧客ニーズに合わせた料金改定や大規模割引制度の導入などを実施しております。 現時点での廃棄物受入量と収入についてですが、平成20年度は開業後5ヶ月の実績でありますが、約2万5千トン、処分料金収入は2億8千万円でございます。22年1月末現在における21年度の受入状況は、約1万5千トン。処分料金収入は請求額ベースで約2億2千8百万円でございます。 これを踏まえた運営状況については、20年度は年度途中の開業であったが臨時的な大規模処分などがあったことから、処分料金収入で管理運営費が賄えました。今年度も目標の達成に向けて努力をしているところでございます。 最終処分場の新設は、住民の不安感等から立地が困難な状況にあるため、周辺地域への助成については、地元との信頼関係を構築する上で必要なものであると考えております。 今後も地元との信頼関係をより確かなものとし、より安全安心を第一に、施設の運営に努めてまいりたいと考えております。 周辺地域への助成の経過と内容ですが、甲賀市のうち旧土山町分については、平成16年度に協定を締結し、22事業、17億4千3百万円を助成することとなっております。内容は、道路、公園や町民体育館等の整備でございます。また20年度までの支援総額は、7億6千万円でございます。 旧甲賀町分については、平成15年度に協定を締結いたしまして、30事業、30億円を助成することとなっております。内容としては、道路、公園、また、くすり学習館整備等への支援となっております。20年度までの支援総額は10億3千万円でございます。 合計では、現在は土山町、甲賀町とも甲賀市になっておりますので、甲賀市に対し47億4千3百万円を支援することになっており、20年度までに17億9千万円が執行済みとなっております。 県内で発生した産業廃棄物の最終処分量は、平成9年度に38万8千トンであったものが、平成17年度には14万2千トンまで減少しておりました。 しかし、この14万2千トンという総量は、当初クリーンセンターを計画した時の年間受入見込量であります6万7千トンを上回っていたということから、計画量の規模の施設が必要であると判断され、地元のご理解とご協力を得て推進されたものと理解をしております。 この施設は、私自身、平成18年に就任した時に、総合的に評価、判断し、県が公共関与を強め支援することといたしましたが、その判断の根拠は、以下のようなものがございました。まず1点目は、平成19年に完成する見込みであり、ほとんど完成間近であったこと、また2点目は、資源化が進んだとしても、どうしても残ってしまう廃棄物が生じ、循環型社会を支える基盤としての必要性に変わりはないことでございます。 但し、その判断においては、開業後3年程度の間、受け入れ状況等を見極めながら、公社の経営を図るということの条件付けをさせていただきました。 先程申し上げましたように、平成18年から19年にかけて、私就任後の判断は、開業後3年程度の間、受け入れ状況を見極めたいと考えておりました。 あらためて、今年度、県の行政経営改革委員会の提言を受けて策定した「外郭団体および公の施設の見直し計画」においては、平成22年度に経営改革の方針の検討を行い、平成23年度に中期経営計画の策定を盛り込んだところでございます。 この方針のもと、スピード感を持って経営改革に取り組んでいきたいと考えております。 クリーンセンター滋賀は、先程来申し上げましたように、循環型社会を支える社会的基盤としては必要な施設でありまして、「外郭団体および公の施設の見直し計画」に着実に取り組み、地元の信頼を得て、公社の確かな経営を確立していきたいと考えております。 公社としては、組織体制の簡素化や委託費における複数年契約の締結などにより管理運営費の縮減に努めるとともに、顧客ニーズに合わせた料金改定を実施するなど、一丸となって努力しているところでございます。 私も、公社の理事長として、また県下の大変厳しい財政状況の中で、多額の財政的負担をお願いをしなければならないという状況の中で、県民の皆さんの負担が最小となるよう努力をしてまいりたいと考えております。 |
