県民ネットワーク会派代表質問
本会議における出原いつみの一般質問・部門別質問Q&A公開中!

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  11月28日(金)に開会された11月県議会定例会で江畑弥八郎議員(彦根市選出)が「民主党・県民ネットワーク」会派を代表して12月3日(水)に質問を行いました。その内容を以下報告します。


(はじめに)
 こんにちは!民主党・県民ネットワークの江畑弥八郎です。会派を代表して質問をさせて頂きます。本日は12月3日、大変ごろ合わせのいい日です。1・2・3です。気持ちよく質問をする前に、少し苦言を呈したいと思います。 
 麻生総理いわく「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の医療費を何で私が支払うんだ」国民皆保険を否定する言動。さらには「医師は社会的な常識がない人が多い」。過酷な勤務で命を守って頂いている医師の気持ちを逆なでする発言。言語道断!です。「綸言汗の如し」汗が一度出ると再び体内に戻らない。一度口に出したことばは取り消せない。まさに一国の総理の言葉は重い!であります。
 さらにもうひとつ、先ごろ緊急経済対策として「定額給付金」の支給が政府方針として打ち出されました。国民の率直な意見は、「経済効果は見込めない」「地方にマル投げ」「バラマキ一瞬!増税一生」と、まさに評判は最悪であります。公共的政策の本来の意義は、一人ひとりではとても買えないような高価だが必要なものを、みんなで金を出し合って購入する点にあります。一人ひとりに配ったら一万二千円のお金も国民全体で合わせれば2兆円もの金額に上ります。
 くしくも、本日から12月9日まで障がい者週間です。社会保障費関係予算を5年間で1.1兆円削減の基本方針を唱える政府、21年度も2200億円の削減を打ち出しています。ただ、政府、自民党間で迷走していますが政策より選挙ということでしょうか。
 いずれにしても、これまで弱者の方にすべてしわ寄せをもたらす結果となっていることは事実です。「定額給付金」を支給するための行政コストを考えても、まさに有意義な政策だとは到底思いません。どのように有意義な使い道にするのかを決めることこそ、政治の役割であると考えます。国民全体に広く薄くばら撒くというのは、結果として、政治の放棄でしかありません。
 私は強い憤りを感じております。皆さんはいかがでしょうか!
では以上の考え方を「他山の石」として、滋賀県政がこれらの轍を踏まないことを願って、順次、質問をさせて頂きます。よろしくお願い致します。

「収支改善に向けた更なる見直し案」について

 はじめに、「収支改善に向けた更なる見直し案」について、知事にお伺いいたします。  
 昨年度、今後400億円を超える巨額の財源不足が見込まれるとして「滋賀県財政構造改革プログラム」を策定し、市町・県民に影響を与える予算の大きな削減がされました。しかしながら、造林公社に係る債務の免責的引受などにより、更に巨額の財政不足が見込まれるとして、県は「収支改善に向けた更なる見直し案」を策定されました。民主党・県民ネットワークとして、9月代表質問でも述べましたように、メリハリのある予算配分、つまり選択と集中であり、必要なものはしっかり確保する。その上で大胆にカットするということが必要です。知事も「特に4項目の重要施策の実現につきましては戦略的に取り組み、創意工夫とメリハリのある予算編成に取り組んでまいりたい」と答弁いただいております。今回の「収支改善に向けた更なる見直し案」を見てもメリハリが付いているようには思えません。どのようにメリハリをつけられたのでしょうか、お伺いいたします。
 また、「収支改善に向けた更なる見直し案」については、10月15日に自治創造会議を開催されましたが、市町からは非常に厳しい意見が述べられています。
 例えば、「今回の住民に直接影響を及ぼす見直しについては、県民が納得できるものではない」「県民の命と健康を支える役割を担ってきた福祉医療制度を大きく後退させることになる。・・・見直しを行わないよう強く要望する。」など、特に、福祉医療制度、少人数学級等に係る県単独教員加配に関しては多くの市町から現状の維持を要請されています。我が会派でも過日「福祉医療費の現状維持、少人数学級の現状維持の予算を確保に努めること」を申し入れたところです。
 また、削減ありきの補助金の交付金化には疑問を感じずにはいられません。市町の意見をどう受け止めるのか、市町との対話、パートナーシップのためには、真摯に受け止め、共に知恵を出し、汗をかくことが必要です。市町の意見をどのように反映されるおつもりでしょうか、説明をすれば済むという話ではありません。意見を聴き、対話を通して、変えるべきところは変える姿勢が求められます。でなければ、パートナーシップや協働などありえない事となります。
 特に、景気が悪化する中、セーフティネットや福祉は更に充実が求められます。市町の意見に対して、県としてどのように受け止め、反映するのかお伺いいたします。
 次に、今回の見直しの中に、市町向け県単独補助金の交付金化がありますが、補助金としては、県下での統一性、質・量が確保されること、インセンティブが働くことなどのメリットが挙げられますが、デメリットとして、締め付け厳しく弾力性がないことが挙げられます。交付金化をすることによって、市町の裁量範囲が拡大し、弾力的運営により県民サービスの向上につながるとの期待もありますが、ただ単なる削減策であって、市町の負担の増加や、県民のサービス低下につながるものであってはなりません。
 特に、障がい者に関する補助金については交付金化にはなじまないものと考えます。厳しい財政状況の中で、大切な税金、限られた中でも有効に使わなければなりません。県民に対して透明性が高く、費用対効果の高まる制度設計が必要だと考えます。補助金と交付金の在り方と、今後の方向性を伺います。
 また、県全体で補助金が幅広くある中でこの54の補助金を選ばれた基準を併せてお伺いいたします。
 次に、景気の悪化により、公共のセーフティネットはさらに重要性を増しています。特に命にかかわる福祉医療制度は、今だからこそ、厳しい財政状況の中でも堅持すべきと考えます。「子育てに関する県民意識調査」結果の速報でも実際に持つつもりの子どもの数が理想の子どもの数より少ない理由に「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」と言う理由が56.1%でした。地域住民の最も身近な自治体である市町と対話し、本当に県民・市民・町民のためになる施策が行えるよう検討していくことが必要だと考えますが、知事のお考えをお伺いし、次の質問に移ります。

   [知事の答弁]
1点目、今後も長期に亘って巨額の財源不足が見込まれることは、かねがね申し上げているとおりでございますが、しかし同時に持続的な形で施策を構築し、県政を確実に担っていかないといけません。
  このため、見直しの取り組みに当たりましては、「県民のくらしと命へのしわ寄せを極力回避する」とともに、「制度の骨組みを安定的に維持する」という視点を基本に据えて、検討を行い、見直し案として市町等にお示ししております。
  具体的には、公共事業費の進度調整、県立施設の管理運営費や試験研究費等の見直しをさせていただくとともに、将来にわたって制度を安定的に維持、運営していくためにも、県単独制度の見直しを行おうとするものでございます。
  新年度予算編成においては、メリハリのある予算編成に努めてまいりたいと考えておりまして、4つの重点テーマを中心として戦略的に推進していくこととしております。
  生命を守るための「災害・医療」、そして2点目は子どもを社会で育てる「子育て支援」、3点目が「環境・琵琶湖の再生」、温暖化も含めてでございます。そして4点目は、滋賀の経済的振興を図るための「産業の育成」でございます。
  そのような中で、別の言葉を言いますと、滋賀の潜在的力を顕在化させるということが、これからの県政運営の大変大事な柱だと思っております。
  2点目、市町の皆さんからは特に福祉医療費助成事業の現状維持などについてご意見を強くいただいており、自治創造会議等、市町長との意見交換の場において、直接伺っております。
  一方で、巨額の財源不足を抱えながら、財源調整的な基金の残高は85億円を切るという危機的な財政状況でございます。収支改善に向けた見直しは不可欠でございます。
 そのような中で、市町等からのご意見を踏まえて、検討を重ね、見直し内容について最終的な判断をこれからしていきたいと考えております。
  また3点目ですが、市町向け県単独補助金の交付金化についてでございます。
  補助金と交付金の在り方と今後の方向性および対象とした補助金、なぜその補助金を選択したのかについてお答えいたします。
  今回の県の単独補助金の交付金化では、交付金化の対象とした事業をメニュー化しまして、市町がその中からそれぞれの必要に応じて事業を選択して実施し、その実施した事業量に応じて交付金を配分するという制度の構築を目指しております。
  この制度は、基本的には県として実施してもらいたい事業への取組を推進する仕組みではありますが、同時に実施する事業は市町ごとに定める上限の範囲内で市町が自由に選択できるなど、可能な限り市町自身の自主性、独自性を発揮した施策が展開できるようにしたいと考えております。
  また、交付金化する補助金の選択に当たりましては、市町の自由度をより一層高めるため、基本的に市町向けの単独補助金の全てを対象として検討してまいりましたけれども、県が法令等により負担する責任があるものや災害復旧費など交付金化になじまないものは補助金として残し、その事業そのものをある意味で固定した形で担っていただいているところでございます。
  現在、市町と意見交換を具体的に行いながら、この新しい交付金の制度設計に当たっておりますが、市町からの皆さんのご意見を踏まえながら、できるだけ透明性の高い、また、市町の実情に応じた施策展開が図れるよう効率的なものとなるよう検討してまいりたいと考えております。
  また4点目でございますけれども、「本当に県民・市民・町民のためになる施策が行えるよう検討しているのか」とのご質問でございます。
  福祉医療制度について、特にご指摘をいただいているわけですが、今年度、早々5月から市町の皆さんとともに、「制度のよりよい姿」について検討を重ね、7月末には報告書をまとめましたが、制度の見直しに関する部分では、合意には至らず、両論を併記する形となっております。
  県としては、この厳しい財政環境の中で、「公助」としての制度を将来にわたって持続的、安定的に運営していくためには、どうしたらよいのか、財源の問題、負担と給付のバランスの考え方、さらに医療受診行動の適正化などを含め、今般の見直し案を提案させていただいたところでございます。
  見直し案に対して市町の皆さんが特にご主張くださっているのは、乳幼児の医療費の点でございます。「乳幼児福祉医療については、子育て支援、少子化対策として重要であり、制度の見直しは住民の理解が得られない」と、市町から意見を多数いただいております。
  しかし同時に私どもが考えなければいけないのは、医療体制の維持でございます。近年の小児科の受診件数、とりわけ小児救急医療の患者数は2、3割増えております。また、小児医療に携わっていただいている医師、医療機関もこの多忙な中で大変な状況にあることも知らないといけません。
 このような中で、子どもさんが病気の際に相談する相手がいないなど、核家族化が進む中で社会的な背景も当然影響しておりますが、乳幼児福祉医療費のことも結果的には影響しているのではないのかという懸念もございます。
  これらのことから、小児救急電話相談事業や地域子育て支援事業なども、孤立化する親御さんに対して支援を引き続き行って参らなければならないと考えております。
  県としては、今後も市町の皆さんからのご意見をお伺いして、議論を重ねながら、セーフティネットとしての福祉医療制度を守るとともに、同時に、子どもたちが医療を受けるための体制もしっかりと維持していく、小児科、あるいは医療関係の皆さんとも相談をしながら、制度を維持するということを含めて、子育て支援・少子化対策につながる制度のよりよい発展を願って、最終的な判断をしてまいりたいと考えております。

河川政策について
次に、河川政策について、知事にお尋ね致します。
  先ず、11月11日、嘉田知事をはじめ4府県知事が発表された、淀川水系河川整備計画案に対する4府県知事合意についてであります。
  冒頭、基本的な考え方において「水系全体のあり方は、地域の自治に責任を持つ地方公共団体の首長が、出来る限り、地域のことは地域で決めるという決意のもと、共通の課題として取り組むことが重要であり、上・中・下流が共に真に助け合える河川政策の実現を目指す」としております。上流、下流の対立の歴史を乗り越えて、互いの信頼関係のもとに課題を共有することや、地方分権に対する強い決意を示せたことを、我が会派は、画期的なことと評価するものでありますが、合意をまとめた当事者として、この共通認識の持つ意義を知事はどうお考えか、先ずお伺い致します。
  また、この知事合意を受けて、金子国土交通大臣が「治水事業を進める手続きや財政負担のあり方について見直す」と発言し、国交省として「ダム事業のあり方の抜本的な見直しに取り組むプロジェクトチームを発足させる」ことを決めるなど、国でも新たな動きが出ておりますが、こうした動きに対する知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、本県に関わる大戸川ダムについてお伺い致します。大戸川ダムは、一定の治水効果は認めつつ、京都府の技術検討会の評価をもとに「中上流の改修の進捗とその影響を検証しながら、実施についてさらに検討を行う必要がある」として、「施策の優先順位を考慮すると、河川整備計画に位置付ける必要はない」と結論付けております。大戸川ダムの淀川への効果は流域委員会でも限定的とされており、建設の是非については、我が会派は今回の合意を了と致します。
 しかし、大戸川流域のダムに替わる治水対策は一刻も早く策定する必要があります。県の中長期整備実施河川での点数は、Aランク河川の中では下位であったと仄聞しておりますが、それとは関係なく整備を優先させることが、今回合意をした知事の責任であると考えます。現時点で知事はどのような整備方針をお持ちなのかお伺い致します。
 次に、県道大津・信楽線をはじめとする大戸川ダムの関連事業についてお伺い致します。合意では「国がその責務を放棄するようなことがあれば、公共事業に対する国民の信頼は根底から崩れることとなる。国は、引き続きその責務を果たすべきであり、それを強く求める」と国を牽制しつつ「大阪府・京都府・滋賀県は事業における責任を果たしていく用意がある」としています。3府県では助け合い基金の創設も検討されており、負担に対する3府県の連携は崩れないものと考えますが、国の対応は不透明であります。先の衆議院国土交通委員会では、合意の、その他の項にある「新たなルールづくり」に金子大臣も前向きな姿勢を示しております。そうした状況からも、早期に3府県知事が一丸となって事業の継続を求めるべきであると考えますが、知事の決意をお伺い致します。
 次に、芹谷ダムの事業中止についてお伺い致します。過日、我が会派では、あらためて芹川河口から、中流、ダム建設予定地、分流点予定地を視察致しました。最も強く感じたのは水没予定地の水谷地区における家屋の老朽化や道路などインフラ整備の遅れであります。知事は主に財政難と県内河川の治水安全度を上げる理由からダム事業の中止を地元に説明され、お詫びもされておりますが地元の理解は得られておりません。知事が責任を持つと言っておられる「生活再建」や「地域振興」の具体案を提示しなければ到底理解は得られないと思いますが、その方策やスケジュール、財政措置についてどのようにお考えかお伺い致します。
  次に、芹川の治水についてですが、芹川の下流部は、彦根市の人口密集地で、天井川であり、破堤による被害が一番危惧されるところです。破堤を防ぐためには、まず、容量確保や橋脚との関係を考え、河床の草木の除去、河床の掘削や、耐越水堤防等による堤防の強化及び遊水池の確保など流域での治水対策が求められます。先日、「芹川アンケート」でも、草木伐採など整備を望む声が92%、治水についても、堤防強化を望む声が46%と報道されていました。芹川においては、最優先で、流域の治水対策により、確実に治水安全度を上げることが必要と考えますが、知事の決意をお伺い致します。
 
この項の最後に、大戸川ダム、芹谷ダムの地元に対する知事の説明責任についてお伺い致します。知事は集団移転を強いられたり、移転を放置された地元住民の皆さんに対し、心からのお詫びや行政の責任を言われますが、地元への説明は十分なのでしょうか。地元からは不十分と不満の声が挙がっているとも仄聞いたしますが、対話と共感を標榜する知事として、言行不一致とのそしりを受けないためにもどのような対応を考えておられるのか、我が会派としても、知事が地元に対し説明責任を果たされ、納得を得られることを強く求めるものでありますが、知事のご所見をお伺い致します。
   [知事の答弁]
 次に、河川政策についてお答えさせていただきます。  
 まず、1点目の、淀川水系河川整備計画に対する4府県知事合意意見の持つ意義でございます。これまで河川流域の上流、中流、下流は歴史的にも利害対立の中にありました。琵琶湖、宇治川、淀川は有名なところでございますし、ライバルという言葉はリバーからきているとも言われるように、上下流あるいは対岸いずれも利害対立というのは日本だけではなく、国際的にも課題となってきたところでございます。そのような中で、今回の四府県知事合意は、上流、中流、下流がそれまでそれぞれの今まで果たしてきた役割を十分理解しながらも共に助け合える河川政策の実現を目指すということで大変大きな意義があったものと考えております。また、淀川水系の関係自治体が広域的な課題について意見の調整をはかり解決策を模索して合意したことは真に地域のことは地域で決めるという地方分権の推進にもつながると考えております。これまでどちらかと言うと都道府県は国に、そして国と都道府県、親子のような関係と言われてまいりましたけれども、それぞれの自治体同士がお互いにつながることで必ずしも上位の政策機関に依存せず、それが分権の出発点でございます。そういう中で今回の上下流の合意というのは大変意義があると考えております。  
  2点目の、金子国土交通大臣の発言や国交省として「ダム事業のあり方の抜本的な見直しに取り組むプロジェクトチーム」など、国の新たな動きでございますが、国では「ダム事業のあり方の抜本的な見直しに取り組むプロジェクトチーム」を立ち上げ、ダム事業の手続きや地元の財政負担のあり方等についての見直しを大臣主導で進められるという報道があったところでございます。これは淀川の動きだけではなく、川辺川の動きなども含めて国の方が検討いただいていることと理解をしております。とはいえ具体的な検討の内容については今承知していないが、いずれにしましても、ダムのような事業期間が極めて長い事業については、時代変化の中でその再評価において地域振興との兼ね合いで判断が難しい状況も発生いたします。そういう中での地域整備との関係を整理して新たなルールを作ることを要望したところでございまして、公共事業の再評価にあわせた新しいルールづくりが必要であると考えており、県としても、是非、国土交通省の方での検討をお願いしたいと考えております。  
 3点目の、現時点での大戸川の整備方針についてでございます。4府県知事合意においては、「大戸川については、大戸川下流部の河道改修の必要性は共通の理解」とされてまいりました。県の中長期整備実施河川の検討において、県下504河川の治水政策の緊急度、必要性を18項目においてチェックしてまいりました結果、大戸川流域の治水対策については、緊急性が高く優先して整備を必要とする河川として位置付けております。大戸川の整備内容の詳細については、今後、県が策定します河川整備計画の中で検討してまいりますが、下流京都府域の治水安全度を考慮しつつ大戸川の河道改修を基本に行っていきたいと考えております。併せて河道内に樹木あるいは竹木大変繁茂しております。これらの伐採も含め、維持管理面も確実におこなっていく必要があると考えております。実際の整備にあたりましては、特に流下能力が不足している箇所を優先して実施するなど、効率的、効果的に治水安全度の向上が得られるよう進めてまいります。  
 次に4点目の、県道大津信楽線をはじめとする大戸川ダムの関連事業について、早期に3府県知事が一丸となって事業の継続を求めるべきであるとのご質問でございます。11月11日の「四府県知事合意」では、「大戸川ダム水没予定地の生活再建に関わる事業や地域としての振興策等について、この事業を進めてきた国がその責務をまず放棄するようなことがあれば、公共事業に対する国民の信頼は根底から崩れることとなる。事業主体である国はこうした問題について、引き続きその責務を果たすべきであり、私どもはそれを強く求めるとともに、その場合において、大阪府・京都府は住民の犠牲も踏まえ、滋賀県と助け合って事業における責任を果たしていく用意があることを明言する。」と確認しているところでございます。こうしたことを踏まえて、継続した事業実施が図れるよう下流2府とともに引き続き国に強力に要請してまいりたいと考えております。  
 5点目の、芹谷ダムの事業中止についてでございますが、「生活再建」や「地域振興」の具体案の提示方策、スケジュール、財政措置でございます。芹谷ダムの建設事業については、1月9日に予定されている公共事業評価監視委員会のご意見を踏まえて、県として最終決定することとしております。  仮に、芹谷ダム建設事業を中止するならば、ダム建設予定地域の地域整備や生活再建などの地域振興対策として、現在の場所において、お一人お一人が元気を取り戻し、生活を再建することができるような地域振興の方策を具体的に検討していく必要があります。そのため、県としての「たたき台」をお示ししながら、地元の皆様と膝をつき合わせて協議させていただき、地域の実情にあった地域振興策を取りまとめていきたいと考えております。  
  また、その際のスケジュールおよび財政措置でございますが、地元の皆様には、昭和38年の予備調査以来45年という大変長い期間にわたって、ダム建設という県の事業にふりまわされ、言葉に尽くせない大変なご苦労をおかけしていることについては、重く受け止めております。先日11月上旬、水谷地区にお伺いした時に、45年というのがどれくらい長い時期であるのか、例えば私自身は45年前はまだ中学生でございました。そういうことを考えますと、早急に地域振興対策を進めなければならないと考えておりまして、お一人お一人の事情をよくお聴きし、地域の実情にあった具体的な方策を取りまとめるには、一定の期間も必要だろうと考えております。
 このため、来年の夏頃を目途に、地元の皆様、関係市町の合意のもとで地域振興対策を策定し、本県の財政状況を踏まえながらも、これまでの長期にわたる地元の皆様のご心労を1日も早く解消できるよう、5年間を目処に事業が完了することを基本としております。しかし同時に、緊急的な対策については、誠意をもってできるだけ早急に対応してまいりたいと考えております。  
  6点目の、芹川の治水対策についてですが、これまでもご説明しておりますように、まず、河道内の堆積土砂を除去することにより、目標とする安全度、戦後最大洪水を流下させることが可能となり、これが実現可能で現実的な対応と考えております。  また、芹川は堤防が高く、沿川に人家が連旦していることから堤防の点検・ 調査を行い、Tランク河川として必要な堤防強化を行うこととしております。同時に、施設能力を超える洪水が発生した場合にも、住民の命を守り、被害の最小化を図るための、「地域防災力の向上」にも取り組んでいく必要があると考えております。今後、「川づくり会議」あるいは学識経験者による「淡海の川づくり検討委員会」における議論も踏まえ、関係する市町長の意見も聴きながら、具体の河川整備計画として取りまとめていく予定でございます。  
 7点目の、大戸川ダム、芹谷ダムの地元に対する知事の説明責任についてでございます。さきほどらい申し上げておりますが、大戸川ダムの水没予定地では、苦渋の選択にせまられ、1200年の父祖の地から集落移転した人たちがおられます。その受難の歴史を重く受け止めるとともに、現時点においても引き続きご心労をおかけしていることに対して、心からお詫びを申し上げます。移転された皆様をはじめ、県民の皆様には、判断に至った経緯など十分な説明をさせていただき、ご理解をいただけるよう努めてまいります。  
 芹谷ダム建設事業につきましても、先ほどお答えしたとおりでございますが、1月9日の公共事業評価監視委員会でのご意見を踏まえて最終決定することとしております。芹谷ダムの方針決定後におきましても、私自身が陣頭指揮を執りながら、地元の皆様にご納得いただけるよう心を尽くして責任を持って対応してまいりたいと考えております。

RDエンジニアリング最終処分場問題について

 次に、RDエンジニアリング最終処分場問題について、知事にお伺いいたします。  
 知事は、我が会派の九里議員の9月県議会一般質問の答弁で「RD問題の1日も早い解決は、過去の経緯からも周辺7自治会としっかり協議を進めることが大切であり、栗東市民全体の合意と納得については、栗東市の同意により判断すべきと考えている」と答弁されています。  
 現在、県が提案している「よりよい原位置浄化策」について回答があった自治会のうち、大半の合意はおろか、納得には程遠いものだと仄聞しています。このことをどう受け止めておられるのかお伺いします。又、実施計画書策定に向け、地元の合意と納得を得るため、今後どのような対処をしようとされているのかお伺いします。
 また、栗東市や栗東市議会、さらには、地元栗東市の各自治会長の要望が数多くある中で、栗東市の同意に向けての県としての今後の対応の仕方と現時点での合意に向けての進捗はどの様なものなのか、お伺いします。
 次の質問ですが、県の示す支障の除去対策完了までの全体概略スケジュール案によりますと、実施計画案に対する地元同意から環境省同意まで5ヶ月程度の期間が必要とのことです。
 しかしながら、産廃特措法の期限が迫る中、県が地元説明会において参考資料の中で示されております、高密度電気探査等の詳細設計で明らかになる有害物の種類と、位置を含めた範囲では、この問題の素因となっている有害物の全容解明にはならないと住民の反発が今も根強く、理解が得られていない現況があると承知しております。  我が会派も、処分場の全容解明のもと、県の許可容量を超えた違法埋め立て物、有害物掘削除去は県の責任においてなされるべきと考えますが、このことについての知事の見解をお伺いします。
 今こそ、有害物の定義を明確にし、有害物の明文化を進め、住民の合意を得られる様、県の示す対策工法を見直す必要があると考えますが、このことについての知事のご所見をお伺いいたします。
 最後に、今月、知事自ら各省庁を訪問され、「国への施策・予算に関する提案項目」の一つに、平成25年3月までの時限立法である産廃特措法の期限延長を環境省に提案されています。
 特に、その提案概要の中でアール・ディエンジニアリング最終処分場が「許可容量を大幅に上回る廃棄物の埋立と許可品目以外の埋立であり、周辺住民の不安と県に対する不信は根強いものがある」と明記されています。
 更には、「地域住民に対する十分な説明と意見聴取を行った上で、対策工を実施していくために、期限の延長を行われたい」と環境省に提案されていますが、県としての国への働きかけの具体的内容・状況についてお伺いし、次の質問に移ります。

   [知事の答弁]
 次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題の6点のご質問にお答 えさせていただきます。
 まず、自治会の回答をどう受けとめているか、今後どのような対処をするのかとの質問 でございます。
 現時点で、すべての自治会から正式に回答いただいてるわけではございませんが、これまでの自治会からの回答や非公式の情報から判断しますと、「よりよい原位置浄化策」を実施するには、大変厳しい状況と認識しております。 しかしながら、よりよい原位置浄化策は、RD問題を1日も早く着実に解決できる現実的な対応策でありまして、これ以外の対策案を実施することはきわめて困難でありますことから、限られた時間の中ではありますが、地元栗東市とさらに連携を強めながら、実現に努めていきたいと考えております。
 次に、栗東市の合意に向けての県としての対応ということでございますが、現時点での周辺自治会の状況は、さきほど申し上げましたように、県にとって大変厳しいものと認識しております。近いうちに周辺自治会の回答が出揃うことになりますが、これを踏まえ、栗東市と協議を行い、国とも調整しながら、今後の対応方針を最終的に判断してまいります。
 次に、4点目の処分場の全容解明のもと、県の許可容量を超えた違法埋め立て物、有害物掘削除去は、県の責任においてなされるべきとのご意見でございますが、RD問題の法的仕組みでございますが、県は、廃棄物処理法に基づいて、不適正処分を行った事業者等に地下水汚染等の支障の除去を命じ、事業者がこれに従わないために、事業者に代わりその全部または一部を代執行事業として実施しようとするものであります。措置命令は5月末に既に出し、または、7月末に事業者が従わないということが判明しております。 この事業者に対する支障の除去命令ですが、周辺の生活環境を保全する内容であるとともに、講ずるべき対策工は廃棄物処理法に基づき経済的にも技術的にも合理的であることが求められております。 RD最終処分場は、昨年度実施した追加調査に基づきまして、具体の対策工の検討を行い、経済的にも合理的である原位置浄化策を、県として実施するべき対策工としたものでございます。許可容量を超えたことのみを理由に県が措置命令を発し、代執行を行うことは廃棄物処理法の要件を満たしていないため、法的にはできないと考えております。なお、有害物質の掘削除去については、先の9月定例会でもお答えしましたように、処分場の早期の安定化を図る観点から有効と考えておりまして、さらに調査を行い対応を検討したいと考えております。
 次に、5点目の県の示す対策工法を見直す必要があるが如何かとのご質問でございますが、有害物の定義は、産廃特措法の基本方針に有害産業廃棄物として規定されております。 有害産業廃棄物の定義でございますが、特別管理産業廃棄物に該当する廃油、廃酸・廃アルカリ、廃PCB等、感染性産業廃棄物、廃石綿、石綿等、および特別管理産業廃棄物に相当するヒ素、水銀、ダイオキシン類などの24項目の有害物質が判定基準を超えて、溶出または含有する汚泥、ばいじん等が該当いたします。このような廃棄物がかたまって見つかった場合は、除去しようと考えております。このことについては、地元説明会でも繰り返し説明してまいりました。現在、RD最終処分場に起因する生活環境保全上の支障またはそのおそれは、地下水の汚染、廃棄物の飛散や流出、有害ガスの放散、および焼却灰の飛散と、県は考えておりまして、これらの支障とそれを除去する対策として、これまでも説明しているよりよい原位置浄化策が、最も効果的で合理的な対策工法と考えております。
 次に6点目でございますが、県が環境省に提案している具体的内容と状況は如何かとのご質問でございます。産廃特措法は、議員もご指摘のように平成25年3月までの時限立法でありまして、残すところ4年3ヶ月余りの期限となっています。期限延長の要望は、対策工実施に当たり不測の事態による遅延の心配があり、他の県市の事例でもそうした可能性があるやに聞くことから期限延長の要望を行っているものであります。周辺の自治会からの回答の状況をみますと、対策工の着手は大変厳しいところでありますが、1日も早いRD問題の解決のためには現行法の枠内での実施という条件の中でそれを前提として取り組むことが県としての責任ある対応であると考えております。よりよい原位置浄化策の実施のために、限られた時間ではありますが、最大限努力していきたいと考えております。

消費者行政について
 次に、消費者行政について、知事にお伺いします。
 近年、社会経済の多様化・グローバル化の中で消費者取引は複雑・多様化しており、食品表示の偽装事件、お年寄りを狙った悪質商法、ガス器具による死亡事件、さらには中国産冷凍ギョーザの毒物中毒事件、事故米の不正転売事件など、国民生活を脅かす消費者問題が大幅に増加しています。
 しかし、消費者が被害に遭っても相談窓口が分かりにくい、たらい回しにされるなどの問題が生じています。また、縦割り行政のため、苦情や相談が集約されず情報共有が遅れ被害が拡大する事例も多く発生しています。この背景には、事業者側の立場を重視し、消費者保護は事業者に対する所管省庁の規制を通じて行ってきた行政のしくみに問題がありました。このため政府は、消費者行政を一元化し、消費者・生活者の視点に立った行政へ転換するため、消費者庁創設に向けようやく動き出したところであります。
  政府の提案する消費者庁は、消費者行政の基本となる「表示」、「取引」、「安全」に関する個別法を一元化し、総合的に所管し権限行使します。しかし、貸金業法が金融庁から移管されず共管となるなど、各省庁に分散する業法の規制権限の多くは元の省庁に残り共管、すなわち、両省が共に所管することとなっています。結果として二重行政となり、責任の所在が曖昧で消費者の立場から権限行使できるかは不明なため、消費者行政は現状より悪くなるのではと懸念するところです。国の消費者行政の一元化に向けた動きについて知事のご所見をお伺いします。
 本県では消費生活条例に掲げられた消費者の8つの権利を尊重するとともに、消費者が自主的・合理的に行動できるよう消費者の自立を支援することを基本とし、平成18年に滋賀県消費者基本計画を策定されました。消費者教育・啓発や情報提供、消費者取引の適正化、消費生活相談、あるいは商品・サービスの安全対策などの重点施策により、22年度までの5年間を計画期間として消費者施策の推進が図られているところです。
 しかしながら、相変わらず悪質業者による浄水器や羽毛ふとんの訪問販売被害、悪質リフォーム問題、あるいは多重債務問題など後を絶たない現状であり、特に高齢者を中心に多発しています。
 一方で、被害に遭っても相談しない・できない隠れ被害、泣き寝入りの事例は相当数に上るとみられ、事態は深刻です。消費者トラブルや被害の減少・防止に向けた一層の対策強化が必要であると考えますが、知事は平成19年度の基本計画実施状況の結果をどのように受け止めておられるでしょうか。今後の課題と併せてお伺いします。
 生活者本位の地方消費者行政を進めるためには、これまで以上に悪質事業者による被害拡大の抑止に向けて、国からの行政処分権限のさらなる移譲をすること、被害情報収集の一元化・発信機能の強化、食品や生活用品に関する検査機能の強化をすること、また消費生活相談の窓口である相談員の資質の向上、担当職員の育成をすることが必要であると考えます。
 特に、消費生活相談員の処遇については、非常勤の職員がほとんどで、報酬や勤務体制についての改善が求められています。さらには、厳しい財政状況の中、消費生活センターを一本化するなど予算を減額する状況にあって、消費生活相談の本年4月から9月の受付総数6,849件中、13市の受付は3,894件と県の相談件数を上回っており、県は消費者に、より身近な市町への支援を強化し、広域的な視点から消費者行政の推進を図っていくべきであると考えます。知事は11月13日、食の安全・安心の確保と生活者の視点に立った地方消費者行政の強化について国へ政策提案をされたところです。相談体制の要となる相談員の処遇改善を含め、今後、県はどのように消費者行政を推進していかれるのか、知事の方針をお伺いし、この項の質問を終わります。
   [知事の答弁]
 次に消費者行政について3点のご質問にお答えさせていただきます。
 まず1点目の「国の消費者行政についての動きへの所見」でございます。私自信は、県政運営の大きな柱は「対話と共感」に求め、また、その前提は「生活者の視点、生活現場からの発想」であると申し上げております。国の消費者庁構想は、従来、産業振興の間接的なテーマとして縦割り的に行われてきた消費者行政を「消費者・生活者の視点を中心に据えたものと転換」しようというものでありまして、たいへん期待をしております。
 しかしながら、生活者の目線で消費者行政を進め、消費者が主役の社会に転換するためには、国に新たな組織ができるだけでは十分とはいえません。消費生活の現場をあずかる地方の消費者行政の強化を図ることこそが大事であると考えております。そのため、先月11月の政府提案においても、知事への行政処分権限の移譲など、法整備あるいは地方の実情を踏まえた地方消費者行政の抜本的な強化策について、野田大臣に直接要請申し上げました。
 2点目の「消費者基本計画の実施状況結果」についてでございます。ご承知のとおり、この基本計画に示す「消費者の自立のための基盤整備」「消費者トラブルの防止と救済」「安全・安心な消費生活の確保」という3つの基本的方向に基づき、7つの重点施策を推進しております。こうした取り組みによりまして、消費生活相談に寄せられる相談件数は減少してきたものの、相談内容は複雑・多様化しておりまして、また安全・安心にかかわる事件・事故などは依然として後をたたないことからも、今後とも基本計画にそった継続した事業の実施が必要であると考えております。
 課題につきましては、消費者行政にかかる法令が多岐にわたることや所管が分散していること等から、事件・事故が起こった場合、必ずしも、消費者の目線にたって、迅速・一元的に対応できる体制とは言えない状況もあります。また、悪質事業者による消費者被害が後を絶たず、その手口も複雑・巧妙化していることから、事業者指導体制の確立が必要なことが挙げられております。
 そこで、3点目のご質問ですが「今後どのように消費者行政を推進していくのか」についてでございます。  まず、県民の目線に立って一元的に消費者行政に取り組むため、全庁的な体制・仕組みを構築することが必要です。県の政策、あるいは県の仕事はそのような意味で、例えば食品衛生の問題でしたら、生産から流通、そして消費まで、横をつなぐ一貫した仕事を担うことが可能でございます。
 また、次に、消費生活相談で寄せられる消費者トラブルに迅速に対応し、消費者被害の未然防止、拡大防止を図るため、事業者の指導体制を整備すること、これも大切でございます。さらに、消費者トラブルに関する情報の共有を図るなど、市町との連携強化を図ることで、全体として本県の消費者行政の強化を図っていくことも必要でございます。
 また、議員ご指摘の、相談員の処遇でございますけれども、業務の実態、他の職務との均衡なども考慮しながら、どのような改善ができるのか考えていきたいと思っております。  今後とも、県民生活の安全安心を守るため、総合行政を担う、まさに県だからこそできること、県だからこそやらなければならないこと、消費者行政の一層の推進に向け、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。

