県民ネットワーク会派代表質問
本会議における出原いつみの一般質問・部門別質問Q&A公開中!

戻る

 
12月2日(水)に辻孝太郎議員(犬上郡選出)が民主党・県民ネットワークを代表して本会議質疑を行ないました。その内容を以下報告します。

平成22年度予算編成方針について

 はじめに、平成22年度予算編成方針ついて、知事にお伺いします。
  まず、歳入見通しについてですが、予算編成要領では、県有施設や印刷物への広告掲載やネーミングライツ販売、自動販売機の設置にかかる公募制の導入など歳入確保に積極的に取り組むことが留意事項として挙げられています。
 税収確保、未利用県有地の売却などと併せて、平成22年度の歳入見通しについてお伺いします。
 次に、市町との関係についてですが、市長会議の状況を見ても、平成22年度の予算編成に向けた事業見直しによる市町への10億円を超える影響について、理解を得られたとは決して言えません。今は、担当部署間での協議がされていると思いますが、編成時期を迎えてどのようにされていこうとしているのか、お伺いします。
 とりわけ、国民健康保険給付対策補助金の廃止については、県とともに、推進している福祉医療制度の後退につながるなどの理由により、23市町が反対の意向を示しています。この点についての知事のご所見をお伺いします。
 また、県事業の市町負担金については、先般の報道機関のアンケート調査では、滋賀県は「見直す」方針とありました。しかし、町などでは負担金の見直しによって、県事業が撤退するのではないかという懸念も広がっているように仄聞しております。このことに対する基本的な方針ならびに、土木、下水道、土地改良などの部門ごとの検討はどのようになっているのかお伺いします。
 次に、県民との協働について、お伺いします。
 編成方針の中で、協働型県政への転換を図る、とありますが、現実には度重なる歳出カット、あるいは県民の生活に大きく関わる公の施設の廃止などが示される中で、共に支えあうという姿勢が県民に伝わっているとは思えません。 こうした中、真の協働を築くために、平成22年度の予算編成において、どのような力点をおかれているのか、お伺いします。
 次に、新年度における県庁力の発揮について、お伺いします。
 特に、この厳しい財政状況を乗り越え、滋賀の輝かしい将来を目指すためには、知事が言われている県庁力が必要なことは言うまでもありません。
 しかし、現在、県庁力を最大限発揮できるような、やる気を起こさせる適材適所の人事配置になっているのでしょうか。また、長期間にわたって賃金カットが続く中で、将来にわたって県庁力を持続していくための人材の配置、育成、確保はできているのでしょうか。県庁力最大化のための人事のあり方について知事の所感をお伺いします。
 この項の最後に、新幹線新駅基金に関してお伺いします。
 新幹線新駅中止後の課題対応や南部振興策については、企業誘致で明るい兆しが見えてきたものの、いまだその対策は緒に就いたばかりです。
 知事は、諸課題に一定の方向性は見えてきたとの理由で、基金のうち、約12億6千万を福祉、教育振興基金に積み増しされる提案をされましたが、果たして、今がその時期であるのか、という疑問も残ります。全体図がはっきりするまで、基金として残すという選択肢もあると思われますが、この点に対する知事のお考えをお伺いし、次の質問に移ります。
   [知事答弁]
 まず、県税収入についてですが、現在の経済環境は、大変厳しい状況にあり、税制改正の動向によっては、さらなる県税収入への影響が懸念されておりまして、引き続き厳しい状況が続くものと考えています。
  また、未利用県有地の売却ですが、県有財産活用検討会議を活用しまして、積極的な売却に努めておりますとともに、県有資産を活用した広告料収入の確保、あるいは、ネーミングライツの販売、また、自動販売機の設置に係る公募制の導入など、歳入確保に向けて、一層積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  また、地方交付税や国庫支出金については、国における政策が今、決定されておりませんので、現時点では見通しを立てることは困難な面がありますが、全般的には厳しい状況にあるものと認識しています。
  平成22年度予算編成に向けた事業見直しについては、市町の皆さんから、国民健康保険給付対策費補助金の現状維持等、様々なご意見をいただいております。私も市町長との意見交換の場において、直接それらのご意見を伺っています。  
 一方で、巨額の財源不足を抱え、財源調整的な基金の残高が50億円を切ってしまうという危機的な財政状況に対応するためには、収支改善に向けた見直しが不可欠でございます。
 厳しい財政状況は市町とて変わらないわけでございまして、より現場に近い市町等からのご意見を真摯に受けとめながら、今後検討を重ね、見直し内容について最終的に判断し、予算に反映してまいりたいと考えております。
 国民健康保険給付対策費補助金について、お答えさせていただきます。医療費が増大し県費負担も増える中で、乳幼児や障害者の福祉医療については、多くの市町の意向を踏まえまして、平成22年度も現行制度を維持することとさせていただきました。 また、市町が保険者となっている国保について、県は毎年約70億円の補助をしております。
 そのうち、福祉医療の継続実施に伴う、いわば国からのペナルティとしての国庫負担カット分は、県として補填してきたわけですが、国民健康保険給付対策費補助金約1.4 億円については、今回、危機的な財政状況の中で、制度そのものを守らせていただくので、この部分については、市町のご負担をお願いしたいと、苦渋の選択をするに至ったところでございます。  
 さらに、国庫負担の減額対象となる38都道府県のうち、同様の補助を実施しているのが、15都府県、残り23県は実施していないということも考え合わさせていただきました。市町には、厳しい対応をお願いすることとなりますが、市町とともに福祉医療を守っていくという県の意思をお示しさせていただくことで、理解を頂きたいと考えております。
 11月9日に「県・市町会議」を開催しまして、意見交換の進め方等について協議し、ご了解をいただいたところです。  
 その際に、県としては、単独道路事業などの土木事業については、市町負担金を廃止する場合は、財源が減少する部分については、事業費を減額して実施せざるを得ないことを申し上げました。  
 また、土地改良事業や流域下水道事業などについては、「協 働実施的な事業」もしくは「受益者負担によるべき事業」として、引き続き、現制度で実施をお願いしたいと考えている旨、申し上げさせていただきました。  
 併せて、平成22年度予算については、「県・市町会議」において、意見がまとまったものから反映させていただくとの考えをお示しさせていただきました。  
 その後、これまで、「土木部会」、「農業農村・林道部会」、「流域下水道部会」の3つの部会を設けて、それぞれ第一回目の部会を既に開催させていただきました。  
 「土木部会」については、様々なご意見をいただいていますことから、引き続き部会を開催し意見交換を重ねることとしております。一方、「農業農村・林道部会」および「流域下水道部会」については、部会でのご意見としては、現行制度の継続についてご了承をいただいております。 複雑化する行政課題、多様化する県民ニーズ等に的確に 対応するためには、県民、NPO、企業等の多様な主体と、県行政がともに支え合い、分かち合い、高め合う「協働型 県政」への転換を図ることがより重要となります。
 議員もご指摘のように、新しい公共という概念とも合致するものでございます。このため、今年度新たに協働型県政を進めるためのしくみのひとつとして、「滋賀県協働提案制度」を設け、NPO等からの提案を県の施策に反映する取り組みを進めておりまして、平成22年度予算編成の中で具体化を図ることとしております。
 この取り組みを始めといたしまして、施策構築に当たっては、県民目線で事業の必要性、緊急性を見極め、県民の皆さんとともに対話をしながら、知恵をしぼり、汗をかき、共感を生み出しながらの仕事が必要であると考えておりまして、このような視点での協働事業を推進してまいりたいと考えております。
 人員配置についてですが、職員定数の削減を進める中にあっても、特に優先すべき重要施策の分野には、重点的に人員を配置しております。
 また、職員自身の希望も尊重しながら、公平・公正で、適材適所の人事配置を基本といたしまして、女性職員の登用や本庁・地方の交流をこれまで以上に積極的に進めるなど、職員がその本来持っている能力を活かし、意欲を持って仕事に取り組んでもらえるよう努めております。
 また、人材の育成・確保についてですが、職員の採用に向けては、例えば、環境行政職の新設、あるいは受験上限年齢の引き上げなどをし、民間経験を持った多様な人材に受験機会を拡大するなど、さらに就職説明会の開催などさまざまな工夫をしておりまして、将来性のある職員を確保できるよう受験者の確保に努めております。
 また、採用後は、OJTを基本にいたしまして、職員が、公務員であると同時に生活者であるということを常に意識していただき、地域の課題に前向きに向かい、県民の皆さんとの思いを共有できるような、例えば地元学研修の実施や、あるいは、多様な経験を通して能力向上を図るため、民間等への派遣研修なども行っております。  
 財政が厳しい中にあっても、さきほど申し上げた職員の能力を活かす人事に努めるとともに、逆に、財政が厳しいからこそ、職員の力を活かせるよう、職員との対話を通じ、目的を共有しながら、ともに知恵を絞ることによりまして、職員が意欲を持って、それぞれの職場で前向きに仕事に取り組んでもらえるように努めてまいる所存でございます。
 新駅課題対応基金については、協定類終了に係る諸課題への対応のための財源枠を維持するために、(旧)新駅等施設整備促進基金を引き継ぎ、本年3月に設置をいたしました。  本県の危機的な財政状況を踏まえますと、県政の全般を預かり、総合的に判断すべき私自身の立場としては、課題に方向性が見えた後においてもなお、財源の枠として基金を残し続けるのは極めて困難なことでございます。  
 したがって、これまで県議会で申し上げましたように、この度、諸課題に一定の方向性が見えてきたことから、所要経費を見極めた上で課題対応基金を見直し、新たに基金を設けて、残余を、県民の皆様とのマニフェストのお約束に従い、福祉・教育に活用するため、福祉・教育振興基金に積み立てる提案をさせていただいたものでございます。御理解をいただくようお願い申し上げます 。

外郭団体および公の施設見直し計画について

 次に、外郭団体および公の施設見直し計画について、知事にお伺いします。  
 時代の変化とともに公共サービスの質や量の不断の見直しは、私たちも必要なことであると認識をしており、先の統一地方選挙では「外郭団体の半減」をマニフェストに掲げ、その後、会派としても積極的に取り組んできたところです。
 今回、提案された「外郭団体および公の施設見直し計画案」は、その背景として3つのことが掲げられております。  
 一つは、地方分権改革が進む中で「近接補完の原則」のもと、出来るだけ住民に近い基礎自治体である市町を重視した仕組みに変えていくということです。
 二つ目は、多様な主体が、社会を担うという「新しい公共」の観点から改革を進めていくということです。
 そして三つ目は、県の厳しい財政状況が、今後もさらに続くと予想されるという理由です。  私たちも、市町合併が進む中で、力をつけてきた基礎自治体を重視した公共サービスの提供の仕組みを模索していくことや、全ての公共サービスを行政がおこなうのではなく、多様な主体が担っていくべき時代を迎えていると考えます。
 しかし、提案された「外郭団体および公の施設見直し計画(案)」を見ると、三つ目の厳しい財政状況という理由が、最優先されての計画原案というような印象を強く受けます。
 知事は、この見直し理由に掲げられた三つの項目のバランスをどうとった上で進めようとしておられるのでしょうか、お伺いします。
 8月に行政経営改革委員会が「見直しの提言」を出されて以降、我が会派には団体や利用者など多くの声が届いています。
 例えば、「現場を見て、現場の声を聞いて判断していないのではないか」「お金のみに重点を置き、設置目的や現在に至るまでの歴史、存在意義をどれだけ理解しているのか」「文化、福祉、環境などの滋賀の現状について十分な予備知識を持たずに、統廃合を簡単に考えているのではないか」また、「委員の人選、調査方法、結論を出すに当たっての情報の量や質、会議の持ち方や回数、討議の時間などに問題がなかったのか」という声です。
 県では「この委員会提言の内容を真摯に受け止め」「本計画を策定した」と述べられていますが、この見直し計画案を出すための検討に要した時間や手続きは、あまりにも性急すぎるという印象があります。  
 スピード感をもった対応は必要だと考えますが、急ぐあまり、みんなが納得しかねる方向で結論を出すことは、逆に、県民の行政への信頼感を喪失し、滋賀が育んできた滋賀県らしい財産を損なうことになるのではないかと危惧されます。
 私たちは、個々の団体や施設のあり方を探るに当たって、まず、これからの滋賀の自治・行政サービスのありようをみんなで考え、同時に、その中での県の役割を探るための大議論をしていくべき時であると考えます。
 私たちは、この見直し計画案の提示は、これから検討を進めていくために県が考える方向を示したものであり、見直しのゴールを示したものではなく、見直しのためのスタートラインであると解釈するものですが、知事のご所見を伺います。  
 また、知事の提案説明では「対話の場を設ける」という方針を示されておられますが、具体的にはどのような形での対話の場をお考えになっているのか、併せてお伺いします。  
 次に、外郭団体等の職員の雇用問題への対応についてお伺いします。  
 知事は、9月定例会の我が会派の代表質問で、「外郭団体は、その設立や運営について県が少なからず関与してきたところであり、関与の状況によっては、職員の再就職等について可能な支援方策を探っていきたい」と答弁されておられます。
 今回の計画案において、「廃止」とされた財団法人下水道公社には11名のプロパー職員が雇用されています。計画案では、この方々の雇用問題については「団体と協力しながら県としても計画的に取り組む」と書かれており、雇用対策の主体は下水道公社にあるかのような表現になっていますが、下水道公社の設置の経過からしても、県が責任を持って対応すべきであると考えます。  
 この下水道公社をはじめ、外郭団体や公の施設の見直しに当たっての雇用問題への対応について、知事のご所見をお伺いし、次の質問に移ります。
   [知事答弁]
 新駅課題対応基金については、協定類終了に係る諸課題への対応のための財源枠を維持するために、(旧)新駅等施設整備促進基金を引き継ぎ、本年3月に設置をいたしました。
 本県の危機的な財政状況を踏まえますと、県政の全般を預かり、総合的に判断すべき私自身の立場としては、課題に方向性が見えた後においてもなお、財源の枠として基金を残し続けるのは極めて困難なことでございます。
 したがって、これまで県議会で申し上げましたように、この度、諸課題に一定の方向性が見えてきたことから、所要経費を見極めた上で課題対応基金を見直し、新たに基金を設けて、残余を、県民の皆様とのマニフェストのお約束に従い、福祉・教育に活用するため、福祉・教育振興基金に積み立てる提案をさせていただいたものでございます。御理解をいただくようお願い申し上げます。
 行政改革の取組の中で、これまで外郭団体にあっては、平成9年度から、また、公の施設についても、平成17年度から既に見直しを行ってきております。
 今回の見直しについても、その経過を受け止めた中で、その流れの上で、行政経営改革委員会の提言をいただき、その後、県民の皆さんからいただいた署名や要望等を真摯に受け止めてまとめたところでございます。
 今後、議会の議論や原案に対する県民の皆さんのご意見も踏まえた上で最終的な計画をまとめることとしております。
 計画の実施に当たりましては、県民の皆さんのご理解が大切でありますことから、皆さんの声をお聞きするとともに、それぞれの分野における施策の方向性、将来ビジョンなども含め、丁寧に説明をしながら取り組んでまいりたいと考えております。
 特に、計画において方針を検討するとしているものにつきましては、今後、対話の場の設定も考えながら取り組んでまいりたいと考えております。
 対話の場につきましては、団体や施設ごとの見直しの内容や時期が異なりますことから、具体的な手法については、今後、それぞれの取組状況、進捗状況も見ながら検討してまいります。
 基本的には、見直し対象となる施設等の利用者や関係者の皆さんに加えて、一般の県民の方や学識経験者も交え、様々な立場から幅広く、また将来を見据えた意見交換ができる場を考えてまいりたいと思っております。
 外郭団体の雇用問題については、県から独立した経営体として、当該団体が主体的に対応していくことが基本となります。
 しかしながら、これまで県が団体に対して関与してきた経過を踏まえますと、私としても、雇用問題は、大変重要な課題であると認識しております。
 このため、外郭団体の見直しの内容やその進め方、さらには対象職員数や年齢構成の状況等を踏まえながら、県民の皆さんの理解が得られることを基本といたしまして、可能な方策や手順について検討し、団体と協力しながら計画的に取り組んでまいりたいと考えております。