| 次に、高齢者福祉について、知事にお伺いします。 本県は、昭和61年に、琵琶湖(レイク)を中心に、住みよく明るい生き生きとした理想郷(アルカディア)を目指した、「レイカディア構想」が策定されました。これに基づき、高齢者施策に関する総合的な計画「レイカディア滋賀プラン」があり、昨年3月に改定されたところです。 そして、誰もが重視しなければならない考え方として「自立」「社会参加」「セーフティネット」の3つの視点を掲げられています。これを踏まえ、高齢者が自ら主役となって積極的に社会参加できる仕組みづくりに取り組む成果指標として「レイカディア指標」に、高齢者の仕事以外の活動度を平成16年度の63.5%に対して、平成26年度は80%という目標を掲げています。 その一方で、レイカディア滋賀プラン改定後、一年も経過しない中、この目標達成に不可欠な取り組みであるレイカディア大学について、昨年12月の新聞に「財政難から本年度の新入生が卒業する2011年から当面休校する方針を決めた」との記事が掲載されました。これに対し、我が会派には、卒業生やこれから入学したいと考えておられる方々から、多くの意見や継続を願う要望の声が寄せられています。 まさに、生きがいづくり、仲間づくり、スキルアップの場として、人気の高い大学であることが伺い知れます。 今後、団塊世代の退職が増える中で、これまで培ってきた知識や技能、そして豊富な経験を持つ方々は、退職後も学びたい、社会貢献したいと願う人が多く、このことは、計り知れない地域の大きな力にもなると考えます。 民間で類似の事業が増えてきたとはいえ、滋賀県の高齢者福祉のシンボル事業として、このレイカディア大学の継続を願うものですが、今回、休校するに至った経緯とその影響についてどのように捉えておられるのかお伺いします。 そしてまた、その意見の中の多くに、個人として経済的負担をしてでも継続してほしいとの声がありますが、授業料の見直しを含めた検討の余地がないのか、今後の見通しをお伺いします。 次に、昨年末に、養護老人ホームをはじめとする5施設の県立福祉施設が民間移管することになり、現在ホームページ上で移管先を公募されております。 これらの施設は、入所者の方々にとって終のすみかでもあり、また様々な困難な理由によって入所するというセーフティネットの重要な役割を果たしてきました。移管後は、県はセーフティネット維持のための施設を持たなくなります。そうした中で、特別養護老人ホームや養護老人ホームなどの高齢者福祉施設について、今後、県でなければできない業務、そして、役割についてどのように考えておられるのか、今後の福祉の現場の実態をどのような方法で把握し、対処していかれるのかお伺いします。 この項の最後に、増大する認知症高齢者への対応についてお伺いします。 県では、平成15年に県立成人病センターに「ものわすれ外来」を開設し、また県内のいくつかの地域医師会では、認知症早期発見のための啓発活動やモデル的な検診事業が行われ、平成18年には県と県医師会が協働で「認知症相談医制度」を創設しました。 さらに、各地区医師会がケアマネジャーやケアスタッフと連携する取り組みを地域振興局(保健所)との共同で始めたことで、本県における認知症医療の在り方が大きく変わりました。 それに先行して、平成14年からは、滋賀県認知症高齢者介護研修・支援センターでのケアスタッフへの研修制度が始まりました。診療やケアの技術をそれぞれ深めるだけではなく、連携をスムーズにすることで、認知症患者とその家族に対して適切なケアが、現場からの発想で、過不足なく提供できる体制の充実を目指してきたことなどは、国や他府県から高く評価され、注目されてきたところであります。 しかしながら、今後、認知症高齢者がますます増加することが予想される中、県の厳しい財政状況もあり、県の認知症対策が後退していくのではないかと危惧しております。 そこで、認知症高齢者対策について、今後、どのように取り組みを進めていかれるのか、お伺いし、次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] 高齢者福祉についての3点のご質問にお答えさせていただきます。 