琵琶湖の水質改善について
 次に、琵琶湖の水質改善について、知事にお伺いします。
 知事は、去る11月13日に環境省など国の関係省庁に対して、水質汚濁・生態系メカニズムの解明調査と新たな対策の検討、琵琶湖深層部の低酸素化が水質や生態系に与える影響調査等について、県と連携した取り組みを実施するよう提案されました。
 折しも、11月18日には琵琶湖北湖の湖底の酸素濃度が1リットルあたり、0.5ミリグラムと1979年の調査開始以来の最低を記録したと発表されたところであり、生態系や水質への影響が一層懸念される状況にあります。
 これまで県は琵琶湖の水質悪化に対して流入汚濁負荷の削減を目指して取り組んでこられましたが、今後、国からより一層資金や人を出してもらいながら共同で調査解明を進め、具体的な改善策へとつなげていかねばなりません。
 過日の制度提案に対する国の姿勢はどうであったのか、県の財政や人員配置が厳しくなる中で今後どのような体制で課題に対応していくのか、知事の所見をお伺いします。
 特に、琵琶湖においては全有機物量の75%から85%を占めるといわれるセルロース、フミンなどの難分解性有機物については、有機物供給源との量的関係や生成過程について未解明の部分も多いと聞いておりますが、こうした新たな課題に対して今後どのような対応をされていくのか、併せて伺います。
 琵琶湖の水質を持続的に改善していくためには、このような科学的な解明や改善策に加えて、人々が暮らしの中で水の恩恵に感謝し、水環境を見つめ直していかねばなりません。知事は、これまで琵琶湖研究所職員、琵琶湖博物館職員として、また大学教育を通して琵琶湖への水質汚濁水の減少の方法、固有種や生き物の再生、水文化の維持などに流域住民の皆さんとともに取り組んでこられました。
 水辺などの水環境への住民の関心を高めることは極めて重要であり、知事もマニフェストの中で「世界的にみても水とのかかわりが深い日本の文化を改めて掘り起こし、その価値を高める政策が今改めて求められています」と述べられています。
 こうした観点からも、先般、韓国で開催されたラムサール条約締結国会議において近江八幡市と安土町にまたがる西の湖と琵琶湖に注ぐ長命寺川がラムサール条約湿地として追加登録されたことは人の活動と自然との調和を図るためにもその意義は大きいといえます。
 また、この地域は水の浄化作用があるいわれるヨシ群落が109ヘクタールあり、ヨシを生活に利用する人の営みと自然との調和が湿地登録の拡大によって全国的にも注目されています。
 こうした動きに呼応してヨシの保全などを含めて琵琶湖の環境保護運動に参画する企業もあります。
 水と人々の暮らしのかかわり方として引き継がれてきた多くの水文化を健全な形で次の世代へと受け継ぎ、また、水にかかわる先人の知恵を生活に生かすような施策を推進することはそのまま琵琶湖の水質改善にもつながっていきます。 そこで、人々の日常生活、ヨシ産業をはじめとする琵琶湖特有の産業、そして、農林水産業などとの関係から水質改善につながる水文化の発展のために県として今何をすべきとお考えか、お伺いします。
  特に、ヨシ群落は、湖岸の侵食防止、水質保全等多様な機能を有しており、平成4年7月1日施行された滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例により、守り、育て、活用する取り組みをすることとなっていますが、今の現状を見て、こうした水文化の発展や琵琶湖の水質改善に、はたして寄与しているのか、併せてお伺いします。 
 最後に、水質保全にかかる計画についてお尋ねします。
 水質保全に関しては「マザーレイク21計画」をはじめ、いくつかの計画の中で述べられ、第3次の「滋賀県環境総合計画」の中でも水環境の保全について検討されています。
 これらの計画の目指すところは同じだとは思いますが、琵琶湖の水質を守るために、どのような指針の下に誰がどのような行動をしていけばよいのか、という方向性や目標数値をまさに目に見える形で広く県民に指し示すことが必要と思いますが、知事の考えをお伺いし、次の質問に移ります。
   [知事の答弁]
 次に、琵琶湖の水質改善についての御質問にお答えさせていただきます。
 5点の御質問のうち、まず第1点目ですが、過日の制度提案に対する国の姿勢はどうであったか、また、今後どのような体制で課題に対応していくのかとの御質問でございます。
 現在、マザーレイク21計画の第2期計画に向けて、関係する省庁には琵琶湖総合保全学術委員会へのオブザーバーとしての参加など、積極的な協力をいただいております。
 その中でも、環境省では、既に昨年度から難分解性有機物の解明に向けた調査を実施しておりまして、加えて、来年度に向け、「気候変動による水質への影響解明、適応策検討調査」が新規事業として概算要求されるなど、調査の必要性は認識されております。
 議員も御指摘のように、琵琶湖の底部の酸素濃度の低下、これは今までにない大変緊急の課題であると考えておりまして、そこのあたり環境省も理解をしていただいております。
 これらは琵琶湖の保全に向けての緊急の課題ですが、厳しい財政状況ではありますけれども、国と県の連携のもと、調査の全体フローを描きながら、それぞれ得意分野を活かした役割分担をしながら効率的に調査を進めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の難分解性有機物などの新たな課題に対する対応でございます。
 琵琶湖では、総合開発以来、正に数十年にわたって下水道の整備などによる生活排水対策、あるいは富栄養化防止条例に伴う工場排水規制など様々な水質改善のための取り組みを実施して、琵琶湖への流入負荷量を削減してまいりました。
 その結果、現在では、透明度が上昇し、窒素、リンも改善傾向にあるなど、流入負荷量カットの成果はそれなりに出ていると理解をしております。
 しかし、予測していなかったことが、この有機汚濁の指標であるCODの増加でございます。その原因でございますけれども、実態把握と原因究明のための調査を環境省、国土交通省とともに平成19年度から実施しております。
 その結果、琵琶湖の難分解性有機物のCODに占める割合は7割程度であること、また、陸域からの流入汚濁負荷量に占める難分解性有機物の割合が年々増加している可能性があることなどがわかってきました。
 今年度からは琵琶湖内のプランクトンと難分解性有機物との関連について調査をするということで、新たに環境省の委託を受けるなど、国の支援を強化していただきました。
 来年度は、この調査の結果を取りまとめ、琵琶湖における有機物の流入、発生、蓄積、流出等の一連の動きを量的に把握し、新たな有機物対策を検討し、マザーレイク21計画の第2期計画に盛り込んでいきたいと考えております。
 また同時に、私たちの暮らしの身近なところで消費される日用品、食べ物あるいは洗剤など、下水道で十分に処理できず、琵琶湖の環境に影響を与えている難分解性有機物の源となるものも含まれている可能性があります。
 このような領域については、住民の皆さんの御協力もいただきながら、暮らしの見直しを視野に入れた対策なども併せて検討していきたいと考えております。
 次に、3点目の御質問でございますが、日常生活やヨシ産業、農林水産業などとの関係から水質改善に繋がる水文化の発展のために今何をなすべきと考えるのかとの御質問でございます。
 昭和30年代を振り返ってみますと、琵琶湖の漁獲量は10,000トンを超えておりました。今、2,000トンあるいは3,000トンということですから、当時は貧栄養、大変栄養分が少ないのに漁獲量が多い、ということは少ない栄養分がうまく回され、それが魚、貝に定着されていたということだろうと思っております。そして同時に、魚貝類は一般家庭で食され、貴重なタンパク源でもありました。
 それから、漁業の作業プロセスそのものが、例えば貝曳きですと、貝曳きの作業そのものが底泥に酸素を供給して湖底の環境改善に効果があったのではないのかということも言われております。また、かつては水草や泥藻なども田んぼの肥料として利用され、その田んぼで育った米や野菜を食べて生活が成り立っていた、あるいは、ヨシについても屋根のヨシ葺き材、あるいは”よしず”などにも広く利用されておりました。
 つまり、栄養分が生物によって固定され、その生物が生活に利用され、そして物の循環が成り立っていたということでございます。
 結果として水質も良好な状態が維持されていた、そのような中でこれからどうすべきかということでございますけれども、水質保全対策の中に、これまでの工場排水対策、下水道整備、また、面源対策としての施設整備は重要でございますが、同時に、水文化の原点であります琵琶湖との関わりを再生し、このような中で暮らしと琵琶湖を繋ぎ、そして結果として環境再生に繋がるような活動が必要ではないかと思っております。 一例をあげれば、琵琶湖ならではの湖魚料理の普及やヨシの利用、また水辺の川端の利用など文化的な側面も生活に活かせるような施策について検討する必要があると思っております。
 次に5点目の、琵琶湖の水質を守るために、どのような指針の下に誰がどのような行動をしていくのか、方向性や目標数値を見える形で指し示す必要があるとの御指摘でございます。
 琵琶湖の水質を守るためには、水質汚濁防止法に伴う、先程来話に出ておりますCOD、BODというような水質項目というものがあるわけでございます。
 しかし同時に、水質あるいは水環境というのはより広い意味がございます。
 平成11年度に策定しました琵琶湖総合保全のための長期計画でありますマザーレイク21計画では、「水質保全」と併せまして「水源かん養」それから「自然的環境・景観保全」の3つの目標を掲げております。  この計画、第1期の目標年は平成22年度になっておりますから、現在、琵琶湖の抱える水質、生態系の課題に対応するため、次の第2期目における実施対策、計画の方向性について、琵琶湖総合保全学術委員会で検討を行っております。
 この新しい検討の中では、これまでの科学的なあるいは数値的な水質指標などに併せまして、人々の暮らしと琵琶湖の関わりについて目標数値など見える形で示していくことも必要であろうと議論されております。
 例えば、川辺で遊ぶ、湖辺で遊ぶ子ども達の数によって、暮らしと琵琶湖の関係の豊かさを評価するなど、これは例えばでございますけれども、新たな指標についても学術委員会で今後しっかりと検討していただきたいと考えております。
 そのような中で、検討結果が県民の皆さんに、より身近な計画となるよう、プロセスの共有をしながら見える形での計画づくりをしていきたいと考えております。

農林業施策について

 次に、農林業施策について、知事にお伺いします。
 昨今の市町を取り巻く情勢は行財政改革の進展、地方分権の推進などにより地域間競争が激化し、また、諸外国との交流が活発化し、WTO体制の下、自由貿易が推進されるなど国際化が進展してきています。さらに、地球温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨など、地球規模で環境問題が叫ばれており、環境保全対策への取り組みが求められています。このような時代背景にあって、農業、農村を取り巻く情勢は担い手の高齢化と就業人口の減少、耕作放棄地の増加など極めて厳しい状況に加え、消費者の食品に対する安全性と環境保全に対するニーズが高まってきており、安心・安全な農産物の供給と環境への負荷の軽減に配慮した取り組みが求められています。
 こうした状況を踏まえ、今後の継続的な生産活動を通じて自然環境の保全、美しい景観の形成、地域文化の伝承など、祖先から営々と伝えられてきた日本人の心のふるさとである農山村を次世代に確実に引きついでいくことが最重要課題であると考えます。特に次に掲げる諸問題についてお伺いいたします。
 まずは、持続可能な農業の担い手の育成は、今日の政策の方向である営農組合と中核農家の経営基盤の確立であると考えますが滋賀県として独自の対策があるのかお伺いします。
 
一方、小規模農家に対する支援策も重要であり、民主党も農家に直接支払う「戸別所得補償制度」を創設して、農家が安心して農業に取り組めるようにするとしています。滋賀県として、小規模農家に対する支援策はどう考えているのかお伺いします。 次に、全国的に獣害による農林業の損害は年々増加をしています。滋賀県においても農林業家から「電柵、爆竹、テープ巻き等の対策は限界に達している」との声が上がっています。適正な頭数駆除など、さらなる対策が必要と考えていますが、滋賀県としての対策についてお伺いします。
 次に、農産物の自給率の向上と環境保全を図るには、全国的に問題となっている中山間地によく見られる荒廃した農地の再生が急務であると考えます。今後拡大していくと思われる、滋賀県の耕作放棄地の面積と、その対策についてお伺いします。
 次に、昭和24年(1949)の「土地改良法」制定を契機に「土地(つまり農地)」の「改良」は加速され、先人のご労苦の中で現在に至っております。しかしながら、土地改良施設の老朽化が進み、県下各地で用水路、頭首工、送水管等の改修時期が一斉に迫っています。計画的な県の予算措置が必要と考えますが、県の考え方をお伺いします。
 次に、造林公社の今後の課題にも大きく係わってくる林業政策についてお伺いします。まずは、後継者の育成についてですが、林業の振興対策は後継者の育成にかかっていると言っても過言ではありません。今後、森林整備の専門的な技術者をどのようにして確保されていくのかお伺いします。また、森林整備の課題は、間伐、里山整備、境界の確定であると考えます。森林組合に対する支援策を含め、財源の確保など、どう考えておられるのかお伺いします。
 さらに、県産材の利用促進は極めて重要な課題です。一部、利用促進の取り組みも始まっていますが、やはり、県が主導し、地域の製材所、工務店、大工さん、ハウスメイカーに対して、積極的な働きかけと、優遇策が不可欠と考えますが、実現可能な具体策はあるのかお伺いします。
 最後に、地域振興局の廃止に伴い、林業施策が手薄になることが懸念されます。先程の林業政策の積極的な推進を踏まえれば、より専門的でやる気のある職員の配置が求められますが、その対応は万全なのかお伺いします。

  

[知事の答弁]
 農林業施策の9点のご質問にお答えさせていただきます。
 まず1点目の、担い手育成のための県の独自対策についてですが、本県の農業は、水田農業に特化しておりまして、著しく兼業化が進んでいるのが特徴でございます。
 県としては、農業・農村を持続可能な形で次の世代に引き継げるよう、認定農業者やあるいは集落営農組織を育成しまして、水田面積の約7割を担っていただくことを目指しております。
 このため、まず、効率的な経営を行っていただくことが重要であり、本県の特色である集落営農については、従来の麦・大豆の生産を主体とする組織から、水稲も取り込んだものとなるようさらなる取り組みをすすめております。
 また、認定農業者については、地域の調整機能を活用して農地の集積や連担化もすすめております。  さらには、これらの担い手がより一層たくましい経営体へと発展していただくよう新たな品目や農産加工を取り入れた経営の多角化をすすめております。
 2点目のご質問ですが、小規模農家に対する支援策をどう考えているかについてでございます。小規模農家については、集落営農への参加により、経営の協業化や機械の共同利用を行うことで効率の良い農業経営が行えるよう支援することとしております。
 加えて、滋賀県が都市近郊であるという地の利を活かすと共に、例えば道の駅や農協などが設置する直売施設、県下全域には139の直売施設がございます、これらの施設の活用を通じて、食と農をつなぐいわば「近い食」を増やす地産地消の取り組みなどをすすめることによりまして、農家自らが多様な農産物の生産を行い付加価値を高め、そして収入を上げながら小さくても活きいきとした農業経営を行っていただけるものではないのかと期待をしているところでございます。
 次に、3点目の獣害対策についての御質問にお答えさせていただきます。
  獣害を軽減するためには、議員御指摘のような「被害防除」に加えて、人との棲み分けのため、野生獣の本来の生息環境を整えるとともに、野生獣が本来の生息地の中で生きていることが難しいほど個体数が増加した場合には、適正な個体数調整を行うことが必要であると考えております。
 県としては、こうした対策を総合的に実施するため、平成18年度より農政水産部と琵琶湖環境部が連携し「獣害対策推進プロジェクト」を立ち上げ、地域ぐるみでの取組を推進しております。
 特に、ニホンジカについてですが、調査の結果、生息頭数が26,500頭、1平方キロあたり12頭と推定されまして、環境省が示している自然植生に目立った影響のでない密度である平方キロメートルあたり4頭の3倍にものぼっていることが分かりました。そのことから、被害防除・生息環境整備と並行して、個体数調整により積極的に捕獲を進めておりまして、当面、年間5,600頭の捕獲に向けて、市町が実施するシカの捕獲に対して助成をするなどの対策を講じております。
 
また、ニホンザルについては、一律に個体数を減らせば即、被害の軽減につながるとは限らないことから、まず、被害防除対策を実施することとし、それでもなお、被害が防止できず、かつ、人への加害レベルが相当程度高い群れについては、個々の群れごとに個体数調整の実施について検討することとしております。 今後とも、各地域の実情に応じて、地元市町や住民の方々などとも連携し、効果的な対策を推進して参ります。
 次に4点目の耕作放棄地に関する質問にお答えさせていただきます。  耕作放棄地の現状ですが、2005年の農林業センサスによりますと、全国で38万6千ヘクタールでありまして、経営耕地面積に占める割合は9.7パーセントとなっております。
 一方、本県の耕作放棄地は、1,978ヘクタール、その占める割合は4.3パーセントとなっておりまして、耕作放棄地率では、全国で2番目に低いという状態でございます。
 今般、国では、耕作放棄地対策を迅速に進めるため、平成20年度補正予算および来年度概算要求において、耕作放棄地対策に取り組む体制の整備とその活動の支援に着手されたところであります。 本県においても、これら国の予算を活用しながら、県および関係機関等で構成する「滋賀県耕作放棄地対策協議会」を年度内に設置することとし、耕作放棄地の担い手などへの集積を進めるなかでその解消に粘り強く取組んでまいりたいと考えています。
 次に5点目の、土地改良施設の計画的な予算措置についてでございます。
 議員ご指摘のように土地改良施設は、主に琵琶湖総合開発事業により集中的な整 備が行われ、現在30年前後が経過し老朽化が進んでおります。本県農業生産を支える重要な資産でありまして、アセットマネジメント手法により効率的・効果的な対策を実施することとしております。
 具体的には、揚水機場や幹線水路などの基幹施設については、機能診断を行い施 設の重要度や老朽度に応じて補修・補強・更新対策を実施することにより、長寿命 化に努めております。  また、末端施設については、「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策」の地域ぐ るみの共同活動による補修に加えて、用水路の改修などのきめ細かい更新対策を実施しております。
 このため、土地改良区や市町の意見を聴きながら、今後必要となる予算の検討を 含め、全体計画を策定し、これらの対策を計画的に進めていきたいと考えています。
 このように、アセットマネジメントは、今後の農業農村整備における重点施策で ございまして、土地改良施設を健全な形で次世代に引き継いで参りたいと考えております。 次に、6点目の森林整備の専門的な技術者の確保についてございます。  林業の振興対策において、担い手づくりは極めて重要であります。
 これからの木材生産は、伐採や搬出にかかる経費をできる限り低く押さえて、生産性を高めることが不可欠でありますことから、高性能林業機械を活用した低コスト施業に対応できる高度な技能や技術を有する技術者が必要と考えております。
 このため、労働災害の防止や就労条件の改善に引き続き取り組むことによりまして新規就労の促進を図るとともに、技術や技能の向上を目的とした高性能林業機械オペレーター研修やモデル的な施業の実施などに取り組むことによりまして、林業を振興させ、ひいては魅力ある、特に若い人に魅力ある林業職場の形成につながるよう、次代の森林を支える担い手の育成・確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、7点目の財源の確保についてでございます。
 森林の多面的機能を持続的に発揮するためには、間伐を中心とした森林の適正な整備と成熟しつつある森林資源を活用し、持続可能な森林管理を進めることが重要でありまして、その事業主体となる森林組合の役割に期待しております。
 厳しい財政事情の中ではありますが、今年の5月に国において温暖化防止対策として施行された、「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」、いわゆる間伐等促進法による起債措置等を活用しながら、森林整備に必要な造林事業予算の確保に努める所存でございます。
 さらに、県民の皆さんにご協力いただいている琵琶湖森林づくり県民税を活用して、環境林整備や里山林整備などの多様な森林づくりにも積極的に取り組みたいと考えております。
 次に、8点目の県産材の利用促進の実現可能な具体策についてでございます。  現在、県では、公共施設や公共事業での県産材利用、また、木の学習机などの木製品利用、さらに、びわ湖材の産地証明制度、木の香る淡海の家推進事業など実施しておりまして、県産材の利用促進に取り組んでおります。
 しかし、県産材の生産が年4万?程度という極めて低い状況で推移しておりまして、県産材の利用を促進するためには、まず、県産材を安定的に供給する体制整備が急務であります。
 今後は、現在取り組んでいる諸事業の一層の充実をそれぞれ図るとともに、川上から川下までの県産材の生産流通体制を構築する取り組みの中で、製材所や工務店などへの支援も含めて総合的に検討していきたいと考えております。
 次に、9点目の振興局の廃止に伴う職員の配置についてでございます。
 地域振興局の見直しに伴い、森林部門については、振興局等の森林整備課が単独事務所として再編・集約されることとなります。
 統合されることとなります東近江、湖東の地域については、統合後においても県と地域との関わりは従前どおり維持されよう体制を確保することとしておりまして、地域と一体となった森林整備が進められるよう配慮してまいります。
 また、今後の木材生産流通を主体とした森林・林業施策の推進に向けて、地域との更なる関係強化を図っていくことが不可欠であると考えておりまして、そのことを念頭に置いた職員の適切な配置に努めていく所存でございます。


がん医療の推進について
 次に、がん医療の推進について知事ならびに病院事業庁長にお伺いします。
 我が国において、がんは死因の一位であり、国において、がん対策の一層の推進を図るため、平成19年に「がん対策基本法」が施行され、「がん対策推進基本計画」が閣議決定されました。 本県においても、がん対策を強力に推進するため、現在、(仮称)滋賀県がん対策推進計画の策定を進めておられます。
 本県においても、がんは死因の第一位であり、全死因の3割を占め、年間3000人を超える方が死亡されています。
 今後、高齢化が進行する中で、がんによる死亡は増加することが危惧され、一層のがん医療の推進が必要と考えます。この計画を実効あるものとするために、県は滋賀医科大学付属病院を「滋賀県がん診療高度中核拠点病院」とし、また、成人病センターを「県がん診療連携拠点病院」として指定し、この計画を推進するためのコーディネーターとしての役割を位置付けられています。今後、2病院の関係を強化する必要があると考えますが、この2病院に何を期待し、どのような位置づけと役割分担をされるのか知事のご所見をお伺いします。
 次の質問ですが、がんは全身の臓器に発生する可能性があり、症状の進行や再発を伴い、痛みや治療による副作用など、身体的、精神的な苦痛や不安が伴います。そのため、がん患者やその家族が質の高い療養生活を送るためには、治療の初期段階から、身体的症状の緩和や、精神心理的な問題への援助などの緩和ケアが求められます。
 計画素案においても、緩和ケアは重点項目として掲げられており、緩和ケア病棟だけでなく院内を始め、県全体としての緩和ケアの認識とレベルアップが求められています。併せて、在宅での緩和ケアを担う医療従事者の育成も必要となります。緩和ケアの推進に向けての取り組みについて病院事業庁長にお伺いいたします。
 また、年間3000人を超える方が、がんで死亡されていることを考えれば、県内どこにいても、質の高い医療を受けられることが求められています。がん診療連携拠点病院には、がん医療の均点化、まさに、雨の粒がどこにでも同じように降るように、どこの地域にいても質の高いがん医療が受けられるようにと指定されています。そのためには、初期の相談支援から医療技術の更なるレベルアップなど、実効性のある病病連携や、病診連携が必要と考えますが、がん医療の均点化について成人病センターとしての今後の取り組みを病院事業庁長にお伺いいたします。
 都道府県がん診療連携拠点病院については、県下でがん治療数が一番多い大津赤十字病院を申請をされなかった理由のひとつに「事務量が処理しきれない」との理由があるとも仄聞しております。現在、国からの補助金で対応するということで、成人病センターは強い思いを持って「都道府県がん診療連携拠点病院」に申請をだされ、県から10月31日に厚生労働大臣に推薦されたところです。
 都道府県がん診療連携拠点病院指定の要件が、平成20年から新基準が適用されております。新基準は、専門の医療従事者の配置、緩和ケアチームの整備、外来の専門的緩和ケアの提供体制、相談支援センターの設置などを求めております。
 都道府県がん診療連携拠点病院に申請したということは、これからのうち「必須」とされている要件は当然クリアしていると思いますが、県民が望む質の高いがん医療を推進するためには、さらに「望ましい」要件も満たしていくことが大切です。県拠点病院として県から推薦された成人病センターの責任者である病院事業庁長に、「望ましい」とされる要件を満たし、がん医療を推進していく決意をお伺いし、次の質問に移ります。
   [知事の答弁]
 がん医療の推進についてでございますが、がん医療の推進における滋賀医科大学附属病院と成人病センターの2病院に対する期待と役割分担についてのご質問にお答えいたします。
 言うまでもなく、滋賀医科大学附属病院は、滋賀医科大学と共に教育研究機関の中で重要な役割を果たしてきていただいておりまして、診療支援のための医師派遣、あるいは人材育成に強みがあります。
 一方、成人病センターは、昭和40年代以降、県の成人病政策医療の拠点として発展してきておりまして、緩和ケア病棟を用いた緩和ケア研修、がん登録の推進などに強みがございます。
 がん医療を推進するためには、両病院がそれぞれの特長や強みを活かし、協力し合って、県内のがん医療の均てん化を牽引されることを期待しております。
 そのため、診療支援ネットワークの要として、「県がん診療連携協議会」を 配置することとしております。
 両病院には、この協議会運営に力を合わせて、コーディネーターの役割を担っていただくことを大いに期待しているところでございます 「がん医療の推進について」の3点のご質問にお答えします。
 まず、1点目の「緩和ケア推進の取組」でございますが、緩和ケアにつきましては国のがん対策推進基本計画の重点課題の一つに掲げられるなど、がん患者とその家族が質の高い療養生活を送れるよう、その重要性が広く認識される必要がございます。
 また、住み慣れた家庭や地域での療養が選択できるよう、在宅医療の充実も求められているところであります。  成人病センターでは、平成14年度に緩和ケア科および緩和ケア病棟を設け、がん患者を中心とした心と体のケアだけでなく、家族へのケアにも取り組んでいるところであります。
 また、多職種による緩和ケアチームや緩和ケア外来を通して、一般病棟における治療の初期段階からの緩和ケアの実施にも積極的に取り組んでいるところです。 
 さらに、今年度は厚生労働省が定める基準に沿った緩和医療研修を1回、医師などの医療者を対象とする講演会を5回、さらに一般県民を対象とした講演会を2回開催しており、地域の診療所の医師を含む県内の緩和ケアに携わる医療関係者に対する専門的な研修や、一般県民を対象とした公開講座などにも取り組み、緩和ケアの普及と技術の向上に取り組んでいるところでございます。 
 今後は、こうした取組を更に進めますとともに、在宅療養支援診療所などの地域の医療機関を対象とした研修会や在宅緩和ケアの研究会の開催、さらには地域連携クリティカルパスの整備推進など、県内の緩和ケアの普及推進に中心的な役割を果たし、県内どこにいても同じ質の緩和ケアの提供が受けられるよう取り組んで参りたいと考えております。 
 次に、2点目の「がん医療の均てん化に向けた成人病センターの今後の取組」でございますが、「どこの地域に暮らしていてもがんの標準的な専門医療を受けられる」というがん医療の均てん化を推し進めるためには、専門的な人材の育成と共に、医療機関が役割分担をして、患者さんが必要とする医療を適切なタイミングで受けられるよう連携体制を強化することが重要となってまいります。
 成人病センターは、平成14年8月に、県内で初めて「地域がん診療連携拠点病院」に指定され、県のがん診療の拠点としての役割を果たしてきておりますが、これまでの実績を基に、県立病院として、県のがん医療の施策展開と一体となった取組みをさらに強化していくため、今年度、県内の他の地域がん診療連携拠点病院等との間で、連携体制や研修計画等に関する連絡・調整会議を県と共同で開催し、病院間の連携の推進にも取り組んでいるところです。
 今後は、このネットワークを基に、成人病センターが中心となって「がん診療連携協議会」を早期に設立し、滋賀医大をはじめ関係団体にも幅広く参画を求めて、がん医療推進にかかるネットワークを確立し、情報の共有や人材の育成、さらには医療技術の向上など、県内のがん医療の均てん化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の「都道府県がん診療連携拠点病院としての要件充足の見通しとがん医療推進についての決意」でございますが、都道府県がん診療連携拠点病院としての要件につきましては、県のがん診療の拠点としての役割をしっかりと果たしていくため、その整備に向けて取り組んできたところでございまして、今回の指定申請にあたっては、必須とされる75項目すべてをクリアした上で申請を行ったものであります。
 一方、厚生労働省の定める「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」におきましては、指定要件の一部に「充足することが望ましい」とされているものが25項目ありますが、一部に非常勤で対応するなど整っていないところもございます。これにつきましては、関係大学に働きかけを強めることにより、早期に体制の充実を図るよう取り組んでまいりたいと考えております。
 今後、本県におきましても、がん対策が県の重要な課題でありますことから、成人病センターが県内のがん医療に貢献すべく「総合的診療基盤に立ったがん診療」のもとに、人材の育成確保や機器の整備など診療体制をさらに充実させますとともに、医療機関相互の連携の強化を図り、県内どこにいても適切ながん医療が受けられるよう、職員一丸となってがん医療の均てん化に向けて取り組んで参りたいと考えております。

周産期医療対策について
 次に、周産期医療対策について、知事にお伺いいたします。2年ほど前、奈良で分娩中に妊婦が意識不明となり、19病院をたらいまわしされて亡くなった事件がありました。残念ながら先般、妊娠中に脳内出血を起こした妊婦が亡くなったと言う同じようなニュースがありました。妊婦の受け入れをいったん断った東京都立墨東病院(墨田区)は、リスクの高い妊婦に対応する「総合周産期母子医療センター」に指定されているものの、産科医不足で救急搬送の受け入れを制限していたようです。繰り返される悲劇はどうすれば防げるのかとやり切れない思いです。
 ある調査では、71施設の、周産期母子医療センターでアンケートを取ったところ、37%の26施設が医師不足で夜間など当直医が1人であるとの実態です。根本的な原因は医師不足にあり、特に産婦人科医や、小児科医の希望者が少なくなっています。子供を増やそうと少子化担当大臣まで作っている日本にしては、極めてお粗末な医療体制です。
 県内でも、高齢出産でハイリスク出産が増加するなか、これを支える総合病院が分娩を相次いで中止し、周産期医療体制にほころびが出始めています。ハイリスク出産を支える病院が少なくなった湖東・湖西地域の住民は不安の声を挙げています。 そのような状況を踏まえ、以下、滋賀県の周産期医療提供体制について知事にお伺いします。
 本県における平成19年の乳児死亡率は、出生数1000人に対して3.6で全国45位であり、さらに、周産期死亡率は、69人で、出生数1000人に対して5.2です。出生数に対する2500kg未満の低出生体重児の割合は、9.4%という現状と仄聞しております。
 そこで、先般、周産期センター厚労省全国調査の結果が報告されましたが、県内での総合周産期母子医療センターの受け入れ体制及び母子緊急搬送の状況についてお伺いします。特に、搬送受け入れが出来なかったケースと理由等についてどう分析されているのかも含めて詳細にお答え願います。また、総合周産期母子医療センターなど三次医療、地域周産期母子医療センター、協力病院など二次医療、そして、診療所、自宅出産を介助する助産師を含む助産所など一次医療の連携が大切です。この件については、6月議会の我が会派の谷議員の質問の答弁で、しっかり連携が図られていると答えられておりますが、周産期医療センターである現場の担当医からは、「連携については課題は多い」との声が寄せられています。また、そのためには顔の見える関係、つまりそれぞれのコミュニケーションが必要と考えます。実効性のあるネットワークの構築についても併せてお伺いします。
 さらに、緊急のときの対応を支えるネットワークが安心につながります。正常分娩は約8割といわれています。基幹病院へ分娩が集中して正常分娩の件数も増加しています。病院と一時医療との役割分担、医師と助産師との役割分担をうまく調整すれば、医師への負担がそれほど過重にならないで済む可能性があります。滋賀県の医師と助産師との連携の状況について、嘱託医制度の状況も含めてお伺いします。
 最後に、知事が公約に掲げる「安心して子どもを産み育てる環境」にするためには、県内の周産期緊急医療体制を磐石にすべきと考えます。今後の周産期医療体制の確立に向けた知事の思いと決意をお伺いしてこの項の質問を終わります。
   [知事の答弁]
 周産期医療対策について4点のご質問にお答えいたします。
 1点目の総合周産期母子医療センターの受け入れ体制および母子緊急搬送の状況についてでございます。総合周産期母子医療センターである大津赤十字病院では、県内の周産期医療機関からの救急患者の受け入れを24時間体制で行うとともに、周産期医療ネットワークを構成する病院間での受け入れ調整を行う体制を整えております。
 総合周産期母子医療センターにおける母子緊急搬送の受け入れ状況ですが、受け入れ要請件数は200件であり、うちセンターで受け入れることができたのは150件でございます。周産期医療協力支援病院や地域周産期母子医療センター等で受け入れできたのが、50件でございます。この理由、背景でございますが、総合周産期母子医療センターの新生児集中治療管理室NICUが満床であったことや症状に適した他の施設があったことによるものです。
 そのような点から、2点目の実効性のあるネットワークの構築についてお答えさせていただきます。現在の周産期医療ネットワークは、現場の医療従事者の方達の熱意と努力によって支えられております。このネットワークの機能を十分に発揮するには、NICUの長期入院児を適切な医療機関につなげることなどにより、搬送を受け入れられるよう、病床を日常的に確保しておくことが大切でございます。
 そのため、周産期医療施設連携システム検討事業において、NICUの長期入院児を受け入れる医療連携のあり方について検討を行い、実効性のあるネットワークの構築に努めております。
 また、3点目の滋賀県の医師と助産師との連携の状況でございます。県の周産期医療体制において、助産所は、正常分娩を取り扱い、緊急搬送を要する場合は、最寄りの周産期協力病院に連絡するなど、医師と助産師の連携を図っていただいております。
 嘱託医制度の状況につきましては、県内には分娩を取り扱う助産所が9カ所あり、すべての助産所で嘱託医や嘱託医療機関が確保されているところです。今後とも助産所からこのことについての相談があれば、県としてもきめ細やかに対応して参りたいと考えております。
 4点目の今後の周産期医療体制の確立に向けた思いと決意についてでございます。安心して子どもを産み育てられる社会、これは今の基本方針の中の大変大事な柱でございます。そのような中から、「生まれる前から、生まれる時、生まれてから」という視点で、社会で子どもを守るため、周産期医療対策は大変重要な柱でございます。
 総合周産期母子医療センターの大津赤十字病院からは「最終的には受け入れる。受け入れがたとえ困難な場合でも、受け入れ可能な病院を責任を持って見つける。」と言っていただいております。また、医療協力支援病院の滋賀医科大学附属病院からも「センターからの要請があれば、当院で受け入れるので、他県で生じたような事案は起こらない。」という言葉をいただき、大変心強く思っております。
 今後とも、このような関係者のご努力と併せて、私自身もしっかりとこれを支えていきたいと考えております。

障がい者福祉対策について
 次に、障がい者福祉対策について知事にお伺いいたします。
 福祉サービスを利用する障がい者に原則一割負担を課す障害者自立支援法は違憲であるとして、10月31日、全国一斉(国・市町)に訴訟を起こされました。
 このことは、現実の問題としてギリギリの生活を強いられている利用者とその家族の将来不安、そして、苦しい施設運営とその施設を担う職員の方々の悲鳴の声の表れであると受け止めています。
 具体的な問題点としては、応益負担=負担増=利用減、そして、日割り計算=滞納増=施設運営逼迫=職員賞与カットと、まさに負のスパイラルの状況です。そのことは、先般、厚労省が発表した障がい福祉サービスを提供する施設及び事業所の経営実態調査の結果でも、新体系に移行された事業所の経営苦戦が表面化しています。
 6月議会の一般質問の健康福祉部長の答弁においても、発達障害者や難病患者が法の対象外になっていること。法の運用面でも人材確保や事業所運営の根幹となる報酬の水準が低いという課題など、制度の不備が指摘されたところです。
 そもそも、障害者自立支援法導入は、財政削減の目的ありきではなかったかと受け止めております。平成15年度にスタートした改正前の支援費制度、つまり、ノーマライゼーションの理念を基本とした制度に戻す必要があると考えます。
 そこで、来年度の予算編成の考え方を含めて、滋賀県の障がい者福祉対策の考え方について、以下、知事に伺います。
 まずは、先般、県内の障がい者雇用率が公表されましたが、依然として県内事業所の法定雇用率をクリアーしている充足率は54.2%と半数程度に留まっている状況です。また、全労働者に対する実雇用率は1.65%で、法定雇用率1.8%を下回っています。残念ながら長期的にも低落傾向にあります。そこで2006年に障害者自立支援法が施行されて以降、障がい者の方々の社会進出の状況等、法施行の効果についてお伺いします。
 次に、緊急プログラムとして県単独で行われている「障害者自立支援緊急特別対策事業」の基本的な位置付けと実施状況、さらに、国の交付金として行われている「障害者自立支援対策臨時特例交付金」の運用状況についてお伺いします。
 次に、来年度の予算編成の基本的考え方についてでありますが、国の交付金(基金)は今後、国会の予算審議の中で論議されることとなりますが、県単独の市町補助等について、「障害者自立支援法」を前提として想定すれば、今年度並みの予算枠の確保は最低限必要であると考えています。市町補助についての知事としての考え方についてお伺いします。
 最後になりますが、予算編成の基本方針にある「県民の生命(いのち)と暮らしを守る」ために、施策の一層の重点化を図り、「次世代の育成」を目指した予算編成を行うとされていますが、今回の「収支改善に向けた更なる見直し」との整合性と、合わせて知事の障がい者福祉に対する思いをお伺いし、この項の質問を終えます。
   [知事の答弁]
 障害者福祉対策について4点のご質問にお答えさせていただきます。
 まず1点目ですが、障害者の社会進出の状況と、法施行の効果についてでございます。 法定雇用率の状況については、議員ご指摘のとおりでございます。障害者自立支援法の施行に伴い、新たな訓練や就労の場は着実に増えておりまして、平成20年12月現在、企業就労に向けた訓練を行う「就労移行支援」では、32カ所、298人が、雇用契約を結んで利用する「就労継続支援A型」では、9カ所、128人が、それぞれ利用されております。法施行の効果については、就労移行支援による訓練を終え、企業への就職に結びつくなど、障害のある人の社会進出の機会は拡大しつつありますが、まだ十分とは言えない状況です。
 2点目の、緊急プログラムの位置づけと実施状況についてでございます。「利用者負担の軽減」や「事業所運営の安定化」を主な対策とする緊急プログラムは、障害者自立支援法の施行に伴い、明らかになった課題に対処するものと位置づけ、国において制度見直しが行われるまでの間、実施するものでございます。昨年度までの実施状況としては、障害児施設などの利用者負担軽減に8,300万円、通所サービスやグループホームなどの運営支援に4,400万円など、総額1億2,700万円の支援を行ったところであり、今年度も引き続き実施しております。
 「障害者自立支援対策臨時特例交付金」についてですが、平成18年度に約14億円の基金を造成し、事業者の運営安定化や新体系へ移行するための基盤整備などの事業実施により、昨年度までに8億8,000万円の基金を活用したところでございます。
 さらに本年の9月補正予算においては、共同作業所の施設面での条件整備に関する予算の議決もいただいたところであり、市町からの要望も受けとめながら、平成21年3月までの期間内に、残る基金を有効に活用できるものと考えております。

経済対策について
 次に、経済対策について、知事にお伺いします。
 リーマンブラザーズの破綻以来、世界経済は100年に一度と言われるような恐慌の様相を呈し、先の、途上国を交えたG20の金融サミットにおいて、アメリカの行き過ぎた市場原理主義が厳しく批判されました。
 日本でも、ここ2、3ヶ月の不況は著しく、4半期ごとのGDPも7年ぶりに2期連続でダウンしたとの経済統計も公表されました。本県においても、昨年の企業倒産件数が166件に対し平成20年10月までで144件に達している上、10月には23件と初めて20件を越え、年末までには昨年を上回ることが心配される状況であります。
 また、負債額も本年10月までで、約328億円と既に昨年の約204億円を大幅に上回っております。特に、夏場の原油原材料の高騰で痛めつけられた中小企業は、年の瀬を越せないような非常に厳しい状況でありますが、本県経済の現状を知事はどのようにとらえておられるか、先ずお伺い致します。
 次に対策についてお伺い致します。
 国では、セーフティネット資金において、業況悪化の業種を185から618業種に拡大したり、平均売上高の減少割合を5%から3%に緩和し、平均売上総利益率、平均営業利益率の減少項目の追加により、対象を拡大するなどの対策をとっておりますが、9月までの累計では、平成19年度の新規枠が154件に対し平成20年度は244件と58%増、借換枠では、19年度210件に対し20年度490件と133%の増となっております。10月、11月と更に景気は悪化しており、双方共に増加しているものと思われます。このセーフティネット資金の利用はスムーズに行われているのか、融資までの期間等において苦情は寄せられていないのか知事にお伺い致します。
 更に、県独自の資金として、9月定例会で議決された原油・原材料高騰緊急対策資金がありますが、この利用状況及び効果はどうか知事にお尋ね致します。
 また、この対策は原油・原材料の高騰に対するものであり、今回の世界同時不況に対しては更なる支援が必要であると考えます。中小企業がひしめく東京都大田区では、緊急経済対策の一環として「緊急経営強化資金」を期間限定であっせんしています。内容は、中小企業者を対象に3年間の利子を全額補給すると共に4年目以降も1.3%から1.5%を補給し、本人負担利率を0.2%から0.4%に抑えるものでありますが、窓口では整理券を発行しても追いつかず、電話予約で対応しておられる状況であります。本県企業の98%以上が中小企業であり、この年末を乗り切るのが非常に厳しい状況のもとで、こうした支援を渇望しておられるとも仄聞しております。この種の利子補給や信用保証協会の保証料軽減制度の復活など、更なる「緊急経営支援事業」を立ち上げ、今定例会中にも補正予算を組むことをも考えるべきではないでしょうか。それほど中小企業の経営者は切羽詰まっていることを十分認識された上で、知事のご所見をお伺いいたします。
 最後に、雇用問題についてお伺いします。今般の不況で派遣労働者が突然解雇を通告されたり、内定を受けていた学生が企業から突然の取り消しを通知されるなど、雇用が社会問題となっております。県内の雇用の実態及び解決に向けての知事のお考えをお伺いし次の項に移ります。
   [知事の答弁]
 次に、経済対策についての五点のご質問にお答えさせていただきます。
 まず、一点目の本県経済の現状についてでございます。11月に公表した経済指標では、生産動向をはじめ、個人消費、雇用情勢においては、弱い動きが続くなど、全体として県内景気は、弱い動きとなっております。
 また、議員ご指摘のように県内企業の倒産状況は、IT不況と言われた平成12年の164件と同様の件数となっておりまして、本県経済は、大変厳しい状況にあると認識しております。
 二点目のセーフティネット資金についてであります。対象事業者の認定は市町で行うこととなっており、その取扱い内容等について国からの連絡が遅かったことなどに加え、申請や問い合わせが殺到したことから、窓口が混乱したようでございます。しかし、現在では、市町の努力により認定事務は、円滑に行われているところでございます。
 また、融資までの期間等についても、保証協会の審査が一部、遅れ気味であるとの声もありましたが、現在、協会においては、休日返上で、また他部署からの応援などにより対応していると聞いております。
 三点目の原油・原材料高騰緊急対策資金の利用状況および効果についてです。10月14日から11月末までに、5件の保証承諾がありました。これは、10月31日からセーフティネット資金が拡大したことから、その資金を利用された事業者が多かったものと考えております。
 四点目の更なる「緊急経営支援事業」のご提案でございますが、中小企業の経営状況については、大変厳しい状況にあると認識しており、円滑な資金供給への支援は必要であります。そのため、「しが中小企業金融緊急ホットライン」の開設や県内金融機関、信用保証協会に対し、迅速・円滑な融資実行について要請しているところでございます。 しかしながら、現下の厳しい県財政の状況下では、利子補給や保証料補給の復活は困難であると考えておりまして、ご理解いたいだきたいと思います。
 5点目の県内の雇用の実態および解決に向けての考え方でございます。まず、県内の雇用の実態ですが、先に発表された非正規労働者の雇止め等の国の調査結果によると、年度末までに全国で約3万人の雇用調整が予定され、本県では、製造業で631人が見込まれております。
 一方、新規学卒者の内定取り消しの状況については、国の調査では、全国で高校生、大学生を合わせて331人となっておりますが、本県では現在、幸いなことですが、内定が取り消されたという情報はありません。
 非正規労働者の雇止め等による失業は、労働者本人や家族の生活に直結し、社会的影響もたいへん大きく、深刻な問題であると考えております。
 また、非正規労働者に限らず、今後の経済情勢の推移により、雇用情勢がさらに悪化することも予想されることから、11月25日には、県民の生活を守るという観点から、労働者の雇止めや解雇をできるだけ避けるご努力を、経済団体の代表の方々に、私から直接お願いしたところでありまして、今後も、滋賀労働局などと連携し、事業主に対して同様の要請をしてまいりたいと考えております 。