環境問題について

 次に、環境問題について、知事にお伺いいたします。
 まず、はじめに、中国・武漢で開催された第13回世界湖沼会議の成果及び財団法人国際湖沼環境委員会についてお伺いします。
  この世界湖沼会議は、研究者・行政担当官・NGOや市民等が一堂に集まり、世界の湖沼及び湖沼流域で起こっている多種多様な環境問題やそれらの解決に向けた取組についての議論の場として、1984年に滋賀県の提唱で開催された国際会議です。
 会議は財団法人国際湖沼環境委員会と開催国の団体等の共催で、概ね2年ごとに世界各国で開催されており、これまで環境問題に関わる国際貢献として、高く評価されていることについては承知をしているところです。意味では、滋賀県が先駆者として果たしてきた役割は大きいものがあると考えます。そのことは、先般の知事の所信表明の中でも高く評価されているところです。
  そこでまずは、現在の県民の世界湖沼会議に対する認知度及び具体的に滋賀県にもたらすメリットについて、あらためて知事の所見をお伺いします。
  次に、世界湖沼会議は、第1回の開催から既に25年が経過し、13回までの回を重ねてこられ、この間に、関係者の大変なご努力があったかと思います。 今後も、この会議を継続していくためには、主催である財団法人国際湖沼委員会が自立的な運営基盤を築いていくことが重要ですが、その方向で、県は財団の運営にどのように関わっていこうとされるのか、知事の考えを伺います。
 次に、議案として上程されている「環境総合計画」について、お伺いします。
 今回の計画は、第3次滋賀県環境総合計画として、低炭素社会の実現と琵琶湖環境の再生を長期的な目標として策定されています。特に、低炭素社会の実現については、2030年に1990年比50%削減に向けた実行ある取組み、いわゆるロードマップの姿が大きな柱になっていると考えます。この点については、民主党も2020年までに温室効果ガスの排出量を25%削減する(1990年比)と国際公約として明言しているところです。内容は、「日本は省エネやエコカーなど、これらの分野でトップレベルのテクノロジーを有している。ライフスタイルの変化を促しながら、地球温暖化対策で日本が「主導的な役割」を果たし、「モデル国家」になるべき、如いてはそのことが経済成長にもつながる。」とされています。
 先般、滋賀県持続可能社会研究会ロードマップ部会から「2030年持続可能な滋賀のロードマップ」が報告されましたが、その内容は「行政・県民・事業者等の関係者の議論が深まり、真に実現可能な行程表を作成されることを切に期待」と記されており、まさに「たたき台」的な位置付けであります。意思表示を行うことは一定の評価はできるものの、国以上の高い目標を掲げている滋賀県において、今後、実現可能なロードマップをどのような道筋で、いつ頃を目途に策定されようとしているのかお伺いします。
 また、今後策定を目指しておられる地球温暖化対策の新条例の策定スケジュールとの整合性と新条例のイメージについてお伺いします。
 次に、大幅な温室効果ガスの削減と経済発展との両立を、中小企業が多いこの滋賀県でどのようにされようとしておられるのかお伺いします。 さらに、「しが炭素基金」など経済界とともに取り組まれているプロジェクトに対し、具体的にどのような方策で取り組んで行こうとされているのかお伺いします。 次に、本計画の中で環境配慮行動の促進が今後の課題とされていますが、今後の県民へのアプローチについて、具体的にどのような方策を考えておられるのかお伺いします。 最後に、この「環境総合計画」に向けた知事の決意をお伺いし、次の質問に移ります。
[知事答弁]
 次に、環境問題についての8点のご質問にお答えさせていただきます。
  まず一点目の、世界湖沼会議に対する県民の認知度及び具体的に滋賀県にもたらすメリットについてでございます。
  第13回世界湖沼会議は、中国・武漢での開催でございましたが、新聞やテレビで報道されたほか、財団法人 国際湖沼環境委員会のホームページにも掲載され、多くの方が閲覧されたと理解をしております。
  また、会議の内容自体も、子どもセッションを復活するなど、県民の皆さんに親しみやすい、また参加性を増す催しが用意されたこともありまして、会議のことは広く県民の皆さんに認知されているものと考えております。
  滋賀県にとってのメリットですが、県関係者が世界中の専門家とネットワークを築き、琵琶湖をはじめ世界の湖沼が抱える課題の解決に必要な、環境政策に関する情報や最新の科学的知見を得られることは、県政にとって大変大きなメリットでございます。
  また、県内の子どもや学生、NPOといった幅広い層の県民が参加して湖沼に関する理解を深め、このことは、将来にわたって環境保全に取り組んでいく推進力を創りだすことだと考えております。
 この会議は、世界の経験を学び活かしたいとの思いから、滋賀県が提唱して25年前に始まったものですが、現在はむしろ立場も変わり、本県がこの場で琵琶湖を守る取組や経験を世界に発信し、世界の湖沼の保全に貢献しているといえるまで進化、発展してきたものと理解をしております。
 次に環境問題の2点目、世界湖沼会議を継続していくための主催者である財団法人国際湖沼環境委員会の自立的運営基盤の確立が重要であるが、県はこの財団運営にどう関っていこうと考えているのか、とのご質問でございます。世界湖沼会議が、四半世紀に亘り、第13回まで継続されてきたことは、財団法人国際湖沼環境委員会のみなさんの努力によるところが大変大きいものでございます。
 今後も、財団がこの会議の継続を担っていくためには、自主的な経営基盤を確立することが重要であります。  
 財団においては、自立性の拡大に向け、「中期経営改革方針」を、これは平成20年度から24年度までをカバーするものですが、この方針を策定し、より一層の経費削減と受託事業の増加等による収入確保に取り組んでおります。
 また、寄付による民間資金の更なる確保に向けて、公益財団法人への移行に向けた努力をしているところでございます。
 県としては、現在、職員の派遣など必要最小限の支援を行っておりますが、今後とも、こうした財団運営の自立化に向けた取組を支援して参りたいと考えております。
 温暖化対策に向けたロードマップ・工程表づくりにつきましては、研究者で構成する滋賀県持続可能社会研究会と県との協働により作業を進めております。今般、同研究会においてロードマップづくりに欠かせない検討手法いわば開発ツールがほぼ確立されたところでございます。
 庁内では、去る11月25日に県地球温暖化対策推進本部のもとに、庁内34の所属からなる温暖化対策検討プロジェクトチームを立ち上げ、具体の検討を始めました。
 現在、6つの大きな方策として、「交通・運輸」、「まちと建物」、「生活」、「産業活動」、「新エネルギー」、「森林保全」という各分野で課題の洗い出しなどの作業を進めております。
 今後、プロジェクトチームで検討した施策に対して、研究会が開発したツールを活用し、限られた条件のもとで県として最大限の効果が得られるよう、施策の順序をシミュレーションしまして、2030年、県としての50%削減の実現に至る道筋について整理を進めてまいります。
 これは、具体的に、また比喩的に申しますと、県としての建物いわば温暖化対策の建物を建てるわけですが、そのための道具や資材を研究会が開発していただいた。県としてそれをカスタマイズして、今後の具体的な、実現可能な施策に汲み上げて行くということでございます。
 また、並行いたしまして、県民、市町、関係団体との意見交換を行い、本年度末には、ロードマップの素案を整理いたしまして、22年度中には本県として実現可能なロードマップ・工程表を策定したいと考えております。
 「持続可能な滋賀社会ビジョン」で掲げました低炭素社会を実現し、持続可能な社会を将来世代に引き継いでいくため、温暖化対策を総合的に推進する新たな条例の制定が必要と考えております。
 現在、環境審議会温暖化対策部会および部会の下に設置いたしました地球温暖化対策検討小委員会で、今後の温暖化対策推進のあり方について検討しております。
 部会や小委員会など、条例とロードマップ・工程表については、一体的に検討を進めておりまして、その過程で出た意見や課題をお互いの内容に活かしていきたいと考えております。  
 来年度においては、先ずはロードマップの検討を先行しつつ、それから遅れることなく条例の制定ができるよう進めてまいりたいと考えております。  
 また、条例の検討内容ですが、今のところ大きく下記の四つを想定しております。  
 一点目は、2030年の持続可能な社会、滋賀の実現に向けて、中・長期的な視点も含めた大きな方向性を示すことです。  
 二点目は、県民、事業者、行政などあらゆる主体の参画と実効性の確保を図ることです。
 三点目は、温暖化対策と経済発展・経済成長の両立を図ることです。
 そして四点目は、暮らしや事業活動など様々な分野にわたる対策を総合的に推進するということです。  この四点の視点で、条例について検討を進めております。
 温室効果ガスを削減するために、機器の更新が必要となるなど、企業に一時的に一定の負担が生じることは考えられます。このような点について中小企業の皆さんが、不安や懸念を持っておられることを十分認識しております。
 しかしながら、省エネ機器への更新による光熱水費減少などの便益いわば価値も考えられることから、これらを投資して、プラスの面も評価する必要があります。
 また、温室効果ガスの削減につながる技術革新は、新たなビジネスチャンスでありまして、ビジネスモデルの創造や雇用機会の拡大につなげ、経済発展・経済成長と県民生活の質の向上を目指すことも可能と考えております。
 中小企業の皆さんの不安あるいは懸念に対しましては、今年度、無料の省エネ診断を通じて自主的削減取組を応援するなど、「環境配慮型企業活動支援事業」を実施しておりまして、今後も温暖化対策の取組に努力される方への支援や、持続可能な社会づくりに向けた環境産業の振興などに十分配慮していきたいと考えております。
 次に7点目の環境配慮行動の促進についてどう県民へ今後アプローチするのか、具体的な方策をどう考えているか、のご質問でございます。
 計画の実現に向けて県民の皆さんが、日常生活、事業活動において内面的なインセンティブを育みながら、環境の負荷を低減する役割を積極的に果たしていただくことは大変重要でございます。そのための支援といたしましては、以下のことを考えております。
 まず、一つめですが、住宅用太陽光発電導入にかかる直接的支援や、持続可能な地域社会づくりに積極的に取り組む市町への支援などを通じて、環境に配慮した行動を促す必要がございます。
 二つめには、省エネルギー・省資源など、具体的な行動の実践につながる環境学習を進めてまいります。
 また、三点目には、県の広報媒体などを使って、太陽光発電やエコカーの普及といった、わかりやすい情報提供に努めてまいります。
 これとあわせ、「みるエコおうみ」を市町や企業などとの連携によりまして普及拡大をし、家庭での実践活動の効果の見える化を図ってまいります。
 また、今回の計画改定に合わせて、日常生活や事業活動における環境配慮の指針「淡海のくらし」を別冊として作成してまいります。媒体、内容に工夫を凝らし、県民の皆さんにわかりやすく伝えていきたいと考えております。 そして、全体として、この温暖化対策、県民の皆さんご自身の生活、事業活動の中で、まさに自分化できる、そのような取組が、県として必要であると考えております。
 さらに、8点目でございますが、環境総合計画に向けた私の決意を述べさせていただきます。
 地球温暖化など地球規模での環境問題、あるいは琵琶湖における水草の大量繁茂、湖底の低酸素化、カワウ被害、外来動植物の増加、また外来動植物の多様化など、新たな課題が顕在化してきております。
 地球規模のリスクは、決して私たち滋賀県民にとって、「遠い世界」の話ではありません。まさに、2年前の冬、琵琶湖周辺では、「琵琶湖の深呼吸」が遅れ、湖底の酸素濃度の低い状態に陥ったわけでございます。
 このように、いわば「深呼吸」が起きなくなれば、湖底に堆積しましたリンや窒素が溶け出し、これまで県として努力をしてまいりました水質が、一気に悪化するおそれがあります。また、同時に湖底にしか生きていけない、例えばイサザのような貴重な底生生物の生存がおびやかされるといった事態も懸念されます。
 すでに、琵琶湖は悲鳴をあげておりまして、もはや私たちが手をこまねいている時間はございません。  一方で、現在の石油に依存した文明、石油文明は、いずれ終焉をむかえると言われております。太陽など自然エネルギーに依存する新しい文明、これは農業文明に新たな環境技術などを加えた新たな文明と考えております、そのような新たな時代を迎える、まさにパラダイム転換の時機にさしかかっております。
 子や孫の世代が将来にも幸せや豊かさを実感して、この滋賀に安心して暮らせるよう、現在のこの危機を回避し、環境と共存できる持続可能な経済・社会に転換していかなければなりません。
 こうした転換には、準備を含め、大変長い時間を必要といたします。将来を見据えて、明確な目標と施策の方向性を示し、種を蒔くべき政策は確実に種を蒔き、芽を出し、水をかけるということが、政治としての使命であると考えております。
 今回、提案しました改定案では、「低炭素社会の実現」と「琵琶湖環境の再生」という長期的目標を掲げ、それに基づく施策の方向を示したところでございます。
 環境と経済の両立を果たし、持続可能な滋賀社会を実現するため、事業者、県民の皆さんとともに、着実に、将来を見据え、力強く取り組んでまいる決意でございます。
 「しが炭素基金」については、経済界と県とが協働で進めている、経済発展と地球温暖化防止の両立を目指す、「滋賀エコ・エコノミープロジェクト」の取組のひとつでございます。いうまでもなくエコロジーとエコノミーを両立させるエコ・エコノミーでございます。
 県としても、このプロジェクトを低炭素社会実現のための重要な事業として位置付けております。
 この「しが炭素基金」を通じまして、低炭素社会の実現に貢献するような新規事業に対して支援や表彰をするなど、温暖化対策をビジネスチャンスと捉える取組を経済界と共に進めていきたいと考えております。

(仮称)流域自治会議について

 次に、(仮称)流域自治会議について、知事にお伺いします。
  知事は、去る10月20日、京都府知事、大阪府副知事と共に国土交通省を訪れ、琵琶湖・淀川水系の総合治水・水行政の取り組みについて、流域自治会議の創設を前原国土交通大臣に提案されました。本水系の流域自治を「地域のことは地域で決める」との地方分権の理念に基づいて提唱されたことは、民主党マニフェストの「地域主権の確立」にも資することであり、有意義な提案と評価をいたします。
  しかし、実現へのプロセスは、河川法の改正や地方整備局の廃止などにもつながるものであり、決して容易ではありません。提案を受けた前原大臣は「ステップ・バイ・ステップで」と返答されておられますが、大臣はこの提案をどのように評価されたのか知事の見解をお伺いいたします。
  次に、流域自治会議の内容についてお伺いします。 昨年の河川整備計画策定の経過からも、河川行政を国の出先機関が主導することに限界があることは明白です。選挙で選ばれた地方公共団体の首長が責任を持って、治水、利水、環境、防災、まちづくりなど多面的に水行政のあり方を決定することは合理性があると考えます。但し、防災面などで自治会議の責任の所在が明確になることが必要です。この点について知事はどのようにお考えかお伺いします。
 次に、流域自治会議の課題として、市町村長参加の合意取り付け、三重県・奈良県・兵庫県の参加問題及び透明性の確保などが挙げられますが、これらへの対応をどのようにお考えかご回答願います。
 更に、現実の問題として、大戸川ダムの建設一つを取り上げても、3府県知事は凍結、大津市・甲賀市・宇治市等は推進と意見が割れております。議論を重ねるにしても当該自治体で本当に一致した結論を得られるのか危惧されますが、ご所見をお伺いいたします。
 この項の最後に、流域自治会議の創設には嘉田知事が最も熱心なように見えますが、流域自治会議にかける知事の思いをお伺いし、次の質問へ移ります。
[知事答弁]
 次に、(仮称)流域自治会議についての5点の御質問にお答えいたします。
  新政権では、地域主権を打ち出されておりまして、「地域のことは地域で考える」を基本とする(仮称)流域自治会議の趣旨については、前原大臣はご理解いただいていると認識しております。
  しかし、流域自治会議の設置は、これまでの河川政策の大きな転換にもつながるものでありまして、議員ご指摘のように、関係者の理解を得ながら進める必要があります。
  今回、前原大臣がおっしゃったように、地方整備局の情報のディスクロージャー、情報公開なども受けながら、ステップバイステップで、一歩一歩、着実に取組を進めてまいりたいと考えております。
  2点目の、防災面などで自治会議の責任の所在が明確になることが必要だが見解を問うとのご質問でございます。
 現段階では、直接河川管理を行うことを法的に想定しているわけではございませんで、一義的には、法的な責任を流域自治会議が負うことはございません。
 しかし、総合治水、水行政のあり方について、主導的に関わっていく以上、現在においても、大変重い責任があることを十分認識して臨むべきと考えております。
 次に、3点目の、流域自治会議の課題として、市町村長参加の合意の取り付け、あるいは、三重県・奈良県・兵庫県の参加問題、透明性の確保が挙げられるが、対応をどうするかとのご質問でございます。
 市町村長の参加につきましては、市町村は、本来、水防、防災など、流域や河川の管理に重要な役割を果たしておりまして、また、もっとも身近な基礎自治体として、流域の総合行政を担っていただいております。
 そのような意味で、主導的に流域のあり方を決定していくためには、府県と市町村が共に取り組んでいくことが必要なことから、参加を働きかけてまいりたいと考えております。
 また、三重県・奈良県・兵庫県の参加につきましては、11月4日の近畿ブロック知事会議で、三重、奈良、兵庫それぞれの知事から参加への前向きの意向が示されております。是非とも、6府県の参加を得て、流域全体で進めていきたいと考えております。
 また、透明性の確保については、広く住民の皆さんをはじめ、関係者の理解を得ながら進めるためにも重要なことでありまして、会議の公開、マスコミの皆さんの参加はもちろんでございますが、資料、議事録の公表などに努めてまいりたいと考えております。
 次に、4点目の、流域自治会議で議論を重ねるにしても、大津市・甲賀市・宇治市等と本当に一致した結論を得られるのか危惧されるが、知事の所見を伺うとのご質問でございます。
 先ほども申し上げましたように、市町村は、水防や防災を第一義的に担い、あるいは基礎自治体としての総合行政の立場がございます。
 一方、県は、より広域的な総合行政を担い、琵琶湖淀川流域も視野に入れた立場がございます。
 しかし、市町村も県も、住民のいのちとくらしを守り、災害を防ぎ、同時に、環境に配慮した河川と流域を目指すという目的は同じでありまして、また、行政としての責務でもございます。
 こうした共通の認識に立ちまして、それぞれの役割を踏まえながら、議論を尽くすことが重要と考えておりまして、お互いに理解が得られるよう努めてまいりたいと思っております。  次に、5点目の、流域自治会議にかける知事の思いをとのご質問でございます。
 そもそも地域の持続的な発展には、流域を単位とした健全な水循環が必須でございまして、これは、治水、利水、環境、文化、防災、地域づくり、水源地振興など、さまざまな分野に関係してまいります。
 このため、川の中だけでなく川の外も含め、また、府県や市町村などの行政境界や、河川、農業用水、上下水道などの行政分野を超えて、総合的に考えていく必要がございます。
 さらに、琵琶湖淀川流域の健全な発展のためには、流域全体のかけがえのない財産であります琵琶湖の適切な保全と管理に、琵琶湖淀川流域が、上下流一体になって取り組むことが必要と存じます。
 こうしたことから、地域のニーズが反映でき、また、省庁や法律の縦割りの壁を乗り越えて、総合的な取り組みができる府県や市町村が、連携して主体的に流域管理に関わっていくべきと考え、提案したものでございます。
 このことは、住民にとって、「遠い水」となってしまった水管理を「近い水」に取り戻すことにもつながると考えており、常々申し上げております「飲水思源」、水を飲みながら源を思うという意識変革にもつながるものと考えております。
 これまでの行政境界や行政分野による分断的な管理に替わって、上流は下流を思い、下流は上流に感謝する、ということを基本にして、流域全体の総合的な流域管理をめざしていきたいと考えております。

アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について

 次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について、知事にお伺いします。
  緊急対策工事について、知事は「住民の理解を得て、本年度中に工事を完了したい」と9月議会で答弁されましたが、「住民の生活環境上の安全」を担保にした工事完了に向けての現在の進捗状況、工事完了の予定日についてまずお伺いします。
  次に、11月22日この事案に関して、はじめて田島環境副大臣が現地を視察いただきました。引き続き行われました近隣住民7自治会代表者と地元学区地域振興協議会長との意見交換会にも田島副大臣自ら同席いただき、この席で、平成25年3月末で期限のくる産業廃棄物特別措置法延長について、「まず県が早急に実施計画案を策定されることが大事。全国の不法投棄事案の実態を調査した上で、法を何年延長すればいいかを検討し、年明けにも公表したい。そのための手法として、環境省として県とスピードをあげ協議を計っていくこと。現地に環境省職員を行かせ、専門的に県と話をすること」などの具体的な手法まで示されました。
 こうした副大臣の発言を受け、県としても政府要望されています産廃特措法延長に向け、実施計画案をいつまでに策定完了できますか、お伺いします。
 更に、副大臣はRD問題の事案に対し「環境省としても滋賀県に積極的な助言を行っていくこと」を約束されましたが、知事としてこの発言をどう受け止め、県から国に対し具体的にどう対応しようとされているのでしょうか、お伺いします。
 住民は、「住民と県とが互いに歩み寄れるような対策工法の修正」「有害物除去の方法を県と一緒に考えるためには、県と住民が処分場の実態・認識をひとつにすること」等を望んでおられますが、この問題をこれ以上長期化させないためにも、実施計画案を取りまとめる上で、地域住民の皆さんとの合意に向けて、前向きで真摯な議論を早急に進めていただくことが何より大事であると考えますが、知事としての見解をお伺いします。
 田島副大臣は、この問題で「環境省として、県に対し、積極的な助言を行う」と踏み込んだ発言をされ、生活環境上や周辺の農業にもたらす風評被害は大変重要な問題であることも認識されました。
 党としても、本県選出の6名の国会議員全員が先の第45回衆議院議員選挙のローカルマニフェストの公約の柱の一つにRD問題の解決を掲げており、民主党県連、我が会派としても公約実現のため、特措法延長と解決に向けての支援を国に強く要望をしていく覚悟です。
 地域住民の強い反発を受けた「県の原位置浄化策」をベースとした恒久対策の本年度予算化が見送られてから、早や10カ月が経ちました。国も動き出しました。県との合意へ住民も意見集約に日々動いておられます。
 滋賀県のトップリーダーとして、また、環境を標榜されています知事として、早期解決に向けた英断が今こそ必要です。
 最後に、住民、県がお互い歩み寄るため、恒久対策の具体的な予算化について、今後、どのように対応されるのかをお伺いし、次の質問へ移ります。
[知事答弁]
 次に、RDエンジニアリング最終処分場問題についての5点のご質問にお答えいたします。
  まず、1点目の緊急対策工事について、現在の進捗状況、工事完了の予定日でございます。
  緊急対策工事については、「焼却施設解体撤去」、「水処理施設稼働と下水道接続」、「緊急覆土と西市道側法面工」および、「仮置き廃棄物適正処理」という4つの項目について今年度詳細設計と工事を行う計画でございます。
  いずれの事業も周辺自治会連絡会との話し合いを行い、その上で、隣接自治会に説明会を行い、理解と協力を求めております。現在まで、詳細設計についてはほぼ完了しております。
  まず、焼却施設解体撤去についてですが、隣接自治会への説明も終えたところでありまして、近く工事を発注して年度内の完了を目指したいと考えております。
 次に、水処理施設の稼働と下水道接続については、詳細な点検を行った結果、水処理施設の修繕を行う必要があることから、これを優先してまいります。施設の稼働と下水道接続については年度内完了は難しいものと考えております。
  次に、緊急覆土については、RD問題周辺自治会連絡会への説明会において、「覆土は必要がない」などのご意見もありましたことから、引き続き隣接自治会とも話し合いをした上で、なんとか工事を進めていきたいと考えております。
 ドラム缶等の仮置き廃棄物適正処理については、年度内に工事を完了させたいと考えております。
 次に、2点目の実施計画書案をいつまでに策定完了できるのかとのご質問でございます。
 実施計画書案の策定に当たっては、まず対策工について、周辺自治会、7自治会の合意と納得を得ていくことが前提でありまして、その上で、スケジュールを決定していく考えでございます。
 来県された環境副大臣からは、産廃特措法延長に関して、全国の状況を把握するとともに、県の実施計画書の進捗も見てしっかり検討するとの心強いご発言をいただいております。
 引き続き、周辺自治会の皆さんとの協議を進め、理解と協力を得て、1日も早く実施計画書案が策定できるよう対応してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の「環境省として積極的に助言する。」と約束されたが、これをどのように受け止め、どう対応するのかとのご質問でございます。
 対策工案に関する周辺自治会との話し合いを進めるために、第三者を交えた協議の場の設置を提案してまいりましたが、周辺自治会連絡会としては「そのような場は必要ない。」とされ、話し合いは膠着した状況にあります。
 このような状況を打開し、具体の対策工案の議論を進めていくためにも、環境副大臣が環境省の立場から積極的に助言すると表明されたことは、県としても大いに期待しております。
 また、県として、廃棄物処理法や産廃特措法を所管される環境省の立場からの助言や、不適正事案に対する全国的な視野からの幅広い助言を真摯に受け止めたいと考えております。
 その上で、住民の皆さんが心配されている有害物除去などの課題解決に向けて、できる限りの対応をしてまいりたい。このことが大切であると考えております。
 次に、4点目の実施計画案を取りまとめる上で、地域住民の皆さんとの合意に向けて、前向きで真摯な議論をすぐに進めることが大事と考えるが見解を伺うとのご質問でございます。
 昨年の5月以来、周辺自治会の皆さんからは様々なご意見ご要望をいただいてまいりました。
 このようなご意見などが周辺7自治会として窓口が一元化され、意見集約されるとともに対策工案に係る当事者としての考え方が示され、それらを基に、県と周辺自治会の話し合いが進んでいくことが、望ましい形と考えております。
 対策工は、廃棄物処理法に基づく行政代執行として事業を行うとともに、産廃特措法に基づく国からの支援を受けて実施しなければなりません。
 今後、県と住民の皆さんとが、これまで以上に建設的で具体的な協議を行い、一日も早い解決を目指して真摯に取り組んでいくことが大切であると考えております。
 次に、5点目の恒久対策の具体的な予算化については、来年度当初予算でどう対応するのか、とのご質問でございます。
 RD問題を早期に解決していくためには、来年度当初予算に恒久対策に向けた詳細設計などの経費を計上することは、重要と認識しております。
 しかしながら、現状では、対策工案を構築していくための話し合いに相当の時間が必要と見込んでおります。
 すでに12月に入り、残された時間は多くありません。予算編成作業の最終段階まで、恒久対策に係る予算が計上できるよう県として最大限努力してまいりたいと考えております。

地域医療再生について

 次に、地域医療再生について知事にお伺いします。
  我が国の人口当たりの医師数は、OECD諸国単純平均の3分の2であり、そのような中にあって病院医師数は、全体では増加しているといわれておりますが、産科、小児科、内科、外科等では減少が続いています。
  また、昭和40年代に一県一医大新設により医学部定員を増員した経緯もありますが、医学・技術の進歩や安全要求の高まりなどで、医療業務が複雑、煩雑化し、マンパワーの需要が増えることで絶対的、相対的な医師不足となり、更に新臨床研修制度が医師の偏在に拍車がかかり、大学の医師供給体制の悪化にも繋がることとなりました。
  また、医療に対する多様なニーズに応えるために、医師以外の医療従事者の存在も不可欠であるにも関わらず、看護師などの人手不足で、医療崩壊をさらに進めています。このような医師不足、看護師不足などの医療供給体制の大きな乱れによる地域医療崩壊が大きな話題、社会問題になっている日本社会の中、本県も例外ではなく、医師の不在や看護師不足で診療科の閉鎖を余儀なくされるなど深刻な状況にあります。
  このたび、国は、地域における二次医療圏単位での医療機能の強化、医師等の確保等の取り組み、その他の地域における医療に係る課題の解決に向けて、地域医療再生計画に基づく事業を推進するため、都道府県に基金を設置し、その費用を助成するとした地域医療再生臨時特例交付金事業を発表、その総額は、国全体で2,350億円と聞き及んでおります。
  本県は、地域医療再生事業として、東近江医療圏と湖東・湖北医療圏を対象地域とした事業と県全体で取り組む事業など、併せて50億円の事業の基金条例案が、今議会に提案されたところであります。
  本県の地域医療の現状を鑑み、策定された地域医療再生計画は、平成25年度までの時限事業ですが、本県の二次医療圏にどのような効果が期待できるのか、また一方で、これらの事業を進めるにあたっては、医師、看護師、薬剤師、介護士、市町などの連携と協力が重要であると考えますが、この計画の協議会の運営はどのようなものか、お伺いします。
 また今回、二つの医療圏で策定されています医療の分化、在宅医療の充実等、モデル事業の確かな実現への道筋をお示しください。 先般、我が会派は、青森県の医師確保について研修してまいりましたが、県の責任を明確にし、熱心に主体的に進めている施策を目のあたりにしてきました。
 その中で、医師になりたいとの志を持つ若者の早期教育、“学ぶ姿勢を育む事業”として、中学生や高校生を対象にした医療体験、医師とのふれあい体験を取り入れ、その事業を通じて医師の国際性、人道性等、職業的魅力を伝えているとの内容は、とても印象的でありました。
 県民の皆さんが住み慣れた地域で安心して暮らしていくことができるためにも地域医療体制基盤を築くことは重要です。この基金積み立てによる事業は、5年間ですが、中長期の展望にたって、その後の地域医療のあり方と取り組みについて、どのように考えておられるのか、知事の地域医療再生に対する思いをお聞きし、次の質問に移ります。
[知事答弁]
 地域医療再生についての御質問にお答えさせていただきます。
 まず、地域医療に対する県民の皆さんの要望あるいは思いでございます。県政世論調査などをさせていただきますと、毎年大変強い要望があり、また満足度も余り高くないのが、この医療福祉と雇用でございます。そのような意味で、県民の皆さんの不安を安心に変えるという 県政の目的からいたしましても、医療政策・医療福祉、大変大事な県政の課題となります。その中で今回の地域 医療再生計画ですが、県としても大変心強い重要な施策になると考えておりまして、まず1点目の御質問にお答えさせていただきますが、地域医療再生計画は県の二次医療圏にどのような効果が期待できるのかとの御質問でございます。この効果でございますが、二次医療圏といたしましては、まず東近江医療圏では、病院の再編と医師確保によりまして、救急医療と周産期医療の提供体制が一層充実できるものと見込んでおります。
  また、湖東・湖北医療圏では、現在不足しております産科医師を確保することにより、平成19年4月から休止しております分娩の再開を図ってまいります。
 また、回復期病棟を設置することで、急性期、回復期、維持期に応じた医療を提供する体制が実現できるものと見込んでおります。
 また、東近江、湖東・湖北の二次医療圏を通じて、地域医療支援センターを整備することで、医療、福祉、介護の連携を充実して県民目線に立った県民の皆さんの要望に適したサービスを提供する体制が実現できるよう努力してまいります。
 さらに、二次医療圏に限らず県全域に及ぶ施策といたしましては、医師確保対策、あるいは後ほど詳しく御紹介いたします在宅医療推進対策等についての効果を期待しております。
  2点目の、この計画の協議会の運営はどのようなものかとの御質問でございます。
  協議会運営につきましては、それぞれの医療圏ごとに、病院、関係市町、県、大学、医療関係団体が地域医療再生計画推進協議会を設立し、計画の具体化のため、意見交換、調整を図り、事業を推進してまいります。
  また、3点目の医療の分化、在宅医療の充実等、モデル事業の確かな実現への道筋についてでございます。モデル事業としては地域医療支援センターの実現が重要であると考えております。
  この地域医療支援センターでございますが、病院と診療所の役割分担や在宅医療を推進する拠点でありまして、医療と福祉を担う関係者の総合的な連携、調整が求められております。
  このため、先ほど申し上げた協議会において、医療、福祉の関係者の参画を得て、センターのあり方や地域に根ざした継続的な事業の具体化について、協議、調整を図ることとしております。
  また、後ほど述べます病院完結ではなく、地域完結医療とも深く関係するのがこの地域医療支援センターの実現でございます。
  次に、4点目の地域医療のあり方と取り組みについて、地域医療再生に対する思いでございますが、現在、滋賀の医療福祉を考える懇話会におきまして、総合的な医療福祉ビジョンの策定に向けた取り組みを進めております。
  その基本的考え方といたしましては、人口構造の将来を見据えて、今から種をまく政策が必要であるということでございます。特に、超高齢社会を迎えまして、例えば、現在、本県の年間死亡者は、約1万1千人でございますが、その8割が病院で亡くなっております。
  団塊の世代が80歳を迎える20年後、つまり2030年前後になりますと、人口構造的に見まして、年間死亡者が約1万7千人に及ぶと予想されておりまして、その人たちをどこで看取るかが大変大きな課題でございます。
  そのため、これまでの病院完結型の医療ではなく、地域にある病院や医療機関、診療所などの施設あるいは医療従事関係者、いわゆるコメディカルといわれる薬剤師、理学療法士などの皆さんの相互の連携を強化することにより住民の医療ニーズに過不足なく対応できる、これを 地域完結型と呼ばせていただきますが、そのような地域 完結型の医療の取り組みが重要と認識しております。
 超高齢化時代を迎え「ついのすみか」にふさわしい、地域で医療福祉を支える滋賀ならではの地域医療再生を実現し、県民の皆さんの「将来の不安を安心に変える」政策につなげていきたいと考えているところでございます。 