まず1点目のレイカディア大学についてでございます。 レイカディア大学の経緯についてですが、事業見直しにおいて、介護サービス基盤の整備、低所得者の支援などぎりぎりの財政状況下の中で総合的に勘案をして、レイカディア大学の休校という苦渋の判断をしたものでございます。 その影響についてでございますが、議員ご質問にあったように、授業料の見直しの意見や、レイカディア大学卒業生がボランティアやNPO活動を通じて、地域づくりに大きく貢献されていることを軽視してはならないなどの意見を伺っております。 今後の見通しについてですが、レイカディア大学の運営をお願いしております県社会福祉協議会において、大学のこれからのあり方について、卒業生、在校生も加わって検討会を設置され、協議を始めたられたと伺っております。 3月から4月にかけて、県への提案をとりまとめられる予定と伺っております。 今後、こうした提案を受けて、県の役割、厳しい状況が見込まれる県財政も踏まえ、県として今一度判断していきたいと考えおります。 次に、2点目の高齢者福祉施設についての2点のご質問にお答えいたします。 1点目の県でなければできない業務、役割についてでございます。 レイカディア滋賀プランに掲げた特別養護老人ホームなどの老人福祉施設の整備に対する財政的支援、これが1点目でございます。 また、2点目は、人材面でございます。介護職場の労働環境の改善や介護従事者の処遇改善への支援を通じて、介護ニーズが増大する中、介護人材の育成・定着・確保に努めることが、県の役割でございます。 また、3点目といたしましては、指導監査の実施によりまして、施設の適正な運営や入所者ご自身の満足度の向上また処遇の向上が図られるよう努めてまいることでございます。 そして4点目、これも財政的支援でございますが、介護保険制度を安定的に維持していくこと、その中では県の役割として、例えば、具体的には、介護給付費約100億円の負担などがございます。 次に、今後の福祉の現場の実態をどのような方法で把握し、対処していかれるのかとのご質問でございます。 指導監査や日常の指導監督を通じ、引き続き介護職場の 実態を把握し、入所者が安心して介護を受けられるよう指導していくことが、これが何よりも県としての役割でございます。 併せまして、これまで2030年看取り計画として、ご紹介申し上げておりますように、地域の限られた医療・介護・福祉資源を効果的に結びつけるためのネットワーク体制を構築するなど、地域で、また、皆さん自身の望む、最期まで身近なところで、安心して住むことができる医療福祉の仕組みづくりに取り組むことが大変大事であると考えております。 そのような中で、施設介護からいわば展開をする地域全体としての医療福祉の充実が県としての大きな役割であると考えております。 3点目の認知症対策のご質問でございます。 認知症高齢者が今後一層増加することが予想されます。認知症高齢者に対する総合的な支援は喫緊の課題であることから、平成21年3月に策定した「レイカディア滋賀プラン」においては、「高齢者の尊厳の保持」を取組の柱に位置づけ、認知症高齢者対策を推進することとしております。 認知症対策については、早期の段階からの適切な診断と対応、認知症に対する正しい知識と理解に基づく本人や家族への支援など、総合的かつ継続的な支援体制を図る必要があります。 こうした支援を図るためには、県と市町の協力・連携が非常に重要です。市町では、家族や地域住民に対して、正しい理解を得るための啓発に努めていただいております。 一方、県としては、早期発見・早期対応の体制整備と相談機関の充実等に努めております。 今後は更に、地域の医療・福祉・保健関係者等の多職種協働による支援の仕組みなど、医療、介護、地域一体での支援体制を構築することとしております。 |