滋賀県教育振興基本計画に関して
 最後に、滋賀県教育振興基本計画に関して、知事及び教育委員会委員長、教育長にお伺いします。
 このたび平成21年度から25年度までの5年間で取り組むべき施策を示した滋賀県教育振興基本計画原案が、策定委員会より答申されました。
 ここでは、滋賀県基本構想の基本理念と「将来の姿」から、滋賀が目指す社会のあり方を描いたうえで、未来の社会の担い手となる人間像を「近江(淡海)の心」を受け継ぐ人と捉えており、「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり〜みんなで支えあい自らを高める教育の推進〜」を教育の基本目標としています。
 教育委員会委員長にお伺いします。この計画原案におきましては、滋賀の教育をめぐる状況を取り上げておられますが、現在、滋賀の教育においてどのような課題があり、その要因が何であるとお考えかお伺いします。
   [教育委員長答弁]
 現在、滋賀の教育においてどのような課題があり、その要因は何であると考えるのかとの御質問についてお答えいたします。
 滋賀県の教育の課題は様々ございますが、まず、子どもたちの現状を見ますと、ハングリー精神やいやなことを我慢してやりぬく力が弱くなり、無気力になりがちであること、規範意識が低下してモラルの確立が十分でないことなどが指摘されております。
 私は、それに加えて、逆に我慢しすぎて疲れてしまったり、完璧を目指しすぎ挫折してしまうなどの結果として、学習面や生活全般での意欲の低下を強く感じております。
 こういった課題の背景には、少子化など家庭環境の変化、地域社会での体験の不足、大人の価値観の多様化や規範意識の低下の影響など、さまざまな要因が考えられると思います。
 ただ、私自身は、様々な状態の中にあっても、子どもたちには、「認められたい」「夢を実現したい」という子ども本来の気持ちを脈々と持ち続けており、そしてそれらが生きる力の源であると考えております。
 この力をしっかりと育んでいくために、社会、学校、家庭が子どもたちにとって、楽しく安心な居場所であるよう、「育ち」と「育て」の現場への支援をしていくことが、子どもたちの学習意欲の向上や、健全な生活態度にもつながるものと考えております。
 次に、教育振興基本計画推進本部副本部長である、教育長にお伺いします。
 この計画原案では、平成25年度末において達成を目指す、施策の成果を示す指標、または事業実施の目標を掲げています。
 しかし、形式的・総花的な計画ではなく、現在の滋賀の教育課題や目指すべき滋賀の姿を鑑みながら、重点的に取り組むべき施策を、メリハリをつけた上で指し示していかなければ新たな計画を策定する意味がないと考えます。この計画原案に滋賀としての独自性は盛り込まれているのか、また、この計画原案で滋賀の教育の姿が変わると考えておられるのか、お伺い致します。
 次に、先般「平成19年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果の概要」いわゆる公立学校における暴力行為、いじめ及び高等学校の長期欠席、中途退学者の状況について公表されました。
 いじめの状況に関しましては、認知校数・認知件数はほとんどの学校種で減少傾向にあるものの、いじめの態様をみると、構成比の合計が全国調査に比べて、18.6ポイント上回っております。様々な態様でのいじめにあっている多くの子どもたちの信号をいち早く受け取り、きめ細かく対応していただいていることは十分評価できるところでありますが、まだまだ潜在している可能性があります。
 9月議会の我が会派の代表質問とも関連しますが、教員と子どもたちが向き合う時間の確保やきめ細やかな対応は必要であると考えます。この計画にも明記すべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
 またこの計画原案において、今後5年間に取り組むべき施策と目標が設定されていますが、教育施策は後退していないのでしょうか、財政が厳しい中で、これらの施策は本当に実現ができるのか、教育長にお伺い致します。
[教育長答弁]
 まず、滋賀県教育振興基本計画に関しての質問にお答えいたします。
 去る11月4日に策定委員会よりいただきました答申は、本県が有します豊かな自然や、滋賀の先人の教えといった文化など、様々な地域資源を教育や学習活動に活かすことで、子どもたちが地域に愛着を持ち、貢献しようとする心を育むことを目指しており、現在の計画原案におきましても、答申に則り「滋賀の自然や地域と共生する力」と位置づけましたこうした精神が、まさに、滋賀ならではの教育理念であると考えております。
 また、この計画で滋賀の教育の姿が変わるのかということについてでございますが、教育とは、いつの時代にありましても将来にわたって守らなければならない不易の部分と、一方、社会経済環境等の変遷に伴い、その時々の子どもたちが置かれた教育環境の変化をしっかりと見極めたうえで、必要な対応も求められるところであり、このため、計画の具現化によりまして本県が目指します教育の基本部分の変化を求めるということにはつながらないと考えておりますが、新たな教育環境への対応といった観点からは、常に見直すべきところは必要な改革に取り組まなければならないものと考えております。
 次に、教員と子どもたちが向き合う時間の確保やきめ細やかな対応についてでございますが、教職員として、一人ひとりの子どもたちと確かな信頼関係のもとでしっかりと向き合い、個に応じてきめ細かく対応しなければならないことは当然のことでありまして、計画原案全体において意図しているところでございます。
 最後に、財政が厳しい中でこれらの施策は本当に実現できるのかとの御質問でございますが、本計画は、教育委員会の所管分野だけでなく、県政全般にわたり様々な教育にかかわる基本計画として策定しておりまして、滋賀県教育振興基本計画推進本部のもとで、滋賀の教育を後退させることなく、向上させていくことを目指しておりますことから、計画策定後は、全庁的な取組の中で適切な進行管理を行うなどによりまして、計画目標の達成を目指したいと考えております。
 最後に、国の教育振興基本計画においては、「目指すべき教育投資の方向性」として、教育投資の確保を言及しておりますが、滋賀県として、教育投資をどのように考えているか、知事にお伺いし、民主党・県民ネットワークを代表としての質問を終わります。
知事答弁]
 最後に、滋賀県教育振興基本計画にかかわりまして、滋賀県としての教育投資をどのように考えているかとの御質問にお答えさせていただきます。
 子どもたちの教育環境の整備は、確かな滋賀の未来を築くためにたいへん重要な施策でありまして、そのために必要となる教育関係の投資には、県民の皆さまにも御支持いただけるものと考えております。
 議員ご指摘の、国の教育振興基本計画には、「教育投資の確保」の必要性と併せ、「歳入・歳出一体改革と整合性を取りながら、真に必要な投資を行うことに留意する必要」についても示されており、県においても、極めて厳しい財政状況ではありますが、可能な限り必要な教育予算はしっかり確保してまいりたいと考えております。
 国の教育振興基本計画には、国は教育水準の維持・向上に努め、地方公共団体は、地域の実情に応じた教育を実施することが求められるなど、それぞれの役割の明確化も示されていることから、今後とも、教職員の定数改善や教育予算の対応を含め、必要な教育制度改革の実施が図られますよう、国に対しても政策提案や要望をしっかり行ってまいりたいと考えております。
 私の方からの民主党・県民ネットワーク江畑議員の代表質問に対する答弁は、以上でございます。




 平成20年県議会9月定例会で出原いつみ議員は9月30日(火)一般質問(4日間)の最終日、最終の質問者(26番目)として登壇し、不妊治療について一問一答方式で知事ならびに健康福祉部長に質問を行いました。その内容について以下、報告をいたします。


不妊治療について

@不妊治療を受けている方の人数について

 子どもを、もちたいと思う人の、望みが叶えられる社会づくり、ならびに少子化対策という視点から不妊治療について質問を行います。
 滋賀県は、『急速な少子化の進行は、将来に向けて経済成長の鈍化、社会保障における負担の増大、地域社会の活力の低下など、わが国の社会経済の基盤を揺るがしかねない、深刻な影響を及ぼす国家的課題と位置付け、その少子化の流れを変え、次代の社会を担う子どもたちが健やかに育つ社会、子どもを生み育てることに、喜びを感じることができる社会への転換を図っていくために、平成16年度に滋賀県次世代育成支援行動計画「子どもの世紀しがプラン」』を策定しました。
 その計画のめざす方向では「平成16 年(2004 年)に県が実施した調査では、夫婦の理想の子ども数の平均は2.55人となっていますが、実際にもつつもりの子ども数の平均は2.08 人と下回っています。子どもをもつことは、個人の選択に委ねられることであるという前提のもとで、子どもをもちたいと思う人がその望みを叶えられるよう、さまざまな環境整備を進め、出生率の回復を図っていくことが望まれます。行動計画は、夫婦が理想の数の子どもをもつことが可能となる社会を目標として、本県における少子化の流れを変えていくことをめざします。」と、謳っています。
 そこで、子どもが欲しいと思いながら、それに恵まれない方々の望みが叶えられる支援である不妊治療について以下、知事ならびに健康福祉部長にお伺いしていきたいと思っています。
 先ず、不妊の定義は避妊をしないで普通に夫婦生活を送っていてもしばらくの間、妊娠しないことをいい、その期間を世界保健機構(WHO)、国際産科婦人科連合(FIGO)は2年としています。
  そこで、一般的には子どもが欲しいと望んでいるにもかかわらず、子どもに恵まれない夫婦は、およそ10組に1組あるといわれていますが、現在、不妊治療を受けておられる方の人数はどうなっているか健康福祉部長にお伺いいたします。
   [健康福祉部長の答弁]
 不妊治療を受けておられる方の人数につきまして、お答えをいたします。都道府県別の調査がございませんので、平成14年度厚生労働省の研究結果によりまして、全国の数字をお答えさせていただきます。全国で不妊治療の患者数は、約46万人と推計されているところでございます。
 私は、今、滋賀県は何人かとお伺いした訳ですが、先程、平成14年の全国が46万人ということで言われたわけですが、滋賀県についてどのくらいおられるのか、改めてお伺いいたします。
[健康福祉部長の答弁]
 先ほどもお答えいたしたところではございますが、都道府県別の調査結果がございませんので、滋賀県の人数は把握できておりません。
 その平成14年のことをベースにしたときにですね、平成15年の11月の定例会での答弁は、滋賀県のものをおよそ約5千人ということで、答弁をなされた経緯があるわけですね。そのこととの関連はどうかお伺いします。
[健康福祉部長の答弁]
 ただ今5千人というご指摘をいただいたところでございまして、46万人のほぼ1パーセントに相当する数字かと受けとめるところでございます。


A不妊治療を受けている年齢層別の人数について

 次に、不妊治療を受けている方は年齢層別にはどのようになっているか、健康福祉部長にお伺いいたします。
[健康福祉部長の答弁]
 先ほど申し上げましたように、年齢別の人数が把握できておりませんので、本県の中で、特定不妊治療費を支給している対象者の方である、534名という方につきまして、年齢別人数についてお答えをしたいと思います。
 平成19年度におきまして、20歳代の方が、38名、30歳代の方が、398名、40歳以上の方が、98名、合計が534名となっているところでございます。


B特定不妊治療費の支給額と人数について

 次に、不妊治療は、できるだけ自然妊娠に近いところから始めて、心のケア、薬物療法、運動療法などを組み合わせながら、徐々にステップアップを図って、早い段階で妊娠に到達することが、望ましいと思っていますが、最終的には体外受精や顕微授精といった最先端医療に頼らなければならないこともあります。
一方、今日では高度生殖医療専門クリニックが増えてきたことから、不妊治療の早い段階で体外受精を受ける人が、増加してきたとも言われています。
 そこで、体外受精や顕微授精という最先端医療による不妊治療に関し、県の特定不妊治療費助成事業における、助成額ならびに申請者数は、ここ数年どうなっているか、健康福祉部長にお伺いいたします。

[健康福祉部長の答弁]
 お尋ねのございました、支給額と申請者数についてお答えをいたします。平成16年度は支給額が、2,834万円、申請者数は、284名、平成17年度は、3,046万円、306名、平成18年度は、3,701万円、373名、平成19年度は、7,009万円、534名でございました。


C特定不妊治療に要する1回当たり費用について

 次に、健康福祉部長は不妊治療における、最先端医療である体外受精、ならびに顕微授精の1回当たりの費用は、どのくらいかかると認識されているか、お伺いいたします。
[健康福祉部長の答弁]
 
お答えをいたします。お尋ねのございました特定不妊治療に関する費用でございますが、概ね体外受精で30万円から50万円、顕微授精で概ね40万円から70万円と聞いているところでございます。


D特定不妊治療で産まれる割合は?

 次に、体外受精ならびに顕微授精の成功率は一般的に20〜30%といわれていますが滋賀県ではどのくらいか、健康福祉部長にお伺いいたします。
[健康福祉部長の答弁]
 県内の状況でございますが、平成16年度に県が行ないました調査の結果、約30%でございました。


E県の特定不妊治療費助成事業の助成額の拡大について

 次に、知事にお伺いいたします。先ほど健康福祉部長から答弁がありましたように、特定不妊治療にかかる費用は1回当たり、体外受精で30万〜50万円、顕微授精で40〜70万円とのことであります。
 また、2008年5月4日読売新聞調べでは体外受精を一度受けるのには60〜70万円はかかるとなっています。そして1回で子どもを授かる人は少なく、先ほどお聞きした成功率30%を加味すると多くの方が、年平均3〜4回実施し、総額200万円を超えて負担されているのではと思えます。
 The Japan times の記事によると、不妊治療を行なうために1ヶ月の給料のうち、約半分以上をつぎ込んでおり、もしくは借りて賄っているとあります。また、不妊治療を受けている人のうち約40%の人が、経済的な理由により不妊治療をあきらめようと思ったことがあると述べておられます。この実態は滋賀県でも同じではと思っています。
 現在、滋賀県は国の基準に則り、特定不妊治療費助成事業を実施し、1回の限度を10万円とし、年2回、5年間助成していますが、不妊治療を受ける県民にとっては、この助成金だけでは明らかに、経済的負担が大きすぎるのではと考えます。
 特に、不妊治療は若いうちが理想(成功率が高い)でありますが、しかし、若い夫婦ほど経済的余裕がないのも事実であります。
 そこで、子どもが欲しいと思いながら、それに恵まれない方々の望みが叶えられるよう、特定不妊治療費助成額、1回あたりの限度額10万円を、拡大していただきたいと思っていますが、知事のお考えをお伺いいたします。
[知事の答弁]
 
県の特定不妊治療助成制度の充実、助成額の拡充についてのご質問にお答えさせていただきます。この制度は、国の2分の1の補助を受けて、平成16年度から1年度につき10万円を限度に、通算2年間の助成でスタートしております。
 その後、平成18年度に助成の通算期間を2年間から5年間に延ばし、平成19年度に助成の限度額を10万円から20万円までに、それぞれ拡充してきております。
 この制度は、議員もご指摘のように、少子化対策の中の大切な施策であると認識しているところですけれども、財革プログラムを着実に実施する必要があることから、一層の制度の充実や助成額の拡大を、県単独でというのは難しく、国の制度そのものの拡充を、引き続き今後、働きかけていく必要があるものと考えております。
 残念な答弁になったわけであります。国の方に要望すると言うことでございますけれども、滋賀県が、思い切った決断をしていただきたいという思いがいたしております。
 他の地方自治体をみたときに、高知県は1回20万円、年2回、富山県は1回15万円で年2回、大分市につきましては1回目を20万円、さらに鳥取県は1回目を15万円にしております。そして、拡大した理由をお伺いいたしましたところ、先ほど知事からもお話しがありましたように、少子化対策を進める観点、そして利用しやすい環境を作るという観点、そして1回でかかる費用のだいたい2分の1を補助していきたいというトップの考え方、そしてこれは大分市でありましたけれども、どこの自治体にも負けない助成額にするんだというトップのポリシーから、そういった拡大がされているわけであります。
 そこで、確かに知事の思いとして今日の、財政的に厳しいと言うことについて、重々承知をしているわけでありますけれども、少子化対策の大きな柱にもなってこようと思いますし、子どもを授かりたいという県民の願いが叶えられるように、知事の英断を再度願うものでありますけれども、知事のお考えをお伺いいたします。
[知事の答弁]
 お答えさせていただきます。議員ご指摘のように、子どもが欲しいという思い、そして願い、に答えたいという私自身の思いは強いのですが、この大変厳しい財政状況の中で、これ以上の支出は困難であると考えております。
 他府県との比較でもございますが、47都道府県中、国の要綱の基準通り実施している自治体は本県を含め41都道府県でございます。支給要件を拡大している自治体は6県のみと聞いているところでございます。


F県の特定不妊治療費助成事業の所得制限の撤廃について

 次に、滋賀県の特定不妊治療費を助成する所得制限は、国の基準である730万円となっていますが、この所得制限では、共働きのケースが多い今日、夫婦の所得を合わせると所得額が、730万円を越えるケースも多くなり、助成されない人が多く出ているのではと思っています。パートタイムに出るなどの所得があるために、補助が受けられないというのはいかがなものか、該当者にとっては、何のために働いているのかという思いもするでしょう。所得制限することによって、県民の子を授かりたいという願いにブレーキをかけてはならないと思います。
 そこで、子どもが欲しいと思いながら、それに恵まれない方々がこの制度を利用して妊娠する機会を増やし、子を授かりたいというその望みが叶えられるように支援するためには、所得制限を撤廃することが求められますが、知事のお考えをお伺いいたします。

[知事の答弁]
 
お答えいたします。先に述べましたとおり、助成額の拡大と同様、県単独で所得制限を緩和することも困難な状況でございます。この所得制限ですが、夫婦の合計所得が730万円未満で、年収にいたしますと、おおよそ1000万円程度となります。このため、一定の負担をお願いしたいと考えております。この、ご指摘のありましたことにつきましては、新たに国に働きかけをしていきたいと考えております。


G医療保険の適用の国への要望について

 次に、医療保険の適用について知事にお伺いいたします。現在、高度生殖医療をはじめ一般不妊治療(人工授精等)が保険適用になっていない理由として、わが国の医療保険制度は、疾病等に対する有効性、安全性などが確立した治療を保険適用の対象としており、その点、不妊治療はその成功率が必ずしも高くなく、有効性が確立しているかという観点から、保険適用の対象になっていないものと思っています。
 しかし、不妊治療に保険適用が認められれば、経済的な理由から不妊治療を断念したり、中断したりする人が減少し、不妊治療を受ける人が増えると思います。そのことによって、子どもが欲しいと思いながら、それに恵まれない方々の望みが叶えられるとともに、滋賀県の少子化対策の推進にも寄与することができるものと思います。また、医療保険の適用によって県民の不妊治療に対する理解度も高まることと思います。
 そこで、不妊治療への全面的な医療保険の適用について、知事に国に対して、一日も早い実現を図るよう要請していただきたいと思っていますが、知事の不妊治療への全面的な医療保険の適用についてどのように考え、行動を起こそうとされるのか、お伺いいたします。
[知事の答弁]
 
お答えいたします。不妊治療費の医療保険の適用につきましては、平成18年度から全国知事会を通じて、国への要望を行っております。例えば、この7月18日、横浜での全国知事会におきましても、不妊治療費への助成拡大、または医療保険適応ということ、きっちりと明記をし、要望を出しております。 さらに、今年の5月、春の政府要望の中でも本県独自で、体外受精等の不妊治療への医療保険の適用を要望しております。 今後ともさまざまな機会をとらえまして、国へ要望をしていきたいと考えております。


H不妊治療相談の実態について

 次に、健康福祉部長にお伺いいたします。不妊に悩む夫婦にとって、医学的・専門的な相談や不妊による心の悩み等について、気軽に相談できる場があることは、大変大事なことであります。
 現在、滋賀県は不妊専門相談センターを滋賀医科大学付属病院 母子診療科・女性診療科内に設置し、その役割を果たしていますが、そこに寄せられる電話相談ならびに面接相談はどのような実態になっているのかお伺いいたします。
[健康福祉部長の答弁]
 
お答えをいたします。寄せられている相談でございますが、平成19年度の実績でございます。電話の相談が290件、面接によるものが12件でございました。 
 その内容でございますが、不妊治療に関する方法をお尋ねになるもの、副作用などを心配されるもの、それから治療の結果がなかなか出ないということの不安を訴えられるもの、などがあったように聞いております。


I早期に気軽に相談できる体制について

 次に、厚生労働省・第8回社会保障審議会人口部会に提出された資料によると、既婚夫婦の不妊率は、15〜19歳は0%、20〜24歳は7%、25〜29歳は8.9%、30〜34歳は14.6%、35〜39歳は21.9%、40〜44歳は28.7%となっています。
 また、生殖補助医療による患者年齢別妊娠率は、24歳までは29.8%、25〜29歳は27.4%、30〜34歳は24.7%、35〜39歳は19.1%、40歳以上は6.6%となっています。
 このことからして、不妊治療を効果的に行なうということからすると、若い段階からの取り組みが必要です。そのためには若い夫婦が早い段階から相談し、専門医の力を借りて、望みを叶えていける体制づくりが求められます。
 そこで、健康福祉部長は、具体的にどのような方法と内容で、早い段階から、気軽に、相談できる体制を築いていこうとされるのか、お伺いいたします。
健康福祉部長の答弁
 
先ほど、電話相談と面接相談をお答えしたわけでございますが、実は、平成18年度から、メールによる相談も開始いたしております。
  これは、19年度の実績の343件のうち、41件をメールが占めることになってまいりました。メールというのは、若い世代の方々にも、気軽に相談に活用していただける方法かというようにも考えまして、このような工夫をしたところでございます。 今後ともこのような不妊専門相談センターがあること、悩みを相談できる場所があるということをお知らせするためには、どのような方法が一番有効なのか、検討して、工夫してまいりたいと考えております。

J同じ立場の方の交流の場づくりについて
 次に、不妊に悩む人は、精神的にも、身体的にも大変な状況に置かれていると思います。それだけに、同じ悩みを持つ人と話をすること、あるいは不妊経験者からお話を聞くこと等によって、精神的にも安定して、不妊治療に取り組んでいただくことが、必要ではと思っています。
  そこで、現在の個別で相談を受け付けるだけでなく、臨床心理士、不妊カウンセラーや不妊経験者等を交えての、交流の場を持ったらどうかと考えますが、健康福祉部長はどのように考えられるのか、お伺いいたします。
健康福祉部長の答弁
 
お答えを申し上げます。同じような悩みを持たれる方々が、集うことによりまして、情報を共有される、あるいは励まし合われることは、大変重要なことであると考えております。そのようなお集まりのある中で、相談センターにアドバイス求めていただき、ご夫婦や家族のプライベートな側面もある訳ではございますが、できるだけのご相談に応じることが必要と考えております。


K不妊治療が受けやすい環境づくりについて

 次に、現在不妊治療を受けておられる方からお話を聞くと、職場との関係、病院との関係で悩んでおられます。具体的には「毎日治療を受けなければならないが、毎日会社を休んだり早退するわけにもいかない。病院が仕事を終えて対応していただけたらありがたいが・・・」とか、「期待をして治療をするが失敗すると精神的なダメージが大きく、周囲になかなかいえない。」、「職場で不妊治療で休暇を取るといえない。」とのことで、まだまだ不妊治療に関し、周囲の理解が進んでいないように思われます。
  そこで、不妊治療が受けやすい環境をつくっていく必要があると思いますが、健康福祉部長はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

[健康福祉部長の答弁]
 ご指摘ございましたように、社会全体が不妊治療ということにつきまして正しい知識、あるいは暖かい理解を持つということが、治療を受けやすい環境づくりにつながるものと考えているところでございます。
 日本産科婦人科学会の調査によりますと、新生児の60人に1人は体外受精等で誕生しているという結果もございまして、これは、特別な課題ではなく、一般的な課題であるということで、社会の理解を広げていくことが重要であると考えております。
 このため、基本構想で掲げております、安心して生み育てることのできる「社会で子育てを支える仕組みづくり」という中で、このような社会的な理解を広めるよう努めてまいりたいと考えております。


L県内の医療機関の指定状況は?

 次に、特定不妊治療費助成事業の指定医療機関についてでありますが、現在、県外は37医療機関を、県内は7医療機関を指定されています。その県内、7医療機関を地域別に見ますと、大津・湖南地域が6箇所で、あとの1箇所は彦根市となっています。
 そこで、県民からすると、それぞれの地域で対応できる医療機関が、あることが望ましい姿だと思いますが、健康福祉部長はこのことをどのように考えておられるのかお伺いいたします。
[健康福祉部長の答弁]
 お答えを申し上げます。各圏域に指定医療機関があることが本来望ましいこと、と考えるところでございます。ただ治療にあたります医師、スタッフの技術、あるいは施設整備には相当の基準を満たすことが必要であると聞いておりまして、直ちには難しいという側面があろうかと思います。
  しかしながら、指定医療機関のない圏域の方で、地元での治療を希望されるという場合もあるわけでございますので、地元の医療機関で相談していただいたうえ、必要な医療は近くの圏域の指定医療機関が担うなど、相互の協力体制を整えまして、不妊治療が受けやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。


M不育症対策について

 最後に、不育症について健康福祉部長にお伺いいたします。不育症とは厳密な医学用語ではないようでありますが、妊娠はするものの、流産、死産、早産など繰り返し、赤ちゃんを抱くことが困難な症状であります。例えば妊娠するにもかかわらず、何度も流産すれば母親の身体的、精神的負担は想像に絶するものがあります。それだけに産婦人科医の治療は勿論のこと精神的なケアを含めて対応しなければならないと思っていますが、滋賀県における不育症の方への対応についてお伺いいたします。
[健康福祉部長の答弁]
 不育症対策について、お答えを申し上げます。不育症対策につきましても、現在、不妊専門相談センターにおきまして、検査や治療に対する情報提供あるいはカウンセリングを含めた相談、専門医療機関の紹介などを行っているところでございます。
  先ほど、平成19年度の相談実績を343件と申したところでございますが、まだ件数は少のうございますが、3%くらいが不育症(習慣性流産)に関する相談もあるわけでございまして、引き続き不育症に関する相談にも積極的に努めてまいりたいと考えております。




 県議会6月定例会において7月7日(月)に登壇し、一問一答方式で一般質問を行いました。その内容を以下、報告します。


住宅政策のあり方について

 住宅政策のあり方について質問をいたします。
健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、また、転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする「公営住宅法」により、滋賀県は昭和22年度より県営住宅を建設してきました。
 そして既設県営住宅のうち、建設時期の古いものについては、老朽化が著しく、また、住宅規模も狭小で設備面も十分なものでないため、昭和63年度より、これらを建て替えることにより住居水準の向上を図り、高齢化社会に対応した良質な県営住宅のストックの促進、快適でゆとりと潤いのある住環境の整備に向けて計画的に取り組んでいるところであります。
 しかし、現在、公営住宅の建設ならびに管理は県と市町の二重構造で進められています。
そこで、先ず、公営住宅の建設ならびに管理は、県と市町でどう整理され取り組まれているのか土木交通部長にお伺いいたします。

   [土木交通部長の答弁]
 公営住宅の建設ならびに管理は、県と市町でどう整理されているか、とのご質問にお答えします。
 公営住宅につきましては、平成7年度までは、県は主として低所得者の中でも上位の層を対象とした第一種公営住宅を、市町村は第一種公営住宅と低所得者の中でも下位の層を対象とした第二種公営住宅を、互いに連携・調整の上、整備してまいりました。その後、平成8年度の公営住宅法の改正により、住宅の一種・二種の区分がなくなるとともに、入居者の収入や住宅の利便性に応じて家賃を定める応能応益家賃制度が導入され、県営住宅と市町営住宅に大きな違いはなくなってまいりました。
 こうした中で、県は市町域を超える広域的な住宅需要に対応するとともに、財政的に脆弱な市町においては、県営住宅を優先して整備するなど市町を補完し、連携と調整を図りながら、県営住宅の整備・管理に努めてきたところであり、市町は、その地域内の住民の方を対象とした市町営住宅の整備と管理に取り組んでいるところであります。
 昨年度行なわれた施策・事業仕分け対象事業調書によると「県は県民の生活の安定を図る観点から、社会経済情勢の変化に対応して、県全体の公営住宅の必要量を把握し、市町間の調整に努め、その確保を積極的に支援するとともに不足分を整備することにより県内の住宅セーフティネットの形成を図る必要がある」と謳っていますが、県全体の公営住宅の必要量をどのように把握し、県が整備すべき戸数をどのように考えているか、その数値目標を土木交通部長にお伺いいたします。
[土木交通部長の答弁]
 県全体の公営住宅の必要量をどのように把握し、県が整備する戸数をどのように考えているか、とのご質問にお答えします。
  平成18年度に「滋賀県住生活基本計画」を策定する際に、住生活基本法に基づいて、県内での公営住宅の供給目標量を決めております。
 具体的には、民間の借家に居住する世帯の所得階層や居住面積水準をもとに公営住宅による支援が必要な世帯の推計を行い、平成18年度から27年度までの10か年で、新たに約6,300世帯に対して支援が必要と算定しております。
 この6,300世帯分に、老朽化のため建替えを予定している公営住宅に現在入居されている世帯分約1,500戸を加えまして、平成18年度から27年度までの10か年で約7,800戸の供給を目標としています。
 この7,800戸が県全体の公営住宅の必要量ですが、ここから市町で供給する予定の戸数を引いた結果、県営住宅につきましては、建替えと空き家募集とを合わせまして、10か年で約2,600戸の供給を計画しており、このうち空き家募集を除いた約450戸について建替えを行う計画としております。

 過去5年間の入居応募状況を見ると延べで空家戸数1,036戸に対して6,122人の応募があり、抽選倍率は約6倍になっており、低額所得者で住宅困窮者は入居者以外にも多く存在しているといえます。
 そこで、「公営住宅法」により、滋賀県は昭和22年度より県営住宅を建設してきましたが、今日では社会経済情勢もその当時から大きく変化し、民間事業者によりさまざまなタイプの住宅が建設され、今や多くの空家が出ているとも言われていますが、県営住宅と同等の民間住宅の空家状況はどうか土木交通部長にお伺いいたします。

[土木交通部長の答弁]
 県営住宅と同等の民間住宅の空家状況についてお答えします。
 5年ごとに総務省が住宅・土地統計調査を実施しておりますが、平成15年度の調査によりますと、民間賃貸住宅で27,600戸が空家となっております。このうち、共同住宅は、23,000戸となっておりますが、断熱性能や遮音性能、耐久性能など県営住宅と同等の整備水準を満たす空家がどれだけあるかについては調査されたデータがなく、把握しておりません。
 次に、知事にお伺いいたします。
 平成20年度から平成25年度までに予定されている県営住宅建替え計画、一部は第2次財政構造改革プログラム以降になり未確定の部分がありますが、この県営住宅建替え計画を見ると212戸で約41億円の建設費が予定されています。1戸当たり約2,000万円であり、また現在の県営住宅の維持管理に1戸当たり年間約14万円かかっています。また、使用料で住宅管理費と公債費を賄えていません。
 そのような中、今日の財政状況は極めて厳しいものであり、建替えをするのがトータルコストの観点で県民にとっていいのか、検討する必要があると思います。すなわち、県の持ち出しだけでなく、国の補助を含めた税金の使い方を考えていかなければならないと思いますし、限られた財源を効率的に効果的にしかも県民に公平・公正に使うことが求められます。そうした時、「滋賀県住生活基本計画」第5章住宅政策の展開方向の基本目標Aの中に謳っている「民間賃貸住宅の活用」にシフトすべきではと思います。具体的には「滋賀県住生活基本計画」に載っているように民間住宅の借り上げや家賃補助を行なっていくことが得策ではと考えます。先ほど土木交通部長から答弁いただきましたが、民間住宅の空家が平成15年度調査で27,600戸、うち23,000戸が共同住宅とのことであり、インターネットで調べると今日でも多くの空家があります。さらに滋賀県は平成27年ごろから人口が減少すると予測され空家が増加すると思われます。そのような社会情勢の中、民間事業者とのパートナーシップで住宅政策を推進していくことが望まれます。県営住宅建替えから民間住宅の借り上げや家賃補助に切り替えることによってイニシャルコストは不要になり、平成20年度予算で県営住宅の維持管理費ならびに住宅建設費として約1億6千5百万円の一般財源を投入していますが、これも軽減されます。また例えば家賃補助にすると高額所得者や収入超過者、今日では192名いますが、この対応も容易くなり入居管理も徹底されます。しかも同じコストでより公平に多くの低額所得で住宅困窮者に応えていくことができると思っています。知事の所見をお伺いいたします。
[知事の答弁]
 建替から民間住宅の借り上げや家賃補助にシフトすべきであると考えるが、その所見をとのご質問でございます。
 議員ご提案の民間賃貸住宅を活用する取り組みとしましては、現在、県では、高齢者世帯の居住の安定を図るために、一定の基準を満たした民間賃貸住宅を高齢者向け優良賃貸住宅として認定するとともに、入居者の収入に応じた家賃とするため、家賃対策補助を行い、116戸を供給しております。
 民間の住宅を借り上げ、公営住宅とするためには、現行法令上、公営住宅を整備する場合と同様の整備基準が求められます。
 このため、現実には整備基準に合致するよう民間事業者が新築したものを最長20年借り上げ、公営住宅として使用することとなります。
 歳出面では、現在の県による建替方式に比べ、イニシャルコストは軽減されるものの、20年間借上料を払い続けなければならず、かえって一般財源の投入が増加するなど、中長期的に見た場合のコスト面でのメリットが不明であります。
 また、20年間の借り上げ期間が終了した時に、入居者の転居先を確保する措置が必要となるなど、解決すべき課題も多いと思われます。
 家賃補助制度の導入については、平成17年の国土交通省の社会資本整備審議会住宅宅地分科会基本制度部会の報告の中で、「現行制度が抱える問題点を抜本的に解消するためには、民間住宅を活用した家賃補助が効率性の高い政策手段であるが、生活保護制度との関係、財政負担、適正な運営のための事務処理体制など整理すべき課題も多い。」と言われておりまして、同じような住宅扶助制度のある生活保護制度との整合性や、限られた財源の中でいかに公平に家賃助成するかといった財政負担問題などの課題の解決も必要であります。全国の公営住宅に占める借り上げ公営住宅の整備状況は、0.3%であり、東京、神奈川などの大都市地域以外ではあまり普及しておりませんが、滋賀県住生活基本計画にも検討事項として掲げており、今後の課題として調査・検討してまいりたいと考えております。
 課題が多いことは理解しますが、先ほど申し上げましたように県の持ち出しだけでなく、国の補助を含めた税金の使い方を考えなければならないと思っていますので、検討をよろしくお願いいたします。
 次に再び、土木交通部長にお伺いいたします。県営住宅は低所得者の住宅困窮者を入居対象者とするものであり、県営住宅入居者は1日も早く所得を高め、他の民間住宅に移っていただくことも必要です。県も低廉な住宅を供給するだけでなく、入居者が生活水準の向上に向け努力され、できるだけ早く退去されるとともに、本当に住宅に困窮している人のセーフティネットになるようにしていくことも必要だと考えますが、今日までどのような取り組みがなされているか、土木交通部長にお伺いいたします。
[土木交通部長の答弁]
 住宅困窮者のセーフティネットについての取組についてのご質問にお答えします。
 収入超過者や高額所得者などの所得の高い入居者に対しては、5年以内に近傍の同種家賃となるよう段階的に家賃を上げたり、公的賃貸住宅の斡旋を行っているところであります。
 また、本年4月からは、公営住宅の入居名義人が死亡または退去した場合に、入居承継が認められる者を、入居名義人の三親等以内の同居親族から原則として同居している配偶者に限定をいたしました。
 さらに、来年4月からは13年ぶりに入居収入基準等の見直しを行い、現在の収入分位25%に相当する月収15万8千円に引き下げることにより、真に住宅に困窮する低額所得者に対して的確に公営住宅が供給できるよう管理の適正化を図り、住宅セーフティネットの確保に努めてまいります。

良質な雇用の確保について

 良質な雇用の確保について先ず、知事にお伺いいたします。
 1985年の労働者派遣法制定とその後の改正は、原則禁止であった労働者供給事業を実質解禁させ、多くの非正規雇用労働者を生み出しました。その結果、今日ではワーキングプア、若年層労働者の非熟練、格差の拡大などさまざまな問題が出てきています。この派遣労働は特定、すなわち例外的なものとして発足したものであるにもかかわらず、例外が例外でない形になっているのが実態であります。このことから今日の雇用を悪化させた原因のひとつに派遣労働があるといっても過言でないと思っています。
 そして2004年3月、労働者派遣法の改正によって、製造業への 「派遣」が解禁された当時は、雇用期間は1年に制限されていましたが、2007年改正で3年まで延長されました。 
 そこで2006年からの派遣労働者の雇用期間が、3年を向かえ2009年には一斉に、製造業の派遣先はその対応を迫られることになります。いわゆる2009年問題であります。それぞれ派遣先は3年の雇用期間が来ると「派遣」をいったん打ち切り、3ヶ月間以上の期間をおいて再び派遣契約を行なうか(その間、操業がとまりますが)、しかし、この策は私からすると脱法的策だと思っていますので、派遣先は派遣から請負に変更するか、直接雇用に変えるかの判断をしなければなりません。これは県内のみならず国内製造業全体に影響が出てくるのではと心配するものです。
 そこで、知事はこの2009年問題をどのように捉えておられるのかお伺いいたします。

  

[知事の答弁]
 製造業での派遣労働者の受け入れ期間は、労働者派遣法の改正により、それまでの最長1年が3年に延長され、平成21年3月以降に3年間の派遣の期限が到来することとなり、多くの事業所で直接雇用や業務請負などへの転換を迫られることが議員ご指摘の「2009年問題」であると認識しております。
 労働者派遣法は、もともと企業や労働者のニーズの変化などを背景としまして、常用雇用に置き換わるおそれが少ない専門的業務を対象に、臨時的・一時的な労働力の需要と供給を調整するという趣旨で制定されたものでございます。
 「2009年問題」への対応に当たりましては、派遣はあくまでも臨時的・一時的な雇用であることを事業主が理解され、まず、直接雇用によって業務継続されることが望ましいと考えております。

 私は、この際、雇用の基本原則に立ち返らなくてはならないと思っています。雇用は「期間の定めのない雇用」が基本原則であり、期間の定めのある雇用は例外であると思っています。また雇用は雇用主が指揮命令し、その対価として賃金を支払う「直接雇用」が基本原則であると思っています。この原則を貫くことが良質な雇用の確保になると思っています。
 そこで、滋賀県経済を支えてきた製造業が良質な雇用の確保によって技術・技能が伝承され、グローバル化の中で真に生き抜けるよう、知事に直接雇用を経営者に呼びかけていただきたいと思っていますが知事の考えをお伺いいたします。
[知事の答弁]
 安定した雇用により生きがいややりがいを持って働くことは、次の世代の幸せや豊かさを実現するものでありまして、基本構想の戦略の一つである「人の力を活かす」につながり、滋賀の未来を拓いていくためには欠くことのできないものと考えております。
 直接雇用、とりわけ長期の雇用は、人材育成や技能の着実な継承が図られ、労働者の帰属意識やモチベーションも高まり、品質の維持・向上、ひいては企業の発展にもつながります。
 県が目指す誰もが力に応じて活躍できる環境づくりにもつながるものと期待しております。今回改訂する産業振興新指針でも人づくりを重要な取組みとして位置づけ、競争力の向上に向けた質の高い人材の確保・育成に取り組むこととしておりますが、そのためにも、企業が直接雇用を選択されることが望ましいと考えておりまして、このことは、行労使による意見交換の場などさまざまな機会をとらえ、私の思いを伝えていきたいと考えております。 