雇用問題について

 次に、雇用問題について、知事にお伺いします。
  日本経済は、一時、実質GDPがやや改善を見せたものの、近況では円高が進行し、デフレ懸念も叫ばれ始め、景気の二番底かと、依然として予断の許さない状況が続いております。また、完全失業率・有効求人倍率も昨年以上に厳しい状況が続いています。さらに、昨年10月以降、この12月までの失業または失業予定の非正規労働者が24.7万人に達することも同じく厚生労働省から報告されています。その中でも、特に深刻な問題なのが、雇用保険切れが6月から12月で390万人、12月においては職も給付もなしが23万人に達すると言われていることです。まさに昨年以上に深刻な状況で、緊急な経済・雇用対策の強化が求められます。
  まずは、直近の滋賀県下の経済状況と、雇用情勢について、今後の見通しも含めてお伺いします。
  次に、いうまでもなく地域における緊急雇用対策は重要です。とりわけ各種就労・生活支援制度の周知は欠かすことはできません。今回、各種相談窓口の連携強化と迅速化をはかるため11月30日に全国77か所で実施、滋賀県では東近江市で試行実施された「ワンストップサービス」について、実施した成果及び効果についてお伺いします。
  さらに、今後、拡大もしくは普遍的なサービスにしていく体制作りについての考え方についてもお伺いします。
  次に、昨年の年末は「派遣村」が設営され、多くの離職者の方が一時の安らぎを得られた報道がされていましたが、非正規労働者のさらなる増加や雇用保険の状況からすれば、昨年以上の越年支援が求められると考えます。県内の雇用保険切れ等の状況と、県としての越年支援の考え方をお伺いいたします。
  いずれにしても、本来は生活保護を利用する以前の社会的セーフティーネットを機能させ、派遣村を設置しなければならない状況を作らないことが求められます。まさに「繰り返すな派遣村」です。精緻な実態把握と一層の国、自治体、各種団体との連携強化が必要です。
 次に、新卒者の就職状況についてお伺いします。
 先程も申し上げましたが、雇用情勢は依然厳しい状況が続いており、特に、来春卒業予定の新卒者の方々の内定率は極めて厳しい状況であると考えていますが、県内の内定率等の実態についてお伺いします。
 夢と意欲をもって社会に羽ばたこうとしている若者が失望感を抱くことは、日本社会の極めて大きな損失であり、働く意欲を削ぐことが、いかに人間の成長に悪影響を及ぼすかは誰もが異を唱えるものではありません。
 その意味では、北欧では「北欧モデル」として、若者に対する職業訓練支援、スキルアップの支援制度があり、雇用に対する社会的支援が充実・定着していると仄聞しています。振り返って、我が国の雇用政策を見た場合、就職浪人と言われる若者たちの就職支援は、残念ながら抜け落ちた制度的課題であると言えます。
 例えば、職業訓練の特別枠拡大やボランティア等の社会参加を促進させる仕組みなど、滋賀県として就職するまでの間の対策が、何か考えられないのでしょうか、お伺いします。
 「雇用の安定と社会的セーフティネットの確立」は、日本国憲法の25条の生存権、いわゆる最低限の生活を保障する基軸です。
 この項の最後に、知事としてのその思いについてお伺いし、次の質問に移ります。 。
[知事答弁]
 次に、雇用問題でございますが、先ほども申し上げましたように県政の世論調査などでも県民の皆さんが大変、不安の高いまた要望の強い分野が雇用問題でございます。さらに近年、特に昨年以来の経済不況の中でより一層、雇用問題についての要望は高くなっております。
  その中での7点の質問にお答えさせていただきます。
  まず、1点目の滋賀の経済状況、直近の経済状況と雇用情勢についてでございます。また併せて、今後の見通しも述べさせていただきます。
  まず、本県の経済状況・雇用情勢でございますが、六点申し上げたいと思います。
  一点目の生産動向ですが、企業の生産活動を示す鉱工業生産指数が、3月以降、回復基調となっております。
  二点目の消費動向ですが、乗用車新規登録が2ヶ月連続で前年を上回っておりまして、一部、明るい兆しがございます。しかし、まだ一部でございます。
  三点目に一方で、1月から10月までの企業の倒産件数は182件となっておりまして、過去最悪の前年を上回っており、深刻な状況でございます。
  四点目の有効求人倍率でございますが、昨年の夏以降、本年6月まで低下し続けまして、6月には過去最低の0.34倍を記録いたしました。
  五点目でございますが、その後この有効求人倍率、10月には、0.38倍と、前月と比べ0.02ポイント上回りましたが、未だ、過去最低の水準にございます。
  そのような中から全体、六点目、まとめさせていただきますと、「県内景気は、厳しい状況が続いているものの、一部に持ち直しの動きがみられ る」ということでこざいます。
  今後の見通しでございますが、県内企業を対象に実施しました、直近のアンケート結果によりますと、10月から12月期にかけて、「業況が悪化する」と答えた企業の割合は、若干減少しております。
 一方、9月の可処分所得が6ヶ月連続で前年を下回りますことから、消費の低迷や、急速な円高などにより、一部に持ち直しの動きがみられる景気を押し下げる恐れがあるものと考えております。
 11月30日に労働局等によりまして試行実施されました「ワンストップ・サービス・デイ」は、本県では、ハローワーク東近江において、ハローワークの職員とともに管内1市3町と県の職員が就労と生活相談に応じたものでございます。
 当日の利用者数は30人で、利用された方からは、
 @職業相談・職業紹介
 A生活福祉資金
 B住宅手当
 の順に、相談・申請が多く、各種の相談支援がワンストップで受けられたことが好評であったと聞いておりまして、一定の成果があったものと考えております。
 今回の「ワンストップ・サービス・デイ」は、「緊急支援アクションプラン」の一環として試行されたものでありまして、国では今回の結果を踏まえ、定期的な開催について検討するとされております。
 県としては、今回と同様に滋賀労働局から協力要請があれば可能な範囲で協力してまいります。
 一方、県では、本年3月に求職者総合支援センターを設置いたしまして、専門の相談員による求職者の生活と就労 に関するワンストップの相談支援を実施してまいりました。
 また、スペイン語など4カ国語の通訳を配置し、多文化共生地域づくり支援センターとして外国人に対するワンストップの相談支援を実施してまいったところです。
 さらに、7月からは、県下ハローワーク等で求職者総合支援センターの相談員および通訳者による巡回相談を実施してきました。
 今後は、巡回相談の拡充にも取り組んでいきたいと考えております。
 国では、本年6月から12月までの間に雇用保険の支給 が終了する人は、全国で最大約39万人、本県では、約5,700人と推計されております。
 また、支給終了後、早期に再就職している割合が約4割であることを勘案しますと、雇用保険が切れた未就職者は全国では最大約23万人、本県では約3,500人と推計されます。
 年末に向けての対策については、「緊急支援アクションプラン」に掲げる「訓練中に生活費が支給される緊急人材育成事業」や「住宅手当などの住宅確保施策」について、県としても的確に対応してまいりたいと考えています。
 厚生労働省が発表した9月末現在の大学新卒者の就職内定状況は、前年同期を7.4ポイント下回る62.5%となっております。
 本県では、県下の大学に内定状況を問い合わせた結果、回答のあった7大学の10月1日現在の就職内定状況は、前年同期を4.7ポイント下回る56.3%となっております。
 また、本県の9月末現在の新規高校卒業予定者の就職内定率は、前年同期を20.0ポイントも下回る53.5%となっておりまして、大変厳しい状況にあります。
 なお、10月末の就職内定率は、約63%と報告を受けています。
 新卒者の厳しい内定状況を踏まえ、県では、県下の就職希望者が多い高校に求人開拓支援員21名を配置いたしまして、きめ細かな就職支援を展開しております。
 また、例年に追加しまして1月29日には、緊急の就職相談会を開催し、本年度の新卒者に対する就職に対し支援していきたいと考えております。
 議員ご指摘の就職浪人と言われる若者達には、今年度、県において定員を約3倍に拡充した委託訓練や、新たに設けたヘルパー養成や就農促進コース等を活用して、就職につながるよう努力してまいりたいと考えております。
 さらには、今後、新卒者を含め若者がしっかり職業能力を身につけ、県内産業の未来を支える人材として活躍してもらえるような仕組みについてもその構造面まで考えながら、前向きに検討してまいりたいと考えております。
 議員ご指摘のように、雇用の安定は、県民の皆さんの生活を支える大切な柱でありまして、先ほども申し上げましたように、県政の世論調査でも要望が高い分野でございます。特に次世代を担う若者がそれぞれの能力を十分に生かせる職業に就き、仕事を通じて社会の一員としての存在感を発揮することは、本人にとって大きな幸福につながります。
 また、そうした若者が家庭を持ち、子どもを育てていくことは、社会が持続的に発展していくための社会基盤でもございます。
 さらに、何らかの事情で職を失った場合にも、社会全体でその生活をしっかりと支え、再チャレンジの機会を与える、そんなセーフティネットを 備えた社会が求められております。
 これまでの雇用政策は、ともすれば学校から企業へと、組織から組織へという中で、これは終身 雇用制度を前提とした施策でございました。その終身雇用制度が壊れる中でセーフティネットが張られていない、そのことこそが今、これから取り 組むべき県政の雇用への課題だと考えております。若者の仕事が確保されないことは、未来社会への破壊でもございます。未来を可能とする社会の実現に向けて、県や市町はもちろん、企業や団体、県民の皆さんと思いを共有しながら、協働して、前向きに、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

薬物乱用について

 次に、薬物乱用について、知事、米田副知事、教育長および警察本部長にお伺いします。
  先日、芸能人による薬物使用が明らかになり、改めて薬物乱用のひどさに社会の関心が高まりました。
  本県においても、8月には、高島市での野外ライブ会場周辺で大麻所持の若者が逮捕され、10月には高校生や大学生の大麻・覚せい剤使用が発覚しており、一般市民も含め、今や限りなく拡がってきているという感じがします。その背景には、「入手のしやすさ」と「罪の意識の低さ」があり、若年層を中心に気軽に使用できるとの印象があるように思われます。
  覚せい剤や麻薬等は、人間の精神や身体をボロボロにし、人間としての生活を営むことができなくなるばかりではなく、乱用による幻覚・妄想が殺人や放火などの凶悪な犯罪行為や交通事故を引き起こすことにもなるなど、乱用者本人のみならず、周囲や社会に対して取り返しのつかない被害を及ぼしかねません。
  先に、滋賀県警察本部が発表された今年1月から8月までの県内の薬物摘発状況では、圧倒的に多いのが、覚せい剤取締法違反であり79人、ついで大麻取締法違反の26人であります。なかでも、大麻取締法違反は昨年同時期に比べて、約5倍という状態になっています。
  そこで、まず、警察本部長にお伺いします。
 先に、発表されました数字は検挙者数でありますが、乱用されている薬物としては「覚せい剤・大麻・MDMA(エクスタシー)・MDA(ラブドラッグ)・コカイン・ヘロイン・あへん・向精神薬・シンナーなど」があり、それだけに、薬物使用者の実態を把握する難しさがありますが、マスコミ情報等から県内においても確実に増加しているもの思われます。警察として、現在の状況をどのように捉えておられるのかお伺いします。
 また、薬物使用者に対する取組みは、人権擁護と犯罪行為という狭間での取り組みとなることから、薬物を所持していること、あるいは、使用していることの確証が必要にとなるなどの困難さがありますが、取組みの実態についてお伺いします 。
[警察本部長答弁]
 まず、薬物使用者の現在の状況の認識につきまして、取締り状況などを基にお答えをいたします。平成20年中の薬物関係の被疑者につきましては、 覚せい剤取締法違反で109人 大麻取締法違反で15人 など合計129人を検挙しております。
  また、本年につきましては、11月末現在の数字でございますけれども、覚せい剤取締法違反が108人 大麻取締法違反が38人 など合計151人を検挙しておりまして、既に昨年1年間の検挙人員を大幅に上回っている状況にございます。
  また検挙された者の中には、数は、それ程多くはございませんが、コカイン、LSD、MDMAの乱用による検挙も含まれております。大麻事犯の増加につきましては、全国的な傾向でございまして、これは、インターネットよりまして、大麻種子の入手方法や栽培方法を容易に知り得るようになったことが、要因と考えられます。
  また、覚せい剤事犯で検挙された者は・年齢30代から40代の者が全体の約6割を占めておりますのに対しまして、大麻事犯で検挙された者は、・年齢10代から20代の若年層が全体の約6割を占めておりまして、大麻が若年層の、言わば入り口の薬物として広まっていることが懸念されるところでございます。
 薬物につきましては、強い依存性を有しておりまして、一度手を染めると薬物から抜け出すことが非常に困難であり、薬物乱用の広がりは、極めて深刻な問題であると認識しているところでございます。
 次に、薬物犯罪捜査の取り組み状況について、お答えをいたします。
 警察といたしましては、末端乱用者の早期検挙につきましては、立ち直りの機会を与える意味からも、必要であると考えておりますが、さらに、末端乱用者の突き上げ捜査を徹底いたしまして、密売者の検挙による供給源の遮断を図ることが重要であると考えております。
 薬物事犯の最近の特徴といたしましては、暴力団や不良外国人によるインターネットや携帯電話を使用しての組織的密売が主流となっておりまして、その手口はより一層、悪質、巧妙化しております。最近の検挙事例をご紹介申し上げますと、例えば・インターネット上にある薬物密売サイトにアクセスして、大麻種子を購入し、栽培していた30代の会社員を検挙した事例、あるいは・県内の薬物乱用者に覚せい剤などの薬物を密売していたイラン人の密売人2人を逮捕するとともに、名古屋市内のアジトを捜索いたしました結果、覚せい剤約100グラム、売上金約300万円を押収した事例がございます。
 本県警察といたしましては、引き続き、末端乱用者の検挙と突き上げ捜査による薬物密売ルートの遮断を基本といたしまして、例えば、麻薬特例法を積極的に適用するなどいたしまして、密売者に対して、より重い刑を獲得し、あるいは、犯罪で得た利益をはく奪することを図って参りまして、薬物根絶に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、学校におけるくすり教育、薬物乱用防止教育について、教育長にお伺いします。
  平成18年の薬事法の一部改正において「学校教育においても医薬品の適正使用に関する知識の普及や啓発につとめること。」という付帯決議がされました。
  また、平成20年3月に公示された中学校学習指導要領・21年3月に公示された高等学校学習指導要領において「薬物乱用は、心身の健康や社会に深刻な影響を与えることから行なってはならないこと。」等が明記されています。
  さらに、平成20年8月に策定された第3次薬物乱用防止5ヵ年戦略では、「全ての中学校・高等学校において、少なくとも年1回の薬物乱用防止教室を開催する」こととされていますが県立高等学校における実施状況と市町教育委員会への指導状況についてお伺いします。
  また、最近は低年齢化の傾向にあるといわれておりますが、今後の対応について併せてお伺いします。
[教育長答弁]
 学校における薬物乱用防止教育についてのご質問にお答えいたします。
 携帯電話やインターネットの急速な普及により、これらを利用して容易に薬物を手に入れることができることなど、青少年を中心に薬物乱用が広がっている状況から、県教育委員会といたしましては、管理職や生徒指導主任等を対象とした協議会の場を活用し、危機意識の高揚を図っております。
  県内全ての学校におきましては、薬物乱用から子どもを守るため、教科指導をはじめ特別活動など学校教育活動全体を通じて、その有害性、危険性に関する指導の充実に努めております。
  昨年度の高等学校における薬物乱用防止教室の実施状況につきましては、警察職員や麻薬取締官OB、学校薬剤師等を招いて実施した学校は22校。薬物乱用防止教室と位置付け講演会を開催した学校は8校となっております。
  今後、全ての高等学校にこうした取り組みが進められますよう指導に努めてまいります。
  また、市町教育委員会への指導状況につきましては、担当者等を対象とした研修会の中で、指導の徹底を図るとともに、各学校の体育主任や保健主事、養護教諭等を対象とした研修会の中で、具体的な実践例を紹介する等、啓発に努めております。
 次に、低年齢化傾向に対する今後の対応ですが、現在も、小学校段階から発達段階に応じて「生活科」、「保健体育科」といった教科指導や「特別活動」等、学校の教育活動全体の中で系統的に指導しているところであります。
 昨年度には、小学校段階で80校が薬物乱用防止教室や講演会を開催しており、引き続き、こうした取り組みを着実に進める中で、子どもたちに対して、いのちの重さやきまりを守ることの大切さを指導してまいりたいと思っております。
 次に、滋賀県薬物乱用対策推進本部長である米田副知事にお伺いします。
 滋賀県薬物乱用対策推進本部は、国及び県の関係機関で構成され、啓発活動・指導・取締り・中毒者対策等薬物乱用防止に向けた取り組みを行っており、国の機関として検察庁など7機関、県も知事部局から教育委員会・警察まで非常に多くの関係機関で構成されています。
  しかし、当組織には市町が加わっていません。県民に一番身近な市町が加わることにより「薬剤乱用を許さない社会づくり」がより一層進むのではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
  特に、啓発活動においては、例年の事業の繰り返しに終わっているようであり、一般県民には薬物乱用防止の大切さが届いていないように思われます。これだけの機関が参加されている中で、交通安全運動のように、もっと県民に見える取り組みが求められているのではないかと考えますが、ご所見をお伺いします。
[副知事答弁]
 辻議員の薬物乱用についてのご質問にお答えいたします。
  まず、滋賀県薬物乱用対策推進本部に市町を加えることについてであります。市町は県薬物乱用対策本部の構成員とはなっておりませんけれども、現在既に、市町が組織をしております少年センターを通じまして、薬物乱用防止啓発活動や、シンナー取扱施設に対する立入調査を県と連携して実施をしていただいております。
 薬物乱用が市民生活の場に入り込んで来ようとしている現状を踏まえますと、より住民との接点が多い市町に県の対策本部へ加わっていただくことについて、検討していく時期が来たものと考えます。今後、市町の考え方も聞きながら、検討して参りたいと思います。
 次に、県民に見える薬物乱用防止啓発活動が求められているのではないか、というご質問がございました。
 ご指摘のとおり、啓発活動におきまして、より県民に見えるものとすることが重要となってきております。そのためには、啓発活動そのものに県民の皆さんの参加を得ることは重要であります。特に、薬物乱用の若者への広がりが心配されておりますので、既に実施しております「ダメ。ゼッタイ。」普及運動に、大学生や若者の参加を求めるなど、今後啓発の方法について一層工夫したいと考えております。以上でございます。
 最後に、知事にお伺いします。
 普通の病気ですと、医師や医療関係者の指導により殆どが治癒するのに対し、薬物は一度経験するとなかなか抜け出せない、今はやめていても、いつ再び手を出すかわからない、完全に断ち切れたということは死ぬまでいえない、と言われています。
 先日も、国立精神・神経センターの部長によると「薬物依存は、医療でなく司法の対象という意識が医療関係者に根強いが、取り締まるだけの対応では薬物汚染は防げない。医療での対応を充実させるべきだ。」との意見が新聞に載っておりましたが、全く同感であります。
 問題は、薬物依存症に対する治療や社会復帰に向けての支援体制が整っていないことです。
 薬物依存者に対する取組みについて、知事のお考えをお伺いし、質問を終わります。
[知事答弁]
 薬物依存者に対する取組みについての知事としての判断についてでございます。薬物中毒のある患者さんは、医療機関におきまして、精神療法や薬物療法などの適切な治療を受けることが必要でございます。
 薬物依存のある本人やご家族からの訴えを受け止め、治療につなげる相談窓口が大切であると考えております。保健所や精神保健福祉センターでは専門家が相談に応じ、年間の相談件数は延べ約60件となっております。さらに、相談窓口の周知に努めたいと考えています。
  また、苦しい治療を終えた後、薬物との関係を二度と持たないよう支援することが、重要でございます。精神保健福祉センターでは、本人を支える家族ぐるみの教室を開催しております。
 また、一方で、民間のNPO法人では、治療を終えた方が薬物との関係を絶ち、再び、日常の生 活に戻り、仕事に就けるよう支援する施設を運営しておられます。
 このような取り組みに対しましては、後ほど教育委員会また警察本部長が答弁させていていただきますように県として引き続き支援させていただきますとともに、特に最近、若者の中にこの薬物使用が広がっているという大変重大な懸念がございます。このような中で、医療機関との連携調整などをすすめていきたいと考えております。