| 次に、子育て環境について、知事ならびに教育長にお伺いします。 我が会派は、子育て環境日本一宣言を掲げた「びわこマニフェスト」の中で、社会全体で子育てに関する費用を負担していく観点から「子育て保険の創設」を提唱し、子育ての社会化を推進すべきと訴えてまいりました。 昨年の衆議院総選挙で民主党の重点施策でありました子ども手当が実施されることとなる中で、この制度が子どもの育ちを社会全体で支える重要な役割を果たすものとして大いに期待し、評価するところであります。 その一方で、子育てを支える環境の整備も必要であると考えます。 政府は、去る1月29日、今後の子育て支援の方向性についての総合的なビジョンである「子ども・子育てビジョン」を閣議決定しました。 新政権になり、本格的な幼保一元化に向けた具体的な検討が、やっと始まったわけですが、子ども施策に関して、これまでのような縦割り行政ではない、また、子どもの視点にたった子育て環境の整備を進めることが極めて重要であると考えます。知事も子どもの育ち、育てる環境づくりにはご自身の経験を踏まえて本県の重要施策とされておられます。 待機児童の問題を抱える本県においても、今回の国の方針を受け、更に踏み込んだ対応が必要と考えます。 そこでまず、国が、平成18年にスタートさせた認定こども園の制度開始を受けて、本県は、10か所の認定こども園が設置されましたが、今日までの認定子ども園への取り組みと現状について知事にお伺いします。 また、幼保一元化への国の動きがある中、今後、実施主体の市町の意向や現場の実情を踏まえて、幼保一元化の実現のために国にどのような提案をし、また、県として、どのように進めようとしておられるのか、知事ならびに教育長にお伺いします。 次に、地域の子育て力を高めることも重要であると考えます。核家族化が進み、高齢者世帯との同居も少なくなり、子育てを経験した世代が身近に存在していないなどで、子育ての孤立化も現実的な問題となっております。 そのような中、豊富な経験を持つ高齢者の方々を子育てに生かせるような異世代交流を、県として、今後どのように進めていかれるのか、知事のご見解をお伺いし、次の質問に移ります。 |
|
| [知事答弁] 次に、子育て環境についての3点のご質問にお答えさせていただきます。 1点目の、認定こども園の取り組みと現状でございます。 本県では、平成18年12月に、認定こども園の認定基準を定めた条例を施行いたしまして制度の概要や具体的な運営の方法などについて、保育所や幼稚園、市町の関係者を対象とした研修会等を開催し、あわせてホームページ等を通じて、広く県民の皆さんに制度を紹介するなど、制度の周知を図ってまいりました。 現在、県内には、長浜市に6か所、大津市に2か所、米原市と守山市にそれぞれ1か所、合計10か所の認定こども園が設置されております。 さらに、本年4月には、守山市に3か所、近江八幡市に1か所、計4か所が新たに設置される予定であり、県内の認定こども園の数は、合計14か所になります。 |
|
| [教育長答弁] 子育て環境についてのご質問にお答えします。 本県の幼児教育を取り巻く状況につきましては、待機児童の増加により、幼稚園や保育所の新設・増設が必要な地域や、少子化により統廃合が進む地域など、市町によって事情は様々であり、地域や保護者のニーズに合った、多様な教育や保育の在り方が求められていると理解しております。 県教育委員会といたしましては、国の動向を踏まえながら、実施主体である、市町等の意向を十分尊重し、関係部局と連携をとり、子どもたちにとって最もよい環境がつくられるようにしてまいりたいと考えております。 |
|
| [知事答弁] 2点目の、今後幼保一元化の実現のために、県として、どのように進めようとしているのかとのご質問でございます。 幼保一元化については、国において、縦割り行政を超えてまさに新たな次世代育成支援のための制度体系の検討とあわせて、認定こども園のあり方など、幼児教育と保育の総合的な提供のあり方について検討されております。 今後、幼児期の多様な教育、保育ニーズに的確にこたえる検討がなされるよう期待をしております。 なお、県としては、認定こども園の取り組みとしては、3点の観点から考えております。 まず1点目は、子どもの数が多い地域では、保育所待機児童の解消に役立ちます。主に都市部でございます。 また2点目の農村部では、子どもの数が減少しております。