 次に、商工観光労働部長にお伺いいたします。
 滋賀県産業振興新指針には本県産業の課題として「質の高い人材の確保と人材育成の仕組みづくり」があげられています。そして、産業振興の方向性と展開では「産業人材の育成と雇用機会の創出」が謳われていますが、良質な雇用の確保を考えた時、一方では経営者の意識改革も重要な課題であります。そこで、商工観光労働部長は「良質な雇用の確保」について具体的にどう展開されるかお伺いいたします 。

[商工観光労働部長の答弁]
 良質な雇用の確保に向けて具体的にどう展開するのかについてのご質問にお答えいたします。
 産業、雇用を取り巻く環境が大きく変化したことにより、「質の高い人材」が必要と考える企業が増加する中で、人材確保や人材育成に対する支援が強く求められております。
 一方、若年層の高い失業率や離職率、非正規雇用率の高まりによる労働者間の所得格差の拡大などが大きな社会問題となっております。
 こうしたことから、人づくりを今回改定する産業振興新指針の重要な取組として位置付け、産業競争力の向上に向けた「質の高い人材の確保・育成」、例えば、若者マイスターの認定などに取り組むとともに、将来の産業人材となり得る若年者の育成を図り、人材のすそ野を拡大してまいります。
 また、雇用の形態につきましては、基本的には企業の雇用方針あるいは人事労務政策によるものでありますが、先ほどの知事答弁にもありましたように、様々な機会をとおして、経済界へ働きかけていくとともに、行政としてどのように関われるか研究してまいりたいと考えております。




  6月24日(火)に開会された6月県議会定例会で谷康彦議員(湖南市選挙区)が会派を代表して6月27日(金)に質問を行いました。その内容を以下報告します。

行財政改革について

 まず始めに、行財政改革についてお伺いいたします。
 昨年度は基本構想、財政構造改革プログラム、そして新しい行政改革の方針を3点セットで作成されたが、財政構造改革プログラムを市町などに提示する時期が大幅に遅れるなど、市町の予算編成に多大の影響を与えると共に、県民の皆さんにも大変なご心配をかける結果になりました。このことを踏まえ、平成20年度の行財政改革をどのように進めていくのか以下知事および総務部長にお伺いします。
 知事にお伺いします。
 来年度予算編成に向けて、昨年の財政構造改革プログラムについて、市町への説明が遅れたことにより、反発を招いたことを踏まえ、市町との対話を重視することや、予算編成過程を県民に見えるように早い時期から情報公開を行うこと、問題解決に向けてあらゆる知恵を結集することが必要だと考えます。市町や県民等との対話や、情報公開の方法と来年度の予算編成作業の具体的スケジュールをどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
 また、RDエンジニアリング最終処分場の行政代執行や造林公社の債務償還、クリーンセンター滋賀の経営については、財政構造改革プログラムに含まれていません。額は未確定とはいえ、多額の歳出増が見込まれている中で、その財源などについてどのような見通しを立てているのでしょうか。
 また、寄付の促進として「ふるさと納税制度」を活用される方針をたてていらっしゃいますが、その推進方法や見込みについてはいかがでしょうか、お伺いします。

   [知事答弁]
 1.まず、第1点目の行財政改革についてでございます。
 2.予算編成過程における市町や県民等との対話や情報公開の方法と、来年度の予算編成作業の具体的なスケジュールについての考え方でございます。
3.現在、県行政の全般にわたって、一層の「見える県政」を展開しているところでございますけれども、その一環として、施策構築から予算案の策定に至る広義の予算編成過程の「見える化」を推進する必要があると認識しております。
 4.特に予算要求に先立ち施策を構築する段階において、市町や県民の皆さんに情報提供することは、情報の共有、意見の施策への反映につながることから、大変意義深いものと考えております。
 5.このため、来年度の県政運営に向けての基本となる方針や、その実現に向けたプロセスについて、可能な限り公表するとともに、市町との対話システム等により意見交換を行ってまいりたいと考えております。
 6.具体的には、8月以降、基本的な方針等の公表や市町との対話を行い、それらの場でいただいたご意見を踏まえて施策を構築し、10月以降本格化する予算編成の中で反映してまいりたいと考えております。
 7.予算編成のスケジュールにつきましては、10月に予算編成方針を示し、以降庁内での調整を経て、2月には予算案を議会に提案させていただきたいと考えております。
 8.このような過程のそれぞれの段階において、透明性を確保し、県民の皆さん等に対して「見える化」を進めてまいりたいと考えております。
 1.次に、造林公社等多額の歳出増が見込まれる中での、財源の見通しについてのご質問でございます。
 2.昨年度において、平成20年度から22年度までの財政収支見通しを試算しましたところ、毎年400億円を超える巨額の財源不足が見込まれましたことから、このまま何の手だても講じなければ財政再建団体への転落が現実のものとなるという強い危機感のもと、財政構造改革プログラムを策定し、収支改善に向けた具体的な取り組みをお示ししてきたところでございます。
 3.そのような状況の中で、今般、造林公社問題への対応が具体化し、今後長期 にわたり多額の財政負担が必要とされることとなり、一層の危機感を覚えているところでございます。
 4.造林公社問題をはじめとする新たな財政負担への対応については、まず、これらの問題の対応に要する影響額が大きく、かつ長期にわたることから、この影響額を反映した上で、一定程度の長期のスパンでの収支見通しを試算し、今議会中に提示したいと考えております。
 5.その上で、具体的な収支改善策をとりまとめ、可能な限り早い時期に、議会や関係機関等にお示ししてまいりたいと考えております。
 次に3点目の「ふるさと納税制度」を活用した寄付の推進方法とその見込みについてでございます。
 県では、「ふるさと納税制度」の創設を機会に、地域の魅力を磨き、地域の良さを大いにアピールすることにより、寄付の促進を図っていきたいと考えております。
 このため、既に県のホームページ上に「マザーレイク滋賀ふるさと応援サイト」を開設いたしまして、この制度の仕組みや寄付方法を知っていただくとともに、滋賀県人会などのご協力をいただきながら、滋賀ファン、琵琶湖ファンとも言うべき方が一人でも増えるよう努力しているところでございます。
 次に、その見込みについてですが、初年度でもあり、どれくらいの寄付が集まるか、現時点で推計することは困難ですが、全国知事会の試算をもとに県で推計いたしますと、ふるさとを離れた人の10人に1人が納税額の1割を寄付した場合には、税源移譲前の額でありますが、全国で167億円が動くことになると考えられます。
 県としては、今後、精一杯、寄付の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
 
 次に、総務部長にお伺いいたします。
 歳入について、今後法人2税が伸び悩むことが予想されますが、現時点で、県としては経済情勢と法人2税についてどのような予測をたてておられるのでしょうか。
 県民や市町に負担を強いる財政構造改革プログラムを進める以上、一方では行財政改革を強力に進めなければなりません。本年3月に「新しい行政改革の方針」が示されましたが、20年度においては何を重点的に取り組んでいかれるのでしょうか。実効性、進捗管理、情報共有化を含めて具体的にお伺いします。
[総務部長答弁]
 経済情勢と法人二税について、現時点での予測はどうかとのご質問にお答えをいたします。
 まず経済情勢についてでありますが、6月の政府月例経済報告によりますと「景気回復は足踏み状態にあるが企業収益は減少しており、先行きは、アメリカの景気後退懸念や株式・為替市場の変動、原油価格の動向から、景気の下振れリスクが高まっている」とされております。
 一方、県内景気でありますが、しがぎん経済文化センターによれば、「弱含みの足踏み状態からやや悪化の状況に向かっており、今後についても減速気味で推移するものとみられる」とされているところであります。
 また、先日、内閣府と財務省が四月から六月期の法人企業景気予測調査を発表いたしましたが、景気判断指数はマイナスを更新しておりまして、一部夏場に業績回復を見込む企業がありますものの、全体では、原油高騰に伴う原材料価格の上昇や個人消費の下振れを警戒しまして、企業の景況感は一段と悪くなっている状況が窺われるところであります。
 こうしたことから、景気の先行きはやや悪化の方向にむかうのではないかと懸念しており、特に、本県税収の大宗を占めます法人二税が景気動向に強く左右されますことから、税収環境は厳しくなりつつあると考えておるところでございます。
 そこで、法人二税の収入予測でございますが、法人二税の平成20年度の当初予算額は約724億円を計上しております。これは、主要法人へのアンケートや聴き取り調査の結果を踏まえて積算したものですが、法人からは、現下の経済情勢についても一定織り込み済みのうえ回答をいただいていると認識しておりまして、平成19年度決算見込み額と比較いたしますと、5パーセント強の減収という厳しい見込みをしたところでございます。
 しかしながら、本年、年明けからの原油をはじめとする原材料の急騰や円高株安など、企業の減収リスクが一挙に高まったこともありまして、予算見積り時のアンケート結果との差が大きくなっている可能性もあり、法人二税収入への影響が懸念されるところであります。
 このように、景気の先行きが非常に不透明であり、また、申告額で法人二税収入の約7割を占めます3月決算法人の確定申告が出揃っていない現時点では税収の動向もはっきりといたしませんが、今年度、この時期としては初めて、主要法人に対してアンケート調査を実施するなど、今後の企業業績や申告状況の的確な把握に努めてまいりたいと考えております。
 次に、「新しい行政改革の方針」における平成20年度の重点的な取組についてのご質問にお答えをいたします。
 財政状況がさらに厳しさを増す中、県民生活を守り、県として果たすべき役割を将来にわたって担っていくためには、持続可能な行財政基盤の確立に向け、将来を見据えたさらなる改革に取り組んでいかなければなりません。そのためには、県として行うべき組織のスリム化などの改革に徹底して取り組んでいかなければならないと認識しております。
 こうしたことから、今年度、特に重点と考えておりますのは、まず振興局および地域振興局等の見直しであり、先程知事が申し上げましたスケジュールにより進めてまいりますとともに、併せて、今年度から22年度までの3年間に300人以上の削減を目指す定員管理計画に基づき、組織体制の見直しや事務事業の見直しなどの状況も踏まえながら、定数削減に取り組んでいくこととしております。
 また、自主的、自律的な県政経営を進めるためにも、経常的な歳入の確保に重点的に取り組んでいくということが重要であると認識しておりまして、本年4月に設置した「滋賀地方税滞納整理機構」によります県税の収入未済額の縮減や企業誘致の推進、さらには、未利用県有地の売却や県有資産等の広告、宣伝媒体としての活用などに取り組むこととしております。
 一方、多様化する地域の課題やニーズに対応していくためには、地域の様々な主体の知恵や資源を活かしながら連携・協力して取組を進めていくことが不可欠でありますことから、企業や地域団体、NPOなどの多様な主体からの現場視点による協働提案に基づき、ともに公共政策を作り上げる「協働提案制度」に取り組むこととしておりまして、既にそのための検討委員会がスタートしたところであります。
 さらに、県民の皆さんのご理解のもとに県政経営を進めていくため、「見える県政」の一つの柱として、行政サービスのコスト等の表示、いわゆる「値札」表示に取り組みますほか、限られた財源の中で、職員の智恵や知識、そして県が持っている経験、情報などを組み合わせて発揮される「県庁力」の最大化に向けた取組などを早期に進めていくこととしております。
 こうした取組を含め「新しい行政改革の方針」の推進に当たりましては、「見える県政」の推進の観点からも、県民の皆さんと情報を共有するとともに、庁外の有識者のご助言等もいただき、進捗状況や課題等を把握・検討しながら実効性を確保しつつ着実に取り組んでまいります。
 次に、知事にお伺いします。
 6月2日に開催された「県・市町調整会議」で、振興局と県事務所の見直しについて、意見交換され、9月議会までに方針をまとめ、12月議会で関係条例を改正、来年度から実施するとの方向性を示されました。
 振興局と県事務所の機能については、地域におけるニーズの違いがあり、また関係市町や県民の思いも様々あると思います。県民のニーズをどのように把握し、これから9月議会に向けてどのような展望をもって検討を進めるのでしょうか、具体的なスケジュールを併せてお伺いします。
 去る5月28日、地方分権改革推進委員会で「生活者の視点に立つ地方政府の確立」をめざした第一次勧告を出されました。そこでは、個別の行政分野・事務事業の抜本的見直し・検討、都道府県から市町村への権限委譲の法制化の推進、補助財産の転用等の3項目などを優先して取り上げています。
 一方、政府もこれに関連した「基本方針2008」の原案を6月23日に示されましたが、これらの内容について知事はどのような評価をされているのかお伺いし、次の質問に移ります。
[知事答弁]
 次に振興局と県事務所の見直しについてでございます。県民のニーズをどのように把握し、9月議会に向けてどのような展望をもっていくのか、具体的なスケジュールについてのご質問でございます。
 去る6月2日に副知事と副市町長による「県市町調整会議」を開催し、市町の振興局等に対する思いを聞いたところ、振興局等での専門性の高い指導に期待するという意見、圏域での考えを県と市町で共有し、圏域の代表として振興局等に期待するという意見もある一方で、振興局ではなかなか結論が出ず、当初の地域振興局設置の理念が生きていないという厳しいご意見も頂いております。
 振興局等についての意見や期待は、地域により、また、市町の規模などにより様々ですが、現在、市町の部課長クラスによる検討会議を開き、調整会議の意見を更に深め、整理しているところでございます。
 このように市町からの意見を聞く中で地域、県民ニーズの把握に努め、現在、庁内で行っている振興局等のあり方についての論点整理を進めていきたいと考えております。
 具体的なスケジュールといたしましては、7月中を目処といたしまして、振興局の機能等についての考え方の大まかなとりまとめの論点整理を行い、その後、自治創造会議で市町長の皆さんの意見を聴くとともに、庁内での議論を経て、見直し方針をとりまとめ、9月議会で説明できるようにしていきたいと考えております。

アール・ディエンジニアリング最終処分場問題の今後の県の対策について

 アール・ディエンジニアリング最終処分場問題の今後の県の対策について、知事にお伺いします。
 RD最終処分場問題行政対応検証委員会は、去る2月25日に知事に報告書を提出されました。その中で、積極的な情報公開と説明責任を含めた「住民との連携強化」を指摘しています。この指摘を受け、5月28日以降今月11日まで、知事自ら地元7自治会に出向き、今後の対策工についての説明がされました。我が会派所属議員も連日この説明会を傍聴させていただき、県のこれまでの対応についての批判や、廃棄物の全量撤去を望む切実な生の声を聞き、住民にとって恒久的に安心で安全な生活環境の担保ができるまでは、県の推奨する全周遮水壁、土質系覆土、揚水井戸、自然換気、有害物質掘削除去のいわゆるB1ベースのD案についての工法提案を受け入れることは、全ての自治会でできなかったと承知しております。
 環境・農水常任委員会には、参考人として住民代表の方々にお越し頂き、我々も意見を聞かせていただきましたが、「地域住民との連携を強化し、互いの合意と納得が得られるようにして、問題解決に当たることを全ての対策の大原則とする」とした対策工実施の基本方針からしても、現場の声は県に対する不信ばかりで「住民の合意と納得」からは程遠いものだと会派としても考えざるをえません。住民説明会を一巡し終えた段階での知事の対策工に対する考え方を伺います。
   [知事答弁]
 議員ご指摘のとおり、5月28日から6月11日までの、7自治会での住民説明会での住民の皆さんの声は、全量撤去の声が大半でありまして、提案した遮水壁による原位置浄化案についての、ご理解は得られませんでした。
 これは、これまでの行政対応への根深い不信とともに身近にある有害物質がすぐに撤去されないことによる住民の皆さんの不安が反映されたものと考えております。
 RD問題への対応は、制度上、全量撤去ありきではなく、生活環境上の支障と、そのおそれを取り除くということでありまして、現在、提案している対策工の考え方を基本とすることが適切であると考えております。
この提案している遮水壁による原位置浄化案について、住民の皆さんの理解と同意を得るためには、住民説明会の中でいただいた宿題など、技術的に内容を明確化すべき事項も多く、それらを含めて今後説明を尽くし、協力関係を構築する中で、理解を得ていきたいと考えております。
 次に、この問題に関しての情報開示のタイミングと内容についての矛盾についてお尋ねします。
 担当部局では、4月の県政経営会議で、処分場内での浄化と部分撤去の併用案が妥当とされました。しかし、5月11日に栗東市で開催された住民との意見交換会では、知事自身具体的な対策工法にはなんら言及せず、その2日後の13日の定例記者会見や15日の環境・農水常任委員会で、知事は、対策工法の県としての方向性について具体的に説明されています。こうした情報開示の手順について、「意見交換会や住民説明会は形だけの手続きで、住民への対話や納得がこの手法で得られるのか」と住民からは監査請求まで提出され、強い反発を受けています。このことについてどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
[知事答弁]
 議員ご指摘のとおり、5月28日から6月11日までの、7自治会での住民説明会での住民の皆さんの声は、全量撤去の声が大半でありまして、提案した遮水壁による原位置浄化案についての、ご理解は得られませんでした。
 これは、これまでの行政対応への根深い不信とともに身近にある有害物質がすぐに撤去されないことによる住民の皆さんの不安が反映されたものと考えております。
 RD問題への対応は、制度上、全量撤去ありきではなく、生活環境上の支障と、そのおそれを取り除くということでありまして、現在、提案している対策工の考え方を基本とすることが適切であると考えております。
 この提案している遮水壁による原位置浄化案について、住民の皆さんの理解と同意を得るためには、住民説明会の中でいただいた宿題など、技術的に内容を明確化すべき事項も多く、それらを含めて今後説明を尽くし、協力関係を構築する中で、理解を得ていきたいと考えております。
 また、6月4日に新聞報道され、我々議会も初めて知り得たことですが、5月21日に既に県が6業者に対し、D案をベースに技術提案を要請していたこと等、具体的な事務作業が先行する手法はあまりにも乱暴であり、県民、住民、議会に対する説明責任がなおざりにされていると言わざるを得ません。このことについてどのようにお考えでしょうか。「対話と共感」を政治信条とされている嘉田知事は、この事実をどう受け止めているのか、明確な答弁を求めます。
[知事答弁]
 対策工の詳細設計の予算は、議会の承認をいただいており、技術提案の要請については、契約手続前の事務手続として進めているところでございます。
 この技術提案の要請については、先の住民監査請求におきましても、対策工の実施設計に関する契約の締結あるいはその準備を行うかどうかは、知事の政策判断に属する事項であり、住民監査請求の対象とはならないものとして、却下が決定されたところでございます。
 次に、今後、対策工を進めるにあたっての対策許可容量を超過した違法廃棄物の扱い、環境基準のクリアだけではなく、安定型最終処分場としての廃止基準を遵守し、将来にわたる安全で安心な生活環境を県の責任で明確にし、処分場を廃止、跡地利用を将来にわたり担保して欲しいとの住民の切なる声についてどう応えるのか、「次世代育成型の県政」を標榜されている知事として、また環境社会学者として長年フィールドワークをされてきた知事としてどのようにこれらに対処されていくのか具体的な答弁を求めます。
[知事答弁]
 私自身、常々申し上げておりますように、一日も早い解決に向けて、生活環境保全上の支障と、そのおそれを除くために、対策工を実施することが最優先であると考えております。
 跡地利用につきましては、住民の皆さんの願いが強い課題であると考えておりますが、まずは安全性の確保を行うための対策工の実施を優先とし、その後、実施後の課題であると考えております。
 我が会派としても、住民の理解と、安全性の確保は重要だと考えます。知事は提案説明の中で「制度上、技術上、また財政上から、全周遮水壁を設定し有害物の除去を行う原位置浄化案を最もふさわしいものであると判断」といわれておりましたが、私達としては、住民の方々が、県に対する不信とD案に対する不安をもったまま、このままのD案で押し通すのは極めて難しいと感じています。不信を払拭するためには、一歩一歩進むことが求められていると考えます。早期の対策が求められますが、ここは一度立ち止まり、廃止基準のクリアによる安全が確保できる技術的提案を再度構築してはいかがでしょうか。その上で、住民の皆さんに丁寧な説明をされるべきと考えます。知事のご所見をお伺いいたします。
  なお、特措法の期限が24年度末と迫っておりますが、三日月大造衆議院議員が国の委員会の場で質問を通して、延長への働きかけをしておられますが、県としても要望すべきと考えます。知事のご所見をお伺いします。
[知事答弁]
 県として実施すべき対策工を検討いたしますと、全周を壁で囲い、地下水の飛散を防ぎ、粘土系の覆土を行い、有害物の飛散を防ぎ、併せて水処理施設を設置することを基本に有害物を取り除くという原位置浄化策・D案を基本に実施計画(案)を策定していくことが、現実的に適切で妥当であると考えております。
 現在の原位置浄化案の内容を明確化し、地元での説明会で伺った、皆さんの疑問や宿題に丁寧に答え、協力関係を構築する中で、その理解と同意が早期に得られるよう努めていきたいと考えております。
 また、土壌汚染に関しては、「土壌第三者評価委員会」という団体が設立されるなど、リスク評価のニーズが高まっております。例えば、岐阜市の産業廃棄物不法投棄の対策工検討案の中には、技術専門会議で「廃棄物に遮水壁が確実に施工できるかが懸念される」との意見もでており、報告されています。既に海外ではリスク軽減のために再評価もされていると仄聞しております。このような多額の費用を要する処理にあたり、県民への説明責任としても、戦略的アセスメントや、調査や対策工の評価、安全面の科学的な評価など、第三者によるリスク評価をするべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
[知事答弁]
 平成18年10月の行政対応方針を受けまして、有識者や住民代表の皆さんからなります対策委員会を設置し、その元に専門家からなる専門部会を設置し、調査を行うとともに、科学的かつ幅広い観点から延べ15回にわたって議論を重ねていただきこの4月に答申をいただいたところでございます。関係の皆さんの真摯なご議論に深く感謝をいたします。
 今後、対策工につきましては、その実施計画について環境審議会の意見を聴くこととしておりまして、対策工の実施および実施後のモニタリングについては、住民参加の監視委員会を設置し、環境審議会へも報告し、ご意見をいただく中で安全性の確保をはかってまいりたいと考えております。
 最後に、当事者を含め、関係者の責任追及はもちろん、行政の中においても検証し責任を明確にすべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 理に叶い、情に叶う政策になるよう、将来に禍根を残さぬよう願い、次の質問に移ります。
[知事答弁]
 事業者に対しましては、この5月に事業者の責任追及のための措置命令を発し、関係者に対しても、現在、準備を進めております。一方で、県行政のこれまでの対応につきましては、平成18年10月の行政対応方針を受けて、対策委員会と併せて、行政対応検証委員会を設置し、この2月に報告をいただいております。
 この検証委員会の報告を踏まえ、再発の防止に併せまして、行政としての責任についても明らかにしていくつもりでございます。
 議員ご指摘のように、この問題につきまして、住民の皆さんのご理解とご協力を得ながら、理にかない情にかなう、そして将来に禍根を残さない政策となるよう私自身、全力であたっていきたいと考えております。

造林公社問題について

 造林公社問題について、知事および琵琶湖環境部長にお伺いします。
 始めに知事にお伺いします。
 今回、農林漁業金融公庫との調整が整ったことは、長年にわたる負の財産の解決の一定の方向が見えてきたと、前向きに受け止めております。
 国の通達により、森林所有者では造林が困難な奥地等の条件不利地での植林を推進してきましたが、その後の木材の輸入自由化による国産材価格の下落、需要の低迷で、予定の木材販売収入が見込めなくなり、経営は悪化の一途をたどってまいりました。知事も所信表明で触れておられますが、国への支援を要望していくことも必要と考えますが、知事のお考えをお伺いします。
 農林漁業金融公庫への返済は、今年度の補正予算で約19億円、そして、21年度以降41年にわたり最高28億円の債務負担をするわけですが、この債務負担の金額の根拠をお伺いいたします。併せて、これらの財源と今後の財政への影響をどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
 農林漁業金融公庫の債務は解決の方向に向かいますが、一方で両公社は下流社員と滋賀県からの債務があります。どのように解決をされるのでしょうか、現時点での特定調停の状況はいかがでしょうか、併せてお伺いします。
   [知事答弁]
 次に造林公社問題についての3点のご質問にお答えいたします。
 まず、1点目の国への支援の要望についてでございます。
 造林公社問題は、ご指摘のように、分収林制度に内在する問題や、林業・森林施策の構造的な要因に起因するところがありまして、歴史的に大変長い背景をもっております。これまでから申し上げているとおり、公社や県だけでは解決しきれない課題でありまして、しかも全国共通の課題であると認識しております。
 本県としても、これまでも金融問題検討会や全国知事会など、あらゆる機会を通じて国に対して支援を求めてまいりました。
 また、県独自での政府提案についても行ってきたところでありまして、本年度も、去る5月30日に、この造林公社の改革のための支援として、「新たな金融支援制度の創設」あるいは「地方財政措置の大幅な拡充」といった、公社問題の解決には不可欠な項目について、国への要望活動を行ったところでございます。
 現在、継続中の特定調停が成立したといたしましても、多大な県の財政負担を伴うことから、今後も引き続き、あらゆる機会を通じて国に対して、支援、協力をお願いしていく必要があると強く決意しております。
 2点目の、債務負担の金額の根拠、また、その財源、今後の財政への影響についてのご質問でございます。
 農林漁業金融公庫の債務につきましては、県が損失補償契約を締結していることから、公社からの返済が滞った場合には、県が手当をしなければならない義務を有するものでございます。
 公庫から公社への全額繰上償還請求により、県への損失補償の一括履行が、9月8日と目前に迫っているわけでございます。その事実上返済が困難である480億円を超える多額の一括弁済を回避するため、今年度から平成61年度までにわたる総額690億円余について、公社と連帯して重畳的債務引受を行ったものでございます。
 債務引受にあたりましては、公庫に対して、県の財政的体力に応じた長期分割での42年間、年間弁済額が20億から25億円程度となるよう公庫へ要請を行い、公庫には制度の枠内において最大限の調整をされ、その結果、ほぼ県の要請に応じた償還条件で対応していただいたものでございます。
 なお、従来から県が公庫と損失補償契約を締結するに際しましては、公社が公庫から資金借入をする額に応じて、元金ならびに発生利息について、毎年、債務負担の議決を頂いてきたところでございます。
 今回の債務引受により必要となった債務負担は、実質的には、これまでの損失補償契約によって生じる負担額を、いわば組み替えたものでありまして、元金、金利を合わせて新たな負担が生じるものではないことをご理解いただきたいと思います。
 約500億円近い一括弁済は回避でき、実質的には、従来から想定されていた金額を返済するものでございますが、毎年多額の財源が必要となりますことから、一層厳しい財政運営を今後強いられることとなります。
 このため、先程の答弁で申し上げたとおり、造林公社問題等の影響額を反映した、一定程度の長期スパンでの収支見通しを試算し、今議会中に提示したいと考えております。
 その上で、具体的な収支改善策を取りまとめ、可能な限り早い時期に、議会や関係機関等にお示ししてまいりたいと考えております。
 3点目の、両公社は下流社員と滋賀県からの債務もあるが、どのように解決するのか。また、現時点での特定調停の状況はいかがか、とのご質問でございます。
 農林漁業金融公庫とは今回の重畳的債務引受という合意点に達したことから一定の方向性が出たところでございますが、下流社員、大阪や兵庫などとの関係におきましては、公社が要請している債務圧縮について意見の隔たりが大きいため、引き続き調停の中で合意が得られるよう一層努力していく必要があると決意しているところでございます。
 本県としましても、公社が下流社員に等しく債務の圧縮をお願いしている以上、公社の設置者として、積極的に、債務圧縮に応じる立場であると考えており、県民の皆様にはご理解いただきたいと思っております。
 下流団体それぞれのご事情やお立場があり、非公開で開催される特定調停の中で出された提案や意見等の詳細について、本県から一方的にお知らせ出来ない点につきましては、議会や県民の皆さんにご理解をいただきたいと思いますが、下流団体からは、特定調停の成立に向けていくつかの具体的な提案が出されておりまして、県および公社としても、それぞれに可能な限り応えながら協議を進めており、早期に着地点が見い出せるよう、最大限の努力を尽くしているところでございます。
 次に、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。
 今後も森林をどうするかという課題は依然として残ります。県産材の流通や、活用方法などの取り組みも必要となります。今後、県が債務を引き受けることになりますが、県の債務の軽減のためにも、山の材の価値をあげ、資金回収の努力を公社はすべきと考えます。
 現在、県から公社への運営費として、約2億8千万円の出資及び出捐をしておられます。公社は特定調停に経営改善計画を出されているそうですが、今後の公社のあり方も問われると考えます。今後の公社のあり方、県としての考え方をお伺いいたします。
 また2500名あまりの土地所有者の方々に公社6、所有者4の、分収割合を9:1に変更と、奥地等の不採算林の契約解除をお願いされておられます。2月議会の我が会派の代表質問に対し、土地所有者への説明は436件、36.3%の進捗状況と答弁されていましたが、その後の分収割合の変更への取り組み実績と、奥地等の不採算林の契約解除の協議・交渉はどの程度まで進んでいるのか、また承諾はどれくらい得られたのか、お伺いします。
 このような負債を抱えることになった過去の経緯を、どのように分析されるのでしょうか。今後2度と同じような間違いを起こさないために、どのように改善すべきか、今後のリスクマネージメントの観点を持ち、時のアセスとして検証をすべきと考えますが、どのように検証されるおつもりでしょうか、お伺いします。
[琵琶湖環境部長答弁]
 造林公社問題についてのご質問にお答えをいたします。
 まず、今後の公社のあり方についてでありますが、両公社は、もともと森林所有者自らが造林できない山間奥地等の条件不利地に事業を展開してきており、一般林家や民間では取って代われないものであると考えております。
 また、公社営林は、水源かん養や県土保全など多様な機能を果たしており、それに果たす公社の役割は大変重要であります。こうしたことから、今後も適正な森林管理を続けていくためには、公社を存続させ、引き続き役割を担わせるべきものと考えております。 その上で、資金回収の努力につきましては、現在、県におきましてチームを作り、県全体の林業振興の観点から、林道や作業道の路網整備、高性能林業機械による伐採技術の導入、また、集荷、乾燥、製材、ストックヤードの整備、そして、新たな商品開発や市場開拓の取り組みと言った、いわゆる川上から川中へ、そして川下へと木材を流す流通の総合システムを、検討しているところであり、その結果を受けて、着実な取り組みを進めたいと考えております。
 こういったシステムを公社にも取り入れ、国等の各種支援制度を有効に活用しながら、公社として確実に償還財源が確保できるよう、さらには、公社として、その取組が県内のモデルケースとなり、公社が他の林業関係者等の牽引車となれるよう頑張っていってもらいたいと思っているところであります。県としても、こういった面において、協力、支援を最大限してまいりたいと考えております。
 次に、分収割合の変更への取り組み実績と、不採算林の契約解除の協議・交渉についてでありますが、まず、分収割合の変更への取り組み実績といたしましては、現在、分収造林契約者の皆さんに対しまして、公社の方で、戸別訪問をさせていただき、契約変更にご理解をいただけるよう、誠意を持ってお話しをさせていただいているところであります。
 その結果として、両公社合わせて約2,500名余りの土地所有者のうち、先週末、これは6月22日でありますが、その時点で実績として、1,498名、率にしますと58.8%の方と、まず1回目のお話をさせていただいたところであります。今年度内には全ての所有者に説明をさせていただくことを目標として進めております。
 土地所有者の方々からは、様々なご意見をお聞きしておりますが、約3分の1の方とは、ほぼご理解いただいているところであり、3分の2の方からは、さらに詳細に話を聞きたいという反応であったと、公社からは聞いております。
 また、現在のところは、まずは、分収割合の見直しを優先してお話しをさせていただいているところでございまして、不採算林の契約解除の協議・交渉につきましては、今後の課題であると考えております。
 実際に不採算林となったものを契約解除する場合には、土地所有者の皆さんの同意が必要となりますが、単に経営から切り離すということではなく、土地所有者の方に安心していただけるよう、例えば水源かん養機能に特化した環境林として、民有林の一般対策により、県として最大限の支援をおこなうなど、適正に管理する必要があることを認識していることにご理解をいただき、誠意を持って対応していくつもりであります。
 次に、負債を抱えることとなった経緯につきましては、公社による造林事業は、琵琶湖総合開発事業に先立つ施策として、法制定以前より、まずは昭和40年4月に滋賀県造林公社が設立され、琵琶湖の水源かん養林の造成に着手されました。
 その後、昭和47年6月に琵琶湖総合開発特別措置法が制定され、その事業計画の中に造林事業が位置づけられたことを受けて、昭和49年3月にびわ湖造林公社が設立され、造林事業に期待される水源かん養の役割が一段と強化されることとなりました。
 さらに、平成11年に策定いたしましたマザーレイク21計画においても、琵琶湖の総合保全における水源かん養機能の重要性が位置づけられるに至ったところであります。こういった風に、水源かん養の達成のため、公社が事業を継続してきたことに関しては、間違いはなかったと考えております。
 しかしながら、材を売り収入を得て、ギリギリで収支の均衡を図る制度設計であったために、木材価格の下落、低迷や、労務単価の高騰などによる事業費、管理費の上昇など、社会・経済状況の大きな変化に見舞われるなど、制度的あるいは構造的要因に起因して、大きな負債となってしまったものと考えております。
 次に、今後のリスクマネージメントの観点をもった検証についてでございますが、リスクに関しましては、長期にわたる伐採収入が、本当に確保されるかどうかが問題となりますが、今後、木材価格のさらなる下落等によって、今考えている伐採収入が得られなければ、再破綻という事態も起こり得ることから、継続的に、木材価格や木材需給の動向、国の林業政策の動向を注視し、一定期間ごとに確認を行い、必要に応じて適切な施策を導入するなど、計画の見直しを行い、予定されている伐採収入が確保できるよう、いわゆるPDCAサイクルに基づいて、公社経営がなされるよう、県として、管理・指導していくことが重要であると考えております。

ダム問題について

 ダム問題について、知事にお伺いします。
 6月20日「淀川水系河川整備計画案」が近畿地方整備局より提示されました。諮問機関の淀川水系流域委員会がまだ継続中であり、計画案に反映すべき重要案件を積み残したままの見切り発車は、面子と権益を守ろうとする国土交通省の暴挙と言わざるを得ません。知事は、今定例会初日の所信表明で、「琵琶湖淀川水系の水源地域の知事として、ダムの必要性、緊急性、経済性、そして環境への影響等、未だ充分な説明をいただいていない点については、更なる資料提示を国に求め、下流府県や県民の意見も踏まえ、未来世代にも説明がつくよう責任ある判断をして行く」と述べられましたが、このことは「現時点で知事の意見を出すのは尚早」との考えを披瀝されたと理解していいのでしょうか。回答を求めます。
 知事は、計画案提示前の記者会見等で「整備計画原案の再提示がなければ意見を出せない」との考えを示され、「ダムが一番の優先政策とされては、私自身が河川政策に責任が持てなくなる。堤防の重要性や技術的な強化策などの議論が必要」とも述べておられますが、計画案と同時に提示された「淀川水系の治水に関する河川管理者の基本的考え方」で、納得できる説明が得られたとお思いでしょうか。知事のご所見をお伺いします。
 次に、諮問機関である淀川水系流域委員会が4月25日に「現時点で国営4ダムの建設や再開発を整備計画に位置づけることは適切ではない」との意見書を近畿地方整備局に提出しておりますが、計画案は、この意見を全く反映しない内容となっております。大半の新聞論調は「流域委員会の意見を尊重すべき」との見解でありましたが、流域委員会の意見書を知事はどう評価されておられるのか、また、その意見の整備計画案への反映についてどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
次に、大戸川ダムについてお伺いします。
我が会派では、過日、大戸川ダムサイト、上田上の過去の破堤地点、天ヶ瀬ダム、宇治、小椋池、淀川河口より13.2km地点などを視察してまいりました。淀川13.2km地点において実際にハイウォーターレベルから17cmを計測致しましたが、堤防天端までは2mないし3mの余裕があり越水や破堤の危険性は極めて低いと実感致しました。また、堤防の法面は、県管理の堤防では通常2対1ですが、13.2km地点では、内側の傾斜が4対1と、ゆるやかに改修され、外側でも、ドレーン工が施された粘り強い堤防になっておりました。
 更に、近隣には、所々にスーパー堤防も整備されており、我が会派としては、大戸川ダムが淀川に及ぼす効果は極めて限定的であるとの判断をしておりますが、知事のご所見をお伺いします。
 続いて、大戸川ダムを中止した場合の本県への影響についてお伺いします。
 1点目に県道大津信楽線道路改築事業がダムの補償工事や、水源地域整備事業下流負担金などを充当して約6割が整備されておりますし、甲賀市公共下水道事業など継続中の事業もございます。これらの事業への影響を知事はどのようにお考えでしょうか。
 2点目に上田上地区の治水についてですが、大戸川ダムが一定効果のあることは事実であります。ダムに替わる治水の方策はあるとお考えでしょうか知事にお伺いします。
 次に、ダム問題は知事マニフェストの「3つの緊急提言」の内の1つであり、どのような意見を表明されようと、県民や地域住民に対して説明する責任があると思いますが、知事のご所見をお伺いします。
 提示される「淀川水系河川整備計画案」は、1997年の改正河川法の趣旨を反映したものでなければならないと、我が会派は考えて参りました。即ち、利水、治水に加え環境や生態系にも配慮し、住民意見や専門家の意見にも十分耳を傾けて、後世に誇れる河川政策を打ち出すべきであると考えておりましたが、期待に背く内容となったことは大変残念に思っております。改正河川法の理念は活かされたのか、知事の率直な御意見をお聞かせ願います。
   [知事答弁]
 次に、ダム問題についての8点のご質問にお答えさせていただきます。
 まず、1点目の現時点で知事の意見を出すのは尚早との考えを披瀝されたのかについてのご質問ですが、淀川水系河川整備計画は本県にとって大変重要な計画であります。整備局が原案から案として取りまとめられた際の変更点の内容やその経緯、また、市町、住民、流域委員会の意見が案にどのように反映されているのか等を近畿地方整備局からしっかり説明していただきたいと思っております。
 それらの説明を受けない限り知事として意見を出すことは、議会や県民への説明責任を果たすという観点から難しいと考えております。
 2点目の淀川水系の治水に関する河川管理者の基本的考え方で納得できる説明が得られたのかどうかについてですが、近畿地方整備局に、河川整備計画(案)の作成にあたって論点となった事項、例えばHWLを超える区間の堤防の強化費用等についての説明をまだ聞いておりません。まず、これらの点について十分な説明を受けることが必要と考えております。
 3点目の流域委員会の意見書をどのように評価するのか、その意見の整備計画(案)の反映についてでございます。
 流域委員会においてなされてきた議論については、これからの日本の未来の河川政策を考えるうえで大変重要な論点が含まれていると、評価をしております。例えば、治水政策において、計画規模を決め、それ以下の水は流せるが、それ以上の水には対応できないという、いわば、超過洪水に対する対応の限界、これまでの治水計画ではそのような限界がございました。流域委員会の計画では超過洪水も含め、いかなる洪水に対しても命を守るという治水の本質が表現されていると理解をしております。滋賀県の河川政策を担う知事としても重要な論点が含まれていると評価をしております。
 そのような中で、近畿地方整備局から整備計画(案)にそれがどう反映されているのか、反映していないのなら、その理由について説明を受けるとともに、関係市町長の意見をふまえ、知事意見を取りまとめてまいりたいと考えております。
 4点目の大戸川ダムが淀川に及ぼす効果は極めて限定的であるとの判断についてでございます。
 流域委員会では、「計画規模洪水をHWL以下で流下させるという原案で示された目標に対して、大戸川ダムによって水位をHWL以下に低下させることが できる洪水は、検証に用いた33パターンのうち2パターンであり、限定的である」としているのに対し、近畿地方整備局では、「大戸川ダムの水位低下効果が19cmであり限定的との指摘があるが、ダムはダム地点から河口に至るまでのすべての区間において水位低下効果があることから、この指摘は問題の本質を見誤っている」と主張されております。
 いずれにしても、私としては、HWLを超える区間について堤防強化する費用や財政負担等、近畿地方整備局より説明を受けたうえで判断してまいりたいと考えております。
 5点目の大戸川ダムを中止した場合のそれぞれの事業への影響のご質問でございます。県道大津信楽線の改築事業は、道路管理者としての道路事業とダム建設事業の補償工事の合併で施行しているところでございまして、全線で延長が約10.1km、そのうちダム上流、ダム計画地上流の約5kmの区間が概ね出来上がり、今後は下流側に着手していく段階にあります。
 また、ダム建設事業に伴う水源地域への影響を緩和するための水源地域整備事業については、大津市、甲賀市等で進められており、21事業の内11事業が完了しておりますが、甲賀市の公共下水道事業を含め4事業が継続中で、6事業がダム事業との整合性を図るため未着手となっております。
 大戸川ダムを中止した場合の各事業の影響についてですが、すでに地域の生活に影響が発生していることと判断をしておりまして、このような水源地域整備事業への影響についても慎重に検討してまいりたいと考えております。
 6点目のダムに替わる治水の方策についてでございます。
 大戸川は、瀬田川に合流した後の宇治川に至るまで、十分な洪水を流すための河川の整備が行われていないため、下流に洪水の負荷が増えるような河川改修は難しいとの特殊性がございます。このような限られた条件であるため、大戸川ダムが下流の宇治川や淀川の洪水調節のため計画されたものであることを前提として、昨年2月この議会でも以下のように答弁させていただきました。「流域で貯留する遊水地や、大戸川沿川の家屋を嵩上げする方策など、流域での対策を検討しましたが、大戸川ダムがいずれ国で整備され、それにより大戸川の治水安全度の向上することが見込める中で、これらの治水対策を進めることはかなり困難である」との答弁でございます。併せて同じ答弁の中で、「大戸川ダムにつきましては、淀川全体の整備を見て国が判断されるものであり、川の環境や生態系、流出土砂量も配慮した形で速やかに再検討し、併せて住民対話を進めていただくよう、提案したいと考えています」と答弁させていただきました。大戸川ダムが下流の宇治川や淀川の洪水調節のためのダムとの前提がなければ、大戸川の治水については地元の住民のみなさんの治水への思いを受け止め別途検討が必要であると理解をしております。いずれにしても、県としては、河川法に規定された手続きに従いまして、計画(案)に対して意見を述べていくこととなります。現在、滋賀県全体の安全性のバランスのとれた河川整備の計画を検討中でございまして、それらを踏まえて、近畿地方整備局からの疑問点等についての説明や市町長の意見も十分踏まえて判断してまいりたいと考えております。
 7点目の県民や地域住民に対する説明責任についてでございます。
 河川整備計画は、滋賀県としても非常に重要な計画でありまして、その重い判断をしなければならないことから、今後整備局から必要な情報を得て、その上で様々な機会をとらえ県民の皆さんに対して十分説明責任を果たしてまいりたいと考えております。
 8点目の整備計画(案)には改正基本法の理念は活かされたのかについてでございます。平成9年に改正された河川法では、目的として治水、利水に加えて、河川環境の保全が河川政策の目的に加えられ、併せて住民意見の聴取のプロセスが加わりましたが、今回の整備計画(案)が、近畿地方整備局と淀川水系流域委員会の関係が正常化されていない中で出されたことは、河川法の主旨が十分にいかされているとは思っておりません。今後計画として決定されるにあたって、河川法の主旨を十分に汲んでいただきたいと考えております。