 9月18日(金)に今江政彦議員(近江八幡市選出)が民主党・県民ネットワークを代表して本会議質疑を行ないました。その内容を以下報告します。
(はじめに)
 民主党・県民ネットワークの今江でございます。会派を代表して質問させていただきます。
 さて、8月30日に実施されました第45回衆議院議員選挙において、私たち民主党に、国民の皆さんの圧倒的な支持を頂戴し、悲願である政権交代が実現いたしました。
 いわゆる55年体制以来、細川政権時代を除けば、長年続いた自民党による長期政権が終わりを告げ、民主主義の根幹である選挙によって、初めて政権交代を果たした歴史的な一日であったといえるでしょう。
 こうした歴史的な転換期である時に、この滋賀県議会で国政における政権与党の会派として初めて代表質問をさせていただく機会を得たことを心から感謝いたします。
 小泉政権の誕生以来、規制緩和や市場経済第一主義の政治が長く続き、その結果、あらゆる分野での格差が広がり、社会保障制度の予算も削減されてきました。
 そして、高齢者や障害者、母子家庭など社会的に弱い立場にある人々に負担を求める後期高齢者医療制度や障害者自立支援法による応益負担の導入、生活保護の母子加算の廃止などが強行されてきました。また、それ以前には税制における老年者控除の廃止などが行われ、年金で生活をする高齢者の皆さんの負担増は計り知れないものとなりました。
 当時、私は市役所で働いていましたが、こうした負担に耐えかねて相談に来られる多くの高齢者の方々の悲痛な叫びをお聞きし、地方自治体ではどうにもできない国の制度の壁を感じるとともに、選挙や政治の力で県民の皆さんの生活を変えたいと願い、地方政治の世界に飛び込んだことを昨日のことのように思い起こされます。
 政権交代が実現した今、民主党のマニフェストに従って、これらの制度が廃止や見直しの方向へ、そして国民目線、県民目線の政治に向けて大きく動き出したことに対して、身が引き締まる思いをしております。
 しかし、私たちは今回の選挙結果を単純に民主党の勝利ととらえてはおりません。国民の皆さんの政治へのやりきれないような不信感、従来型の政治や行政の機能不全に対する失望や怒りがこのような選挙結果に表れたのだと思っています。
 その意味ではすべての政党に投票されたすべての国民の皆さんが真剣に日本の将来を憂い、衆議院解散から40日の間、考えに考えた結果、一票を投じていただいたのではないかと思っております。そうであれば、この政権交代の勝利者はまさに国民の皆さんであり、私たちは決して今回の勝利に慢心することなく、厳粛な覚悟をもって受け止め、その責任を果たして参りたいと思います。
 また、これまで与党であった皆さん方とともに一層政策を競い合いながら国民の皆さんのための二大政党制が定着していくことを強く望むものであります。
 9月16日に召集されました特別国会において鳩山新総理が誕生し、民主党を中心とする連立政権の陣容も決定しました。滋賀県からは川端達夫衆議院議員が文部科学大臣として入閣しました。コンクリートより人間を大切にする政治を目指す中でこの日本の将来を担う人材育成は急務であります。川端新大臣の卓越した手腕に大きな期待を寄せるものです。
 さて、いよいよ、国民の皆さんの暮らしのための政治が始まりますが、滋賀県をはじめ県下市町などにおいても地域主権の確立に向けてこれまで以上に地域の実情に合った行政サービスの提供が必要です。
 そのためには、国と地方の関係も上下主従の関係から対等協力への関係へと変わっていかねばなりません。選挙前、地方分権に関して、全国知事会はじめ地方自治体の首長の皆さんから民主党に対して大変多くのご意見を頂戴しました。これはわが党に対する皆さん方の大きな期待の表れであるととらえると同時に、多く寄せられましたご意見やご批判に対してもそれを謙虚に受け止め、ともに地域主権の確立を目指していきたいと存じます。
 それでは、質問通告に従いまして、以下、全て知事にお尋ねいたします。

今回の政権交代にあたっての知事の所感について

 まず、今回の政権交代にあたっての知事の所感について、お尋ねいたします。
 総選挙直後の共同通信社による都道府県知事に対するアンケートでは新政権に対して7割超の35人が期待感を表明している一方で、マニフェスト実現のための財源確保について約6割にあたる27人が不安を感じているという結果が報じられていました。
 知事も選挙前には地方分権のあり方や地方の財源確保について、多くの意見を述べられていましたが、民主党中心の政権が誕生した今、どのような思いを持っておられるのか、改めてお聞きします。
 次に、民主党の地方分権に対する取り組み姿勢については、総選挙前に実施された全国知事会、首長連合、21世紀臨調などの評価は分かれたところですが、地域主権の確立に向けた新政権の姿勢について、国の直轄事業負担金廃止や補助金の一括交付金化、暫定税率の廃止など各論の部分も含めて知事の評価をお尋ねします。
 また、国と地方の協議の場を法律に基づいて設置することについては、地方自治体から大きな期待を寄せられていますが、そのあり方について知事のご所見を伺います。
 次に、新政権において、川辺川ダム、八ツ場ダムなど、時代に合わない国の大型公共事業を全面的に見直す方針ですが、本県では、大戸川ダムについて、中止後の新たなルール作りなどの議論がなされてきました。国より先んじてダム建設の見直しに踏み切った知事のご所見をお聞かせ下さい。
 次に、知事は政権交代後の県政運営に生じる課題の点検や政策提案のための対策チームを設置するなどの対応をされています。陳情行政といわれた今日までの国と県関係から脱して、これからの真の分権社会にふさわしい新しい国と県の関係の構築が必要かと思います。また、東京事務所などの機関の在り方も再検討しなければならないと思いますが、こうした国と県との新しい関係について総論各論を含めて知事のご所見を伺います。
 また、同時に基礎的自治体である市町と県の関係についても見直さなければなりません。今回の補正予算のなかでも、下水道事業や土地改良事業における市町負担金の議案が提案されていますが、こうした費用負担の問題も含めてこれからの県と市町の関係がどうあるべきか、知事の見解を伺います。  
 この項の最後にお尋ねします。
 新政権の構想として官僚丸投げの政治から政治家主導の政治への転換があります。官僚組織を国民の皆さんの利益のために、いかに機能させるかは、今日までのタテ型の利権社会からヨコ型の絆社会へ、そして中央集権から地域主権の社会をめざしていくための大きな試金石と言えるでしょう。
 そして、今後、真の地域主権を進めていくためには、県庁においても政治家としての知事のリーダーシップとそれを支える県職員が、その持てる能力を最大限発揮することや意識改革を進めること、いわゆる県庁力の最大化が重要であると思います。
 しかし、これまでの県政運営の中では、知事と職員の思いが共有化できていない、あるいはコミュニケーションが不十分であるというような不満も耳にするところです。
 日本の政治が大きく変わり、地方自治体の経営も大きく変わろうとする今、県庁力を県民の幸せのために最大限生かしていくためにも、県政運営に対する知事の姿勢について改めてお尋ねし、次の質問に移ります。
   [知事答弁]
 まず、政権交代にあたっての所感についてでございます。どのような思いを持っているかとのご質問でございます。一昨日、9月16日、民主党、国民新党、社民党の3党による連立政権が誕生いたしましたが、歴史的に記念すべき日であったと考えております。今回の政権交代を実現させたのは、議員もご指摘のように、社会に蔓延している不安感や閉塞感を打ち破り、暮らしの安心、未来への希望がほしいという国民の皆さんの強い思いそのものであったと考えております。鳩山内閣には、このような国民の皆さんの思いを真摯に受け止め、真の政治改革、行政改革、また地域主権を実現していただきたいと願っております。
 次に、2点目の新政権の姿勢に対する評価でございますが、特に、地域主権の推進につきましては、これまでも全国知事会などを通じて、国と地方の協議の場の法制化や国の出先機関の原則廃止、義務づけ・枠付けの廃止・権限移譲の推進、さらには国直轄事業負担金の廃止などについて、申し入れを行ってまいりました。このような県の主張の多くが、今回の総選挙においてマニフェスト等に記載をされたことは、全体として高く評価し、期待しております。早速、昨日も新しく総務大臣になられました原口総務大臣の所信表明の中には、出先機関の原則廃止や直轄事業負担金の廃止などを宣言いただいております。一方、各論を見てまいりますと、例えば、補助金の一括交付金化は、地方の裁量が拡大するものと期待しております一方で、総枠が削減され、地方財政の更なる悪化を招くのではないかとの不安もございます。また、暫定税率の廃止については、個人消費や設備投資を増大させ、経済の活性化につながるという期待もございます。その一方で、地方財源の大幅な削減や燃油の消費量の増大に伴う環境負荷への影響なども懸念されます。こうしたことを踏まえまして、9月4日には、滋賀県といたしましても、全庁横断的な「滋賀県新政権戦略チーム」を設置いたしまして、マニフェストの県政への影響について検討しているところであります。これまでの本県での工夫や経験を生かしながら、また現場での課題を踏まえた政策を、今後、国に対しても前向きに提案していきたいと考えております。
 次に、3点目の国と地方の協議の場のあり方についてでございますが、国と地方の協議の場の法制化は、本県をはじめ全国知事会でも、最優先で実現してほしいと要望してまいりました。鳩山内閣が取り組もうとしております子育てや医療、福祉、社会保障制度の改革、地域再生などの様々な施策は、地方の工夫や経験を生かしながら、国と地方が協力し円滑に機能する制度を作っていくということで、大きな効果を発揮できるものと考えております。そういった観点からもこの協議の場は、真の地域主権を実現するための手段として必要不可欠な制度であると認識しております。しかしながら、法制化には時間がかかることも予想されるため、まずは協議の場自体を早急に設置することが重要と考えております。
 4点目の、大型公共事業の見直しについてでありますが、大型公共事業の見直しについては、社会・経済情勢の変化や地域、県民、国民の皆さんの願い、思い、また地元の要望を踏まえながら、何よりも事業の必要性、緊急性、環境への影響、さらには財政負担の大きさなどを考えながら、代替案も含め検討する必要があります。また、公共事業の中止後の新たなルール作りについては、例えば、淀川水系河川整備計画策定の議論において、昨年、2008年11月11日、近畿圏の四知事合意でも示させていただきました。具体的には「ダムのように事業期間が極めて長い事業などについて、その再評価において、地域振興との兼ね合いで判断が難しい状況も発生することから、地域整備との関係を整理して新たなルールを作ることもあわせて要望する。」と提案をしてまいりました。公共事業の見直しにあたりましては、今回、民主党の政策集にも代替ルール、新しいルールが提案されております。仮称でございますが、「ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法」という制度も提案されておりますので、ここに大いに期待をし、直接影響を受けてまいりました地元への負担軽減など求めてまいりたいと考えております。
 次に、5点目の国と県との新しい関係についてでございます。本県ではこれまでも、国と県は対等・協力の関係を構築し、地域のことは地域で決めるという真の地方政府の実現をめざし取り組んでまいりました。歴史的に見てみますれば、明治以降のまさに中央集権体制からの大きな変革でもあります。今回、政権交代により、地域主権型の国づくりが目指されている中で、国と地方が、ともに国民・県民の幸せに向けた政策をつくっていくという関係を築いていく絶好の機会ととらえております。このようなことから、分権改革をはじめ新政権下で展開されます政策が、地方の実情や思いを十分反映したものになるよう、これまでの本県での工夫や経験を生かし、また現場での課題を踏まえた政策を国に対して前向きに提案していくべきと考えております。先ほども申し上げましたように「滋賀県新政権戦略チーム」において、政権を担う民主党のマニフェストが、全体として、また、それぞれの項目ごとに、県政にどのように影響するか点検を行っているところでございます。また、9月12日には、県選出国会議員の方々との意見交換を行い、これからの政策形成のあり方や、その他情報共有について、認識を同じくいたしました。今後も、県として基礎自治体である市、町の思いを十分に踏まえた上で、国と情報を共有し、県民生活が第一という政策を形成し実現していくため、東京事務所の役割の見直しや、政策提案のあり方などについて検討してまいりたいと考えております。
 次に費用負担の問題も含めた県と市町の関係でございます。まず、県と市町のこれからの関係についてですけれども、「近接・補完の原理」のもと、住民にもっとも身近な市町が基礎的な自治体として行政サービスの提供を優先的に行うことが大原則であります。さらに、補完の原則という意味では、市町でできないことは県で、県でできないことは国でという形での補完の関係も、今後作っていくべきと考えております。本県では平成の合併により、平成22年3月末で13市6町となるものの、人口が1万人から30万人までという大変幅がある基礎自治体となっておりまして、地域の実情が異なる状況も踏まえつつ、地域経営を担う対等のパートナーとして市町と連携、協力していく必要があると考えております。このような観点から、市町負担金も含め、県と市町との財政負担のあり方についても、 今後前向きに検討してまいりたいと考えております。
 次に、7点目の県政経営に対する知事の姿勢、特に職員との関わりでございます。国政が大きく変わろうとする中で、県政においてもそれぞれの自覚と覚悟をもって地域主権の自治を主体的・積極的に担っていく時がきたと認識しております。歴史的に振り返ってみますと、県というのは、ともすれば国の出先機関的な役割を担ってきたという経緯もございます。このような中で、職員の意識変革も大変重要でございます。県が抱えております宝、それはなによりも職員でございます。県の人材を最大限に活かし、これに応えていかなければなりませんが、大幅な歳出カットが続く中、職員のモチベーションをいかにあげていくかというのは、大変難しい課題でございます。具体的に現場を見てみますと、県民との協働作業を前向きに進める、あるいはより具体的に申し上げますと、例えば「おいしが うれしが」キャンペーンなど、これは職員の皆さんの工夫の中から出てきたものでございます。現場の声を聞き、知恵を出し合うことによって、お金をかけなくても、よりよい地域づくりをめざすことはできると考えている。私としても、そうした職員の皆さんの工夫や意欲を引き出し、職員と思いを共有しながら、県民の皆さんの暮らしの安全・安心や地域の活性化のため、一層リーダーシップを発揮して、工夫と努力をしてまいる覚悟でございます。