このような中では、子どもの成長に必要な規模の集団の確保が可能となります。 また3点目でございますが、親の就労の有無にかかわらず、施設の利用が可能などの観点から重要であります。つまり滋賀県のように、農村地域、都市部地域両方混在するなかで、認定こども園それぞれの地域特性にあわせた、柔軟な対応が可能であると考えております。 今後、認定こども園の設置を予定している市等の取り組みに対し、前向きに支援しながら来年度は、先ほど申し上げました4か所の設置を進めていく予定でございます。 次に3点目の、豊富な経験を持つ高齢者の方々の力を、子育てに生かせるような異世代交流を今後どのように進めていくのか、とのご質問でございます。 新しい「淡海子ども・若者プラン」では、地域における人と人とのつながりが子育てを支える大きな力になると考えております。地域力を生かした子育て共助の仕組みづくりを進める上で、高齢者の皆さんに重要な役割を担っていただけることを期待をしております。 具体的には、今年度から「淡海子育てマイスター事業」として、子育て支援のための人材育成に取り組んでおり、34名の高齢者の皆さんに参加していただき、すでに各地域の子育て支援活動で活躍していただいているところであります。 来年度は「子育て三方よしコミュニティ推進事業」の中で、高齢者の皆さんの参画を得ながら取り組まれている異世代交流などの子育て支援活動が県内各地に根付くよう、普及していくこととしております。 また、こうした取り組みは、高齢者の皆さんが長年にわたり培ってきた経験や知識、技能などを地域活動の中で生かせる機会であり、生きがいのある生活を送ることにもつながると考えおります。 いささか個人的な経験でございますが、私自身も激務の中で孫から力をもらい、高齢者の一端を占めているとも考えております。 今後とも、「子育て三方よし」社会の実現をめざし、地域において人と人が支え合いながら、子育て・子育ちしやすい地域づくりを進めてまいりたいと考えております。 |
| 次に、滋賀県の雇用と経済振興について、知事にお尋ねします。 県内景気につきましては、一部持ち直しの動きがみられるとされているものの、住宅投資は減少傾向にあり、新設住宅着工戸数の合計は10ケ月連続で前年を下回るなど、全体として依然、厳しい状況が続いております。 雇用情勢についても、昨年一年間の有効求人倍率の平均は、過去最悪の0.39倍となり、昨年12月の有効求人倍率も0.37倍と前月から0.01ポイント減るなど、近畿で最下位の状況が続いております。 こうした中で、緊急経済対策のための平成21年度第2次補正予算が成立し、約24兆円を超える事業規模が見込まれ、今後一年間で実質GDPが0.7%押し上げられると期待されています。 このような国の動きと呼応して、滋賀県としても的確な雇用、経済振興策を実施し、滋賀県経済の復活と県民生活の安定に向けた取り組みを望むものであります。こうした観点から知事にお尋ねします。 リーマンショック以降、国の緊急対策などによる予算を活用しながら、滋賀県でも「森林と農業、琵琶湖を活かした水と緑の雇用政策」「人と人をつなぐ医療、福祉、教育分野での雇用創出」を提案されましたが、これらの進捗状況や今日までの成果について、とりわけ安定した常用雇用の確保がどの程度進んだのか、お尋ねします。 次に、新年度予算における雇用創出において、目指すべき数値目標や就労支援や職業支援の具体的な道筋、そして21年3月に設置した求職者総合支援センターや多文化共生地域づくり支援センターなどの活用について知事に改めてお尋ねします。 次に、昨今の経済情勢の中で新卒者の就職率の低下が心配されていますが、滋賀県立大学をはじめとする県内大学の卒業生の就職状況の現状と対応策をお伺いします。また男女間の格差についても、お尋ねします。 次に、労働市場において、ハンディーのある障害者、高齢者、外国人などについて雇用の安定化に向けてどのような就労支援をしていくのか、とりわけ障害者については法で企業等に一定の雇用が義務付けられていますが、その達成状況と対応についてもお尋ねします。 次に、滋賀県経済を振興し、雇用の確保をするためには、製造業、とりわけ中小企業の振興が不可欠であると考えます。県などが中小企業振興策を構築する際には、中小企業の現場を十分に把握し、当事者のニーズをしっかりくみ取ってほしいという声や自発的な取り組みに対する強力な支援を望む声も聞かれます。 このような中小企業の振興策について、今後どのような展開をしていかれるのか、また、全庁的な取り組みを進めるためにも我が会派でも熱心に取り組んできた中小企業振興条例制定の必要性が指摘されていますが、そのお考えについてお尋ねし、次の質問に移ります。 |