地震対策について

 次に、地震対策について政策監および教育長にお伺いします。
 5月に発生した中国・四川大地震は、未曾有の大被害をもたらしました。人的被害の特徴は、多くの子どもたちの命が学校倒壊によって奪われたことです。四川省だけで、約7千棟の学校が倒壊し、犠牲者は死者全体の1割にのぼると言われています。学校建築における耐震基準の甘さと手抜き工事がその原因とも指摘されているところです。
 日本でも、6月14日震度6強の岩手・宮城内陸地震が発生し、死者、行方不明者22名、負傷者266名という大きな災害となりました。家屋の倒壊が少ない一方で、山崩れや土砂崩れの被害が大きいという特徴の地震でした。
 まず、地震対策について防災危機管理監である政策監にお伺いします。
 滋賀県においても、琵琶湖西岸断層帯や花折断層帯地震、あるいは東南海地震の脅威がささやかれております。最近は問題ないと言われている所で地震が発生している状況であり、地域防災が重要となります。滋賀にも多くの断層がある状況をみれば、大規模地震がいつ発生するか判りません。
 今年度から組織改編され防災部局を知事直轄にされました。マニュアルはありますが、先の四川大地震や、岩手・宮城内陸地震を踏まえて、本県の大規模地震発生時の防災・危機管理体制をどのようにとられているのか、お伺いします。併せて、昨年10月1日から一般向けの緊急地震速報が開始されましたが、今回の岩手・宮城内陸地震での効果はどうだったのでしょうか。また、受信装置など県としての今後の対応についてお伺いします。
   [政策監答弁]
 地震対策についてお答いたします。
 大規模地震発生時の防災・危機管理体制についてでありますが、災害発生から72時間のいわゆる初動期は、人的被害の拡大を防ぐうえで特に大切な時期であり、この初動期に知事、副知事、防災危機管理監の指揮調整の一体化を図り迅速かつ的確な初動体制がとれるよう、今年度から、防災危機管理体制は知事直轄組織となったところでございます。
 このような体制のもと、500名をこえる職員の協力によりまして、常時2名の宿日直体制をとっておりますほか震度5弱で災害警戒本部を、震度6以上のときには、災害対策本部を設置することといたしております。これらの本部のもとには総務、情報、医療、救助そして広報からなります緊急初動対策班を編成することとなりますが、その要員といたしまして、県庁、各地域振興局へと参集可能な職員2,000名に対しまして、年度当初に緊急初動対策班員としての発令をいたしております。まさに、県庁一丸となっての体制と言えるのではないかなと思っております。
 ただ、このような初動体制が実際の災害時に確実に機能するよう、そのためには日頃から研修や訓練に取り組んでおくということは大変重要なことであろうと思います。このため、例年の総合防災訓練のほか昨年からは参集、情報伝達訓練などを2ケ月に1回の割合で、いわゆる隔月訓練を実施いたしますなど、機会あるごとに研修や訓練を重ねまして、災害時に職員一人ひとりが迅速的確な判断が行えるよう、初動体制の強化に取り組んでいるところでございます。
 次に、「緊急地震速報」の効果についてでございますが、今回の岩手・宮城内陸地震では、残念ながら震源地近くでは「強い揺れ」の前に速報が届かなかったというところもございましたが、少し離れた周辺地域では速報を聞いて地震到達前に生徒が避難できた白石中学校や、生産ラインを止めたことによりまして被害を免れた宮城の工場の例などもございました。その効果は確かにあったものと考えております。
 次に受信装置の県施設への設置でございますが、この9月を目途に、まずは県庁舎に設置することといたしておりますが、それとともに、びわ湖情報ハイ ウェイ網を利用いたしまして、この緊急地震速報を他の県立施設に配信するための実証実験も行ってまいりたいと思っています。その上で、今後の技術開発の動向でありますとか必要経費、優先度なども勘案しながら順次整備できるよう導入計画を検討してまいりたいと考えております。
 次に教育長にお伺いします。
 地域の避難場所ともなる学校の耐震化を進めておられますが、文部科学省が発表した「公立学校施設の耐震改修状況調査」によると、「大規模な地震によって倒壊などの危険性の高い小中学校施設」は本県では、105棟となっていますが、この調査結果をどのように受け止めておられるのか、お伺いします。
 また、本県の耐震化の進捗状況についてもお伺いし、次の質問に移ります。
[教育長答弁]
 地震対策についての2点のご質問にお答えいたします。
 1点目の文部科学省の調査結果をどのように受け止めているかについてでありますが、学校施設は、子どもたちにとりまして、学習や生活の場であると同時に、地震等の災害発生時にはその多くが地域住民の避難場所ともなり、地域の防災拠点としても大変重要な役割を担っております。
 このため、県教育委員会といたしましては、これまでから、各市町教育委員会に対しまして、積極的な耐震化に向けての取り組みを要請して参ったところでございますが、議員ご指摘のように、本年4月1日現在、「大規模な地震により倒壊等の危険性が高い小中学校施設」が、本県では105棟にものぼることを大変危惧しておるところであります。
 県教育委員会としましては、本年度に入りましてから、市町の教育長等を対象とした会議の場や個別ヒアリング等の様々な機会に、より一層の耐震化の推進を要請するとともに、去る5月末には、文部科学省の一万棟耐震化推進プロジェクトチームとも歩調を合わせ、特に今後5カ年の整備予定率が低い県内5市町を個別に訪問し、直接市町長等に面談の上で、学校施設の一層の耐震化を要請するなど、県内小中学校の耐震化の促進に努めておるところでございます。
 次に、2点目の本県の公立学校施設の耐震化の進捗状況についてでありますが、まず、公立小中学校の平成20年4月1日現在の耐震化率は74.9%で、県立学校の耐震化率は60.7%となっております。
 今後とも、県教育委員会といたしましては、まずは市町長に対しまして、国庫補助率嵩上げなど、耐震化を促進するため拡充されました国庫補助制度を有効に活用し、より一層の取り組みが展開されますように、引き続きまして強く要請して参りたいと考えております。
 また、県立学校施設の耐震化につきましては、平成16年3月に策定されました現行の地震防災プログラムにおいて、学校施設は「防災上特に重要な県有施設」と位置づけられ、平成24年度末までに耐震化を完了する計画となっております。
 このため、今後とも、地震防災プログラムとの整合を図りながら、耐震化の推進に精一杯取り組んで参りたいと考えております。

レジ袋削減について

 レジ袋削減について、知事にお伺いします。
 1992年のリオの環境サミットから16年。今年、洞爺湖サミットが行われます。
 日本では、2007年には「21世紀環境立国戦略」を策定し、世界全体の温室効果ガスを現状に比して2050年度までに半減するという目標を提案しました。滋賀県は温暖化防止について世界や国内をリードしていくという姿勢のもと、2030年の温室効果ガス排出量の1990年比50%削減を目標としました。この実現には劇的な変化が必要となります。滋賀県地球温暖化対策推進計画では、県民の取り組みによる削減目標1990年比23万トン削減。そのうち、日常の継続的な行動による削減が10万トンとなっています。
 しかしながら、現状の傾向としては、家庭からの排出量の増加がみられます。家庭での自主的な取り組みを進めるためには、効果が目に見えることなど、インセンティブが働く仕組みが必要です。今後どのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか、知事にお伺いいたします。 改正容器包装リサイクル法が施行され、温暖化防止の意識の向上により、富山県など全国でレジ袋の有料化など、削減への取り組みが広がっています。レジ袋は1970年代に登場し、全国で1年間に約300億枚が使用され、ゴミになっています。レジ袋の削減は温暖化防止と同時にゴミの減量にもなり、環境意識の醸成にもつながります。しかしながら、買い物客が他の店に流れる懸念もあり、出来るだけ広い地域で取り組まれることが必要と考えます。
 現在、滋賀県では個々の企業でのエコポイントでの取り組みが中心になっています。例えば、県内大手スーパーでは、1991年から全店舗で「お買い物袋持参運動」を推進し、持参した人にエコポイント5点を加点する仕組みを導入しています。2007年度は、持参率は38.5%となり、レジ袋の削減枚数は6402万枚、原油に換算して、ドラム缶約4206本分の節約となったそうです。その中でも、滋賀県での持参率は43.3%となっています。
 ここから、もう一歩推進するためには、地域の小売店やコンビニなど、面的な取り組みが大切になります。石鹸運動から企業を動かし環境への意識に目覚めた滋賀県だからこそ、県民運動として県民と企業と行政が協働で取り組むことが必要だと考えます。
 富山県では、自主協定によるレジ袋の有料化で、持参率が30%代から80%以上に高まったという事例もあります。広域での取り組みを考えれば、県が中心になって、消費者団体や企業など関連団体、市町に声をかけ、協働の場作りが必要だと考えます。温暖化防止の取り組みの最初の一歩として、レジ袋削減に取り組む協働の場づくりから始め、一人ひとりの行動が未来を変えるのだという意識を持ち、環境に配慮した行動につなげることが大切だと考えます。レジ袋削減に対しての知事の取り組みへお考えをお伺いします。
   [知事答弁]
 次に、レジ袋削減のご質問についてでございます。
 まず、1点目の家庭での温室効果ガス排出削減の仕組みづくりにどのように取り組んでいくのか、でございます。
 滋賀県における家庭部門での温室効果ガスの排出量は、推進計画の削減目標の基準年であります1990年に125万9千トンであったものが、直近の実績値である2002年では、158万7千トンと、約26%の増加になっております。
 滋賀県では人口や世帯数が今後も増え続けるとみられることから、現在のまま特別な対策を行わない場合、2010年には182万1千トンまで増加すると予測しております。
 温暖化対策を推進するためには、対策を支える技術革新、実効性を担保する制度の整備、さらに、経済的なインセンティブを含めた市場メカニズムの活用など、多様な手法の組み合わせが必要でございます。
 また、あわせまして、家庭部門では、一人一人の意識、ライフスタイルといった行動面での改革が大切でございます。
 このため、家庭での取組を一段と進めるため、努力の結果が数字に表れ、それが次の行動につながっていくよう、「見える化」という仕組みとして具現化していきたいと考えております。
 このような視点から、今年度、家庭で環境に配慮した行動を実践し、CO2の削減量をインターネット上で手軽に確認できる、「家庭CO2削減プログラム」を検討しているところでございます。
 さらに、県内企業との協働により、プログラム参加者に特典などを提供することで、参加者の取組が継続し、発展していくようなインセンティブが働く仕組みにもしていきたいと考えております。
 このような取り組みの輪が広がっていくことにより、社会の変革が進み、技術の向上、新たな制度の創設、市場の活発化につながり、温暖化対策の推進につながっていくものと考えております。
 次に2点目の「レジ袋削減に対する取り組みについて」のご質問でございます。
 滋賀県内のレジ袋の削減につきましては、ポイント制により削減に取り組んでいる県内大手スーパーでの持参率は、2007年度が43.3%でありましたが、最新のデータによりますと47.6%と更に伸びており、県民の環境意識が高い本県においては有料化によらなくても高い持参率となってきており、自主的な取り組みとして評価されるべきものと考えております。
 これからも、事業者の自主的な取り組み、また住民、市町などのみなさんと協力しながら、地域の状況を踏まえて協議をすすめ、地域に適した方法で進められていくことが望ましいと今のところ考えております。
 他府県では、議員ご指摘のように有料化の取り組みにより、より高い持参率となっている事例もありますが、業界の自主的な取り組みとして議論が熟すのであれば、広域的な調整役としての県の役割を今後、果たしていきたいと考えております。

食料自給率向上に向けて

 食料自給率向上に向けて、農政水産部長にお伺いします。
 最近の食料をめぐる国際情勢は、開発途上国を中心に世界の人口が増加し、また途上国の急激な経済発展により、食料に対する需要が量的・質的に大きく変化しています。
 特にアジア地域を中心に畜産物の消費の拡大から、飼料用穀物の大幅な需要の増大が見込まれます。また、原油価格の高騰や国際的な環境への関心の高まりの中で、バイオ燃料の需要が増大し、原料となる穀物の需要が増加し、食料用需要との奪い合いが懸念されています。
 さらに地球温暖化により世界各地での異常気象が頻発し、食料供給にも影響を与えているといわれています。
 このように、世界の食料需給が不安定性を増す中、食料の6割を輸入に頼っている日本において、国民の多くが現在の食料自給率に不安を抱いているのが現状です。
 平成17年3月に策定された食料・農業・農村基本計画では、平成27年度の食料自給率目標としてカロリーベースで45%を設定されました。しかしながら、平成18年度の食料自給率は9年ぶりに1ポイント低下し、39%となりました。
 このことを踏まえ、国では自給率に影響の大きい「米」「飼料作物」「油脂類」「野菜」の4つの重点品目に着目し、集中的に実施すべき追加的なとりくみとして、自給率に関する戦略的広報の実施を始めとする6つの集中重点事項を定め取り組みを進めようとしています。
 本県の状況は、自給率が平成17年52%、平成18年度51%で、全国20位となっており、県のベンチマークにおける平成22年度目標の50%以上を維持しているのが現状です。
 また、本県では安定的に確保できる米を主食とし、身近にある農林水産物に工夫をこらしておかずとして食べる「日本型食生活」が長い歴史の中で定着していましたが、現代社会ではこうした食習慣は失われつつあります。本県では昨年の6月に食育推進計画を策定し、こうした近江の食文化の継承をはじめ、食育の推進に努められてこられましたが、こうした取り組みも食料自給率向上に寄与するのではないかと考えます。
 そこで、にわかに注目を浴びつつある食料自給率について、お伺いします。
 まず、県内農産物の消費拡大、さらには地産地消の推進は、消費者と生産者との関係の構築、食や農についての認識を深める機会の提供や、地域農業の活性化は、ともに食料自給率の向上につながるものであります。これらの取り組みによる、今日までの成果について伺います。
 次に、昨年9月に開催された国の食料自給率向上協議会において、食料自給率向上のための集中重点事項として、「自給率に関する戦略的広報の実施」、「米の消費拡大」、「飼料自給率の向上」、「油脂類の過剰摂取の抑制等」、「野菜の生産拡大」、「食育の推進」が決定されています。これを受けて本県として地域・現場段階での具体的な取り組みは、どのように考えておられるのか伺います。
   [農政水産部長答弁]
 食料自給率の向上についての2点のご質問にお答えいたします。
 まず一つ目の、県内農産物の消費拡大と地産地消の推進にかかる取り組みおよび今日までの成果についてでございます。
 県内農産物の消費拡大と地産地消の推進は表裏一体の関係にありまして、地場農産物の消費を喚起し地産地消をすすめることは、食と農の距離を近づけ地域農業の活性化に貢献するとともに食料自給率の向上に寄与する大変重要な取組みと認識をしております。
 水田農業が主体の本県におきまして地産地消を進めるためには、県内自給率の低い野菜などの園芸作物の生産を拡大し、その品揃えの充実を図ること、そして、県内卸売市場の機能を活かして県内農産物が円滑に県内に流通することが重要であります。
 本県の野菜の産地は小規模であり、量販店などで品揃えができないという実態がありますので、まとまった量の供給が可能となるよう、生産組織の育成や技術指導などに取り組んでまいりました。
 この結果、簡易な施設で周年栽培を行うことができる「みずな、こまつな、青ねぎ」などの軟弱野菜の作付面積はここ5年間で約1.5倍に増加しておりますが、「だいこん、はくさい、キャベツ」などの労働条件の厳しい重量野菜につきましては、残念ながら年々減少傾向にあるのが実態でございます。
 また、野菜の流通においては、県内卸売市場の集荷力と販売力を活かし、消費者がいつでも新鮮な県内野菜を購入できる量販店に安定供給が可能となるよう取り組まれているところでございます。
 また、農産物の直売所は、道の駅の併設や農協による設置、生産者の組織するものなど、約140か所あり、今では、年間の売上額が4億円を超えるほどの施設もございます。新鮮で安心できる県内農産物を旬の時期に提供できる地産地消のしくみが地域で根付きつつあるものと考えております。
 次に、2つ目の、食料自給率向上協議会の集中重点事項における県としての取組についてであります。
 まず、「自給率に関する戦略的広報の実施」についてであります。
 県では、今年度、農産ブランド推進室を設け、これまで、近江米や近江牛、近江茶といった品目ごとに行ってきた広報活動から、マーケティングの視点をふまえた効果的な広報活動へ転換することとしております。
 具体的には、この9月から、毎月第3日曜日の「家族ふれあいサンデー」を中心に、農水産物の消費拡大に向けキャンペーンをスタートさせ、販売店や旅館・ホテル・飲食店等流通関係事業者が、統一したキャッチフレーズやロゴマーク、ポスター等を活用して、それぞれが工夫したPRを展開することとしております。
 次に、「米の消費拡大」についてでありますが、近江米振興協会や滋賀県米消費拡大推進連絡協議会を中心に、テレビコマーシャル、駅構内でのポスターの掲示、親子参加による米料理講習会などを実施しているところであります。
 また、米粉を利用したパンやケーキなど米加工食品に挑戦する新しい8つの生産組織が、東近江市や甲賀市などでも育ってきているところでございます。
 次に、「飼料自給率の向上」についてでありますが、本県では、水田に特化した農業の特徴を活かして、飼料作物・稲発酵粗飼料・飼料米を、今年3月に設置いたしました「飼料自給率向上のための戦略会議」を核といたしまして、耕畜連携による飼料の増産に向けた取組を行うこととしております。
 次に、「野菜の生産拡大」についてでございますが、転作作物として産地ごと品目ごとに振興作物を定め「産地づくり交付金」を活用し、取り組みを一層推進しているところでございます。
 例えば、集落営農組織が転作作物として「ジャガイモ」を生産し、ポテトチップスの原料として県内の製菓工場に供給する取組みであるとか、さらには水稲大規模農家や定年帰農者などがイチゴやメロン・パプリカなどの生産に取り取むという動きが芽生えてきております。
 最後に、「食育の推進」および「油脂類の過剰摂取の抑制等」についてであります。
 県では、昨年6月、「食育推進計画」を策定して、「子どもから大人までの生涯にわたる食育の推進」などの5つの施策のもと、県民が健康的な食生活を実践するための取り組みを全庁的に実施しており、この中で、「油脂類の過剰摂取の抑制等」についても取り組んでいるところでございます。
 当部におきましては、農からの食育の観点から、児童が農業や環境への関心を高めたり、食べ物の大切さや食への関心を高めることを目的に、県内すべての小学校を対象とした農業体験や児童自らが収穫した作物による調理体験を実施してもらっております。
 食料自給率を向上させるためには、国や地方公共団体だけでなく、生産者・食品産業事業者、そして消費者が適切な役割分担のもと、それぞれが主体的に役割を果たすことが必要であります。
 その上で、最近の国際的な食料需給の変化、穀物価格の高騰といった状況の中で、我が国の食料は一定水準以上を国内において確保していくことが大切でありまして、そのためにも、県内農産物の安定した生産と供給の拡大が何よりも重要であると考えております。

滋賀県がん対策推進計画について

 滋賀県がん対策推進計画について知事および健康福祉部長にお伺いします。
 がんは我が国において、1981年より死因の第1位であり、生涯のうちにがんに罹る可能性は、男性で2人に1人、女性で3人に1人とされています。
 こうした中、がん患者を始めとして、国民はがん医療に対して切実な期待や希望を寄せています。しかし、現状はがん医療の水準に地域間や施設間の格差等が見られ、その医療サービスに必ずしも満足できていません。
 がんが依然として国民にとって重大な課題となっている現状から、がん対策のより一層の推進を図るため、国は、2007年4月、がん対策基本法を施行し、75歳未満のがんによる死亡率20%減少とがん患者、家族の苦痛の軽減と療養生活の質の向上を全体目標とする、都道府県がん対策推進計画の基本となる「がん対策推進基本計画」を策定しました。
 基本法第11条第1項において都道府県は、「都道府県がん対策推進計画を策定しなければならない」とあります。2008年度からは、新たながん対策を実施していくため、2007年度中に都道府県計画の策定をとの国の指示がありましたが、4月時点で素案も完成していないのは、滋賀と他に2県のみというマスコミ報道が「患者と家族には時間がないのです。」との切実な患者サイドの声の紹介と共にありました。
 そこで、知事にお伺いします。
 計画は2008年から2012年までの5ヶ年。国が求める個別目標の多くが3年以内、それが遅れたことで実質2年以内になったと考えます。時間の余裕は更に無くなりました。都道府県がん対策推進計画が昨年中に策定されなかった理由と、今後の予定についてお聞かせ下さい。
 県の推進計画は、国の基本計画に滋賀独自の課題克服から先進的な取組みまで、地域の実情に合わせて県の独自色が加わるものと考えますが、いかがでしょうか。滋賀県のこれからのがん対策について知事の所見をお伺いします。
 また、財政問題は避けて通れない問題です。しかし、国の医療政策の基本的な方針は医療費の圧縮です。この度のがん対策についても、国の財政的な支援はあまり期待できないと思えます。
島根県の例ですが、民間の「がん対策募金」というものがあり、県の支援もあってかなりの成果もあると聞き及んでいます。人、医療機関、団体、民間の協力が欠かせません。
 滋賀県財政問題が推進計画に及ぼす影響とその克服策について伺います。
 医療サービスの地域間格差は解消が急がれる重要課題です。
 滋賀県も勿論例外ではないはずです。どこでも質の高いガン医療をうけることが出来るよう、がん医療の均てん化は国の戦略目標であり、県においても達成が急がれます。
 地域がん診療連携拠点病院については、現時点では、県に必要とされる7医療圏域の内、3ケ所が未だ未整備です。それも均てん化が特に求められる地域に拠点病院が無い。今日までの医療政策の貧しさを痛感します。
 こうした状況下こそ、早急に均てん化に向けた各種支援機能を有し、リーダーシップを兼ね備えた都道府県がん連携拠点病院が必要ではないでしょうか。
 また、最後尾争いとなった県の推進計画の遅れは、都道府県がん診療連携拠点病院の指定が、昨年度実現しなかった事が大きな原因の1つとされています。知事は「指定見送り」に対し、我が会派の江畑議員の一般質問に、「県民のがん診療への影響は少ない」との答弁でしたが、それでも、都道府県がん診療連携拠点病院の、指定見送りの影響はやはり小さいとお考えでしょうか。始めから無理であることが明らかな、国への2病院推薦は県の失敗だと思いますが、いかがでしょうか。それとも、別の効果を期待して承知の上の秘策なのでしょうか、知事にお伺いします。
   [政策監答弁]
 地震対策についてお答いたします。
 大規模地震発生時の防災・危機管理体制についてでありますが、災害発生から72時間のいわゆる初動期は、人的被害の拡大を防ぐうえで特に大切な時期であり、この初動期に知事、副知事、防災危機管理監の指揮調整の一体化を図り迅速かつ的確な初動体制がとれるよう、今年度から、防災危機管理体制は知事直轄組織となったところでございます。
 このような体制のもと、500名をこえる職員の協力によりまして、常時2名の宿日直体制をとっておりますほか震度5弱で災害警戒本部を、震度6以上のときには、災害対策本部を設置することといたしております。これらの本部のもとには総務、情報、医療、救助そして広報からなります緊急初動対策班を編成することとなりますが、その要員といたしまして、県庁、各地域振興局へと参集可能な職員2,000名に対しまして、年度当初に緊急初動対策班員としての発令をいたしております。まさに、県庁一丸となっての体制と言えるのではないかなと思っております。
 ただ、このような初動体制が実際の災害時に確実に機能するよう、そのためには日頃から研修や訓練に取り組んでおくということは大変重要なことであろうと思います。このため、例年の総合防災訓練のほか昨年からは参集、情報伝達訓練などを2ケ月に1回の割合で、いわゆる隔月訓練を実施いたしますなど、機会あるごとに研修や訓練を重ねまして、災害時に職員一人ひとりが迅速的確な判断が行えるよう、初動体制の強化に取り組んでいるところでございます。
 次に、「緊急地震速報」の効果についてでございますが、今回の岩手・宮城内陸地震では、残念ながら震源地近くでは「強い揺れ」の前に速報が届かなかったというところもございましたが、少し離れた周辺地域では速報を聞いて地震到達前に生徒が避難できた白石中学校や、生産ラインを止めたことによりまして被害を免れた宮城の工場の例などもございました。その効果は確かにあったものと考えております。
 次に受信装置の県施設への設置でございますが、この9月を目途に、まずは県庁舎に設置することといたしておりますが、それとともに、びわ湖情報ハイ ウェイ網を利用いたしまして、この緊急地震速報を他の県立施設に配信するための実証実験も行ってまいりたいと思っています。その上で、今後の技術開発の動向でありますとか必要経費、優先度なども勘案しながら順次整備できるよう導入計画を検討してまいりたいと考えております。
 次に教育長にお伺いします。
  地域の避難場所ともなる学校の耐震化を進めておられますが、文部科学省が発表した「公立学校施設の耐震改修状況調査」によると、「大規模な地震によって倒壊などの危険性の高い小中学校施設」は本県では、105棟となっていますが、この調査結果をどのように受け止めておられるのか、お伺いします。
  また、本県の耐震化の進捗状況についてもお伺いし、次の質問に移ります。
[知事答弁]
 次にがん対策推進計画の6点のご質問にお答えさせていただきます。
 まず、1点目の県がん対策推進計画が昨年度中に策定されなかった理由と今後の予定についてでございます。
 昨年6月に国が策定した「がん対策推進基本計画」に基づき、県がん対策推進計画の策定に取り組むこととなりました。
 昨年度は、まず第一に生活習慣病対策をはじめとした、がんの予防についての計画であります「健康増進計画」と、二つめにがん医療機関の役割分担と連携をすすめるための計画であります「保健医療計画」の改定に取り組んでまいりました。
 がん対策推進計画の策定にあたりましては、これらの計画との整合を図る必要があることから、両計画の改定についての進捗状況を見極めていたため、がん対策推進計画の策定が遅れたものでございます。
 今年度に入りまして、早期に計画を策定するため、4月21日に「滋賀県がん対策推進計画策定検討委員会」を発足し、検討を開始いたしました。年内にはこの計画の策定をしたいと考えております。
 2点目の滋賀県のこれからのがん対策についてでございます。
 県のがん対策推進計画に、県独自色といいますか重点的に取り組むことと致しまして2点ございます。
 1点は市町のがん検診受診率が全国平均を下回っていることから、がん検診の受診率の向上をはかること。
 2点目はがん患者や家族が安心して療養できるよう、治療の初期の段階からの緩和ケアの充実や、在宅ケアの実施を進めていくことでございます。
 つぎに3点目の、滋賀県財政問題が推進計画に及ぼす影響、その克服策についてでございます。
 がん対策推進計画を推進していくことは大切な課題でありまして、現在の県の厳しい財政状況の中ではありますが、検診率を高めるための他府県の優れた取組を参考にしまして、滋賀県では、健康推進員が活発に活動されているという実績を踏まえ、ご協力をいただきながら、また、各県の先駆的な取組を支援する国の補助制度を活用しながら、精一杯努力してまいります。
 つぎに4点目の各種支援機能を有し、リーダーシップを兼ねた県がん診療連携拠点病院が必要ではないかとのご質問でございます。
県がん診療連携拠点病院は、@医師や看護師などの医療従事者を対象とした研修会の開催、A地域がん診療連携拠点病院に対する診療支援、そしてB医師の派遣調整など県内のがん医療の水準向上を支援するために必要なものと考えております。
 5点目の、拠点病院指定の見送りの影響についてでございますが、昨年度、本県から推薦していた2病院の指定が受けられませんでした。
 県民の皆さんの直接的な影響が少ないとお答えいたしましたのは、2病院ともがんの診療体制は十分備えており、県全体としても、一定のがん医療水準が確保されていることを前提として、県民の期待に応えられると考え、直ちに県民に影響がおよぶことが少ないのではと考えたものでございます。
 しかし、今回の指定が見送られたことにより影響が出ないよう、様々な施策の面で努力してまいりました。
 他の医療機関の医療水準の向上への支援が遅れると懸念する声も、現実には皆様からいただいております。確実な拠点病院の指定に向けて、今後着実な取組を進めてまいりたいと考えております。
 6点目の、国への2病院推薦は県の失敗ではないかとのご質問でございます。
 昨年度、2病院を推薦したのは、まず第一に、滋賀医科大学附属病院は、放射線療法、人材育成、医師派遣、診療支援などの分野に強みがあります。
 一方で成人病センターは緩和ケア、化学療法、がん登録などの分野では優れた実績がございます。
 このため、両病院の優れた機能を十分活かし、両病院があいまって、連携による相乗効果をあげることが本県のがん医療および県民にとって、最も望ましいと考え、2機関を推薦いたしました。
 さらに、他府県において2病院が指定を受けたという事例もあり、本県においてその可能性があるとも判断いたしまして、その時点では2病院を推薦したところでございます。
 以下、健康福祉部長にお伺いします。
 滋賀県の地域がん連携拠点病院、未整備の問題点と今後の見通しについてお聞かせください。
 平成14年以来、地域がん診療連携拠点病院は4ケ所指定されています。しかしながら、その効果、指定病院の役割や働きは見えません。知事の「県民への影響が少ない」の発言もその辺りにあるような気がします。逆に言えば拠点病院以外の当該医療圏の病院が変わらぬレベルで、同じようにがん医療に取り組んでいるとも言えます。
 拠点4病院とそれ以外の病院のがん医療への取組み状況を伺います。
 現況から、県のがん対策推進計画が拠点病院以外の病院の協力無しでは成り立たないと考えます。特に、緩和ケアは病院の拠点化だけで可能なことではなく、全医療機関の協力が必要と思います。推進計画におけるこれらの病院の役割と、がん医療体制について伺います。
 「もし実現したら素晴らしいが------」などと、国の「がん対策推進基本計画」の「絵に描いたもち」化を心配する声があります。
 滋賀県の計画が「絵に描いたもち」にならないよう、その一部についてお伺いします。
今日まで滋賀県のがん対策としては、2003年に「がん予防戦略」が策定されました。
 この計画の成果は、次の計画に少なからず生かせるものと思います。5年が経過しようとしています。「県がん予防戦略」今日までの総括をお聞かせ下さい。
 がんの早期発見の重要性については論を待ちません。国の基本計画においても、がん検診の受診率が欧米諸国に比べ低いことを踏まえ、平成23年までに50%以上とすることを目標としています。
 滋賀県においても、平成15年がん予防戦略の中で胃がん・子宮頸がん・乳がん・大腸がん・それぞれの検診目標を立て、目標達成に努力されたと思います。
 目標と最近の達成状況について国の状況も含めお伺いします。併せて、肺がんについてもお伺いいたします。
 今後検診は市町が、健康増進法に基づく事業として行うものです。一見市町の努力次第の感がする訳ですが、目標達成のためには、独創的な実施体制の構築等、画期的な方策が不可欠と考えます。県は目標に向かいどのように関わり、汗をかこうとするのか目標を「絵に描いたもち」としない対策と達成への可能性について伺います。
[健康福祉部長答弁]
 がん対策推進計画についての6点のご質問にお答えをいたします。
 1点目の地域がん診療連携拠点病院の未整備についてでございます。
 地域がん診療連携拠点病院は、7つの圏域のうち、東近江、湖東、湖西の圏域で未整備となっております。このため外科手術、放射線療法、化学療法等を効果的に組み合わせた集学的な治療を、その地域では受けることが困難な状況となっております。
 そこで、今後についてですが、整備が図られるよう情報提供や助言に努めてまいりたいと考えております。
 また、一つの圏域だけで考えるのではなく、隣接する圏域の拠点病院による支援も含めて、一定水準以上のがん医療が提供できるよう検討していきたいと考えております。
 2点目に、地域がん診療連携拠点の4病院とそれ以外の病院の取組状況についてでございます。
 まず、これらの4病院の取り組みでございますが、外科手術、放射線治療、化学療法を効果的に組み合わせた専門的ながん医療に取り組まれている状況でございます。また、国立がんセンターの研修を終えた専門の相談医を配置した相談支援センターを設置し、がんの患者さん、家族、地域の医療機関からの相談に応じる役割を果たしておりますし、セカンドオピニオン外来の設置もすすめられるなど、地域におけるがん医療の均てん化を図る役割を担っている状況でございます。
 次にこれら以外の病院でございます。がんの診断確定の検査のできる医療機関は、37病院ございますが、そのがん医療の取り組み状況と致しましては、外科手術を提供されている病院が29カ所、放射線治療を提供できる病院が6カ所、化学療法を提供できる病院が33カ所となっておりまして、それぞれの地域でがん医療に貢献していただいている状況でございます。これらの病院から拠点病院への紹介がすすみ、また拠点病院からの逆紹介もすすみつつある状況でございます。
 3点目に、病院の緩和ケアの役割とがんの医療体制についてでございます。
 がんの緩和ケアは拠点病院のみで実施されるものではなく、がん医療に関わる全ての医療機関において実施されるべきものと考えております。
 専門的ながん医療を担う拠点病院と一般病院が「地域連携クリティカルパス」を活用することで、在宅療養に向けて、がん医療の連携と機能分担を果たすことが大切でございまして、こういう観点から県のがん対策推進計画を策定する中で、重点的な項目として取り組んでいく必要があると考えております。
 4点目に、「県がん予防戦略」の総括についてでございます。
 県の予防戦略は、「がんの予防」、「早期発見」、「質の高い医療の確保」、「がん登録」の4つの柱立てがございますので、これに沿いまして主な項目の状況をご説明いたします。
 まず、「がん予防」に関してですが、
 男性の喫煙率でみますと平成12年の55%が平成16年には45%に低下しております。また女性の喫煙率は同じく10%が8%への低下がみられているところでございます。
 つぎに、「がんの早期発見」についてでございますが、胃がんの受診者で申しますと、平成12年度の28,166人が、平成18年度には25,457人と減少しております。子宮がんの検診で申しますと、32,484人が、これも30,630人と減少いたしております。大腸がんの検診でもうしあげますと、48,113人が、63,557人 と、これは増加しておりますが、市町のがん検診の受診者は、大腸がんを除いて減少しているという結果になっているところでございます。
 次に、「質の高い医療の確保」についてでございますが、地域がん診療連携病院に着目いたしますと、平成15年度の2病院から19年度末では4病院へと増加したところでございます。
 最後に、「がん登録」についてでございますが、県内の医療機関から衛生科学センターに届けられ、登録された件数は、平成14年度の2,269件から平成19年度には4,158件と1.8倍に増加したところでございます。
 このように、不十分なところもございますが、がん医療の進展とあいまって、胃がん、肺がん、大腸がんの合計の年齢調整死亡率は、平成10年の75.7が平成17年には61.8に低下しておりますし、これは全国平均の64.2を下回っているなどの成果を上げている側面もあるものと認識をしているところでございます。
 5点目のがん予防戦略に掲げました目標と最近の達成状況についてでございます。平成18年度までの結果と致しまして、胃がん、子宮がん、乳がん等、目標を掲げましたが、いずれも目標を達成することが、人数として達成することができませんでした。お尋ねの肺がん検診につきましては、目標を定めていませんが、8,869人でございました。
 ただいまご説明しました結果を、がんの受診率として全国平均と比較しますと、胃がんの受診率は、全国平均が12%に対し、本県は6%と5%近く低くなっているところでございます。他の検診結果につきましても、全国平均と低くなっておりまして、肺がんにつきましては、全国22.4%に対し、12.4%と10%低くなっている状況でございます。
 次に6点目のがん検診の目標達成にどう関わっていくかについてでございます。
 県内のがん検診の受診率が全国と比べて低いことの課題といたしましては、受診者の固定化がみられること、あるいは住民の皆さんが検診を受けやすくするための環境を整えることなどが考えられます。こういった課題を解決するために検診者を把握し、初回受診を働きかける取り組み、受診者の利便性を向上させる取り組みに向けまして、市町を支援するとともに県としても多くの皆さんが検診を受診されるよう啓発を行ってまいります。
 こうした取組を重ね、受診率の向上の目標に向かって精一杯取り組んで参りたいと考えております。