平成22年度県政経営の基本方針及び予算編成について

 次に、平成22年度県政経営の基本方針及び予算編成について、お尋ねいたします。県財政は、県内経済の不況や厳しい雇用環境の中で、来年度は「財政構造改革プログラム」や「収支改善に向けた更なる見直し」を実施しても、なお230億円の財源不足が見込まれる非常に厳しい状況にあります。しかし、その中にあっても、県は、県の使命をしっかり果たしていかなくてはなりません。そのために、先ず求められるのは、行政改革への更なる取り組みであります。基本方針では、「簡素で効率的な組織・機構への見直し」や「一層の定数削減などに取り組む」とされておりますが、具体的な構想はあるのでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、滋賀県行政経営改革委員会の「外郭団体および公の施設の見直しに関する提言」についてお尋ねいたします。
 県は、多くの事業を外郭団体に委託してきました。統廃合や県の関与の縮小を否定するものではありませんが、そうしても、必要な事業は円滑に実施されることが担保されなければなりません。外郭団体に関する今回の提言を、知事は、どのように受け止められているのか、お尋ねいたします。
 また、それぞれの団体にはプロパー職員もおられますが、その処遇はどうされるのか併せてご回答願います。
 更に、県立施設の廃止、移管、売却については、市町や地域住民の意見を十分聞くとともに、地域的バランスにも十分配慮する必要があります。県財政の厳しさのしわ寄せを市町や住民に押し付けるような印象を与えては、基本方針で示されている「対等のパートナーとして一層連携・協力していく」市町との関係を築くことはできないと思いますが、ご所見をお伺いいたします。
 次に、来年度の予算編成について、お伺いいたします。
 民主党は、予算の抜本的な組替えを公約しておりますが、これによる来年度予算への影響をどのようにお考えか先ずお尋ねいたします。
 滋賀県では、平成22年度予算を編成するにあたって、財源不足が230億円に及ぶことになることから、その収支不足を解消するため、事業見直しを進められているようです。そのような中で、今月8日の新聞紙上では、「県の裁量が効く独自の政策経費約200億円のうち3割にあたる65億円分をカットする」との報道がありました。ただでさえ少ない、県独自の政策経費を3割もカットすることは、県民に重大な影響が及ぶものと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 また、事業削減をするにあたり、事業の選別を、より厳格にして、メリハリの効いた指示を出すべきだと考えますが、知事のご所見を併せてお伺いいたします。
 次に、新駅課題対応基金の取り崩しに関する報道についてお伺い致します。
 厳しい財政状況の中、財政調整基金や県債管理基金を取り崩すことは当然ですが、「新駅課題対応基金」まで一般財源化するとの報道がありました。これについては、栗東市をはじめ周辺自治体の市長も基金の存置を求めて要望書を提出されましたが、区画整理区域の跡地利用の後継プランや南部地域振興プランがまとまっていない中での知事のコメントはいかにも唐突の感がありました。この件に関する知事の見解をお伺いいたします。
 また、定例会初日の所信表明で、知事は、この基金に関して「県南部地域の振興や土地区画整理事業への対応といった諸課題に一定の方向性が見えた段階において基金条例の取り扱いを検討することとしており、今後も課題の解決に取り組み、11月県議会までには諸課題に一定の見通しを立てたい。その上で11月県議会において基金条例の改廃を提案したい」と述べられましたが、一定の見通しとは「区画整理の後継プランや南部振興」の計画策定の完了を指すのでしょうか、お答え願います。
 次に、事業の枠組みについて、お尋ねいたします。
 知事は、来年度予算事業について、基本構想の戦略的な取り組みに示された5項目の施策を実現する事業に最優先で取り組むとされています。雇用の創出を新たに盛り込んだ優先事業の方針は理解するところではありますが、当然、投資的事業や文化的事業等へのしわ寄せが予想されます。そのバランスは、どのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、個別事業についてですが、毎年問題となる「福祉医療費助成事業」についてお伺いいたします。
 知事は、この事業を「制度を安定的に維持するために見直しも含めて市町と十分話し合う」とされていましたが、結論は出たのでしょうか、来年度予算での位置付けも含めてお尋ねいたします。
 次に「予算編成の見える化」についてお伺いいたします。今年度の予算編成で、初めて実施された「見える化」についてどう自己評価されているのでしょうか。私たちは、むしろ、政策の方向づけやどのように予算のメリハリをつけるかなどの段階を「見える化」の対象とすべきだと考えますが、知事のご所見をお伺いし、次の質問に移ります。
   [知事答弁]
 まず、1点目の行政改革の更なる取組として基本方針では、「簡素で効率的な組織機構への見直し」や「一層の定数削減などに取り組む」としておりますが、具体的な構想はあるのかという御質問でございます。平成19年度に新しい行政改革の方針を策定し、この方針に基づく平成20年度から22年度までを取組期間とします実施計画を策定いたしました。ここにおいて、簡素で効率的な組織機構への見直しや徹底した事務事業の見直しによる一層の定数削減に取り組んでおります。組織機構につきまして、これまでにさらなる市町合併を見据えながら、県と市町との関係を勘案しまして、地域振興局等の地方機関の見直しを行ってまいりました。また、同時に職員定数につきましては300人以上の削減を目標に掲げ、平成20年度および21年度の2年間で235人の定数削減を行ってまいりました。・平成22年度については計画の最終年度でもあり、当初の目標が達成できるよう着実に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、2点目の行政経営改革委員会の提言についてのご質問でございます。
 まず、1点目の外郭団体に対する今回の提言をどう受け止めているかという点でございますが、今回の提言は、単に効率性といった観点からだけではなく、先程来ご指摘しておりますように、正に政権交代も起こり、また、地方分権化が進む中で、県が担うべき役割や、施策目的の効果的、効率的な達成などの観点からも幅広く検討いただいたところでございます。その結果、外郭団体に関しては、4団体について廃止の方向が提言されたほか、対象団体のほとんどについて、統合や縮小、自主性の拡大といった見直しが求められておりまして、全体として、思い切った改革の必要性が示されたものと受け止めております。
 県としては、この提言を重く受け止め、年内を目途に見直しの具体化を進めてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の外郭団体のプロパー職員の処遇に関するご質問にお答えします。基本的に、外郭団体は、理事会等の議決により意志決定を行う独立した団体であり、職員の雇用に関する問題についても、当該団体が対応すべきものであると認識しております。
 しかしながら、外郭団体は、その設立や運営について、県が少なからず関与してきたところでありまして、行政経営改革委員会の提言においても、関与の状況によっては、職員の再就職等に向けた団体の取組に対して可能な範囲で協力していく必要があるとの意見も付されております。
 このため、具体的な対応につきましては、今後、見直し計画策定の過程において、それぞれの見直し状況を見極めながら、県民の皆さんの理解が得られるものであることを基本に、可能な支援方策を探っていきたいと考えております。
 次に、4点目の県立施設の見直しに関するご質問にお答えします。公の施設の見直しにあたりましては、行政経営改革委員会において、施設の設置目的、施策上の位置づけ、類似施設の整備状況、社会経済情勢、県民ニーズの変化、施設の利用状況等を踏まえて、県の施設として設置目的を果たしているのかどうかといった視点からゼロベースで見直しを行い、7施設の廃止、17施設の移管・売却など70施設を対象に提言をいただいたところでございます。今後、県として見直し計画を策定していくこととなりますが、対等・協力のパートナーである市町と、役割分担も踏まえながら、幅広い、率直な意見交換を重ねていく必要があると考えております。また、公の施設は、県民生活と直接に深く関わっていることから、今なぜこうした見直しが必要となるのか、県のおかれている厳しい財政状況や社会状況の変化、また、これまでの取り組みの現状や成果もあわせて、県と市町の役割分担なども踏まえながら、県民のみなさんに丁寧に説明しながら、着実に改革を進めてまいりたいと考えております。
 民主党のマニフェストにおいては、地方自治体にも影響が及ぶ政策が数多く 含まれておりますが、それらについては、今後、具体的な制度設計がなされていくこととなります。このことから、現段階では、本県にどのような影響が及ぶかについて明示的に申し上げることは困難でございまして、今後とも、その具体的な動向を注視してまいりたいと考えております。
 危機的な財政状況に対応するためとはいえ、これまで、滋賀らしさを埋め込 みながら、滋賀県独自で工夫を重ね、文化、環境、福祉など、歴史的に蓄積 してきた事業などにまで見直しを検討せざるを得ない状況でございます。私 としても大変悔しい思いでございます。しかし同時に、県民の皆さんにも少 なからず影響が及ぶことについても、大変申し訳なく思っておりまして、こ の状況を突破する中で、県政を破綻させず、そして将来に向かっての展望が 開けてくるものと確信しております。
 見直しに当たりましては、基本構想の戦略的な取り組みとして掲げました、「県民の皆さんの生命を守り、不安を安心に変える政策」をはじめとします 5つの重点テーマを踏まえ、見直すよう指示をしたところであります。そうした中で、何を残し、何をやめるのかという厳しい選択を行いながら検討を進め、将来に亘って持続可能な県政運営を行うための土台をしっかりと築いてまいりたいと覚悟しております。
 7点目の、新駅課題対応基金についての私のコメントが唐突であったが、とのお尋ねでございます。課題対応基金の取扱いにつきましては、私の思いと異なる内容の報道があったことや、その前日には南部地域の関係市から基金の措置について申し入れ書もいただいたことから、急遽、報道関係の皆さんに説明など行ってまいりました。
 この説明では、これまで県議会でも申し上げてきましたように、課題対応基金については、諸課題に一定の方向性が見えた段階において、基金条例の取扱いについて検討するということや、私としては、できる限り早期に課題の解決を図ってまいりたいという強い思いから、課題に一定の見通しを立て、所要経費を確保した上で、11月県議会には、現行基金条例の改廃を提案し、議論していただきたい旨を申し上げたものでございます。
 8点目の、諸課題に対しての一定の見通しについてのお尋ねでございますが、現在の諸課題の進捗状況を見ますと、(仮称)南部地域振興プランについては、県および栗東市を含む関係7市で構成する南部地域振興会議において事務的な詰めを行っているところでありまして、今後、できるだけ速やかに関係7市の首長会議を開催いたしまして、理解を得たいと考えております。また、後継プランにつきましては、栗東市とともに、地元地権者の方々にも新たなまちづくりの方向性などの説明をさせていただいているところでありまして、引き続き、後継プランの基本構想について説明し、議論を深めながら、地元の皆さんのご理解を得たいと考えております。後継プランの策定が完了するまでには、基盤整備の設計など、かなりの時間を要する作業もありますことから、一定の見通しとは、これらプランについて、地元の皆さんや関係市のご理解をいただくことであると考えております。
 これまでも申し上げてまいりましたように、極めて厳しい財政状況の中にあって、破産寸前の状況であるという中で、県民ニーズや緊急度などを勘案し、特に優先すべき施策を見極め、選択と集中をより徹底する必要があると考えております。このため、「県民の生命を守り、不安を安心に変える政策」をはじめとする5つの重点テーマを設定し、未来に種を埋め込むことができるよう、基本構想の実現に戦略的に取り組むこととしているところでありまして、議員の皆様のご理解をお願いしたいと思います。
 次に、10点目の「福祉医療費助成事業」について、お答えいたします。
 今年度、福祉医療制度を安定的に維持するための見直しについて、市町との話し合いを行ってまいりました。しかし、市町側からは、現状維持を望む意見が多く、また、乳幼児医療を今年度さらに拡充する市町もあるなかで、見直しの合意を得るには至りませんでした。来年度の予算での位置づけについては、県の厳しい財政状況のなかで、市町の意見を受け止めつつ、今後、更に検討して参りたいと考えております。
 次に、予算編成の「見える化」についてでございます。平成21年度当初予算編成においては、予算編成過程の「見える化」の一環として、初めて知事査定の一部を報道機関に公開し、その結果をホームページで公表したところでありますが、このことによりまして、県としての現状分析や、課題解決のための施策構築をどのように進めているのかなど、一定程度お示しすることができ、県民の皆さんにとっても、県の予算について、より親しみを持っていただけるようになったのではないかと考えております。2点目に、議員ご指摘の、政策の方向づけや予算のメリハリについて、より「見える化」を進めるべしとのご指摘でございます。本年度につきましては、22年度に重点的に取り組むべきテーマや、県政経営の視点、あるいは行政改革の一層の取組、財政構造のさらなる見直しへの取組を埋め込みまして「平成22年度滋賀県県政経営の基本方針」を8月に策定いたしまして、これを職員に対し徹底するとともに、「見える化」の一環といたしまして、県のホームページに掲載し、県民の皆さんにお示ししたところでございます。もとより、なぜ、「見える県政」を推し進めるかということでございます。極めて厳しい財政状況にあるからこそ、県として最小の費用で最大の効果をあげ、県民の皆さんの満足度をより一層高めていただく。そのために「見える化」を推進しているところでございます。今後とも、県民の皆さんによりわかりやすくプロセスをお示しすることがより一層重要であると認識しております。

新型インフルエンザ対策に関して

 次に、新型インフルエンザ対策に関して、お尋ねいたします。今や、どこで発症してもおかしくないほど、県下各地で新型インフルエンザの患者が拡大してきています。新学期が始まり、各地で集団感染が確認され、学級閉鎖が出るなど、改めてその感染力の強さに驚くとともにスピーディな対応の必要性を感じております。患者は流行入りから8、9週間でピークを迎えるといわれておりますが、そのピーク時が10月上旬には訪れるとも言われております。
 そこで、以下、お尋ねいたします。
 まず、6月議会の代表質問において、我が会派は「新型インフルエンザへの対応について、どのような方法でいつ頃までに総括し、今後にどのように活かしていくのか」お尋ねをしたところであります。
 知事は、「関係者や市町の意見を聞き、課題整理を行なった上で、秋・冬のインフルエンザ流行期に間に合うように対応していきたい」と回答されましたが、いつどのように総括されたのか、また、課題はどんなところにあり、これをどのようにされようとしているのかお尋ねをいたします。
 また、県民の不安感が広がっていますが、これにより「県民への安全に対するメッセージ」は出せるのか併せてお尋ねいたします。
 次に、厚生労働省は8月28日に国内の新型インフルエンザ流行時の入院者数や重症者数などを予測した「流行シナリオ」を発表しました。同日、各都道府県に対して、「シナリオをもとに、地域の人口や年齢構成を加味した試算に対して、医療機関のベット数や人工呼吸器の保有数など、医療体制の調査を行なうよう要請された。」と仄聞しておりますが、滋賀県における推定入院者数、重症者数はどの程度であり、これに対応できる医療体制は整備されているのでしょうか、お尋ねいたします。
 県の「新型インフルエンザ対策行動計画」では、最大受診者数は約27万5千人、一日の最大入院患者数は約1,080人とされており、これにもとづいて行動計画が進められていますが、整合性は取れているのでしょうか、お尋ねいたします。
 さらに、この問題は、当然、県下各保健医療圏域においても言えることでありますが、保健医療圏域ごとにみた場合においても、推定入院者数、重症者数と医療体制について問題はないのかどうか、お尋ねいたします。
 次に、新型インフルエンザによる死亡者が、疑いも含めて15名ほど国内で発生しています。ほとんどが基礎的疾患を持った人の重症化によるものと言われていますが、なかでも、小児・妊婦・透析患者等については、専門治療が必要と言われています。
 厚生労働省が、さきに、これらの患者が重症化した場合に備えて、受け入れ可能な医療機関に対する各都道府県の協力要請の有無について調査された結果、協力要請をしていた都道府県が半数以下であることが報道されていましたが、小児・妊婦・透析患者ごとの滋賀県の状況についてお尋ねいたします。
 また、協力が得られる医療機関は、多くはないと思われますが、一般患者の集中化も考えられることから、これらの情報の取扱いについて併せてお尋ねいたします。
 最後に、予防接種には、予防接種法による定期・臨時接種と法定外の任意接種がありますが、厚生労働省は低所得者については、公費による負担軽減措置を講じるものの任意接種とする方針のように聞いております。原則として自己負担となるわけで、その金額も、現在の季節性インフルエンザと同様に、仮に、2回接種が必要とすれば6千円から8千円程度になると聞いております。この金額は、家計にとってかなりの負担であり、接種の優先順位が決まったところで、多くの人が接種を受けないことが考えられます。新型インフルエンザに対するいろいろな対策が進められる中で、予防接種は、感染拡大を防ぐ重要な対策であると思います。
 アメリカやフランスでは、無料実施の方向で進んでいると聞いています。知事は、「公衆衛生上、国策として予防接種法に位置づけること」を国に対して強く申し入れるべきと考えます。国において、対応されない時は、少なくとも県による補助制度を考えるべきだと思いますが、知事のお考えをお尋ねし、次の質問に移ります。
[知事答弁]
 新型インフルエンザ対策についての8点のご質問にお答えいたします。
 1点目のいつ、どのように総括し、課題はどこにあり、どのように対応していくのかのご質問でございます。6月の代表質問以降、2回の防疫対策本部専門家委員会において、経過と実績を説明し、意見を聞き、これらを踏まえ、医療体制と感染拡大防止策という 二つの大きな領域に分けて総括をし、課題を整理し対応を定めようとしております。
 そのうちまず1つ目ですが、医療体制をウイルスの毒性に見合ったものにすることでございます。5月には、新型インフルエンザの診察は発熱外来に、入院は感染症指定病院としてまいりましたが、特定の病院に負担が集中するという課題が生じました。このため、診察窓口を増やし、一般病院で入院を受け入れられるよう、診療所や病院での院内感染を防ぎながら受診していただくための設備を支援することとし、必要な補正予算案の審議をお願いしております。また、5月の感染拡大防止以降も、全国的に、呼吸器疾患や腎臓病などの基 礎疾患のある方が感染すると症状が重くなる事例が明らかになってまいりまし た。
 そこで、腎臓病患者が新型インフルエンザに感染した場合に、他の透析患者への感染を防ぎながら透析を続けられるよう機器の配置を支援することといたします。また、妊婦が感染し重症化するおそれがある場合に、他の妊婦への感染を防止できるよう、「陰圧ベッド」の設置を支援することとし、これらについて、必要な補正予算案の審議を今議会でお願いしております。  
 2つ目ですが、感染拡大防止のための対策といたしまして、ウイルスの毒性に即したものとすることが肝要でございます。5月には、学校、保育所など一律1週間の休業を要請し、県民の皆さんのご理解と協力を得て、感染拡大を防止することができました。感染拡大防止と社会経済活動とのバランスをどこに置くかは難しい問題であり、課題であると認識しております。そこで、防疫的な見地から毒性の程度や感染力の強さを見極めて、例えば、患者の発生状況や施設の個別の事情を踏まえ、また、市町は保健所と相談するなど、地域の実情に応じた適切な対応ができるよう、8月31日に「新型インフルエンザ患者発生時における学校・保育施設等の臨時休業基準」を定め、周知し、運用しているところであります。  
 次に2点目の「県民への安全に対するメッセージ」についてでございます。ただいま申し上げましたように、医療体制を整えることは、県民の皆さんの安心につながるものと考えております。新型インフルエンザは一人ひとりの「うつらない、うつさない」という取り組みが積み重なって県民の全体としての安全につながるものと考えております。実態としての安全、精神としての安心、この両方ともに確保できるよう県としては努力をしてまいります。  
 3点目の入院患者数、重症者数をどう推定しているか、これに対応できる医療体制は整備されているかについてでございますが、厚生労働省の流行シナリオを滋賀県にあてはめてみますと、ピーク時には1日あたり、入院は約500人、重症は約50人と見込んでいます。これに対応するため、入院医療機関が受け入れることのできる患者数を把握し、医療機関との間で調整や要請を行い、必要な医療体制を整えているところでございます。  
 次に4点目の行動計画との整合性でございますが、現行の滋賀県新型インフルエンザ対策行動計画の最大受診者数や、入院患者数は、強毒性の新型インフルエンザを前提としたものでございます。先ほどお答えしました、流行シナリオに基づく県の推計とは、前提を異にするものでありまして、今回の行動計画の改定に今後盛り込むこととしてまいります。  
 5点目の医療圏域ごとにみた、推定入院患者と医療体制についてでございますが、これまでから、新型インフルエンザ対策についても、医療圏によるばらつきが少なくなるよう対応してまいりました。感染症対策は、圏域内で治まらない場合も想定しなければなりませんので、必要に応じて、圏域を越えた受け入れ対応ができるよう、その役割を担ってい ただける中核病院に要請を行ってまいります。  
 次に6点目の小児、妊婦、透析患者が重症化した場合の対応についてでございます。  今朝ほども横浜市で小学校6年生の死亡のニュースが流れておりました。小児、妊婦、透析患者が重症化した場合を想定し、治療に必要な機器設備を 有する病院を把握し、9月下旬を目途に受け入れ先を確保することを県としても重要課題としております。具体的には、小児が重症化した場合に必要な、小児用の人工呼吸器を保有している病院を確保し、受入を要請しているところでございます。妊婦が感染した場合については、滋賀県産科婦人科医会では、まず、かかりつけの産科医師が診察し、重症化するおそれがある場合には、病院に入院して治療を受けることとしております。このため、医療圏ごとに、入院を受け入れる病院を確保するため、保健所を通じて、調整しているところでございます。また、透析患者の入院が必要となった場合についても、関係病院と調整をしております。  
 次に7点目の協力が得られる医療機関の情報の取扱いについてでございますが、5月には、「発熱外来」を設置し、新型インフルエンザの感染の疑いのある方は、全てそこに誘導するため、医療機関名を公表いたしました。今後は、お尋ねの小児、妊婦、透析患者が感染した場合については、まず、かかりつけ医が診察し、重症化するおそれがある場合には、病院に入院して適切な治療を受けることとしております。小児、妊婦、透析患者の入院を受け入れる医療機関名を公表することにより、軽症の患者さんがこれらの医療機関へ集中することが懸念されます。これを避けるという観点から、医療機関名を公表することは差し控えたいと考えていますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。  
 8点目のワクチン接種の補助、助成についてでございます。今回の新型インフルエンザワクチンの接種は、個人の重症化を防ぐことを主な目的として実施されるものでありまして、実費相当額を個々人から徴収することとなっております。しかし、低所得などにより、本来接種を受けるべき人が受けられないということは避けなければなりません。国において、現在、低所得者の負担軽減のあり方が検討されているところでありまして、今後、適切に配慮されるものと認識しております。