|
[知事答弁] |
| 最後に、観光振興について、知事にお伺い致します。 滋賀県への来訪者との交流がもたらす活力ある地域社会の実現に向け、母なる琵琶湖に培われた自然と、四季の彩り豊かな近江路の文化を活かした観光振興を目指すことを基本方針とした、「新・滋賀県観光振興指針」−近江の誇りづくり観光ビジョンが、昨年3月17日に策定されてから、早や10カ月余りが経ちました。 知事も先の年頭挨拶で、本県の観光施策の重要性を述べられ、我が会派も本県における観光の振興は地域経済の活性化の意味からも今後ますます重要になってくると考えています。 そこで、まず知事の思い描く、本県の観光振興の基本的なあり方について、ご所見をお伺いします。 次に、「観光立県」としての、外国人観光客誘致についてお伺いします。 本県は、恵まれた自然環境や豊富な歴史文化資産、更には温暖な気候や利便性の高い交通体系など、外国人観光客誘致にとって、潜在的に魅力ある土地柄と言えます。 また政府でも、本年までに訪日外国人旅行者を1千万人にするなどの目標を掲げ、我が国を「観光立国」として推進するため、国土交通省の外局として「観光庁」を設立するなど様々な施策を展開中です。 人口減少社会において、観光振興による交流人口の増加は、地域社会の活力に不可欠であり、同時に外貨導入による経済振興の意味からも大変意義あるものだと考えます。 そこで、今後、有望視される中国、台湾、韓国等東アジアからの外国人観光客誘致に向け、諸外国に滋賀県のブランド力や知名度を高め、存在をアピールするため、本県としてどのような施策を展開されているのでしょうか、お伺いします。 また、今後、どの様な施策を図っていこうとされているのでしょうか、併せてお伺いします。 次に、地域に根付いた観光振興を推進するための市町、民間観光事業者との連携・協力についてお伺いします。 彦根の「ひこにゃん」、安土を舞台とした映画「火天の城」、さらには、来年放映予定のNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の様に、文化や芸術、芸能、お祭りから衣食住まで、何か一つでも人々の心をつかむきっかけがあれば、人々を動かし、ひいては観光振興にとっても大きなインパクトになると考えます。 長年、地元で愛されてきた文化資源は、地域の誇りの源泉であり、創意工夫によって多くの観光客をひきつける媒体にもなりえるのです。 自然・歴史・文化・芸能など、県内各地の地域に埋もれながらも、限りなく大きな可能性を秘めた文化資源・観光資源を発掘し、市町ごとの「地域ブランド」とそれらを包括する「滋賀ブランド」とが、互いに力を合わせ連携協力していくことで、県内全体の観光振興は進むと考えます。 また、民間活力を高めていくことが観光振興のために重要だと考えますが、市町や民間観光事業者と知恵や力を出し合うなど連携・協力における県の役割を今後どのように進めようとされているのかお伺いします。 最後に、知事が思い描かれる「観光」とはどの様なものなのか、観光振興を、どのように滋賀の経済振興に結びつけ、滋賀の内需拡大を図るべきだとお考えなのか、ご所見をお伺いします。 観光の語源は「易経」の「国の光を観る」にあるといわれています。国の光とは、自然や景観、食や文化・歴史を含む、その土地ならではの光り輝く個性に他なりません。国内外の多くの人々が、滋賀の光輝く個性に触れようと訪れたくなる滋賀をつくることこそが、観光振興の大きな目標にすべきであることを申し上げ、民主党・県民ネットワークの代表質問を終わります。 |
|
[知事答弁] |