後期高齢者医療制度について

 後期高齢者医療制度について、知事および健康福祉部長にお伺いします。
 まず、知事にお伺いします。
 後期高齢者医療制度は、75歳になった途端、それまでの保険と切り離して別のグループにするものでありますが、74歳から1つ年をとるだけで、心身ともになんら変わらないのに、夫婦でも親子でも別々のグループに切り裂くことに対し、国民から強い怒りが出ています。75歳以上の人の多くは健康であり、就業意欲は高く、また、地域社会の担い手としても多くの人が活躍されています。財政的な事情があるとはいえ、75歳以上の人生を否定するような「差別化」は行うべきものではないと思います。
 しかしながら、後期高齢者医療制度が、この4月1日から実施されましたが、国民の制度に対する不信感は強く、全国約400の地方議会において「制度の廃止、中止、凍結、改善」などを求める意見書が可決され、近畿ブロック知事会においても、6月6日に「見直しについての緊急提言」が行われています。
 また、同日には参議院において廃止法案が可決されました。県民の皆さんの後期高齢者医療制度の受け止め方をどのように感じておられるのか、お尋ねします。
 また、強者が弱者を支える仕組みが保険制度です。年齢的に病気になるリスクの高い者だけを対象にした後期高齢者医療制度は、もともと保険原理になじまない制度であります。
 「公費」や「74歳以下の拠出金」が一定の割合で組み込まれていますが、今後、高齢化が進めば必然的に高齢者医療費も増え、7年後には「保険料は38%もアップする」と厚生労働省は推計しております。加入者の負担割合が1割とはいえ、医療費が増えれば負担も増える、将来的に一体どこまで負担しなくてはならないのか、青天井であるという不安がこの制度にはあります。
 後期高齢者医療制度は、最も必要とする時期の安全安心を守るべき制度になっていないと思います。
 県内には、超高齢者ともいわれる80歳代以上が県民の約4.5%、6万3千人程おられます。100歳以上の方も約200人おられます。当然これらの方々は、戦争に駆り出され、戦前・戦中・戦後を国のために大変ご苦労いただいた人達であります。そのお陰で今日の社会があります。
 またこれらの殆どの人は収入的にも体力的にも、弱者といっても過言ではありません。「増大する医療費を賄うためには、どんな高齢者にも応分の負担を求める」このようなやり方や考え方は、本当に正しいのでしょうか。日本はすぐにそこに世界で初めての超高齢化社会を迎えようとしています。人として尊厳を持って生きられる社会を目指すことが求められていると考えます。超高齢化社会を迎えるにあたっては、人を見つめた政策が必要であり、そこには思いやりが必要と考えます。知事のご所見をお伺いします。
   [知事答弁]
 次に後期高齢者医療制度について2点のご質問にお答えします。
 まず、1点目ですが、県民のみなさんがこの後期高齢者医療制度をどのように受け止めていると感じているかとのご質問でございます。
 長寿医療制度は、急速な高齢化に伴い医療費の増大が見込まれる中で、これまで、長年社会に貢献されてこられた高齢者の皆様の医療を、国民皆で支えるために、長い間議論され、創設された制度であると承知しております。
 制度開始当初は、県内でも、市町や広域連合の窓口に保険証や保険料について相当の問い合わせがあったが、4月下旬には落ちつきを見せたと担当から聞いております。
 また、75歳以上の高齢者を被保険者とすることなど制度自体についても、様々な意見があることも承知しております。
 これらは、制度の趣旨や仕組み、保険料の算定などが、高齢者やその家族の方に、十分周知され理解していただくに至っていない状況があったり、また、新たな保険料の負担を重く感じる高齢者がおられたということであると認識しております。
 このため、県としましても、広域連合や市町と連携して制度の周知に努めているところですが、国に対しては、責任を持って、この制度の十分な説明、制度周知を図るとともに、高齢者の生活実態を踏まえた保険料の軽減策などを強く要望してきたところでございます。
 次に、超高齢化社会を迎えるにあたって人を見つめた政策や思いやりが必要との考えに対する私の所見でございます。
 世界に例を見ない超高齢社会を迎えようとしている今、高齢者をはじめ県民誰もが、高齢になっても健康でいきいきと暮らしたい、病気になったり介護が必要になっても自分らしく生活したいと考えているものと思います。県行政は、こうした県民の皆さんの思いをしっかりと受け止めていかなければなりません。
 ご質問のように、人を見つめた政策、高齢者が尊厳を持って生きられる社会を目指すという視点は大変重要なものと考えています。
 県としても、「元気で活動的な85歳」を目指して、誰もが健康で自立した高齢期を過ごせるよう取り組み、高齢者が長年培ってきた知識や経験を生かして社会参加できるような仕組みの支援、介護や支援が必要になってもその人らしく暮らせるセーフティネットの構築などを、自助・共助・公助でそれぞれ役割を分担し協働・連携して、積極的に展開しているところでございます。
 長寿医療制度につきましては、様々な指摘がなされているところすが、今後一層の高齢化が進む中で、将来にわたって「国民皆保険」を維持するため、現役世代と高齢者世代がそれぞれの負担能力に応じて負担を分かち合い、公費も投入しまして、国民全体でこれからの高齢者の皆様の医療を支えるため必要な仕組みであると考えております。
 先日、保険料の軽減対策等も国の方で決定されたところですが、今後とも、国民の声や実施状況を踏まえながら国においても、引き続き検討を重ね、高齢者の尊厳や思いやりを大切にし、見直すべき点は見直していただくことが重要であると考えています。
 県としても、この制度が高齢者の医療を支える仕組みとして、県民に信頼され、定着していくよう、広域連合や市町への支援に努めていきたいと考えております。
 次に、健康福祉部長にお伺いします。
 今回の診療報酬の改定で、脳卒中や認知症から重度障害を負った後期高齢者の診療報酬が、入院日数91日以降は約3分の2に減額され、10月から実施されます。いままでは特例により減額されなかったのですが、10月からこの特例が廃止されることになり、患者は退院を迫られることが懸念されます。
 さらに、本年度から療養病床転換推進計画により約40%、1200床の削減が計画されています。
 一方、県内の介護保険施設は全国水準よりも低い状況にあり、かなりの施設入所待ちがあると聞いておりますが、そのような状況の中で、患者はますます行き場を見いだせない状態に追い込まれていくものと思います。
 特例の廃止に伴う影響や入所待ち患者の実態をどのようにとらえられており、療養病床の転換を進めていかれるのでしょうか。
 また、医療と介護制度は別々のものであり、ややもすれば縦割り行政の悪さが患者にしわ寄せされているところがあります。本来、両者の連携を強化されるべきであると思いますが、どのように考えておられるのかお伺いし、次の質問に移ります。
[健康福祉部長答弁]
 後期高齢者医療のご質問のうち、診療報酬の特例廃止と介護施設入所待ちの実態についてでございます。
 ご指摘のございました脳卒中や認知症から重度障害を負った後期高齢者の診療報酬の特例廃止についてのご懸念につきましては、課題として受け止めなければならないことと考えております。
 また、特別養護老人ホームの入所申込者につきましては、現在7,600人おられると把握しておりまして、その中で在宅で要介護5の入所の必要度の高い方が320人おられると把握しているところでございます。
 2点目に療養病床への転換についてですが、医療の必要度の高い人に対しては医療療養病床で、医療の必要度の低い人に対しては、その人の症状に相応しい介護サービスを、医療費適正化計画に基づいて療養病床の転換を進めていくわけでございますが、この際に、これらの課題や把握している入所ニーズについても十分配慮して円滑な転換に努めてまいりたいと考えております。
 3点目の医療と介護の連携強化についてでございますが、医療機関から介護施設、さらには、在宅へと安心して戻れるよう、具体的には、病院の退院調整機能の強化、地域連携クリティカルパスの開発と普及など、保健・医療・介護・福祉サービスの連携強化に取り組んでまいりたいと考えております。

周産期医療について

 周産期医療について、知事ならびに健康福祉部長にお伺いします。
 OECD諸国の調査では人口1000人当たりの医師数は加盟30カ国中、27位。さらに厚生労働省がまとめた報告書では、2004年時点で必要な医師数は、週48時間勤務で26.6万人と推計されます。
 しかし、実際に診療している医師は25.7万人で、9000人不足している状況です。休憩などを含む病院滞在時間を勤務時間と換算すれば、不足は約6万人に上ると推計されています。このことは1986年からの医学部定員の、削減への政策転換が原因であることは明らかであり、そこに加えて医療環境の変化や、病院勤務に対する入院期間の短縮化による医師への負担の増加、2004年の新医師臨床研修制度のスタートにより、一気に医師不足は顕在化しました。
 先ごろようやく来年度予算編成に向けた「骨太の方針」に医学生の定員の増員が遡上に乗せられましたが、実質効果が現れるのは少なくとも10年先です。いずれにしても、診療科別の偏在も際立ち、特に小児科、産科医不足は極めて深刻な状況にあるといえます。
 そのことは滋賀県においても、まさに重い課題となっており、対応策が急がれているところです。
 特に、小児科、産科医は、現在、女性医師の比率が高まり、子育て問題との両立が大きな課題となっています。一度離れた女性医師が復帰するプログラムも試されていますが、大きな成果が上がっていないのが現状です。
 健康福祉部長にお尋ねします。
 滋賀県の小児科、産婦人科の女性医師の割合と年齢構成について伺います。また、女性医師が働きやすい環境づくりと復帰されたケースがあるのかどうかお伺いいたします。
 これからの女性医師の動向が医師不足の対策の大きな要になってくるのは間違いありません。女性医師に拘わらず「働きやすい職場」「やりがいのある職場」はすべての医師の課題です。チーム医療の導入や開業医との連携・協働体制の確立などの医師の負担軽減対策が急がれます。現在の滋賀県の医療現場の状況をどのように認識されているのかお伺いします。
 次に、我が会派は、4月に長野県「県立こども病院」への視察の機会があり、その際に学ばして頂いた内容も含め、滋賀県の周産期医療の状況と今後の方向性についてお尋ねします。
 連携・ネットワーク化においては空き情報等の情報の共有化は極めて重要です。現在の周産期情報センターの情報提供等の運営状況について、機能が十分果たされているのかどうかお伺いします。
 また、滋賀県における周産期死亡率が高いとのデータも公表されていますが、三次医療の機能アップはもとより、一次医療と二次医療との連携と、それぞれの機能アップも、特に医師不足の状況下においては極めて重要なポイントであると考えますが、現在の滋賀県の状況をどう認識されているのかお尋ねします。さらに、一次医療において問題となっている未受診妊婦の対応について、その実態も含めてお尋ねします。
   [健康福祉部長答弁]
 次に、周産期医療に関する5点のご質問にお答えいたします。
 1点目の滋賀県の小児科、産婦人科の女性医師の割合と年齢構成についてでございます。
 現在、県全体で、病院の常勤医師1,373名のうち女性医師は184人で割合は13%でございます。
 小児科医師は102人で、うち女性医師は27人、26%、産婦人科では46人のうち13人で28%と、全体に比べ高い割合となっているところでございます。
 お尋ねの年齢構成につきましては、現在、把握できておりませんので、今後、これらの診療科の女性医師の年齢についても把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、女性医師が働きやすい環境づくりにつきましては、昨年度から、病院が離職防止を図るために環境整備された場合に補助することとしておりまして、3病院に補助を行いました。
 なお、女性医師の臨床復帰を支援するための県の研修事業につきましては、活用されたケースはございませんでした。
 2点目の医療現場の状況についてでございますが、医師国家試験の合格者のうち、女性が約3分の1を占めており、近い将来、女性医師の出産、育児にともない、臨床を離れざるを得ない事態が見込まれるといった課題が医療現場にあるものと認識をしております。
 これからの医師確保にあたりましては、こうした認識も踏まえ、女性医師が働きやすい環境づくりに配慮し、医師確保をすすめてまいります。
 3点目に周産期情報センターの情報提供の運営状況についてでございます。
 この情報センターは、大津赤十字病院に設置しております。
 周産期医療ネットワークの12の病院から新生児のためのベッドがどれだけ空いているかの情報が寄せられ、その情報を総合して、昨年一年間で470回、FAXを用いて提供したのが、運営の状況でございます。
 次にその機能についてでございますが、昨年1年間、このネットワークを通じまして、新生児や母体を搬送いたしましたのは430件でございます。その中で県内で対応できず、県外に搬送したのが、7件でございまして、医療関係者のご努力に支えられて、情報センターの機能が発揮されているものと考えております。
 4点目に一次医療と二次医療の連携の認識についてでございます。一次医療と二次医療の連携につきまして先ほど申し上げました新生児医療の県内搬送について申し上げますと、大津赤十字病院と滋賀医科大学附属病院へ搬送されたものが71件でございまして、これを除いた116件は二次医療を担う病院に搬送されております。ほとんどが一次医療機関の所在地と同一の圏内にある二次医療機関、もしくは隣接する医療圏の二次医療機関に搬送されておりまして、連携が図られているものと考えております。
 次に二次医療の機能アップについてでございますが、二次医療を担う長浜赤十字病院の新生児集中治療管理室につきましては、平成19年度に支援を行いまして、今年度は近江八幡市立総合医療センターにも補助を行い、この機能アップを支援しようとしているものでございます。
 次に知事にお伺いします。
 小児救急と小児の専門医、新生児医療の三分野はセットで推進する必要があると日本小児救急医会も提言しております。長野県をはじめとして他県では県立こども病院を設立し、その体制を構築している例が少なくありません。
 滋賀県では県立小児保健医療センターはあるものの、難治慢性疾患の診療中心で、一般疾患の救急医療は対応されておりません。滋賀県のさらなる周産期医療の充実のためには、県立こども病院のような一体的な小児医療機関が必要ではないかと考えますが、今後の方向性についてお尋ねします。
 最後に、去る6月22日には「滋賀の医療福祉を考える懇話会」が開催され、幅広い議論が開始されました。全国の地域医療のモデルとなるような議論と報告、そして実行を期待しますが、知事の決意のほどをお聞かせください。
[知事答弁]
 まず一点目の、滋賀県のさらなる周産期医療の充実のため、県立子ども病院のような小児医療機関が必要ではないのかとのご質問でございます。
 民主党県民ネットワークの議員の皆様が視察されました長野県のように、県が子ども病院を設置して、周産期医療を充実をしているところもございます。
 本県では、この周産期医療につきましては、総合周産期母子医療センターを大津赤十字病院に設置いたしまして、滋賀医科大学にも協力いただき、12病院のネットワークを組んで、連携、協力することにより、周産期医療の充実を図ってまいりました。
 今後においても、このネットワークへの支援や調整に、医療関係者の御協力を得て、県としての役割を果たすことにより、周産期医療の充実を図ることが大切であると考えております。
 次に、去る6月22日に開催されました「滋賀の医療福祉を考える懇話会」についての期待でございます。
 今の滋賀県は、出生率の高さや高齢化率の低さから全国的には比較的若い県に属しておりますが、10年後には本県にも超高齢社会が押し寄せてまいります。そのような意味で、今後の医療・福祉の連携的対応をしっかりと考えていきたいと思っております。
 そのために、今回、この懇話会を設置いたしまして、県下各地で、多くの県民の方々のご参加をいただきながら、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、また、県民の皆さんの福祉・医療に関する生活満足度を高めていけるようにしていきたいと考えております。
 具体的には、医師不足の解消や住み慣れた地域で安全で心安らかに医療を受けられる体制づくり、また、医療と福祉の連携の中で、さらに、患者としての受診行動の適正化なども含め、県民の皆さんの力をいただきながら、「滋賀県に生きて良かった」といえるようなビジョンを策定していきたいと決意を新たにしたところでございます。

産業振興新指針と中小企業振興について

 産業振興新指針と中小企業振興について、知事および商工観光労働部長にお伺いします。
 今回提案されている「産業振興新指針」には、「中小企業」という文言が二十数カ所にわたって使われており、現行の新指針とは際だった差が見られます。これは、大企業が好調にもかかわらず、中小零細企業の減少に歯止めがかからず、中小零細企業が一環して厳しい状況にあるという問題意識の結果であると思われます。その意味では「産業振興新指針」は一定の評価はできるものの、中小企業振興に真に有効な産業ビジョンとなっているかどうかについては、今一歩踏む込む必要があると受け止めています。
 商工観光労働部長にお尋ねします。
 今回の新指針は中小企業振興に重きをおいて改定されているという説明ですが、一口に中小企業といっても、本県の中小企業の業種・業態は様々です。多様な中小企業の振興のためには、現場に出向き、中小零細企業が置かれている状況や課題をきめこまかく把握し、多面的な分析をふまえた対応が必要と思われます。
 この新指針の改定に当たっては、製造業を対象としたアンケート調査は行われていますが、建設業・小売業・地場産業など、幅広い分野での本県の中小零細企業の現状の把握、問題点の調査はどのようにして行われたのでしょうか。
 併せて、そのような調査が行われているのであれば、新指針の改定にあたって、滋賀県の中小零細企業の実態、現状、課題をどのようにとらえ、その課題の解決のために何が必要だと考えておられますか。その根拠もあわせて示していただきたいと考えます。
 次に、現行の新指針の成果と問題点をどのように総括されておられるのでしょうか。とりわけ、改定された新指針も「3KBI」を産業振興の戦略として掲げられています。この「3KBI」はどれをとっても本県として可能性のある分野ではありますが、これがどれくらい県内中小企業の振興に役立ったのか、数字や具体的事例で示していただきたいと思います。
 そうしたことも踏まえ、現行の新指針の取り組みを総括する中から滋賀県の中小企業振興のために、集中すべきだと考える戦略項目は何だと考えておられますか、お伺いします。
   [商工観光労働部長答弁]
 産業振興新指針と中小企業振興のご質問にお答えします。
 まず、中小零細企業の現状把握についてでございますが、新指針の改定にあたって、昨年度、地場産業を含む製造業1000社を対象にアンケートを実施いたしますとともに、製造業者、小売業などの商業者、さらには有識者を対象にヒアリング調査を実施いたしました。
 また、本県が設置をいたしておりました経済雇用調査員の企業訪問調査結果や、直近の3年間に実態把握のために実施をいたしました調査結果も現状分析に活用いたしました。
 さらに、国が実施する各種の統計資料も参考にいたしております。
 県が実施いたしました調査は、例えば、地域資源の活用に関するもの、人材の育成に関するものなど、10種類の調査が実施されており、幅広い中小企業の意向や実態が把握できるものと判断し、活用したもので、製造業では、従業員数が小さい企業ほど売上高が減少するなど、経営規模により格差が生じております。
 また、全体として、製品の付加価値や技術力の向上をめざす企業が多くなっております。
 商業では、若年層の客離れが進んでおりまして、顧客数は減少傾向にございます。
 次に、現行の新指針の成果をどのように総括したかでございます。
 本県産業を振興するにあたり、平成15年に「滋賀県産業振興新指針」を策定し、「産学官連携体制の構築と創造型・自律型産業構造への転換」を基本理念といたしまして、従来の枠組みから一歩踏み込み、県経済の原動力となる8つのプロジェクト構想を打ち出し、多様な主体との協働により、集中的・重点的に施策・事業を展開してきたものと認識をいたしております。
 その中で、特に、「3KBI」について申し上げますと、例えば、環境分野につきましては平成15年から開始をいたしました地域結集型共同研究事業に、20数名の産学官の方々が参画し、その結果、50件の特許出願があったところでございます。
 また、健康福祉分野では、健康福祉産業の創出を促進するため、シーズの発掘や展示会への出展支援などを行った結果、平成19年度末現在、8件の製品・サービスが市場に出たところです。
 一方、バイオ産業におきましては、長浜バイオ大学や滋賀バイオ産業推進機構などとの連携・協力のもと、中小企業などがバイオ分野へ進出をしたことにより、すそ野が拡大した結果、平成19年度の研究開発事業数は17件となっているところでございます。
 IT産業の創出につきましては、平成13年度、14年度に整備をいたしましたSOHO型ビジネスオフィスへの延べ入居者66者のうち平成19年度末に事業を拡大した企業数は21件となっているところでございます。
 こうした「3KBI」分野を中心とした取り組みなどから、将来に向けた基盤の強化が一定図られたものと考えております。
 先ほど申し上げましたアンケート、あるいはヒアリングを含む調査結果や、3KBIを中心とした現行新指針の評価を踏まえまして、
 1つには、質の高い人材の育成や確保が重要であること、
 2つには、産学官連携の仕組みづくりやすそ野の拡大などに弱さがあること、
 3つには、研究開発力や商品の企画力の向上が求められていること、
 4つには、新規成長分野においては、研究開発段階から事業化まで、成長に差が見られること、
 さらには、
 ・産業競争力向上のための基盤技術や地域資源の活用による「地域ブランドの構築」などに、取り組むべき課題があると認識しているところでございます。
 次に、本県の中小企業振興のために、集中すべきと考える戦略項目についてでございますが、先ほど申し上げました成果や課題を踏まえまして、新指針の改定においては7つの重点的な戦略に取り組むこととしております。
 中でも、「産学官金」の連携による新産業創出基盤の強化において、中小企業が産学官連携をはじめとした他分野の事業者などと有機的に連携をして、新たな事業創出を図ることが重要であると考えております。
 また、若年者の育成に向け、技能の向上や、「モノづくり立県」を支える人材育成を図っていきたいと考えております。
 以上のような、「選択と集中」の考えのもと、効果的な施策展開によりまして着実に成果があがるよう、本県産業を一層振興して参りたいと考えております。
 次に知事にお伺いいたします。
 中小企業振興における部局の連携についてです。
 産業は、商工業、観光産業のみならず、農林水産業や建設業など部局を超えた関連性を有しており、また、福祉や教育、環境や文化など幅広い分野との連携が生まれてきています。国でも、農商工連携に向けた取り組みが始まっており、こうした中での産業振興はこれまで以上に幅広い部局間連携と施策連携が求められています。新指針の中では、従来の産業形態を超えた施策展開の戦略をどのように図ろうとしているのでしょうか。
 行政の縦割りを乗り越えて、中小企業の振興を図るためには、強い権限を持って連携を促進する必要があると思いますが、連携強化を担保するための方策をお聞かせください。
 また、知事は「内発的発展」の重要性を指摘されていますが、そのためには、中小企業の振興は地域の振興と不可分の関係にあることを認識し、産業振興と地域振興が好循環の形になるような、産業振興ビジョンが求められていると考えます。企業誘致など外発的な力を導入するにおいても、そうした地域振興戦略を持たない限り、その効果は、中小零細企業の振興に通じないばかりか、地域の中小零細企業を淘汰する結果になってしまいます。それを防ぎ、中小零細企業振興や地域の振興に資するようにするためには、産業振興ビジョンの着実な実行と、更なる力強い中小企業振興に向けての仕組みが求められますが、知事のお考えをお伺いします。
[知事答弁]
 産業振興新指針と中小企業振興についてでございます。
 まず、中小企業振興における部局の連携についてでございます。
 本県では、これまでも商工観光労働部と琵琶湖環境部あるいは農政水産部所属の試験研究機関が共同で、様々な研究開発などを行い、また、地域の大学や企業が参加して、例えば環境ホルモンの新規検出評価技術の開発などの医工連携や、籾殻を使用した自動車内装部品製造方法に関する研究などの農商工連携プロジェクトを進めて参りました。
 また、多様な分野との結びつきが必要な観光振興などにつきましても、関係部局との連携により地域産業の振興を図って参りました。
 さらに、地域の特徴ある資源を活かした中小企業の新事業展開を促進するために、県内市町、商工関係団体、農業協同組合などの関係団体との連携・協力のもと、鉱工業製品、農林水産品、文化資源など122の品目を地域資源として指定し、本県の多様な地域資源に磨きをかけ、地域ブランドの向上に努めているところでございます。 地域経済の活性化には、県内企業の創造的な取り組みを主体的に展開されることが重要であることから、今回の新指針の改定におきましては、本県の魅力や恵まれた素材、資源を活かして価値を高める「地域ブランド」の向上や、企業や大学が互いの強みを活かした新産業の創出、さらに、農業体験を行うグリーンツーリズムなどの観光産業の振興などを重点的な戦略と位置付けております。
 こうした戦略を実効あるものとするために、県においては、より一層の連携強化を図る必要があると考えております。
 本県の強みとなる地域資源の魅力を高め、多様に変化する生活者のニーズなどに対応して販路拡大につながる新たな取り組みが促進されるよう、今年度、新たに創設します「しが新事業応援ファンド」などを活用し、事業の発展段階に応じた効果的な施策展開を図って参ります。
 また、さらなる連携強化の担保についての方策についてでございますが、従来の枠組みを超えた関係団体・支援機関などによる緊密で有機的なプラットフォームが必要と考えておりまして、連携・協働を促進する仕組みとして、このようなプラットフォームの実現を
 次に、中小零細企業振興や地域の振興に資するための産業振興ビジョンの着実な実行と中小企業振興に向けた仕組みについてのご質問にお答えいたします。
 私自身、常々申し上げておりますように、滋賀の地域の持っている潜在的な力、魅力、資産を最大限に活かす内発的な発展を目指すことが県民の皆さんに誇りを持って暮らしていける滋賀を創りあげていく上で大切と考えております。
 今回の産業振興新指針の改定に当たりましても、地域資源の高付加価値化をもたらす技術開発や地域のブランド力の向上など多様な地域産業を創出し育成する「内発的発展」が重要と考えております。
 県内の企業が、事業を拡大する中で、これまで以上に地域の資源や人材を活用することにより、地域に取引や雇用の拡大が次々と生まれ、その好影響が地域社会全体に及んでいくことを私自身、期待しております。
 中小企業の振興を含め、今回の産業振興新指針の施策の改定による展開に当たりましては、企業、経済団体、大学、行政機関等の多様な主体がそれぞれの持てる力を十分に発揮していただくにはどのような方法や手段が有効か、よく検討しながら具体的に進めて参りたいと考えております。

滋賀の教育について

 最後に、教育長にお伺い致します。
 このたび4月1日より、「滋賀の教育の志」を育てていく思いを持ち、教育長に就任されました。また嘉田県政になってからはじめて就任された教育長であり、嘉田マニフェストをご承知の上で就任をされた教育長です。そこで、教育格差などさまざまな問題が山積する教育問題に、どのような熱い想いで、教育施策に取り組んでいかれるのか、所信を以下の内容もふまえお伺いします。
 まず、知事のマニフェストに「すべての小中学校を35人学級にし、5年後に30人学級にします」とありますが、子どもたちにいきとどいた教育をおこなっていくために、少人数学級の推進が必要です。しかしながら、これまでに何度となく本会議で質問されてきたにもかかわらず、財政状況に伴う課題などにより立ち止っているのが現状です。教育長は今後の少人数学級の推進に向けてどのような取り組みを行っていかれるかお伺いします。
 あわせて、人材の確保に向けて、このたび現役講師への一次選考の一部免除など、教員採用試験の優遇策を行って頂きましたが、さらに優秀な人材を確保するために、どのような施策を行われるのか、特に、小中学校の昨年度末の退職状況、今年度の教師の配置状況、講師の確保状況等も含めてお伺いします。
 次に、子どもたちの安全安心についてお伺いします。
 知事のマニフェストにおいて、子どもの安全を最優先に、学校の安全対策として、すべての小学校への保安要員の常時配備や、通学見守りボランティア活動を支援するとされました。学校安全ボランティアのスクールガードの養成等を行われていますが、見守りボランティア支援は進んでいるものの、保安要員配備までには至っておりません。
 大阪教育大学附属池田小学校事件から7年が経ちました。7年経った今でも様々な事件が起きており、子どもたちがいつ事件に巻き込まれるか、被害を受けるかわからない状況にあります。そこで、子どもたちが安全安心に学べる環境を築くため、今後どのような施策を講じられるかお伺いします。
 今年度は、今後の滋賀県の教育の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための「滋賀県教育振興基本計画」が策定されます。これまでに述べた課題や今後の滋賀県の新しい時代に向けた本県の教育行政に対する方向性を、教育長の所信としてお聞かせ頂き、質問を終わります。
   [教育長答弁]
 次に、教育問題についてのご質問にお答えします。
 まず、今後の少人数学級の推進に向けてどのように取り組むかとのご質問についてでありますが、本県におきましては、平成15年度から少人数学級編制を導入し、順次拡充してまいりました中で、これまでに教職員はもとより、子どもたちや保護者の皆様からもきめ細かな教育の推進に大きな効果があったなどの高い評価をいただいております。
 少人数学級編制の推進につきましては、現在小学校1年生から3年生および中学校1年生で実施しておりますが、新たに拡大する場合の1学年あたりの必要経費を試算いたしますと、約6億円の人件費が必要となり、現在の危機的な本県の財政事情を踏まえますと、対象学年をさらに拡大することは、困難なものといわざるを得ない状況と考えております。
 次に、優秀な人材を確保するための施策についてですが、まず、昨年度末の小中学校の校長・教頭・教諭の退職者は、定年前の者も合わせて239名にのぼり、本年度はその退職者の補充に加え、学級数の増加にともなう定数の増や一部の臨時講師の正規職員化を図ったため、336名の新規採用者を配置いたしました。これにより、臨時講師は昨年に比べ約80名減少いたしましたが、依然として多くの臨時講師を配置せざるを得ない状況であります。
 このような状況の中で、採用におきましては、これまで受験年齢の引き上げや試験の一部を免除するなど志願者の確保に努めるとともに、さらに本年におきましては、近隣の大学で開催していた採用説明会の対象エリアの拡大や募集期間の延長の取組みなどによりまして、小中学校では約270名の募集に対し、昨年度を上回る1230名の志願者となり、多くの方々が本県の教員を志願していただくこととなりましたことから、引き続き優秀な人材の確保は叶うものと考えております。
 また、本年度においては、昨年度から開設しております「滋賀の教師塾」の対象者を社会人や臨時講師の方にも拡大し、募集枠を100名から170名へと大幅に増やしております。引き続き優秀な人材の確保に向けた様々な取組みを、展開してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、子どもたちの安全安心についてのご質問にお答えします。
 毎日のように全国各地で様々な事件や事故が発生し、その多くの犯罪はこれまでの社会規範からは想定もしえない事案が含まれ、中には抵抗するすべを持たない子どもたちがその犠牲になる等、本当に悲惨な事件が続発しているところであります。
 県教育委員会としましては、これまでから学校教育の中で、まずは子どもたち自身が危険を予測し、回避していく力を身につけていけるよう、総合的な学習の時間などを利用し、安全教育の徹底に努めているところであります。
 また、子どもたちが登下校時に事故や事件に巻き込まれるケースが全国的にも後を絶たない状況を踏まえ、本県におきましては、市町教育委員会の協力を得ながら、平成17年度よりすべての小学校にスクールガードを配置いただき、現在26,000人を越える方々の協力を得て、学校内をはじめ通学途中での見守り活動の充実を図ってきているところであります。
 さらに、県内各地域のスクールガードに登録いただいております皆さまに対しての研修などのために、警察官OBで組織いたしますスクールガードリーダーを巡回派遣することによりまして、学校安全体制の強化やスクールガードの資質向上を図っているところであります。
 また、県内すべての小・中学校に対しましては、これまでから危機管理マニュアルの点検見直しを進めるとともに、教職員の防犯研修を行うなど、日頃の学校安全に対するチェック体制の強化を図るよう、市町教育委員会を通じて要請しているところであり、今後とも子どもたちの学校現場での安全確保についてより一層の取組を徹底してまいりたいと考えております。
 最後に、本県の教育行政に対する方向性等についてでありますが、一昨年12月には約60年振りに教育基本法が改正され、その後にも多くの関係法令の改正があり、教育を取り巻く環境は大きく変化しております。
 このような中にあって私は、滋賀の将来を担う子どもたちの生きる力を育むため、いつの時代も変えるべきでない「不易」なものは守りつつ、社会経済状況の変化にも的確に対応しながら、着実に教育施策を進めて参りたいと考えております。
 今、教育をめぐっては、いじめ、不登校、規範意識の低下など様々な課題があり、予断を許さない状況にありますが、私は、これらの課題解決にあたり、人と人とが接する教育においては、何よりも「心のあり方」が問われるのではないかと考えております。
 幸いこの近江の地には、中江藤樹先生の教えである「良知」をはじめ、先人たちが拠り所とした「近江の心」が今なお息づいております。
 この「近江の心」を未来へつなぐこと、いわば不易ともいえるこの理念を滋賀の教育の根本に据え、県民の信頼と期待にしっかりと応えられる学校づくりをはじめ、本県教育の一層の振興に向け、全力で取り組んで参る所存でございます。




  2月19日(火)に開会された2月県議会定例会で大井豊議員(守山市選挙区)が会派を代表して2月22日(金)に質問を行いました。その内容を以下報告します。

平成20年度当初予算について

 まず、はじめに、平成20年度当初予算について知事に伺います。地方分権改革が叫ばれて久しいものがあります。地方自治体は、住民に対して幅広い行政サービスを提供していますが、こうした行政サービスに対する関与や基準などを、法令で設定することで、実質的な決定権の多くが、国に留保されており、行政サービス提供の財源も、国に依存せざるを得ないのが実態であります。
 国が、地方のことを中央集権的に画一型で考えるのではなく、地域の実情を最もよく知る地方自治体が、創意工夫し、地域の行政サービスを主体的に決定し、取り組む事ができる仕組みが求められています。行政サービスの実質的決定権や必要な財源を地方自治体に移譲し、地方が自ら考え、実行できる体制を整備することが求められていると考えます。  国と地方との関係が、上下主従の象徴的な仕組みでありました、機関委任事務の制度は廃止されましたが、まだまだ道半ばといったところかと思います。地方自治体の職員の意識も大きく変わったとも思えません。本県の地方自治体としての実態を知事はどのように認識されておられるのか伺います。

  

[知事答弁]
 民主党・県民ネットワーク大井議員の代表質問にお答えさせていただきます。
 まず、平成20年度当初予算案についての8点のご質問でございます。
 1点目ですが、本県の地方自治体としての実態をどのように認識しているか、とのご質 問です。
  これからの自治体が、住民の皆さんの思いや願いにしっかり応えていくには、住民に身近な行政をできる限り身近なところで行えるよう、国に集中している権限や財源を地方自治体に移していく必要があります。いわゆる、近接・補完の原理でございます。
  先の地方分権一括法や三位一体の改革は、地方分権に向けての歴史的な一歩でありました。しかし、依然として国の関与や義務付け・枠付けが多く残るなど、地方の自由度の拡大という点では不十分です。また、県の歳入のうち県税の割合が40%に満たないなど、権限や財源の多くが地方に移っておらず、中央集権から地域主権への転換は、まだまだの状況であると認識しております。
 一方、県としては、職員が常に現場に足を運び、現場主義の発想に立って、地域にとって真に必要な施策を、自主的、主体的に進めていく県政経営、そしてそれを支える職員の気概が大切でありまして、分権時代を乗り切っていく県庁力の最大化を目指してまいりたいと考えております。

 今、まさに国政において議論されているのが、道路特定財源の問題であります。私たち民主党・県民ネットワークは、道路特定財源の一般財源化、そして財源を移譲することが地方分権改革を押し進め、真の住民自治に繋がるものと考えておりますが、認識を伺うものであります。

[知事答弁]
 次に、道路特定財源の一般財源化、財源の移譲が地方分権を推し進め、真の住民自治につながるものと考えるが、認識を問う、とのご質問でございます。
  地方分権改革の推進にあたっては、国からの権限と税財源が表裏一体のものとして移譲されることが重要でありまして、これまで政策提案として国にお願いあるいは提案してきたところでございます。
 また、知事会においてもこの分権化の流れ、大きな努力をさせていただいております。
 国からの権限と税財源の移譲に関しては、単に道路財源のみに限った話ではなく、従来から申し上げておりますとおり、本来の地方の仕事の量に合った税財源の移譲がなされるべきであり、こうした「地方分権」の視点に立った全体的な議論が必要と考えております。

 地方自治体は、三位一体の改革によって、厳しい財政運営を強いられております。滋賀県もその例外ではなく、本県の地方交付税をみますと、平成15年度で1,418億円あったものが、平成20年度では873億円と、毎年100億円ペースで減額されているのが実態であります。まさに地方いじめといわざるを得ません。自助努力としての行政改革などを断行し、巨額の財源不足に対応しているものの、今のシステムのままでは、明るい未来が見出せないのが現状であります。税源の移譲をはじめ、国に対して声を上げなければならないと考えますが、現状をどのように見ておられ、どのように対策を打とうとされているのか伺います。

[知事答弁]
1.住民ニーズに的確に答え、効率的かつ効果的な行財政運営を進めていくためには、先程来申し上げておりますように、住民に身近な地方自治体が自らの権限と財源で、地域に必要な施策を主体的に展開していく必要があります。
2.「三位一体の改革」では3兆円の税源移譲が実現したものの、依然として、国と地方の最終支出と税源配分には乖離があるとともに、国庫補助負担金改革では、未だに真に地方の自由度・裁量度が高まるものとはなっておりません。
3.このような現状を踏まえまして、現下の地方自治体を預かる知事として、また私自身、近畿ブロック知事会の会長としても、真の地方分権を推進するに当たって国と地方の税源配分の見直しや地方交付税の総額確保など地方財政の安定化に向けて国に提言するなど、あらゆる機会を通して政策や制度の意見、提言をしているところでございます。

地方分権一括法により、地方の独自税である「法定外税」の創設が、許可制から国などとの事前協議制になり、また目的税(例えば東京都のホテル税などのように)設定できるようになりました。本県でも森林税を導入していますが、他にも県民の納得が得られる新税の可能性があるのか検討されることも必要と考えますが、見解はいかがでしょうか。

[知事答弁]
 本県におきましては、平成16年1月に産業廃棄物税を、また、18年4月には琵琶湖森林づくり県民税を独自に創設し、県民にご負担をいただいているところでございます。
 このような新税を導入することは、新たな負担をお願いすることになることから、納税者の方々のご理解がいただけるようなものであることがもっとも重要でございます。
 特に、どのような施策の実現のために、どれくらいの額が必要であるのか、なぜ新税で負担するのか、といった点について県民の皆さんが「それなら仕方ない。」と納得いただけるものでなければならないと認識しております。
 一方、現行の税制度においては、既に国税、地方税を通じて、所得、資産、消費といった様々な段階でほとんど課税されており、現在のところ、新たな税源を見いだすことは非常に厳しい状況にあるのも事実です。
 しかし、少子高齢化対策や環境対策をはじめとする各種施策の推進を図る上で、税制度の活用も大事と考えておりまして、今後ともその可能性については研究してまいりたいと思っております。

 次に、平成20年度予算編成についてであります。
 昨年12月に基本構想を、そして厳しい財政事情から、財政構造改革プログラムを策定し予算の編成にあたってこられたものであります。400億円を超える財源不足が見込まれる中、各部局に対して大幅な削減を課した結果、予算の全体からはメリハリが見えてこないのが現状であります。財政再建というメッセージが突出し、マニフェストで掲げた、県民が期待した姿が見えにくいという思いがしますが、県民に対してどのようなメッセージを送ろうとされているのか伺うものであります。

[知事答弁]
1.400億円という大変大きな財源不足が見込まれることとなり、まさに「非常事態」とも言うべき財政状況の中で、まずはこの財源不足の縮減に取り組むことを緊急の課題とし、マニフェストでもお約束させていただいたところでございます。
2.一方で、今、経済的不安や環境破壊という時代の変化の中で、「県民の暮らしと命へのしわ寄せを極力回避する」というセーフティネットを確保しながら事業の見直しを行い、新しい施策や事業を工夫してまいりました。
3.特に、昨年12月に議決をいただいた基本構想が県の将来ビジョンを示したものであり、その実現に向け、構想に掲げている3つの戦略を中心に施策の構築に努めたところでございます。
4.子や孫にツケを残さず、自然の力を再生させながら、経済的活力をしっかりと維持・発展させるような「次世代育成型の県政を実現する」という県民の皆さんとの約束の実現に向けて、引き続きその「芽」を出せるような予算としたところでございます。
5.県行政の役割としては直接サービスを生み出す主体から、市町と協力しながらも県民の皆さんの主体的活動を育て、応援させていただく、という間接的な方向が今後はより一層求められるものと理解しております。そのような意味で、「対話と共感」が働く県民参加と協働というメッセージを埋め込んだ予算でもございます。

また、事業の削減にあたっては、その削減の大きさから、おのずと県単独事業にメスを入れなければならない事は理解できるものの、今日まで滋賀県として特徴を保ってきた、いわゆる先進的な滋賀県らしさが失われていないか。また、マニフェストでも掲げておられる「次世代育成型の県政の実現」にかかわる特徴的な福祉医療や私学助成などにも切り込まなければならない事態をどのように県民に対して説明をされるのか伺うものであります。