経済・雇用対策について

 次に、経済・雇用対策について、お尋ねいたします。 
 まず、景気対策についてお尋ねいたします。
 これまでの景気対策は、大半が、公共事業中心でしたが、一方、民主党の景気対策は、生活を良くすれば経済は良くなるとの考えのもと、家庭に直接支援する内容が特徴となっています。知事は内需拡大や県民生活重視の姿勢をとられていますが、この民主党の景気対策について知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、滋賀県の経済・雇用対策について、以下、お尋ねします。
 8月の滋賀県経済指標では、「県内景気は厳しい状況は続いているものの下げ止まっている」と公表されました。
 しかし、依然として、滋賀県の雇用失業情勢は、さらに深刻化しており、8月に滋賀労働局から発表された雇用失業情勢においては、7月の有効求人倍率は19ヶ月ぶりに前月を0.01ポイント上回り、0.35倍となったものの、有効求人数は19ヶ月連続で減少、非正規労働者の雇止め等について、8月18日時点で5,872人と月を追うごとに増加しています。特に、滋賀労働局が、9月11日に発表した平成22年春の高校新卒の7月末の求人倍率は、0.66倍と昨年同期の1.43倍に比べ、半分以下に落ち込んでいます。1倍以下は4年ぶりとのことで、新高卒者の就職活動はさらに厳しい状況となっています。
 確かにエコポイントや自動車産業の盛り返しが改善の要因として挙げられますが、一方で非正規労働者の解雇など、雇用調整をすることによって景気の一時的下げ止まり感がでているのではないかとも言われています。
 まさに、雇用情勢は悪化しています。知事は県内の経済・雇用情勢をどう認識しておられますか。また、これまで緊急雇用対策として、様々なメニュ−を実施されてきましたが、現在の進行状況、その成果、今後の見通しについてどのように捉えているのかお尋ねします。
 次に、抜本的な雇用創出として、グリーン・ニューディール計画など様々な議論がされておりますが、その中でも特に期待されているものとして「6次産業化」があります。その点について、以下、お尋ねします。
 民主党は、現下の緊急課題として農林漁業・農山漁村の再生に取り組むこととし、その取り巻く事情の変化等を十分に踏まえ、農山漁村の6次産業化を推進する観点から、「農林漁業・農山漁村再生に向けて〜6次産業化ビジョン〜」を策定し、これを強力に実施していくことを打ち出しています。つまり、生産・加工・流通までを一体的に担うことで6次産業を進め、農山漁村を活性化しようとしています。新たに「起業」を促進していくなど、滋賀県の農業の6次産業への取り組みについて、知事の所見をお伺いいたします。
 また、民主党が「戸別所得補償制度」を掲げており、販売農業者を対象に「所得補償交付金」を交付することによって、自給率の向上を図るものです。この政策についての知事のご所見もお伺いいたします。
[知事答弁]
 経済・雇用対策についての御質問にお答えさせていただきます。まず、1点目の民主党の景気対策についての所見でございます。民主党マニフェストでは、「生活の安定が希望を生み、意欲的になった心が、この国全体を押し上げていく」との考え方の下、「雇用と環境を柱に、人を大事にする新しい経済を実現する」としております。本県におきましても、基本構想の策定時から滋賀の持つ潜在的な力に磨きをかけ、その強みを発揮できる産業を育て、潜在力を引き出しながら、人と人のつながりを重視した事業を展開することにより、滋賀の経済を多様なものとして、内需を育てるとともに、雇用の創出、特に次の世代を担う若者の雇用につなげていく政策を進めたいと申し上げてまいりました。このような意味では、民主党が目指す景気対策に呼応し、また、この景気対策に大いに期待をしているところでございます。
 2点目の滋賀県の経済・雇用対策についてのご質問にお答えいたします。
 まず、県内の経済・雇用情勢についての認識でございますが、県内企業の倒産件数は、本年1月から8月までの合計が159件と過去最悪のペースとなっております。また、雇用面では、議員ご指摘のとおり、7月の有効求人倍率が0.35倍と19ヶ月ぶりに前月0.34倍を少し上回ったものの、依然として過去最低の水準に低迷しております。一方で、7月の鉱工業生産指数は4ヶ月連続で上昇しており、企業や経済団体からのヒアリング等でも、「休みが減り、仕事がでてきた」、「見通しは立たないが、若干上向きつつある」、また「業種によってばらつきはあるものの、前年以上の受注を確保している企業もでてきた」という声をお伺いしておりま す。こうしたことから、県内景気は、全体として厳しい状況が続いているものの、下げ止まったのではないかと認識しております。
 一方、雇用情勢については依然として、大変厳しい状況にあると認識しております。
 次に2点目の緊急雇用対策の進行状況、成果、今後の見通しについてであります。対策の推進にあたりましては、雇用の創出、雇用の安定化、また相談体制の充実といった3つの柱を掲げ、県民の皆さんの雇用の不安を安心に変える取り組みを進めてまいりました。
 一つめの雇用の創出では、国の交付金を活用しまして、「緊急雇用創出特別推進事業」と「ふるさと雇用再生特別推進事業」に、市町とともに取り組み、8月末現在で延べ約1,400人の雇用につながりました。また、本年度後半においても、さらに約300人の雇用機会を創出するため、今議会において、緊急雇用創出特別推進事業の補正予算を提案しております。引き続き、市町との連携を図りながら、全庁あげて、事業の早期執行に努め るなど、なお一層の雇用機会の創出に取り組んでまいります。
 二つめの雇用の安定化でございますが、高等技術専門校や民間の教育訓練機 関等を活用し、多様な職業訓練を実施しております。に今年度は、委託訓練の定員を前年の450人弱から1,250人あまりと約3倍に拡大するとともに、介護福祉分野等の人材ニーズの高いコースを新設し、就労を促進してまいりました。さらに今議会には、外国人に対して、ビジネスマナーや労働慣行、パソコンを使った文書作成等を習得していただくための予算も提案しており、こうした訓練を通して外国人の就労についても促進してまいりたいと考えております。
 三つめの相談体制の充実ですが、この3月に滋賀県求職者総合支援センターを設置し、求職者の総合的な相談支援に取り組んでまいりました。センターでは、本年4月から8月末までに1,428人の相談者から、職業紹介などの労働相談、生活保護や生活資金の貸し付けなどの福祉相談や住宅の 確保に関する相談などを受け、就労と生活の両面に渡る総合的な支援をワンストップで実施してまいりました。この間、例えば具体的な事例を紹介させていただきますと、ペルー人の方ですが、看護師の経験や資格を持つということがわかりまして、センターからの紹介によって、福祉職場説明会に参加をし、介護の事業所に就職することができました。このような事例も含め、43名の方が就職が実現し、一定の成果が上がっています。
 また、7月からは、ハローワーク甲賀等において生活相談員と通訳を派遣し出張相談を実施してまいりましたが、今後は、その他のハローワークや要請のある市町にも出向き、身近な地域での相談支援を行うなど、一層の充実を図る予定でございます。
 また、とりわけ若年者の就労支援が重要であることから、8月よりヤングジョブセンター滋賀の開設時間を延長するとともに、彦根相談コーナーの常設化も図ってまいりました。
 今後とも、それぞれの成果を見極めながら、県民の雇用への不安を解消できるよう、施策の推進に精一杯努めてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の滋賀県農業の6次産業に対する所見についてお答えします。
 県では、「しがの農業・水産業新戦略プラン」や「しがの農水産物マーケティング戦略」において、生産者と消費者の距離を近づける、いわゆる「近い食」がこれからの農業経営に重要との認識のもと、農家が単に生産にとどまることなく、加工などの2次産業や流通・販売などの3次産業にも取り組む、いわゆる6次産業を推進しているところでございます。
 この結果、農家自らが牛乳や米などの農産物をジェラートや「もち」に加工したり、直営の売店や食堂などで販売することでブランド化につなげたり、また、グループで直売所を運営し収益を向上させるなど、先進的な事例が県内各地に生まれてまいりました。
 さらに、集落営農などにおいて、イチゴやブルーベリーなどの園芸作物を導入したり、農産物の加工や直売に取り組むことによって「水田を守る」農業から「儲かる」農業に転じ、雇用の拡大によって地域の活性化に貢献している取組もでてきております。
 県としても、昨年9月から「おいしが うれしが」キャンペーンを展開いたしまして、今年度からは生産者と食品販売者等の協働によりまして、県産農水産物の商品開発に取り組んでおりまして、これをきっかけといたしまして、生産から流通・販売まで融合した新たな起業が期待されるところであります。
 今後は、それぞれの地域や産地で知恵を出し合い、滋賀県独自の自然や文化などの資源を掘り起こしながら、新たな加工や販売方法による商品開発などの6次産業を推進することが滋賀を元気にするものと考えておりまして、農業・農村の新たな価値を生み出すことで地域農業の活性化につなげてまいりたいと考えております。
 次に、4点目の農家の戸別所得補償制度についてでございます。
 日本農業の大きな課題は大規模化が進まないことにございます。本県では、これまでから農地の集積や、集落ぐるみで助け合い、支え合う集落営農の育成に全国に先駆けて取り組むとともに、経営感覚の優れた、意欲ある担い手を積極的に育成してまいりました。
 こうしたなか、農家の所得補償制度が示されたところでありますが、この制度は、作物毎に生産数量目標を設定し、目標を守る販売農業者には、販売価格が生産コストを下回った場合、その差額を国が直接支払うというものであることから、生産調整に取り組む者とそうでない者との不公平感を払拭するというメリットがあるものと考えております。
 しかしながら、この制度は、小規模経営農家も対象とされていることから、経営規模を拡大していこうとする意欲が削がれたり、また、今日まで滋賀県として育成してまいりました集落営農の維持や担い手の育成に支障を来さないか懸念もございます。
 将来の滋賀県の農業・農村を展望したときに、地域農業の担い手である大規模農家の育成はもちろん、集落営農組織への参加を通じて小規模農家や高齢農家を含む多様な農業経営を維持し、持続可能なものとしていくことが重要であると考えております。あわせて、滋賀県独自の地域コミュニティの維持も大切でございます。
 今後、具体的な制度設計に際しましては、本県の地域特性を活かした農業の振興につながるよう、前向きな提案を行ってまいりたいと考えております。

子育て支援について

 次に、子育て支援について、お尋ねいたします。
 先般の衆議院総選挙で、我が民主党は、マニフェストの5つの約束の中の一つに、子育ての心配をなくし、みんなに教育のチャンスをつくるための子育て・教育の支援策として、“中学校卒業まで子ども一人当たり月額26,000円を支給するとした子ども手当”“公立高校生の授業料無償化”“大学生、専門学生の希望者全員が受けられる奨学金制度の創設”“空き教室などの活用で保育所を増やし待機児童解消”などの政策提言をしました。この支援策は、有権者の皆さまに大きな反響を呼びました。このことは、言うまでもなく、子育て支援への関心の高さの現れであり、有権者の皆さまから、大きな期待が寄せられたところでありますが、この民主党のマニフェストに掲げた子育て・教育の支援策をどのように評価されたのか、お尋ねいたします。
 本県は、すでに滋賀県基本構想の中で、社会で子育てを支えるとし、育ち、育てる環境づくりの政策展開がなされていますが、今月7日、厚生労働省の調査で認可保育園への入園を待つ児童の調査結果が発表されました。その内容は今年4月現在の待機児童が全国で2万5,384人、前年同月と比べ5,834人増えたとの報道でありました。
 そして、現在の方式で統計を取り始めた平成13年以降、今回の増加数と増加率が最大の数値であることを受けて、厚生労働省は、「不況で配偶者が職を失ったり、収入が減ったりし、子どもを預けて夫婦共働きしようという人が増え、施設整備が追いつかない」と分析しています。
 本県も待機児童解消に向けての取り組みで、基本構想の成果指標に、平成22年度には待機児童0%を掲げておりますが、現在の進捗状況と今行われている政策効果がどうなのかお尋ねいたします。
 また、本県の未だ厳しい県財政、先行き不透明な経済情況の影響によるしわ寄せが、子供たちにいっていないか懸念しております。さらに「保育事情がよくなれば働きたい」という潜在ニーズも、まだまだ多くあると考えられますが、現在の待機児童の現状とその対応について、お尋ねいたします。
 また、厚生労働省の分析にありました施設整備についてですが、財政が厳しい状況の中での整備となると、進まない現実があると推察しますが、国の認可の基準等がある中で、認定こども園や既存施設の有効利用などを視野に入れた方策はどのように考えておられるのかお尋ねいたします。
 ところで、新しい情報ですが、8月1日現在で141人の待機児童を抱える大津市が、この9月市議会に、県内で初めてスタートさせる制度であります、保育士や看護師の資格を持つ人が自宅で子どもを預かる「保育ママ」事業導入準備のための調査費を提案し、本格的導入の来年下半期に向けて動き始めました。このような動きをどのようにみておられるのかお尋ねします。
 また、本県の総人口は、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、平成27年前後をピークに減少に転じ、平成47年にはおよそ135万1千人になると予想されています。この予想が、現実のものとならないためにも、次の時代を支えてくれる子どもたちの子育てをしっかりと社会で支えることは、私たちの社会的責任であり、さらに、地方を衰退させない大きな手立てと考えますが、仕事と子育ての両立をこなされてこられた経験のある知事の社会が支える子育て支援への思いをお聞きし、次の質問に移ります。
[知事答弁]
 次に、子育て支援についての6点のご質問にお答えいたします。
 まず、1点目の民主党マニフェストに掲げる子育て・教育の支援策に対する評価についてでございます。「安心して子育てと教育ができる政策」として、6つの政策をあげられており、本県が積極的に推進しております「子育て支援」や「教育」分野に、重点的に民主党として取り組もうとされていることに対して、大いに評価をし、期待をしているところでございます。今般の「子ども手当の支給」や「保育所待機児童の解消」など、国の施策が実現されることをきっかけに、現場に近い自治体としても、県民の皆さんの期待に応える、実効性のある取り組みが進むよう、工夫してまいりたいと考えております。
 2点目の、待機児童解消に向けた取り組みの進捗状況と効果についてでございますが、県としては、市町において定員拡大が円滑に図られるよう働きかけてきたところでありまして、県内の認可保育所の定員は、本年4月には、25,622人となっており、過去4年間に定員数を 1,994名増やしてまいりました。
 3点目の、現在の待機児童の現状とその対応についてですが、急激な経済状況の悪化などによりまして、認可保育所の待機児童数は、本年4月には、411人と、昨年より149人増加しました。これまで、市町において計画的に施設整備を推進し、認可保育所の定員数の大幅な増加を図ってきたにもかかわらず、待機児童数が増加している状況の背景には、議員ご指摘のように、潜在的な保育ニーズがあると考えておりまして、引き続き、待機児童の解消に向け、対応していく必要があると認識しております。こうした状況を踏まえまして、県では、待機児童の解消を図るため、一定の条件のもとに認可定員を超えて児童を入所させることができる定員の弾力的運用などを通して、年度途中の保育ニーズにも応えていけるよう、努めております。また、来年度に向け、子育て支援対策臨時特例基金、いわゆる安心こども基金の活用を図りながら、民間の認可保育所の施設整備を促進することとし、145人の定員増加を図りたいと考えております。  また、保育所の入所児童数の増加に対応していくためには、なによりも保育士の確保が重要であります。保育士の人材育成、また、就職を希望する潜在的保育士と保育士を必要とする保育所のマッチングを行う保育人材確保構築事業、これは、今年度から滋賀県は全国に先駆けて進めておりますが、保育協議会および大津市と協働で実施しておりまして、今後とも保育ニーズに応えられる体制づくりにも努めてまいりたいと考えております。
 4点目の、認定こども園や既存施設の有効活用などを視野に入れた方策についてですが、市町において、地域の実情に応じた取り組みとともに、認定こども園や既存施設 の有効活用も検討されており、県としても、こうした取り組みが円滑に推進されるよう、認可手続きや施設の改修などの支援に努めております。
 5点目の、大津市が取り組む家庭的保育事業、いわゆる「保育ママ」事業についてでございますが、この保育ママ事業は、待機児童の解消を目指す方策の一つであるとともに、3人〜5人の少人数の子どもを保育することにより、児童一人ひとりにきめ細やかな支援も可能となるなど、保育サービスの量的、質的な拡充につながる取り組みと考えております。
 このため、県では、大津市に対し、事業実施に向けて積極的に働きかけてきた結果、今回の実施につながったところでありまして、大津市の「保育ママ」事業の立ち上げにあたり、安心こども基金を活用して支援することとし、今議会に補正予算案を計上し、審議をお願いしているところでございます。また、今後は、大津市の事業の成果をもとに、待機児童を抱える他の市町に対し、情報の提供や技術的な助言に努め、保育ママ事業の積極的な活用が図られるよう働きかけてまいります。
 最後に、子育て支援についての思いでございますが、子は社会の宝でございます。子育て支援は、滋賀の未来への投資でありまして、また経済的成長にもつながる、たいへん重要な内需拡大政策でもございます。現在、県では、子ども・青少年についての総合計画を策定しているところでありまして、こうした取り組みを通じて、子どもが生まれる前から自立するまで、具体的には、母親が妊娠した状態から30歳程度の職業的、社会的に自立するまでの切れ目のない支援を推進していくこととしております。また、「平成22年度滋賀県県政経営の基本方針」の中でも、重要テーマとして「社会で子育て、子育ちを支える」を設定いたしまして、戦略的に取り組むこととしております。議員にもご指摘いただきましたけれども、私自身、長男を授かり、次男を授かった中で、保育園探しに大変苦労してまいりました。また、小学校に入ると、今度は学童保育というようなことで、就業を続け、子育てを続けるという両立は大変困難なものでございます。そのような経験も生かしながら、常々申し上げておりますように、「子によし」、「親によし」、結果として「世間によし」という「子育て三方よし」のメッセージを発しながら、子育て支援施策を重点的に、またきめ細やかに取り組みながら、安心して子育てができる社会の実現に向けて、全力で取り組んでいく覚悟でございます。
 また、あわせまして、本県選出の川端議員、文部科学大臣になられました。大いにご協力もいただきながら、子育て支援を充実させていきたいと考えております。