[知事答弁]
1.本県では、これまでの人口増等に対応した施設整備や生活環境の向上、あるいは産業振興等のための社会基盤整備のほか、福祉や環境をはじめとする各行分野で本県の特色ある施策や施設の整備などを実施してきたところです。その結果、県民のくらしの利便性や豊かさは大きく向上したと理解しております。
2.しかしながら一方で、過去の事業に対する公債費あるいは維持管理経費の増嵩という形で財政負担となっていることも事実でございます。事業の縮小や施策内容の見直し等を行ってはいるものの、財政状況は依然厳しいところでございます。
3.こうしたことから、これまでと同様の行財政経営を続ければ、早晩いわゆる財政再建団体に転落しかねないとの認識のもと、昨年来、あらゆる機会を通して県民の皆さんに、県の財政状況について詳しくご説明申し上げてきているところでございます。
4.あわせて、具体の見直しの考え方について、11月には市町等にご説明してきたところであり、また県内各地での対話集会なども含め、福祉や教育などの分野で見直し案に対してさまざまなご意見もいただいてまいりました。
5.こうしたご意見などを踏まえ、将来にわたって制度を安定的に運営していくという観点から、県民の皆さんに一定の負担をお願いせざるを得ないという苦渋の判断をさせていただいたところです。

次に県と市・町との関係についてであります。今日まで県も国と同様、多くの施策を誘導するため、市・町に対して補助金を出して進めてきた経緯があります。今回、多くの補助金の補助率縮減を図ろうとされています。財政構造改革プログラム策定の遅れがあるとはいえ、市・町との協議が十分行われたとは言えません。そのことから市・町からの多くの苦情が寄せられたものと思います。結果的には市・町に負担増を押し付けたものとなっています。このことは、国が地方自治体に対して行っていることを県もまた、市・町に対して、同じ事をしているのではないかと首を傾けざるを得ません。今後、財政構造改革プログラム推進にあたって、21年度、22年度を見越した予算と、23年度以降についても庁内と市・町との詰めた議論がなされている必要があると考えますが、考えを伺います。

[知事答弁] 
1.財政構造改革プログラムにおける見直しにつきましては、昨年の秋以来、全庁挙げて見直し作業を進め、11月には県としての見直しの考え方を市町等にご説明してきたところです。
 そうした中で、福祉や教育などの分野で、見直し案に対してさまざまなご意見をいただきました。
2.平成23年度以降についても、引き続き厳しい財政状況が想定されるところでありまして、市町とはそれぞれの役割分担を明確にし、相互に競合しないようにしながら、対等のパートナーとして連携、協力することとして、十分議論を重ねてまいりたいと考えております。
3.また、国と地方の税源配分の見直しや地方交付税の総額確保など地方財政の安定化に向け、市町長と歩調を合わせ一丸となって取り組んでまいります。

 後段質問を行いますが、県政課題として、新幹線新駅建設中止に伴う土地区画整理事業の問題、RDエンジニアリング最終処分場問題、クリーンセンター滋賀の運営の問題、造林公社問題が表面化しています。いずれも大きな財政支出に係る課題でありますが、22年度までの財政構造改革プログラムに反映されているわけではありません。これらの課題が動き出したときに、どのような対処を考えておられるのか、また、他にも可能性のある課題があるのかについて伺います。

[知事答弁]
1.造林公社問題などの課題については、いずれも大きな財政支出が想定されるものの、現時点ではそれらの必要経費について具体的に明確に算定できないため、財政収支試算に反映させておりません。
2.今後、県の対応等が決まっていく中で、本県財政への影響が極力少なくなる方策を検討することや、歳出全般についての一層の見直しを加えることなどにより、対応してまいりたいと考えております。
3.また、こういった大きな県の財政支出を伴うことが想定される課題について、ご指摘のようなものが主なものと認識をしております。


新幹線新駅設置事業中止に伴う土地区画整理事業について

 次に、新幹線新駅設置事業中止に伴う土地区画整理事業について、知事に伺います。
 去る1月30日に、新幹線新駅の地権者代表や、地元自治会長を含む数名の地権者の方々が、我が会派を訪問され、地域住民としての苦悩や願い、思いを我々に届けてくださいました。栗東市や地元地権者を含む関係者と膝を交えて話す機会を、会派としてもいち早く設定すべきだと判断し、6日後の今月5日には栗東市や新駅予定地を会派として訪問し、現地調査を行いました。
 冷たい雨のちらつく荒涼とした大地に、水路や道路が計画途中でおかれたままになり、草だらけで放置されたままの跡地を目の当たりにした時、公共事業を中止した時の「後始末」の重要性と責任を改めて感じました。
 去る2月14日に行われました「促進協議会正副会長会議」の中でも、新駅中止の影響で中断している栗東市の土地区画整理事業について、県と栗東市で新駅問題にかかる対策協議をする会議を設置する方向で、話し合われたと承知しております。地元・地権者の意向を踏まえながら対応策を協議・調整するための協議の場を設置準備中とのことですが、未だ課題は山積しております。一つには「土地区画整理事業計画および関連する都市計画の手続き」、また一つには「土地区画整理事業周辺地域における各種関連事業」、また一つには「土地区画整理事業区域に係る今後の利活用方策」。これらについて、調査・検討は現時点でどれほど具体的に進んでいるのでしょうか。まず伺います。
 次に、知事は諸課題に対し、かねてから「早期に最善の方策を見出し、適切な支援を講じる」と再三答えておられることから、今こそ県のリーダーとして、地権者や栗東市長と胸襟を開き、話し合う時だと思いますが、このことについて所見を伺います。

  

[知事答弁]
 次に、新幹線新駅設置事業中止に伴う土地区画整理事業についての2点の御質問にお答えさせていただきます。
 まず、「区画整理事業に関連する都市計画の手続き」など諸課題について、調査・検討は、現時点ではどれほど進んでいるのか」との御質問でございます。
 新幹線新駅の凍結に伴う諸課題の解決に向けては、協定類の終了した昨年10月末以降、栗東市と事務レベルによる協議を重ねてまいりました。中でも栗東新都心土地区画整理事業への対応について、鋭意、調査・検討を進めてまいりました。
 事業計画決定後に中止となった他地域の事例の調査や土地区画整理事業の専門家を招いての勉強会、区画整理事業を専門とする弁護士への相談、国土交通省との協議などを含め、事務レベルでの協議はこれまでに20回に及びます。
 こうした中で、特に喫緊に対応すべき課題であるとの認識から、土地区画整理法第76条による土地利用制限への対応など地権者の皆さんが直面しておられる課題や、区画整理事業計画に係る今後の手続き等の課題について、栗東市ともども一定の整理を進めてきたところでございます。
 今後、県と栗東市による協議の場が、地元の意向を踏まえながら一層実効あるものとなるよう、現在、副知事、副市長をトップとした県と栗東市による「対策会議」の設置に向けて調整を進めております。このことは去る2月14日に開催された東海道新幹線(仮称)南びわ湖駅設置促進協議会正・副会長会議において報告させていただきました。
 県としては、今後、年度内の出来るだけ早い時期にこの「対策会議」を立ち上げ、栗東市とともに、諸課題に対する具体的な対応策について協議・調整するとともに、県として必要な支援策を講じてまいる所存でございます。

指定管理者制度について

 次に、指定管理者制度について知事に伺います。
 平成15年に地方自治法の一部改正、同9月施行により、公の施設の管理運営について、従来の管理委託制度にかわり、指定管理者制度が導入されました。さらに翌17年の6月定例議会においては、施設の設置管理条例が改正され、平成18年4月から63施設が、2年から5年の指定期間を受け、指定管理者に移管されました。
  一方、昨年の12月定例議会で、本年3月31日をもって2年の期間満了となる13施設のうち、6施設について、新たな指定管理者の提案があり、認められたところであります。今後、1年から3年の間に残りの施設の管理運営についても見直し等が行われることになるわけです。
 また、指定管理者制度の導入は、多様化する住民ニーズに、より効果的かつ効率的に対処するため、民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の縮減をめざす制度としての目的を持ち、更に県民の公平な利用を確保することができるものであるとされております。
 去る1月、我が会派は、高い入場・利用率を誇り、多彩なサービス提供で全国の会館のトップレベルの実績を挙げている、三重県津市の県総合文化センターを訪問し、当センターの指定管理者2期目の県文化振興事業団の事業内容や取り組みについて話を聞いてきたところであります。
 当事業団の組織自立に向けた改革として、県職員の派遣を無くし、先行して幹部に民間人を登用。運営手法の自立に向けた業務改革では、ISO9001品質マネジメントシステムの導入をはかり、業務手順を標準化、そして可能な領域については、目標を定量化して進捗管理し、事業やサービスを継続的に改善するしくみや教育訓練体系を構築。サービス改革では、施設貸出料金納入をコンビニや銀行振り込みでできるようにし、ニーズに応じて、最大早朝6時から深夜3時までの利用時間の延長、また稼働率の低い施設の値下げ・曜日割引・季節割引、直前予約割引等の各種割引プランと利用予約受付時間の拡大、更に相談体制強化のための付属設備見積システム、最適会場検索システムの設置、各施設へ簡易無料備品設置などの徹底した施設利用サービス体制は、まさに県民とともに歩む施設づくりを目指している姿でした。
 以下、質問をいたします。
 本県は、指定管理者制度を導入して2年になろうとしています。
 まず、一つ目に今日まで、経費の縮減も含め、どのような実績を上げることができたのか伺います。

[知事答弁]
 経費の削減実績は、平成18年4月にこの制度を導入し、63施設を対象と いたしましたが、年間の一般財源所要額は、約1億9千7百万円の削減となったところであります。この制度を導入したことによる一定の経費削減効果が表れているものと考えております。
 また、県民サービスの向上という点については、それぞれの施設で割引料金の導入や開館時間の延長、開館日の拡大、申請手続きの簡素化などの効果が見られます。
 例えば、しが県民芸術創造館や文化産業交流会館、滋賀会館においては、開館時間の延長や貸館利用における申請手続きの簡素化、割引料金の設定などがなされております。
また、びわ湖ホールについては、貸館業務における利用申込み期限の緩和やびわ湖ホール駐車場に多頻度利用券による割引制度の導入なども行っております。

 二つ目に、施設の設置者である県として、指定管理者が行っている管理、事業実態、どのような方法(観点)でチェックし、事業評価(モニタリング)を検証し、それらをよりよい県民サービスの向上や改善につなげているのか伺います。

[知事答弁]
 指定管理者に対するチェックや事業評価につきましては、協定書において、 法律で定められた年度ごとの事業報告のほか、定期的に業務等の報告を求め、必要に応じて実地調査を行うこととしております。これらを通じて、施設の設置目的に沿った行政サービスが適正に提供されるよう、必要な指示を行っていくこととしております。
  これらに加えて、利用者ニーズに沿った管理運営を行うことを目指し、県が定めております「県立施設の指定管理者制度導入ガイドライン」において、施設利用者の意見の継続的な聞き取りと、その反映ということを対応すべき重要なポイントとして位置づけております。
  その結果、指定管理者においては、利用者のご意見を把握するための具体的な方策として、各施設の実態に応じてメールや意見箱等、さまざまな方法によるアンケート調査の実施、さらには、利用者等から成るモニター会議を設けるなどの手法によりまして、利用者や関係者の意見の把握とともに、よりよい県民サービスの向上や改善につなげているところでございます。

 三つ目に、指定管理者になった団体等に本県職員が現在何人派遣されているのか伺います。
[知事答弁]
 現在、公の施設の指定管理者のうち、県から職員を派遣している団体は11 団体でございまして、これらの団体に対しまして、平成19年4月1日現在で県から派遣している職員数は、役員で8名、職員で104名で合計112名となっておりまして、制度導入前の平成17年4月1日と比較すると、56人、約3分の1の削減となっております。

 四つ目に、今後、期間満了を迎える指定管理者の新たな募集の際、非公募を公募にすることについて、どのように考えておられるのか伺います。
  最後に、先に紹介した三重県総合文化センターの管理運営を担っている県文化振興事業団の文化会館事業推進グループリーダーから「頑張らなければ三年後はクビですから」とはっきり言われた言葉に、事業団職員としての緊張感とともに事業への強い意気を感じさせられたことを紹介し、次の質問へと移らせていただきます。

[知事答弁]
 指定管理者制度においては、民間を含む幅広い事業者の参入によりまして、公の施設における住民サービスの向上と行政コストの縮減を目的としておりま す。本県ではガイドラインにおいて、「近い将来、廃止や移管が見込まれる場合」などの例外を除いては、公募を原則としております。
 昨年12月に指定管理者の議決をいただいた6施設では、非公募から公募へ変更したものが4施設となっており、今後とも、施設のあり方の検討状況などを踏まえつつ、原則として公募するという指定管理者制度の趣旨に沿った運用に努めてまいりたいと考えております。



地球温暖化防止対策について

 次に、地球温暖化防止対策について、知事に伺います。
 2007年のノーベル平和賞は、地球温暖化問題について、映画などで世界的な啓発活動を行った、前米副大統領のアル・ゴア氏と、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」に授与されました。この受賞により、「地球温暖化は自然現象ではなく、人為的に引き起こされている」ということが正式に認知されたといえます。  このことで、地球温暖化問題への人々の関心は加速され、2008年に入ってから新聞やテレビでは、地球温暖化にどのように立ち向かうべきかについての記事が、連日のように溢れています。今年、京都議定書の第一約束期間を迎えることや、夏には北海道で洞爺湖サミットが予定されていることも、地球温暖化防止に関わる報道を、熱くさせる要因になっていると思われます。
 知事に、この任期中に取り組むべき課題をお聞きしたところ、「財政再建」「子育て支援」とともに、「地球温暖化防止」をあげておられました。
 琵琶湖を抱え、環境についてはどの県よりも熱心である、という自負を持っている滋賀県において、知事は、地球温暖化防止に向けて、どのような意欲的な戦略で取り組もうとしておられるのか伺います。

  

[知事答弁]
 次に、地球温暖化防止対策についての4点のご質問にお答えさせていただきます。
 一点目の地球温暖化防止に向けての戦略についてですが、地球温暖化は人類の生存基盤に関わる最も重要な環境問題であると認識しております。
 特に今年は京都議定書の第一約束期間の初年度にあたることから地球温暖化への国民の関心は非常に高く、地方自治体としての取り組みも最大限の努力をしていく必要があります。
 本県では、平成18年12月に「滋賀県地球温暖化対策推進計画」を策定し、 2010年を目標年次として、対1990年比で温室効果ガス排出量を9%削減することを目標としております。
 滋賀県における温室効果ガス排出量は、産業部門は1990年から2002年の比率においては、9.7%減っているものの、家庭部門では26.1%、運輸部門では27.1%の増加となっておりまして、これら家庭部門、運輸部門での解決に重点的に取り組むことを戦略としております。
 具体的には.家庭部門としては、来年度から県内企業と協働して、各家庭がインターネット上で環境に配慮した取組結果を入力し、その取組に対して参加企業から特典や割引を得られる仕組みを作り、家庭における二酸化炭素排出量の削減促進の協働事業としております「家庭CO2削減プログラム」推進事業としておりますが、家庭内での活動に対するインセンティブを高め、そして、その結果を見えるようにしながら、さらにそのインセンティブを回していくという仕組みでございます。
 また今年度から全国にさきがけて実施しております省エネ診断に基づく家電製品の買い換えを促進する、いわゆる家庭版エスコ事業についても地域の電気店など住民の皆さんの協力、あるいは金融機関の協力を得ながら推進を図ることにしております。
 運輸部門では、京都府と連携して実施して来ております温室効果ガスの排出の少ない低公害車の購入や使用を推進するため「エコカーマイスター事業」やエコドライブの普及システムづくりを事業者とともに進めてまいります。
 県としては、これまで琵琶湖や流域の保全という難題に果敢に県民とともに取り組んできた経験がございます。特に1979年の富栄養化防止条例から30年を迎えまして、この経験を生かして可能な限り滋賀県らしい施策の提案、発信に努めていくその計画を次年度の予算体制に反映させていきたいと考えております。

 地球温暖化防止活動推進センターが主宰して、2月に地球温暖化防止の各県の取り組みを競う「ストップ温暖化『一村一品』大作戦全国大会2008」が行われました。
 このコンテストでは、最優秀賞が京都府立桑田高校森林リサーチ科であったことに象徴されるように「小・中・高校生」といった若い世代の意欲的な取り組みが目立ちました。同時に、金賞・銀賞・銅賞のいずれもが「地方自治体」であったように、地方自治体の積極的な取り組みも注目されていました。
  「若い世代の積極的な行動」「地方自治体の強い意欲」という観点からして、滋賀県の取り組みはいずれの場面でも、他の都道府県、市町村に遅れをとっている印象を受けました。また、滋賀県職員をはじめとしての、地球温暖化防止についての危機感、意欲が弱すぎるのではないかという印象を受けたところです。
 お金を使った地球温暖化防止が、対策のすべてだとは思えません。温暖化防止についての積極的な意識啓発や意欲を高めることも重要だと思いますが、滋賀県の現状をどう捉えておられるのか、また、今後どのように啓発や意欲増進を図ろうとされておられるのか、所見を伺います。

[知事答弁]
 また、二点目の県民意識の現状をどう捉えているか、その啓発、意欲増進をどう図ろうとしているのかとのご質問でございます。例えば、県のベンチマークとして示しております、平成18年度の本県の「お買い物袋の持参率」は38%となっております。
 これは、全国の日本チェーンストア協会の数値13.9%と比較しますと、かなり実際の行動面での大きな差が見えると理解をしております。
 また、琵琶湖の富栄養化対策での石けん使用推進運動など実践いただいたことなど、県ぐるみで、さまざまな分野の環境保全に取り組んでいただいたことの積み上げによる成果がこのようなところにも現れているものと思っております。
 さらに、県民の環境意識を喚起するような制度や仕組みをどう提案していくかが今問われておりますが、さきほど来、ご紹介しておりますように県民協働による「家庭CO2削減プログラム」推進事業など多くの企業の参加取組が県民の皆さんに広がり、動きとなるようにしていきたいと考えております。
 そして、その背景には私自身いつも申し上げておりますように、ともすれば総論賛成、各論反対という第三者的な認識に対して如何に一人称か自分化していくかという、そのような形での環境学習なども滋賀の経験を生かした形で目に見えるものにしていきたいと考えております。

 地球温暖化の影響として、琵琶湖の湖底低酸素化が問題視されております。琵琶湖の環境悪化を防ぐためには、琵琶湖の中だけではなく、その回りを取り囲む田んぼや山を適正に管理、維持する必要があります。琵琶湖の回りにおける生活、生産活動をコントロールすることが大切であることは、これまで琵琶湖環境保全運動を進められてきた人々のあいだでは、共通認識になりつつあります。
 そのためには、琵琶湖の回りの田んぼや山が生み出す、植物バイオマスをどのように利活用していくかが重要になると思われます。田んぼや山が生み出すバイオマスは、農業や林業といった産業振興の中で、その適正利用が図られてきましたが、「産業」としてだけでは田んぼも山も十分な維持管理ができない状態におかれています。
 そうした中では、田んぼや山が生み出すバイオマスを、食料、エネルギー、教育、国土保全、水源涵養等、幅広い観点から評価した、維持管理、利活用の戦略を持つべきだと思います。とりわけ、新エネルギーの観点から、菜の花栽培、木質ペレットとペレットストーブ開発、畜産バイオガス発電等の事業は、中途半端な対応に終わっているように思われます。県は実行可能で、県民が一丸となって取り組める、バイオマス戦略を持っているのか伺います。

[知事答弁]
 次に、新エネルギーの観点から、県民が一丸となって取り組めるバイオマス戦略を持っているかどうかとのご質問でございます。これまで農林水産物などのバイオマスは、主に食料としての利用や薪などの燃料として利用されてきましたが、今後のバイオマス利用におけるエネルギー面では、薪などの利用に戻ることは出来ず、また、バイオエタノールなどの新しい展開についても、確かな展望が開けていない状況でございます。
 また、ピークオイルや温暖化対策としてのバイオマスエネルギー需要の急増により、トウモロコシからのエタノール利用が小麦の生産を圧迫し、国際的な食糧事情に影響を及ぼしつつあり、現時点では将来を見通したバイオマスエネルギー戦略の確立が国際的にも困難な状況と認識しております。
 しかし、温暖化対策としてもバイオマス利用の推進が重要なことから、本県では、これまで菜の花プロジェクトや木質バイオマスエネルギー利用など、県民をはじめ、産学官連携による積極的な取り組みも進めてきたところでありまして、現時点では実行可能で県民が一丸となって取り組める方法がないのが実態でありますが、今後、バイオマス資源の賦存状況、エネルギー利用に対する需要や経済的条件が地域によって様々であることから、バイオマスの利活用の規模や形態を一律に県が定め推進する事は適当ではなく、地域の特性・利用方法に応じた地域分散型のエネルギーシステムを目指すことが重要であると考えております。
 このため、県の役割は、それぞれの地域が主体的に検討・選択し地域の特性を活かした創意工夫ある取り組みが進展しやすいよう支援できる環境づくりであると認識しております。
 この質問の最後に、「2030年に温室効果ガス50%削減」を掲げておられますが、その道筋がはっきりしません。2010年に1990年に対してマイナス9%、2030年には1990年に対してマイナス50%を達成するための「行程表」はいかなるものなのでしょうか。「何に」「どんな努力を」「どれくらいすれば」目標を達成できるかといった具体的な削減計画をお示しいただきたいと思います。

[知事答弁]
 4点目の、2030年に1990年比で温室効果ガスを50%削減するための行程表はいかなるものか。「何に」「どんな努力を」「どれくらいすれば」目標を達成できるのか、具体的な削減計画を示してほしいとのご質問でございます。
  昨年末に県民政策コメントを実施し年度内に策定を予定しております「持続可能な滋賀社会ビジョン」においては、目指すべき将来像の実現に向けての目標の一つとして、温室効果ガス排出量の2030年における半減を目指しております。
このビジョンは、県民、事業者、行政など各主体が、目指すべき将来像を確認しあい、目標に向かって責任を分担し、協調して取り組むための共有の指針となるものです。
この中では、暮らしや業務といった部門別の削減量と削減方法を示し、半減できる十分な可能性を明らかにしていおりますが、具体的な削減のプロセスを細かに描いているものではございません。
  もとより、長期的な温室効果ガス削減の道筋は、国際情勢や国の政策あるいは技術革新の動向など大きな枠組みによって変化します、現段階で、ましてや地域レベルでは、長期的な行程表や削減計画を示すことは実効性が乏しいのではないかと考えております。
しかしそうした状況であっても、持続可能な社会への転換のためには温室効果ガスを大幅に削減しなくてはならないという課題は明確であります。かつ国際協調、経済政策、技術革新などの対策を総合的に講じていく必要性もはっきりしております。
  こうした中で、暮らしや産業活動の現場である地域においても、できること、やるべきことに主体的に取り組んでいくことが重要です。
県として、「滋賀県環境総合計画」や関係する行政計画にビジョンの考え方を活かして、施策の中長期にわたる方向性を明らかにしていくほか、ビジョンの中で提案したプロジェクトについても条件の整ったものから施策化を図るなど、ビジョンの着実な実現に向けて責任をもって取り組んで参りたいと考えております。

RDエンジニアリング最終処分場問題について

 次に、RDエンジニアリング最終処分場問題について、知事に伺います。 去る2月4日に、RDエンジニアリング最終処分場において、掘削調査が再開されました。そこで、我が会派は、翌5日に現地を訪問し、視察・調査を行いました。 現場を訪れますと、県の許可容量を超えた、違法埋め立て物で溢れた現場や、油分でまみれたドラム缶の山、異臭と埃が漂う現地をみた時、改めてこの問題の大きさを痛感いたしました。 平成20年度当初予算における最終処分場特別対策事業費で、処分場からの生活環境保全上の支障除去に向けて、対策工の詳細設計への着手や、焼却炉内のダイオキシンの洗浄、事業者等への責任追及、処分場施設管理に対して、県は予算組みをされています。しかし、1月31日に行われました「行政対応検証委員会」での総合評価素案では、「地域からの苦情や情報を検討する姿勢が、県は不十分だった」と県の対応のまずさを指摘しています。近隣自治会の反対による掘削調査の昨年末からの中断や、行政対応検証委員会総合評価素案で同様に指摘があった「県と住民との連携について、処分場周辺は振興住宅地に隣接するなど生活環境への影響を受けやすい立地であり、県には積極的な情報公開と対応への説明責任があった」との内容でも明白な様に、知事は、この地で生活をする住民との信頼関係について、どの様に考えておられますか。 抜本的な解決のためには、県行政が、住民間の調整を積極的に行う必要があり、そのことが何より大事だと考えますが、このことについて、今後、どの様に住民の理解が得られるよう対応していかれるのか、具体策をお伺いします。 次に、違反行為を繰り返したRD社に対しての、県の処分権限の時期についての不適切さや認識の甘さも行政対応検証委員会は指摘していますが、このことについて、県の最高責任者として、どの様に認識しておられるか、所見を伺います。 RDエンジニアリング最終処分場問題の場合、単なる公害問題に終わらせるのではなく、知事が常々おっしゃっておられる、次世代や未来を見据えた抜本的な解決が必要不可欠です。県と市と住民が協働して、「生活環境の再生への対策」を丁寧に創り上げることが、何にもまして肝要と考えます。そのことを申し上げ、次の質問に移ります。

[知事答弁]
 RD最終処分場問題について2点のご質問にお答えさせていただきます。
 まず、RD処分場周辺住民との信頼関係についてどのように考えているのか、また、今後、どのように住民理解が得られるよう対応するのかとのご質問でございます。
 行政対応検証委員会の個別検証を見させていただきますと、RD社による煤煙や悪臭等の苦情に対する対応が十分でないという指摘がされていますが、このような不十分な対応が重なって、県と住民の皆さんとの信頼関係が損なわれてきたのではないかと考えております。
 RD問題が発生してから8年が経過する中、数多くの皆さんにご心配をお掛けしており、県として、信頼関係を回復するよう努めなければなりません。
 このため、県としては、生活環境保全上の支障を除去するための効果的で合理的な対応策を1日も早く講じるとともに、情報を積極的に公開し、あわせて、説明責任を十分に果たしていかなくてはならないと考えております。
 また、検証委員会においても指摘されているように、「職員の意識の研鑽」、「指導監督体制の強化」、さらに「住民の皆さんとの連携強化」について、しっかり取り組んでいく必要があると考えております。


クリーンセンター滋賀について

 次にクリーンセンター滋賀について、知事に伺います。
 「安心と信頼 環境こだわり県にふさわしい施設の実現」に向け、公共関与による管理型最終処分場である、クリーンセンター滋賀が供用の開始をされようとしております。しかし、供用の開始を前に、さまざまな課題が出てきており、我が会派においても、2月12日に現地に調査を行ったところであります。
 国道1号から、クリーンセンター滋賀に向かう南土山甲賀線は、歩道並びにバイパス道路の工事の途中であり、道中には用地未買収地の箇所もあると聞いております。今後の工事完了の見通しはどのようになっているのか。

  

[知事答弁]
 次に、クリーンセンター滋賀についての八点のご質問にお答えさせていただきます。
 まず、一点目の県道南土山甲賀線の工事完了の見通しについてでございます。県道整備については、廃棄物の搬入ルートである国道1号からクリーンセンター滋賀入り口までの約3.6kmの道路整備を行っております。
 このうち、国道1号から唐戸川集落入口までの歩道設置、唐戸川集落を迂回するバイパス整備、およびバイパスからクリーンセンター滋賀入り口までの区間のうち特に見通しが悪い箇所の改良については、地元協議により開業までに完了することとされています。
 国道1号から、唐戸川集落入口までの約1.3qの歩道設置については一部の用地が確保ができておりません。用地の確保ができていないところにつきましては、現状の道路内で暫定的に安全対策を実施することとして、今年の秋に完了の見込みでございます。
 また、唐戸川集落を迂回するバイパス整備については4月中旬、バイパスからクリーンセンター滋賀入り口までの区間のうち特に見通しが悪い530mの改良については5月の中旬に完了する見込みです。
 その他の区間については平成21年度末までに完了することとされており、計画どおり完了する見込みであります。

 また、地元との協議の中では、道路が完成しなければ、供用の開始がされないと仄聞しておりますが、クリーンセンター滋賀の供用開始の時期は、いつごろを見込んでいるのか伺います。

[知事答弁]
 二点目のクリーンセンター滋賀の供用開始の時期でございますが、地元との協議で、開業までに完了することとされている区間の道路整備工事の完了見込みは今年の秋となっております。
 しかし、公社を通じて地元の皆様に道路整備の進捗状況をご説明し、安全の確保に努めることで1日でも早く開業できるよう協議をし、ご理解とご協力をお願いしているところでございます。

 一方で、大津市は、このクリーンセンター滋賀の開業を見越して、大津市の処分場への産業廃棄物の受け入れを3月末で終了しようとしております。4月から営業ができなければ空白期間ができますが、その間の対応をどのようにされるのか伺います。

[知事答弁]
 三点目の大津市の処分場との関係ですが、大津市の処分場を利用されていた排出事業者の方々から受入が出来れば良かったが、それが叶わず残念なことと思うということでございます。
 開業までの間については、個々の排出事業者において処理委託が可能な委託先を選定して適正に処理をしていただくことになります。是非、開業後についてはクリーンセンター滋賀で受け入れられるよう、公社において営業努力をしていただきたいと考えております。
 次に、供用開始後の運用に関してでありますが、当初の見込みでは、廃棄物埋立容量は90万m3、100万トンでありました。しかし、社会環境の変化もあり、循環型社会の実現を目指し、企業ではゼロエミッションを掲げ、廃棄物量の削減に向けて、懸命な努力がなされました。その結果、現在、予測される廃棄物埋立量は15年間で30万トンと大きく減少して、経営の見通しが大きく変わる結果となりました。
 このことは、平成18年9月定例会において、我が会派の山田議員の一般質問に対し、知事が「環境事業公社が最終処分量の動向の見きわめや経営見通し等を十分精査し、確かな経営を確立できるように、ミスマッチが生じないように、適切に対応をしたい」と述べられた答弁に反しております。
 この廃棄物容量の減少への対応も含め、クリーンセンター滋賀の経営の確立に向け、これまでにどの様な取り組みをされてきたのかについて伺います。

[知事答弁]
 四点目のこれまでの取り組みについてですが、産業廃棄物の排出量にかかる最新データを今年度に入って解析したところ、当初の計画量が確保できず2万トン程度の受入れ見込み量であることが明らかとなったことから、それを前提にして経営計画や財務計画のシミュレーションを行なってまいりました。  
 その結果、当初処分料収入によりまかなうこととしていた計画を転換し、県が公共関与を強めて支援することになり、公社の確かな経営を図っていくこととしました。

 また今後、経営を維持していくには、かなりの努力が必要であります。滋賀県内の産業廃棄物量は、どのくらい存在し、民間や県外にどれくらい流れているのか、現在、そのうちどれくらいがクリーンセンター滋賀で処分されると見込んでいるのか。
[知事答弁]
 五点目の県内で発生する産業廃棄物の状況とクリーンセンター滋賀で処分される見込み量についてであります。
 県下で発生する産業廃棄物の最終処分量は、平成17年度には14万2千トンであるが、この内8万7千トンは県外で中間処理されて埋め立てられております。
 残りの5万5千トンのうち2万9千トンが県内で埋め立てられておりますが、排出事業者と県内廃棄物処理業者との間で従来からの取引関係があるため、たちまちこの処分場には受け入れにくいと考えております。
 残りの2万6千トンが県外で直接埋め立てられており、これが主な受入れ対象廃棄物と考えており、これを含めて年2万トンの受入れを見込んでおります。
 排出事業者は県外の他の施設との取引関係があることから、受入量の確保に努めるものの、開業当初はこの受入量も見込めないと考えておりますが、担当部局に対しましては全力で受入量を確保するよう指示しているところでございます。
 また、今後、廃棄物容量を確保していくために、例えば、新名神開通に伴い、新たに滋賀県に多くの企業が立地されますが、そこでの廃棄物は必ずクリーンセンター滋賀の利用を義務づけるなど、滋賀県内で発生した廃棄物は滋賀県内で対応し、県外への持ち出しはさせない方策も考えられますが考えを伺います。
[知事答弁]
 六点目に、廃棄物処理法では、産業廃棄物は排出事業者の責任において適正に処理することとされており、クリーンセンター滋賀の利用は義務づけることはできない、ということでございます。
 しかし、浸出水に対する多重安全システムなど、万全な装備と体制で運営する安全で安心な施設であることを排出事業者にPRし、また、今後県内に進出してくる事業者に十分PRしながら、利用していただけるよう努めてまいりたいと考えております。
 現状のまま推移すると、15年後には当初の3分の1も廃棄物が入らない状況となります。クリーンセンター滋賀の土地は、賃借契約となっており、15年後以降の対応が、新たな課題となります。また、平成20年度にも14億円以上の予算が、環境事業公社等事業促進費に計上されておりますが、どのような内容であるのか、産業廃棄物に関する公共関与の意義も含めて、クリーンセンター滋賀に対する所見を伺い、この項の質問を終わります。
[知事答弁]
 七点目に環境事業公社等事業促進費14億円の内訳についてのご質問でございます。
 処分場本体工事に関わる投資的経費を支援するため、出捐金として約7億4800万円、処分場の管理運営に関する経費を支援するため、短期貸付金として4億6000万円、搬入道路にかかる県道整備として1億5000万円、周辺地域振興事業として約5800万円などでございます。
 八点目についてはクリーンセンター滋賀に対する所見についてでございます。
 県内には民間の産業廃棄物の管理型最終処分場がなく、廃棄物の適正処理や産業基盤の整備、大規模災害時の対応の観点から、公共関与による安全で安心な施設の整備は必要不可欠であると考えております。
 県としては、クリーンセンター滋賀が引き続き環境事業公社により確かな経営が図れるよう、公共関与を強めて支援してまいりたいと考えておりますが、大変財政的に厳しい折でございます。経営についての全力での努力を指示をし、そしてできるだけの財政負担を少なくしたい、そのような覚悟をさせていただいているところでございます。

造林公社問題について

 次に、造林公社問題について、知事にお伺い致します。
 昨年、12月25日に大阪地方裁判所において、第一回の滋賀県造林公社、びわ湖造林公社の特定調停が行われました。農林漁業金融公庫や大阪府・大阪市など淀川下流社員、そして、滋賀県を相手方に理解と協力のお願いを行い、申立ての趣旨と債務処理の考え方の説明をされました。
 そして今年に入り、2月6日に第2回目の特定調停が行われました。これまでの個別交渉も含めて、農林漁業金融公庫ならびに淀川下流社員の反応はどうでしょうか。とりわけ、大阪府知事選挙、大阪市長選挙など、新たな首長が就任されましたが、各自治体の新年度予算における影響はでていないのか、その動向について伺います。
 次に、分収契約している、土地所有者への対応に関してであります。両公社あわせて2,500名あまりの土地所有者に、分収契約の割合を6対4から9対1に変更すべく、分収契約室を新たに設置し、契約変更に向けて取り組みを行われておられます。12月以降の実績と、土地所有者全員への対応の目処はいかほどであるのか、また、収益を期待できない森林は、延長しないとしておられますが、不採算林の契約解除の割合がどれくらいになるのか、お伺い致します。合わせて、これまでに対応された土地所有者の反応を伺います。
 この造林公社に対して、ただ財政の視点からのみで対応してしまうと、森林の荒廃へと導いてしまいます。特に、不採算林の管理等に対し、放置しておくと水源涵養など様々な点において、デメリットが生じてきます。森林の管理はただ森を守るだけでなく、水源涵養の効果により、琵琶湖を生かすことや、CO2の吸収により地球温暖化問題にも効果が生じるなど、さまざまな環境問題に対して効果を得ることができます。昨今、森が注目されており、森林政策を幅広く考える必要がありますが、今後、滋賀県における森林政策の方向性を、また今予算においてどのような位置づけをなされているのか伺い、この項の質問を終わります。

  

[知事答弁]
 次に、造林公社問題について3点のご質問にお答えさせていただきます。
 第1点目の交渉等における反応および各自治体の新年度予算への影響でございます。
 まず、特定調停についてですが、第1回目が昨年の12月25日、第2回目が本年2月6日に開かれました。これらの期日に合わせて、必要に応じて、農林漁業金融公庫ならびに下流社員と個別に交渉を行ってまいりました。
 その中で、農林漁業金融公庫については、従来からも申し上げておりますように、公社の伐採収入の範囲内でお返しできないものについては、最終的には滋賀県が損失補償契約において責任を果たさなければならないところであると考えており、正に、その損失補償の履行のあり方についての話し合いが現下の最大の課題となっております。
 現在のところは、残念ながら、交渉が進展しているとご報告させていただける状況ではございませんが、県としては、公社再建と適正な森林管理のため、引き続き粘り強く交渉を進め、公庫のお知恵やノウハウも御教授いただきながら、県の財政的体力において対応可能な解決に向けて努力してまいる覚悟でございます。
 下流社員からは、基本的には全額の償還や滋賀県からの支援の要望が強く出されております。琵琶湖の水源確保という公社設立の趣旨に賛同されて社員に加わっていただいた経緯や、公社による適正な森林整備を図るためには、下流社員の皆さんのご協力が必要であることなど、お話をさせていただいております。
 中には、伐採収入の範囲内で償還させていただくという特定調停の中での債務圧縮に、ご理解いただいている団体がある一方で、依然として慎重な団体もございます。そのことから、引き続き、全下流社員の方々にご理解を得るべく、協議・調整を重ねてまいります。
 次に、各自治体の新年度予算における影響ですが、兵庫県、神戸市、尼崎市、西宮市、伊丹市ならびに阪神水道企業団の6団体は、公社との金銭消費貸借契約において、既に弁済期が到来している債権があり、平成16年度の償還から猶予していただいている状態にありますが、20年度においても引き続きご迷惑をおかけすることになるものと認識しております。
 こういった状況を速やかに解消するためにも、1日も早い特定調停の成立を希望しているところでございます。
 なお、造林公社問題は、執行部と議会の皆さんが協力し、総力を挙げて取り組まなければ解決が困難な負の遺産であるとも認識しておりまして、特定調停の場以外でも、それぞれのチャンネルを通じて、下流社員のご理解を得る必要があると考えております。
 大井議員の所属会派におかれましても、是非ともご協力いただけましたら大変ありがたいと思っております。
 次に、契約変更に向けての取り組み実績と、土地所有者全員への対応の目途でございます。
 滋賀県造林公社、びわ湖造林公社合わせて約2,500人の土地所有者の内、平成19年度末までに、まず半数の1,200人の方々とお話を聞いていただく計画のもとに進めております。
 その実績ですが、2月20日現在では、436件、36.3%の進捗となっております。
 公社では、今年に入って、分収契約室だけでなく公社職員一丸となって、所有者との話し合いに臨んでいただいており、目標達成に向けて、鋭意努力しております。
 なお、土地所有者全員の対応の目処につきましては、来年度、平成20年度中に全員の方とお話をし、ご理解いただきたいと考えております。  特定調停に当たりましては、不採算林の割合を、滋賀県造林公社で34%から63%、びわ湖造林公社で21%から57%と試算しておりますが、今後の調停を通じて経営改善計画が合意される中で、契約解除となる割合が確定していくものであることをご理解賜りたいと思います。
 従って、公社としても、所有者の皆さんとは、まず分収割合の見直しを先行してお話しをさせていただいているところです。
 なお、これまでに対応していただいた土地所有者の方々の反応ですが、まず1点目は「公社造林は国策で実施したものであり、国の支援が必要。」というご意見をいただいております。また2点目ですが「公社の経営努力で収入を上げるべき。」というご意見。3点目には「分収割合変更の話はまだ伐採まで長い期間があり、もっと後でもよいのではないのか。」というご意見。そして4点目ですが「森林が公益的機能を発揮していることをもっと社会的に強調するべき。」というご意見などいただいております。
 どれも所有者の皆様からすれば当然のことであると受け止めておりまして、いずれも、国を初めとした関係機関の支援、公社自身の経営努力などによって、解決できる課題であると理解をしております。
 次に、森林政策を幅広く考える必要があるが、今後の滋賀県における森林政策の方向性、また、予算においてどのように位置づけているのかとのご質問でございます。
 議員ご指摘のとおり、公社問題は単に債権・債務の問題としてではなく、適正な森林の整備を図っていく上で、解決しなければならない問題です。
 滋賀の森林は、琵琶湖の豊かな水をはぐくみ、人々の暮らしに潤いと安らぎを与える、県民共通の貴重な財産です。
 県においては、先程来申し上げておりますように、琵琶湖森林づくり条例の施行、ならびに、琵琶湖森林づくり基本計画を策定しまして、琵琶湖と人々の暮らしを支える森林づくりができるよう施策の総合的な推進を図るため、環境に配慮した森林づくり、県民協働による森林づくり、森林資源の循環利用、次代の森林を支える人づくりに基づく施策を進めようとしております。
 平成20年度予算においては、本県の厳しい財政状況を反映したものとなっておりますが、従来からの林野公共事業、担い手対策、県産材利用等の各種事業に加えて、森林づくり県民税を活用して、環境重視と県民の参加と協働の森林づくりに重点をおいた事業を車の両輪のごとくとして進めております。
 中でも森林整備においては、間伐を最優先に位置づけた事業展開を図るなど、事業内容ならびに実施箇所の優先順位に留意しながら、より効果的で効率的な事業の執行に努めていくとともに、新たな施策として、農地や漁場と一体となった森林において、水源を確保するために間伐を行う水源確保森林整備事業の実施、あるいは二酸化炭素の固定という観点からの積極的な間伐材の利活用を促進するための搬出路整備などにも取り組むこととしております。
 厳しい財政事情の中ではありますが、引き続き、琵琶湖と私たちの暮らしを支えるかけがえのない滋賀の森林を健全な姿で未来に引き継いでいけるよう努めてまいります。


安心して出産、子育てできる環境について

 次に、安心して出産、子育てできる環境について、知事ならびに澤田副知事に伺います。
 安心して出産・子育てできる環境の確立は、非常に大切です。子どもは未来の希望。私たちは「子育て環境日本一」を掲げ、多くの皆さんにご支持をいただきました。「社会で子育てを支える」を基本構想の重要テーマとしておられる嘉田知事も、安心して出産・子育てできる環境の実現への思いは、共有していただいていることと思います。
 乳幼児医療費助成の削減が与えたインパクトをしっかりと受け止め、子育て中の親御さんの気持ちに寄り添い、全体として、出産・子育て環境をどのようにして、安心安全にしようとしておられるのか。病気など「もしも」の時にすぐに安心できる医療など、特に、命に関わる出産・周産期医療、乳幼児医療に関わる分野は、県として、しっかりと取り組んでいくべきと考えます。例えば、産科医の確保、乳幼児医療の充実など、小児医療の崩壊の危機的な状況が広がっている中、県民に安心・安全な医療を提供できる体制。また、子育て中の方々が、医者にかかる前の相談体制を充実することにより、すぐに医者に行かなくても対応できる、医者頼みにならない体制の強化。満足なお産を支え、妊娠から出産後の母子保健に関わる助産師の活用、虐待防止にも繋がる出産・育児の不安への対応、きめ細かな相談体制、身近な幼稚園や保育園などでの妊娠中からのフォローなど、子育て家庭を孤立させない仕組みが必要と考えます。
 また、子育て支援の取り組みとして、放課後児童クラブ(学童保育)や病時保育の充実など、ワーク・ライフ・バランスに配慮した、仕事と家庭の両立支援。自閉症、軽度発達障害など、教育現場でのきめ細かな対応、「生きる力」を育む体験学習の場としてだけではなく、協働を支えるボランティアリーダーを育てる荒神山少年自然の家の存続と活用など、子どもの育ちを支える環境づくりの取り組みが大切と考えます。
 一方、これ以上、子育て家庭に経済的負担の不安を抱かせない為に、これ以上の削減を許さない、乳幼児医療費助成制度の安定的運営の約束。更には、経済的支援として、今後、子育て保険制度の検討と導入を国へ要望するなどの取り組みも必要と考えます。
 12月議会での民主党・県民ネットワークの代表質問に「子によし、親によし、結果として世間によしの子育て三方よしのメッセージ、また、事業、施策を組み込みながら、安心して子育てのできる社会の実現に全力で取り組みたい」と答弁されました。どのように安心の出産・子育て環境のために、出産環境の充実、また、社会全体で子育てを支える体制の確立に取組もうとされているのか。具体的に20年度予算にどのように反映されたのか、安心の出産・子育て政策への決意と併せて知事に伺います。

  

[知事答弁]
 次に、安心して出産・子育てできる環境についての2点のご質問にお答えさせていただきます。  
 出産環境の充実や社会全体で子育てを支える体制の確立について、20年度予算にどのように反映したのか、その政策への決意と併せて伺う、とのご質問でございます。  
 出産環境の充実については、「子どもが『生まれる前から・生まれる時・生まれてから』守る」というシームレスな視点で取り組むものとしております。  
 具体的な内容としましては、子どもが生まれる前からの妊婦支援事業といたしまして、マタニティーマークの普及や、妊婦健診の受診を呼びかけるなど、妊婦自身の健康管理と周囲の理解を促すとともに、男女ともに思春期の時代から命の生まれる学びの場として、助産師による健康教育を行い、妊娠についての正しい知識の普及に努めることとしております。  
 また、生まれてからの啓発といたしまして、乳児の事故防止のために、パネルを 作成し、市町の乳児健診等での啓発も行っております。  
 さらに医療面では、生まれるときの対策といたしまして、周産期の連携システムの検討や緊急搬送にかかるコーディネーターの設置、地域周産期母子医療センター運営費補助など医療体制の充実・強化を行いまして、乳児死亡率の改善を図ってまいります。あわせて、「小児救急医療対策事業」は、休日夜間における小児救急医療体制を確保するため、各2次医療圏域の拠点病院・輪番制病院に対して支援するとともに、「小児救急電話相談事業」あるいは「保護者を対象とした啓発事業」を実施し、必ずしも医療だけに頼らない賢明なる親が育つような形での適切な医療機関の選択と利用の支援に努めてまいりたいと考えております。  
 次に、社会で子育てを支えるためには、地域の子育て支援拠点の設置促進や、利用しやすい保育所づくり、放課後児童クラブ、いわゆる学童保育の充実支援など、公助として子育てを支える基幹的な施策について、予算額の増額も含め、必要な事業費を確保しております。  
 一方、共助という部分では、失われつつあるかつての地域のつながりを、今の時代に合った仕組みとして再構築し、子育て支援に生かそうとさせていただきます。子育て家庭が身近な相談場所として登録した「私の保育園」の活動に地域の人材をサポーターとして活用し、社会全体で子育てを支える仕組みの検証を行います「地域力を生かす子育ての”わ”づくり」研究事業にモデル的に取り組んでまいります。  
 加えて、「社会で子育てを支えるしが」検討事業としましては、県民の意識やニーズの把握を行い、各界の知恵を集めながら、今後の施策の在り方について県民的議論を行うことにも取り組んでまいります。  
 いずれも、共助の考え方に基づき、地域社会、あるいは県民をあげて子育てを支えていくための仕組みづくりに向け、実際のサービス提供を含めた研究を行い、県民の皆さんの生の声を踏まえて検討を進めていこうというものです。  
 こうした取組を進めるためにも、皆さんの理解・共感が不可欠であり、「子によし」、「親によし」、そして「世間によし」の「子育て三方よしキャンペーン」、あるいは「子ども未来基金」、「子育て応援団」等を通じ、子育てを支える気運の醸成にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  
 子どもや家庭に対する県民の本来の夢や希望が、子育ての負担感や不安感で損なわれている。この実態に対してしっかりと対応していくために、「子どもを生む力、育てる力、育つ力。損なったらもったいない」と、確固たる決意を持ち、社会全体で子育てを支える方向を目指していきたいと考えております。

 乳幼児医療費助成制度については多くの要望がありますが、国の医療保険の制度が平成20年4月から変更になり、保険での8割給付の対象が、今までの3歳未満から就学前までに引き上げになります。この制度変更により、県の負担軽減はどれくらいと試算をしておられますか。国でも、重要施策として推進されています。本県でも、理想より少ない数の子供しかもてない一番の理由は、経済的負担が重いということであります。喫緊の課題である少子化対策としても、乳幼児医療費助成が望まれます。乳幼児医療費助成は、財源のみで語られる政策でしょうか。これは、命の問題です。今後の乳幼児医療費助成の取り組みについて、マニフェストに無料化を掲げられていた知事に思いをお伺いいたします。

[知事答弁]
 次に、乳幼児福祉医療費助成事業について、保険給付の拡大による県の負担軽減にかかる試算額と、今後の取り組みについてでございます。  
 乳幼児福祉医療費助成につきましては、平成20年度当初予算案では約8億5千5百万円を見込んでおりまして、平成19年度当初予算額の約9億2百万円に比べ、約4千7百万円の減となっております。  
 このうち、平成20年4月から、保険で給付される割合が8割となっている対象年齢が、議員ご指摘のように3歳未満から小学校就学前までに引き上げられることにより、県の負担軽減は約1億5千万円と試算しております。  
 一方、助成件数の伸びなどによる増が、保険給付割合の拡大による軽減額とほぼ同額程度になるものと見込まれております。
 県全体の財政が非常に厳しい中で、乳幼児福祉医療費助成制度は制度としてぜひとも維持したい、そのためには一部負担金の引上げ、県民の皆さんに広く、薄く負担をお願いすることにより制度の屋台骨を維持していきたい、との思いで大変苦しい選択をさせていただいたところです。  
 予算編成過程において精査する中で、入院にかかる一部負担金の上限額は現行の月14,000円のまま据え置くことにより、多額の医療費負担とならないよう軽減する制度本来の目的を維持しまして、セーフティネットを確保するため、ぎりぎりの判断をさせていただいたところです。  
 また平成20年度当初予算案においては、乳児死亡率の改善に向けて医療体制の充実・強化を図るなど、子どもの命を守るための予算も組んでおりまして、先ほど来申し上げておりますようなご理解をお願いしたいと思っております。

 安心して子育てのできる社会の実現には、庁内各課が市町や関係団体と連携し、県が全力で取組むことが望まれます。絵に描いた餅にならないよう、今後、どのように「社会で子育てを支える」ための取り組みをなされるのか、実効性のある取り組みについて、滋賀県子ども・青少年施策推進本部長の澤田副知事にお伺いし、次の質問にうつります。

[澤田副知事答弁]
 安心して出産・子育てできる環境についての御質問のうち、「社会で子育てを支える」取組についてお答えをいたします。
 子ども・青少年施策推進本部におきましては、庁内43の関係課が情報や視点、問題意識を共有いたしますとともに、関係部局間、また、それぞれの分野における市町や関係団体との連携を図りながら、総合的な施策を進めております。
 予算の編成段階におきましても、本部といたしまして、平成20年度の取組方針を定め、これに沿って事業を立案し、334事業、約208億円の総事業費からなる施策を取りまとめたところでございます。
 特に、重点的な取組といたしました「社会で子育てを支える」につきましては、5つの柱を掲げ、部局連携のもとで予算化に努めたところでございます。
 その1つ目の柱は、ワーク・ライフ・バランスに配慮した仕事と家庭の両立支援でございます。
 新たに、企業の取組を促進する事業や、経済団体等との協働による調査研究を実施するなどの事業に取り組んでまいります。
 2つ目の柱は、子どもと子育てに対する社会的理解の推進でございます。
 子育て家庭へのサービスの提供等に取り組む事業所の登録を推進するほか、新たに、「社会で子育てを支える」気運の醸成、世論の喚起を図る事業に取り組んでまいります。
 3つ目の柱でございますが、いのちにかかわる乳幼児・周産期医療や児童虐待防止等の課題への対応でございます。
 乳幼児死亡率の改善、小児救急医療対策等のほか、児童虐待の防止について、本年11月、本県におきまして「子どもの虐待防止推進全国フォーラム」が開催されることとなりまして、これに併せまして、子どもの虐待防止に向けたメッセージリボンでございます「オレンジリボン」による広報啓発等を行ってまいります。
 4つ目の柱は、地域の人材、資源による、すべての子育て家庭に対する支援の仕組みづくりでございます。
 子育ての不安感、負担感の緩和を図り、社会全体で持続的に子育てを支える仕組みづくりの実証を行う事業等に取り組んでまいります。
 そして、5つ目の柱といたしましては、大きなエネルギーを持つ青少年の自己実現を社会の喜びへと導く施策でございます。
 近年、不安定な就労状況や人間関係が希薄化した地域社会の中で生活をしております青少年の社会性や自立性を育むため、新たに、「出会い発見!青少年応援事業」を行います。
 以上の取組につきましては、いずれも、庁内関係部局の連携はもとより、県民をはじめ、市町や関係団体、企業、NPO等とともに汗を流す協働が求められるものでございます。
 関係部局間の連携につきましては、これまでから情報や方針の共有を図っておりますが、新年度の取組につきましても、その趣旨を徹底してまいりたいと考えております。
 また、平成20年度の施策の立案に際しましては、子育ての現場に出向きまして、子育て支援のNPOの関係者の方、保育施設の職員の方、市町の職員の方等との意見交換を行いながら検討を進めてまいりましたが、事業の実施に際しましても、このような手法も含め、市町や関係団体の意向を十分に踏まえ、子育て現場に密着した形で進めるなど、その実効ある取組に努めてまいりたいと考えております。

障害者自立支援法の課題について

 次に、障害者自立支援法の課題について、知事に伺います。
 「障害者自立支援法」は平成18年4月に施行され、10月から本格実施されましたが、従来の障害者施策を大きく転換させるものでした。
 障害のある人もそうでない人も、同じ地域で暮らせる「自立と共生」の社会づくりを目指したものですが、実際は「障害のある人の自立を支援するといいながら、公的支援に頼ることのない自立を求める、即ち、支援費制度で膨らんだ障害保健福祉関係経費の抑制を図る」という障害者にとっては、非常に冷たい法律であるといわれております。
 滋賀県には、身体・知的・精神障害を有している人が、県民の約6%に相当する8万5千人程度おられます。
 先日、守山市にあります知的障害者更生施設「蛍の里」、この施設は50人収容ですが、現地調査を行い家族会の方々とも意見交換を行いました。  
 「障害者自立支援法」の施行にあたり、滋賀県では、制度内容にいくつかの問題点があることから、「国に対して制度改善の提案」を行うとともに、市町と一体となった緊急プログラムを実施され、また、国においても問題の大きさから「障害者自立支援法円滑施行特別対策」を実施されていますが、障害者本人や家族または施設経営にとって、大変厳しい現場認識から、以下、伺います。  
 障害者自立支援法は介護保険制度との統合を前提にした制度設計から、「応益負担」が導入されたものといわれています。介護保険対象者である高齢者は、ある程度の資産や所得を有しておりますが、生まれながらにして障害があり、家族の援助により生きてきた障害者には、全く所得を得る手段がなく、この両者を同一の次元で考えることには大変な矛盾があります。「障害者の応益負担」については、極力薄める必要があると思いますが、どのように考えておられるのでしょうか。

  

[知事答弁]
 まず、1点目の応益負担についてで、障害者自立支援法で導入された利用者負担の仕組みは、医療保険や介護保険などわが国の社会保障制度全般に共通する「定率負担」を基本とするものであり、安定的な制度運営から必要なものと考えております。  
 しかしながら、障害者の生活実態に即し、負担能力に応じて、障害者や家族にとって過大なものとならないよう、適切な配慮が必要でございます。  
 そのため県では、利用者負担に関する低所得世帯への対策を講じることとし、月額負担上限額が当初7,500円であったものを、就労して得る収入よりも負担する利用料の方が多いということもあり、本県独自の緊急プログラムで平成18年10月分から半額の3,750円に引き下げました。  
 国も特別対策により見直しをし、平成19年4月から同じく3,750円となりました。  
 さらに、今般、国が7月から実施し、恒久的な対策として打ち出した措置では、1,500円とされております。
 これらの対策によりまして、当初の低所得者負担上限月額15,000円が、その10分の1まで軽減されることとなり、負担感の一定の解消が図られるものと考えております。

 障害程度区分認定や審査会の判定に対する市町間格差があります。障害程度区分は、給付金額にかかる非常に大事な問題であり、また、制度に対する信頼を高めるためにも、公平性・透明性が強く求められています。認定調査から支給決定までを市町業務として行われておりますが、県において、認定調査員・審査員の研修を十分に行うとともに、国に対して判定の基準の明確化を要望する必要があると考えますが、如何でしょうか。

[知事答弁]
 次に、2点目の障害程度区分認定の市町間格差についてでございます。  
 制度の信頼の根幹は適正な認定であると考えておりまして、本県では、客観的かつ公平・公正に障害程度区分認定の事務が行われるよう、認定調査を行う各市町の職員や審査会委員等への研修を年2回程度実施し、併せて市町や福祉圏域等においての研修実施を要請しております。  
 さらに、今年度は、障害福祉サービスの実施主体であります県下26市町に対して、認定調査の状況を確認するなど実地指導を行い、市町間格差のないよう努めております。  
 障害程度区分認定は、平成22年4月に制度見直しが国においても予定されていることから、公平な判断基準となるよう、国に求めていきたいと考えております。

 また、認定調査にあたって三障害を一元化されていますが、それぞれの障害に応じた基準や方法を適用すべきであると考えます。例えば、運動機能に障害のある人と、知的機能に障害のある人を同じ基準により判定するのは無理ではないでしょうか。特に、知的障害者においては、特記事項で判断されるケースが多く、当然調査票の記載の上手下手で判定が違ってくることになります。このような認定調査の課題に対して、どのように認識されているのか伺います。

[知事答弁]
 次に、2点目の障害程度区分認定の市町間格差についてでございます。  
 制度の信頼の根幹は適正な認定であると考えておりまして、本県では、客観的かつ公平・公正に障害程度区分認定の事務が行われるよう、認定調査を行う各市町の職員や審査会委員等への研修を年2回程度実施し、併せて市町や福祉圏域等においての研修実施を要請しております。  
 さらに、今年度は、障害福祉サービスの実施主体であります県下26市町に対して、認定調査の状況を確認するなど実地指導を行い、市町間格差のないよう努めております。  
 障害程度区分認定は、平成22年4月に制度見直しが国においても予定されていることから、公平な判断基準となるよう、国に求めていきたいと考えております。
 次に、入所施設における報酬算定が月額から日額制に変更されました。このことは、施設経営の根幹にかかわるものであり、施設の維持管理、職員の削減、それによるサービス低下をきたすことになります。冷暖房すら十分に確保できない、入浴、洗濯などの日常生活にも支障が生じている状態でありますが、本来このような施設は、入所者にとっても家族にとっても安心して暮らせる施設であるべきであると思います。
 職員についても、パート職員をはじめ、最低限の人員で運営され、休日すら満足にとれない状態であり、施設長自ら3K職場であるといわれています。
 当該入所施設は、入所者にとって安心して暮らせる場であり、医療や介護保険における一時的な収容とは別のものとして考えるべきであり、再び、以前の月額制に戻すよう、国に対して要望すべきであると思いますが認識を伺います。

[知事答弁]
 4点目の報酬算定の日額化についてでございます。  
 施設の報酬基準の算定については、これまで月額でなされていたところ、障害者自立支援法の施行により、日額となり、また入所施設については、日中活動支援と居住支援が分けられたことにより、利用者は日中活動の場と住まいの場をそれぞれ選択できることとなりました。  
 このことにより、利用者のニーズに応じて、日ごとに異なる日中活動の場を選択することが可能となり、また、入所施設を利用している人も、昼間と夜間のサービスをそれぞれ別の施設で利用することが可能となるなど、利用者にとって、サービスの選択肢が大きく拡充しました。  
 こうした仕組みは、入所施設から地域生活への移行を促進し、地域で普通の暮らしができるようにするために必要と考えおりまして、日額の仕組みのもとで継続的に安定した施設運営ができるような報酬水準となるよう、引き続き国に対して要望していきたいと考えております。

 一方、無認可作業所等について、法定事業への「新法移行支援(滋賀)戦略」が進められておりますが、事務的体制等が困難で、作業所自体を廃止されるところもあると仄聞しております。移行に伴う問題点について、どのような課題があるのか、またそのサポート体制について、どう対応されているのか伺います。
[知事答弁]
 次に5点目の、無認可作業所の移行に伴う課題とサポート体制についてでございます。  
 小規模で運営基盤の弱い無認可共同作業所について、安定的運営ができる法定事業への移行を推進するため、共同作業所に対し、移行検討状況のアンケートを行ったところ、指定手続等の実務の煩雑さや、事業の経営上の不安、施設・設備の拡充などが課題となっていることを把握しております。  
 こうした移行への課題解決のため、平成19年10月より、障害者自立支援課内に、移行支援相談窓口を開設し、個々の相談支援にあたっております。  
 また、県内各福祉圏域で、共同作業所と県・市町の意見交換を行ったほか、事業所開設手続きや会計事務などの研修会を福祉関係団体とともに、5回のべ23日開催いたしました。  
 さらに、実務経験豊富な移行推進コンサルタントやアドバイザーの派遣により継続的な支援を行うとともに、中小企業家同友会からの助言指導や、企業を退職された方など地域の人材による営業等の経験を活かしたサポート体制を作り、きめ細やかな対応を行っております。  
 あわせて、事業拡充のための増改築への施設整備補助や、菓子製造・販売のための厨房設備、営業車両購入などの就労訓練設備補助を実施し、ハード面での支援も行っております。  
 今後とも、共同作業所の運営基盤の強化を図るため、県、市町、関係者が一体となって移行推進に取り組む考えでございます。
 滋賀県の「緊急プログラム」、国の「特別対策」いずれも平成20年度末までとなっていますが、仮に、これらの特別対策が中止された場合、県下の多くの施設は経営困難に陥ることは明らかであり、以後も続けていくべきであると考えます。また、同時に国に対しても引き続き実施するよう要望していくべきであると考えますが、お考えを伺います。
[知事答弁]
 次に、国の「特別対策」の継続についてでございます。  平成21年度から障害者自立支援法が抜本的に見直されるにあたり、国の「特別対策」や県の「緊急プログラム」の必要がないような制度に向け、県としては実態把握に努めるとともに、施設が継続的に、安定した運営ができるよう、引き続き知事会などの機会をとらえて、見直しがされるよう強く働きかけてまいります。

中小企業振興施策について

 次に、中小企業振興施策について、知事に伺います。  
 現在、滋賀県産業新指針の見直し作業が行われ、この新指針の中には中小企業振興についても、その施策が盛り込まれています。  
 一方、帝国データバンクの調べによると、今年一月に県内で負債1千万円以上を抱えて倒産した企業は13件と、件数は四ヶ月連続で10件以上を示しています。調査によると、中小・零細企業での多発が依然として続き、景気低迷による業況不振から、金融債務に苦しんでいるケースが目立つということです。  
 県は、これまでの産業振興新指針の中で、「3KBI」を掲げた新産業の方向を示しておられますが、産業振興新指針が想定するほどの新産業の創出は見られず、依然として創業数が低迷しているのが現状です。こうした状況を踏まえ、中小企業振興という観点から、産業振興新指針をどのように評価しておられるのか伺います。  
 私たちは、中小企業振興には、中小企業家の自主努力が最も大きな要素であると思います。それに加え、中小企業を支援する行政・地域・大企業・学術研究機関といった中小企業を取り巻く様々なセクターとの連携を、今以上に高める必要があると考えます。「中小企業が元気になることが、地域も元気になるということ」をそれぞれのセクターが認識しあいながら、施策を進めていくことが重要だと考えます。  
 そうした認識の上に立って、議会においても、中小企業振興を図るための理念条例の制定に向けて議論を深めているところでありますが、中小企業振興に対する県の姿勢をあらためて伺います。  

  県内で、昨年1年間に負債1千万円以上を抱えて倒産したのは166件に上ることが、民間信用調査会社「東京リサーチ」滋賀支店のまとめで分かったと報じられております。それによりますと、負債総額は約203億7,900万円と、集計を始めた1952年以降、12番目に低い水準です。中小零細企業の倒産が目立ち、年間の件数は、過去最多となったということであります。  
 こうした厳しい経済環境の中で、滋賀県は、中小企業振興に向けた明確なメッセージを出すべきであると考えます。事業所の99%を占める中小企業の振興は、地域振興とイコールであり、中小企業の振興が本県の活力を左右します。  
 滋賀県は、国の産業振興策をなぞるような振興策で満足するのではなく、本県独自の中小企業振興のために、地域が一丸となった中小企業振興の理念を掲げ、商工観光労働部の枠にとらわれることなく、中小企業が抱える課題・問題点をしっかり把握する調査に基づき、中小企業自身のやる気を引き出す施策を進めるべきだと考えます。中小企業振興についての所信を伺います。

  

[知事答弁]
 中小企業振興施策についての3点のご質問にお答えいたします。  
 まず、新産業の創出について、依然として創業数が低迷している現状であるが、こうした状況を踏まえ、中小企業振興の観点から、産業振興新指針をどのように評価しているかとのご質問でございます。  
 経済のグローバル化やIT化、科学技術の急速な進展など社会経済環境の大きな変化や低迷する経済状況を踏まえ、平成15年3月に策定しました「滋賀県産業振興新指針」では、「自律型・創造型産業構造への転換」を基本理念に、環境、健康福祉、観光、バイオ、ITの時代を先んじる新規成長産業、いわゆる「3KBI産業の創造」を基本戦略の柱の一つに掲げ、取り組みを推進してまいりました。  
 その結果、「県版経済振興特区制度」を核として、琵琶湖南部エリアにおいては、環境やIT産業などで、また、長浜市では、バイオ産業で大学と連携した取り組みが進んでおり、大学発のベンチャー企業が育っております。  
 また、高島市においては、琵琶湖や里山を舞台とした観光産業の取り組みがスタートしております。  
 こうした新規成長分野の取り組みにつきましては、研究開発段階から事業化までのそれぞれのケースによって、その取り組みや成長度に差が見られるものの、時代を見すえた新しい産業の芽は根付きつつあると認識しております。  
 また、中小企業の新規創業や経営革新による体質強化に向けた取り組みにより、経営革新計画の認定数や、新事業展開等における産学官連携による共同研究数も大幅に増加するなど、競争力の強化も図られてきました。  
 しかし、県内地場産業をはじめとする中小企業においては、産業構造の変化や地域間競争の激しさなどを背景として、海外からの低価格製品の流入の影響を受けるなど、依然として厳しい状況にあります。  
 こうしたことから、新指針の改定にあたっては、基本的視点として「中小企業の力強い成長に向けての基盤強化」を掲げ、中小企業が持っている多様性や創造性を最大限に活かすことにより、中小企業が本県の産業・経済の中心的な担い手としてさらなる成長が図られるよう、商品開発段階から販路開拓まで、それぞれの段階に応じた切れ目のない支援に努めてまいります。  
 次に、中小企業家の自主努力に加え、取り巻く様々なセクターとの連携を高め、施策を進めていくことが重要であるとの認識に立って、中小企業振興に対する県の姿勢を伺うというご質問でございます。  
 地域経済の活性化には、社会や経済構造の変化に柔軟に対応し、足腰の強い中小企業の持続的な成長、発展が必要でございます。  
 そのためには、中小企業がやる気をもって、創造的な取り組みを主体的に展開されることが重要でありまして、それを支えるそれぞれの主体が役割を十分認識しながら、効果的に連携を深め、実践していくことが必要です。  
 そこで、平成16年度に、経済団体、学識者、行政のメンバーによります「滋賀県産業振興推進会議」を設置しまして、産業・雇用に係る地域戦略課題について評価・検証しながら、産業振興施策を推進しております。  
 中小企業に対する支援は、中核的な支援機関である財団法人滋賀県産業支援プラザと商工会議所・商工会など、各地の関係団体・機関が連携しながら、既存の中小企業の振興ならびに新事業創出に向けた研究開発段階から事業化に至るまでの支援策を総合的に展開してまいります。  
 今後とも、経済界、大学、行政、支援機関などが持てる力を結集し、これらの主体が協力しつつ、やる気のある中小企業の創造的な事業展開を支援し、持続的で力強い本県経済の実現を目指してまいります。  
 さらに、3点目の本県独自の中小企業振興の理念を掲げ、商工観光労働部の枠にとらわれることなく、中小企業が抱える課題・問題点をしっかり把握し、中小企業自身のやる気を引き出す施策を進めるべきとのご意見でございます。  
 本県独自の中小企業振興の理念につきましては、中小企業が、経済のグローバル化による産業競争力の向上などの今日的課題を克服され、新たな発展を遂げていかれるよう、本県産業振興の戦略方向を示す新指針において、「創造型・自律型産業構造への転換」を基本理念に据えております。  
 この理念のもとで、地域特性を最大限活かした「県版経済振興特区制度」や中小企業の技術開発と事業化を加速するための「プロジェクトチャレンジ事業」などの本県独自の産業振興施策の展開を図り、本県産業の力強い発展を推進してまいります。  
 本県の中小企業振興施策が、中小企業が抱える課題・問題点を把握し、効果的・効率的なものとなるよう、事業者ニーズや経済情勢を的確に分析の上、現実の産業活動に即した機動的な施策推進を図っていくことが重要でございます。  
 このため、企業経営者をはじめ、支援機関などで産業活動に直接関わっておられる方々で構成しております「産業新指針ウォッチャー」との意見交換などを踏まえ、中小企業振興施策を展開してまいります。  
 今後は、この「ウォッチャー」制度をはじめ、産業界や大学などから様々な機会を通じてご意見やご提言などをいただき、中小企業振興に向けて課題やニーズを把握するとともに、迅速かつ適切に対応してまいりたいと考えております。  
 中小企業振興施策の推進に当たりましては、経済界、大学、行政などの連携・協力はもとより、県の関係部局も緊密に連携し、効果的な施策の展開を図り、滋賀から力強い産業の創出、振興を図ってまいります。


食の安全について

 最後に、食の安全について、知事ならびに教育長にお伺いします。
 中国製冷凍ギョウザの中毒事件を機に、改めて「食の安心・安全」に対する県民の関心が高まっておりますが、昨年来、続いている食品偽装問題も含めて早急な行政対応の整備が求められているところです。
 報道機関等の世論調査の結果を見ましても、行政の対応について責任を果たしていない、という回答が半数を超えております。
 国では、内閣府の国民生活審議会が、食品表示に関する関係法令の一本化や賞味期限表示の見直し、消費者情報を集約するデータバンクや分析官の設置など提言する報告書がまとめられているところです。消費者重視の行政や省庁ごとの縦割り行政の是正、そして何より、国の関係機関、県・市町などの地方自治体間の速やかな連絡など、行政対応の整備が求められるところであります。
 このように「食の安全・安心」が強く求められている中で、滋賀県では食の安全確保に向けて、どのように取り組んでいるのか。また、今回の事件も含めて健康危機に対する行政対応は、滋賀県ではどのようになっているのか。そして、健康危機に関する情報は、病院・診療所、薬局、市町の保健センターなど、県民に一番近い位置にいる情報が、最も重要であると考えられますが、医師会や薬剤師会などの関係団体や市町との速やかな連携体制などがしっかり構築されているのか、知事に伺います。

  

[知事答弁]
 昨今の中国産冷凍ギョウザの中毒事件や偽装表示の問題などが、毎日のように報道され、食に対する信頼が大きく揺らいでおります。
 食は命の糧なりと言われるように、食料は人間の生存になくてはならない必要不可欠なものでありまして、食品の安全、安心が損なわれるという事態はあってはならないものです。
 このため、県では、平成16年度に「食の安全・安心アクションプラン」を策定し、生産、製造から流通、消費に至るまで県民の健康を守ることを最優先とした総合的な食品の安全確保を図るための事業を実施してきたところでございます。具体的には、農産物等の生産段階では、農薬の適正使用の徹底、環境こだわり農業の推進や、牛肉をはじめとする畜産物、農産物の生産履歴確認システムの導入、推進等に努めてまいりました。
 製造、販売段階では、食品衛生法に基づき、毎年度、食品衛生監視指導計画を定め、営業施設に対して、食品の適正表示や食中毒発生防止等を目的とした立入検査、食品の添加物や残留農薬の検査を実施しております。
 また、平成18年4月に、宇宙食の開発から生まれた高度な衛生管理手法とされておりますHACCP(ハサップ)システムの理念を取り入れましたS−HACCP知事認証制度を創設し、食品事業者による自主的な衛生管理の高度化に取り組んでおります。
 さらに、3点目の消費段階でございますけれども、県民の視点に立って、県のホームページやメールマガジンで食の安全に関する情報を提供し、食への知識と理解を深めるとともに、県民参加型のシンポジウムの開催や県政モニターによるアンケートを積極的に行い、県民の意見を施策に反映しております。

 また、今回のように、外国からの輸入食品の安全性を問われる事件が発生すると、消費生活にも大きな影響が表れます。我が国の食料自給率が、カロリーベースで39%という状況の中で、国内産より安価な輸入食品の使用が余儀なくされ、先ほどの世論調査でも行政に対する要望として「食料自給率を高める」ことが当然多くなっております。食の安全確保のためには、食料自給率の向上や地産地消の推進が強く求められるところです。現時点では、まだまだ多くの輸入食品に頼らざるを得ない状況にあるわけですが、本県における、食料自給率の現状や地産地消推進に向けた今後の取り組み方針を知事に伺います。

[知事答弁]
 次に、食の安全について、食料自給率の現状と地産地消の推進に向けた取組方針についてお答えさせていただきます。  
 本県におけるカロリーベースの食料自給率は、農林水産省が公表しております「食料自給率レポート」によりますと、平成17年度概算値で51%であり、47都道府県中第20位です。決して、多いと言えるものではございません。  
 都道府県ごとの自給率は平成9年度から算出されており、本県ではこれまで54%から51%の間で推移しております。近畿地域では唯一、カロリーベースの食料自給率では全国平均を上回っております。  
 また、生産量をもとに県独自に行った主な品目ごとの自給率の試算によりますと、米では県内消費量に対して200%以上の自給率となっておりますが、小麦や豆類、野菜などでは県内消費をまかなえず、その多くは50%を下回っているのが現状でございます。
 このような状況の中で、議員ご指摘のとおり、地域で生産された、いわば生産者の顔が見える新鮮な農産物を県民に消費してもらうといった地産地消の取組は、食の安全・安心を確保し、県民の暮らしを守っていくために、大変、重要であると認識しております。  
 ある調査結果によりますと、食料の安心度と食料の運ぶ距離は逆比例をしております。近ければ近いほど安心度が高いということでございます。  
 地産地消を進めていくためには、まず県内自給率の低い野菜などの園芸作物の生産を拡大し、その品揃えの充実を図っていくことが大切でありまして、併せて県内卸売市場の機能を活かして県産農産物が円滑に県内に流通する体制を整備することが基本でございます。  
 また、県内にある139箇所の直売所のうち、道の駅に併設されているものやJAが運営しているもの中には、年間の平均売上額が1億円を超えるほどの施設もございまして、注目を集めております。今後はこのような直売所が、生産者と消費者をつなぐ場となるよう前向きに育ててまいりたいと考えております。
 農業は私たちの暮らしといのちの基となる食料を生産する大変大事な営みであります。昨今の食の安全をおびやかす様々な問題や最近の国際的な食料需給の変化、穀物価格の高騰といった状況の中で、我が国の食料は一定水準以上を国内において確保していくことが大切であると改めて痛感しているところでございます。  
 県民の皆さんの食の安全を確保していくためには、県内農産物の安定した生産と供給の拡大が何よりも重要であると考えておりまして、今後とも琵琶湖と共存する持続的な農業の実現に向けて努力してまいる所存でございます。

 次に、学校給食への影響について、教育長にお伺いします。
 学校給食は、法で定められているように、子どもたちの栄養の改善及び健康の増進、食料の生産や消費について、正しい理解を導くことにありますが、こうした食に関する安全性が問われる事件が発生しますと保護者の不安も拡大しますし、何より学校給食に被害が及ぶようなことがあってはならず、万全の配慮が必要になります。
 そこで、学校給食の安全を確保することから、県教育委員会として、今回の事件の該当食品の使用実態をはじめ、中国製食品が学校給食にどの程度取り入れられているのか把握しておられますか。また、今回の事件を機会に、近畿の一部自治体では、中国製食品の使用を取りやめるところもありますが、県としてはどのような対応を考えておられますか。もし、安価な中国製食品を使わないとコスト高になることが予想され、市町では、保護者代表と学校の間で検討することも必要となって参りますが、県としてどのように考えておられるのか伺います。
 県の食育推進計画にも推奨されている、地産地消を推進していくことが、食の安全確保にとって何よりも望ましいと考えますが,地場産物活用の実態と地場産物を活用することによる教育的効果、そしてその課題についてお伺いし、質問を終わります。

[知事答弁]
 学校給食における食の安全についてのご質問にお答えいたします。  
 まず一点目の、学校給食の安全を確保する観点から、該当食品の使用実態および中国製食品が学校給食にどの程度取り入れられているのかとのご質問についてでありますが、1月30日にマスコミなどを通じて事件が発覚したことを受け、翌31日付けで直ちに県内各市町をはじめ県立学校の給食実施校に対し、緊急調査を行いました。  
 その結果、問題となった中国の天洋食品工場で製造され、回収が求められた該当食品をすでに使用していた学校が一校、さらに使用を予定していた学校が一校あったことが判明し、いずれも県立養護学校でありました。すでに昨年の11月に使用された該当校からの健康被害などは出ておりませんし、また使用予定の学校におきましては、納入業者に返品したとの報告を受けております。  
 次に、県内の学校給食において中国製食品がどの程度取り入れられているのかについてでありますが、国内に流通している中国製食品の形態は、冷凍食品や加工食品、あるいは缶詰であったり中国製の材料を用いた調味料など、さまざまな状態で輸入されており、そうした中国製食品の学校給食現場におけます使用状況は、18市町と県立学校13校とのことでありました。  
 二点目に、今回の事件を機会に、中国製食品の使用に対し県としてどのような対応を考えているのかについてでありますが、市町教育委員会におけます給食の食材選定には「学校給食用物資選定委員会」で決定されることとなっておりますことから、まずは、それぞれにご判断いただくべきものと考えております。  
 県教育委員会といたしましても、先ほども申し上げましたように中国製輸入食品の形態は極めて多様であり、また原材料に中国製食品の使用表示がなされていない食品もあること等を踏まえますと、全ての使用を禁止することは困難と言わざるを得ない状況であります。  
 このため、各市町教育委員会および県立学校長に対しましては、学校給食に使用する食品を購入する際には、食品の微生物検査や残留農薬検査書等の書類の提出を納品業者に求めるなど、安全性の確保に細心の注意を払い、安全な給食の実施に万全を期すよう徹底を図っているところであります。   
 三点目に、安価な中国製食品を使わないとコスト高になることが予想されるが、県としてどのように考えているのかということについてでございますが、県立学校におきましては、給食費の保護者負担にできるだけ影響を及ぼさないよう、必要な栄養価に留意したうえで、献立の工夫を重ねながら対応しているところであります。また、市町教育委員会におきましては、毎年度、PTAや学校関係者で構成されます学校給食運営委員会におきまして、児童生徒に必要な栄養価の基準に基づき献立を立案するとともに、給食費となる費用積算もなされたうえで決定されているところであります。今回の事件を踏まえ食材を見直しされる場合は、必要な栄養価はもとより、給食費用等につきましても、保護者の理解が得られるよう適切に対応されるべきものと考えております。  
 四点目の、学校給食における地場産物活用の実態でありますが、平成16年度からの調査によりますと、食材数をベースにした地場産物の活用割合は、平成16年度が14.4%であったものが、平成19年度は17.8%と上昇しております。  
 最後に五点目の、地場産物を活用することの教育的効果と課題についてでありますが、学校給食に地場産物を活用することにより、県内の生産者の皆さまに対する感謝の気持ちを持ち、新鮮で安全な食材を通じて地域の食文化を学ぶなど、大きな意義があるものと考えております。  
 しかし、地場産物を活用するに当たりましては、供給量の不足、価格の上昇、規格の設定、納入時期の調整、流通体制の整備など課題も多い現状であります。  
 県教育委員会といたしましては、滋賀県食育推進計画に示しました平成23年度の数値目標であります25%を達成するために、市町教育委員会とより連携を深めるなど、地場産物の活用を積極的に促進してまいりたいと考えております。



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