地球温暖化対策について

 次に、地球温暖化対策について、お尋ねします。局地的に発生する竜巻や集中豪雨、長い梅雨が終わった途端に秋風が吹き始めた短い夏など、地球温暖化に伴うと思われる気候変動は、年を追うごとに、私たちが実感するまでになってきています。
 琵琶湖では、冬には、表面水と深層水が混ざり、深層へ酸素が供給される、いわゆる「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる全循環が見られます。しかし、冬の冷え込みが少なくなったり、雪の降る量が極端に少なくなることにより、全循環が行われにくくなるなど、琵琶湖の環境保全の立場からも地球温暖化対策は大きな県政の課題と認識して取り組むべき課題であると考えるところです。
 今回の総選挙において、民主党のマニフェストには、地球温暖化対策として「中期目標を2020年までに1990年比で25%削減をめざす」ことを掲げています。
 鳩山総理も、9月7日に行われた「朝日地球環境フォーラム2009」でのスピーチにおいて「政治の意思としてあらゆる政策を総動員して実現をめざしていく」と実現への強い思いを表明し、この意欲的な目標設定と実現に向けての強い覚悟は、国際的にも高い評価を受けております。
 滋賀県においても、これまで「2010年に90年比で温室効果ガス排出量9%削減」を目標とした地球温暖化対策推進計画を策定し、また、温暖化対策の長期計画として「持続可能な滋賀社会ビジョン」においては「2030年度における滋賀県の温室効果ガス排出量を90年比で50%削減する」との目標を掲げておられます。
 そこで、まず知事は、今回の新政権における「25%削減」という削減目標をどのように評価しておられますか、お尋ねいたします。
 次に、鳩山氏は、「あらゆる政策を総動員して実現をめざしていく」と強い意欲を表明されたように、今後新政権において様々な具体策が検討されるものと思われます。その過程において、滋賀県が掲げる目標の実現に向けて、どういう形で国との政策連携をされようとしているのか、知事のご所見をお伺いいたします。
 次に、新政権が掲げるこの目標設定については、国内では経済界を中心に反発する声も上がっておりますが、これに対して、鳩山総理は「企業も努力していくべき」と地球温暖化防止へ一層の理解や協力を求めており、「気候変動問題への積極的な取り組みが電気自動車、太陽光発電を含むクリーン・エネルギー技術など、日本経済に新しいフロンティアと新しい雇用を提供する」と時代に即した新産業の成長にも期待を示しています。
 従来の化石資源・化石エネルギーに依存した産業構造をそのままにしていては目標の実現は難しいと思われますが、一方で、太陽光や風力、バイオマスといった再生可能のエネルギー、電気自動車、燃料電池など新たな環境ビジネスが台頭しようとしています。
 新しいビジネスの創出や既存産業を脱化石型・循環型へ誘導しておく適切な産業政策を実行することで、化石エネルギー依存型産業社会に代わる脱化石エネルギーを基調とした産業社会を生み出すことが可能ではないかと考えられます。新産業の創出が温暖化効果ガス削減の目標実現の大きな原動力になると思われます。滋賀県においてもこうした新しい産業の振興を視野に入れた取り組みを進めることが「2030年のCO2を90年比半減」という目標実現の大きな鍵になり、環境分野に力を入れてきた滋賀が、新しい産業創造をリードする役割も果たしていくことにつながると思いますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 また、滋賀県内においては、太陽光発電の普及を進める「市民共同発電所」やバイオマスエネルギーに注目した「菜の花プロジェクト」など、全国的にも先進的な取り組みを進めるNPO活動が進められています。温暖化対策においては行政の努力だけでなく、今の暮らし方を循環型に転換していくために、こうした市民の自立的なNPO活動とのさらなる連携と支援・協働を進めることが目標実現には大事であると思いますが知事のご所見をお伺いいたします。
 最後に、「2030年温室効果ガス90年比50%削減」の達成に向けた工程表、いわゆるロードマップについてお尋ねいたします。
 高い目標の実現に当たっては、エネルギー需要を減らし、エネルギー効率を高め、温室効果ガスの排出の少ないエネルギーに転換するなど、低炭素社会の実現に向けての総合的な取り組みが必要です。
 その具体化に向けて、ロードマップづくりを進めておられると聞いていますが、現在の進行状況と今後の見通しはどのようなものなのでしょうか、お尋ねいたします。
 また、ロードマップの実現のために、財政的な試算をどのようにされているのでしょうか、併せてお伺いし、次の質問に移ります。
[知事答弁]
 地球温暖化対策についての5点の質問にお答えします。
 1点目の、新政権における「25%削減」という削減目標の評価についてでございます。
 新しい政権の下、温暖化対策として高いハードルともいえる新たな削減目標を掲げられようとしていることは、日本が世界をリードし、国際的な交渉力を高めるという強い意志の表れであると認識しております。2030年の温室効果ガス排出量の1990年比50%削減を目指す本県にとっても、これからの施策を進めていく上で後押しとなり、大変心強いものと評価しています。
 また、併せて、持続可能な経済社会や、環境容量内での循環型社会システム の構築に取組むとされておりまして、「持続可能な滋賀社会ビジョン」で掲げた本県の考え方とも軌を一にするものと受け止めております。
 これまでにも申し上げてまいりましたが、温暖化対策は「できるかできないか」ではなく、「やるかやらないか」という政治的意志の表明だということでございます。それだけ将来的な被害が想定されるということでございます。
 そのような中で今後、削減目標の実現に向けて、国民の理解と協力が得られるよう、速やかにそこに至る工程表など具体的な方策を示されることを期待しております。
 次に2点目の、滋賀県が掲げる目標の実現に向けての国との政策連携についてであります。本県では、2030年に90年比50%削減というチャレンジングな目標を掲げ、全国的にも例を見ないロードマップづくりに取り組んでおります。検討の過程においては、制度面や、技術、財源などに関わる大きな課題の解決が必要になってまいります。もとより温暖化対策の推進は、国、地方などあらゆる主体を挙げて連携、協働して取り組む必要がありますことから、国が担うべき役割については、しっかりと責任を果たしていただく必要があります。また、温暖化対策の目標の実現に向けては、これまで県が環境行政を推進する中で培ってきた豊富な経験や琵琶湖を有する地域の特性・資源を活かし、本県だからこそできる取り組みを推進するとともに、その成果を地域のモデルとして国に積極的に提案し、全国的な広がりにつなげてまいりたいと考えております。
 3点目の、「新しい産業の振興を視野にいれた取組」についてでございます。「2030年の温室効果ガス排出量を90年比50%削減」という目標を実現するためには、一般家庭での取組ばかりでなく、産業界における省エネルギーや再生可能エネルギー利用のための技術革新が不可欠でありまして、重要なキーにもなります。議員ご指摘のとおりでございます。
 本県では、これまでにもびわ湖環境ビジネスメッセを先進的に開催してきたほか、経済界も独自の取組としてエコビジネスの商談会を開催されるなど、環境産業の振興に取り組んでまいりました。
 しかしながら、今般の世界的な不況によりまして、本県産業界の中でも主力であった家電や自動車産業との取引が落ち込んでいる企業が多い中、今後の成長分野である環境ビジネスの振興が一層急務となっております。
 中でも、今後著しい市場規模の拡大が予想されます太陽電池や燃料電池などの分野において、県内に日本を代表する企業が集積し、他分野からの参入も進みつつあることは、本県の環境産業振興の大きな潜在力となっております。
 本県では、このような潜在力を活かし、県内企業が環境分野において戦略的に技術開発や製品開発に取り組めるよう、本年度、産学官金をネットワーク化した「環境産業創造会議」を立ち上げまして、新たな環境ビジネスの振興に“オール滋賀”体制で取り組んでいるところであります。こうした活動を通じまして、本県は積極的に持続可能な社会づくりに向けた環境産業の振興に寄与してまいりたいと思っております。
 4点目の、「自立的なNPO活動とのさらなる連携、支援・協働」についてでございます。滋賀県全域における2006年の二酸化炭素排出量の割合は、製造業が46%、次いで自動車22%、家庭15%、業務11%の順となっております。このうち、家庭部門では1990年から2006年まで、おおむね1.5倍という伸びを示しておりまして、様々な分野における総合的な対策が求められております。こうしたことから、温室効果ガス排出量を削減するためには、行政のみならず、県民、事業者など、様々な主体による自主的・自立的な取組が不可欠でありまして、県民の皆さん一人ひとりが温暖化問題を自らの問題としてとらえ、日々の生活において行動を起こすことが重要であります。幸い本県には、琵琶湖の環境保全で培われた県民や事業者、NPOの環境意識の高さや行動力、また議員ご指摘のような「市民共同発電」や「菜の花プロジェクト」といった先進的な実践例など、本県の財産ともいうべき強みがございます。特に、温暖化対策で求められている、地域の自然的条件に応じた対策については、地域のことを最もよくご存じのNPOや住民の方々による取組を大いに期待するとともに、今後、連携・協働してまいりたいと考えております。
 次に5点目の、ロードマップの進行状況と今後の見通し、財政的な試算についてでございます。ロードマップの進捗状況については、これまで「持続可能な滋賀社会ビジョン」づくりで連携してまいりました琵琶湖環境科学研究センターの研究者、京都大学、立命館大学などの研究チームとの協働によりまして、作成作業を進めているところであり、現在、たたき台となる考え方をとりまとめております。その中で、これまで「持続可能な滋賀社会ビジョン」において家庭、業務といった排出源別の部門で整理していた個々の対策につきましては、それぞれの対策間の整合性を考慮しつつ、目標実現に向けて実効性のあるものとなるよう、大きな方策として6つの分野に整理し、課題の洗い出しなどの検討を進めております。その6つとは、まず第一に「交通・運輸」、第二に「まちと建物」、第三に「生活」、第四に「産業活動」、第五に「新エネルギー」、そして六番目が「森林保全」でございます。今後、期待される将来の社会描写と実現に向けての課題解決の方法などについて、滋賀県地球温暖化対策推進本部において十分議論するとともに、広く県民、事業者の方々との意見交換を踏まえ、今年度中の素案作成につなげてまいります。もとより温暖化対策は、国、地方などあらゆる主体を挙げて取り組む課題であります。国際的課題でもあります。今後ロードマップづくりを進めていく過程で、対策に係る費用と役割分担を検討していき、その検討の中で財政的な試算についても整理してまいりたいと考えております。

造林公社問題について

 次に、造林公社問題について、お尋ねいたします。
 この間、造林公社問題については、二つの大きな出来事がありました。
 ひとつは、去る9月4日に「造林公社問題検証委員会」が知事に報告書を提出されたことであり、もう一つは、「民主党マニフェスト+滋賀」において「借入金の利子相当額を国が肩代わりするなど、国の一定の支援により県の負担を軽減する」ことを掲げた民主党が総選挙において大勝したことです。
 滋賀県において、将来世代へのツケを出来るだけ少なくしていくために、この造林公社問題への対応に全力を挙げなければならない中で、この二つの出来事を大きく評価したいと思います。
 そこで、この二つの出来事をもとに、質問をいたします。  検証委員会においては、これまでの経過を丁寧にたどりつつ、できるだけ問題を生み出した原因とメカニズムやプロセスを明らかにしようと努力されており、そのご努力に敬意を表すものであります。
 その上で、造林公社検証委員会の報告においては、滋賀県造林公社とびわこ造林公社に関するこれまでの国や県の政策、そして、造林公社の運営についての事実が明らかにされ、造林公社が経営悪化に至った要因の分析が行われております。
 この報告書の中で、「融資による林業公社方式による造林は適切だったのか」という視点から、検証委員会は、この方式の見通しの甘さを指摘し、「公庫融資、分収造林方式で造林する枠組みは、無理と矛盾をはらみ、政策的誤りがあった」と述べています。
 また、「債務が累積していく過程で、事業の見直しや中止は出来なかったのか」ということに関しては、「継続的に両公社と接触があり、チェックが出来た公庫の責任が大きい」と述べています。
 そして、「累積債務の処理」については、「国が責任の応じた負担や積極的な解決を図ろうとしないのは国民の納得を得られない」「公庫は国の政策を金銭的に支えており、責任を共有すべきである」とし、「国が債務処理を公庫と県の二社の問題にすることは責任の放棄ではないか」と結論づけています。
 こうした3つの視点からの検討委員会の報告を踏まえると、国および公庫における責任は大きなものがあると考えられます。  そこでまず、知事は、この報告をどのように捉えておられるのか、またこの報告を踏まえて、国や公庫に対してその責任をどのように求めていこうとされているのか、お尋ねいたします。
 この問題に対しては、すでに述べましたように、今回の衆議院選挙において、民主党では「民主党マニフェスト+滋賀」において「借入金の利子相当額を国が肩代わりするなど、国の一定の支援により県の負担を軽減する」ことを掲げ、国の責任を求めていくことを有権者の皆さんへの約束としています。
 滋賀県と同じように、林業公社問題において、その累積債務処理に悩む地方自治体は数多く存在しますが、その態様は多様です。  そのことを踏まえながら、「民主党マニフェスト+滋賀」で掲げられた国などの責任を求めていくためには、地方の側においても関係ある自治体とのさらなる連携が必要だと思われます。提案説明において知事は「関係府県とも連携して債務問題の抜本的解決に向け、国に引き続き働きかけていきたい」旨の発言をされていますが、関係府県との連携に向けて具体的にどのように臨もうとされているのか、知事のご所見をお伺いいたします。
 また、報告書では、「損失補償契約がどうであれ、県民が債務の全部あるいは大半を負担するのは、社会的正義から妥当とはいえない。国、公庫、県、両公社、下流団体、それぞれに責任があり、その割合に応じた処理や対応が必要」としております。下流団体の責任についても言及していますが、この報告書と同じ認識をお持ちならば、今後具体的にどのような対応をすべきであるとお考えでしょうか、お伺いいたします。特に、下流府県等との特定調停については、どのような進捗状況なのでしょうか。現状と見通しについてお伺いいたします。
 特に、県自身の責任というものをどのように考えておられますか。両造林公社をこのような状態にまでした県の経営責任についてのご所見をお伺いいたします。
 報告書では、「この問題は長い間、県民の気づかないところで進行し、県議会や第三者のチェックが働かなかった。今後の林業・森林政策には、十分な情報の公開、県議会等のチェックが必要」という指摘もなされています。
 県議会の議事録をふり返ってみますと、早くから造林公社問題には疑問が提起され、その都度、公社の経営や将来についての見通しに対して質疑が行われてきています。にもかかわらず、執行部からは適切な回答が行われず、議会もそれ以上の追求が出来ないままで事態を悪化させてきたように思います。
 議会側としても、この反省の上に立ってのチェック体制のあり方を検討しなければならないと痛感しますが、執行部側から県民に対しての情報開示や説明責任を今後どのように働かせる仕組みが必要とお考えでしょうか、お尋ねいたします。
 この項の最後に、報告書では「今後、両公社の営林地については県民の大きな関心事であり、慎重かつ科学的な検討を行い、明確で適切な方針を打ち出し、最適な手法やコスト負担の仕組みを選択できることが造林公社問題の真の解決に必要」と述べていますが、両公社合わせて2万ヘクタールに及ぶ営林地を、将来世代に向けて価値の高まる営林地としていくことが求められております。過去のツケを最小限度にするだけでなく、今ある営林地の価値増進に向けて、今後どのような方針で臨もうとされているのでしょうか。
 提案説明において「公社の抜本的改革を図り、新たな経営計画の策定を進めるとともに森林の新たな価値を発見していく」と述べられておりましたが、具体的にいつまでにどうしようとされているのか、お伺いし、次の質問に移ります。
[知事答弁]
 次に造林公社問題についての6点のご質問にお答えします。  
 まず1点目の検証委員会の報告をどう捉えていくか、国や公庫に対してその責任をどう求めていくかのご質問でございます。今回の報告書では、この債務問題について、国の造林政策の一環として進められた、林業公社、公庫融資、分収造林というビジネスモデルを基本として、全国共通の課題であることが改めて明らかにされました。また、公社の経営の仕組み、県としての事業の見直しなど、様々な問題点があったとのご指摘をいただきました。両公社の設立者である、また監督者である県は、当事者として責任があるとのご指摘について、真摯に受け止めております。昨年度の免責的債務引受をきっかけといたしまして、本県などの提案を受けて、昨年11月に国と地方の代表による「林業公社の経営対策等に関する検討会」が国に設置され、その結果、特別交付税措置の拡充などが図られました。
 しかし、債務そのものの減免など、既往債務問題の抜本的解決に向けては、まだ課題が残っております。今回の検証結果では、県、言い換えれば地方だけが債務を負うことについては妥当ではないとの指摘でありまして、この点を踏まえて、引き続き関係府県と連携しながら、既往債務問題の解決に向けた抜本的かつ恒久的な対策について国に政策提案してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の提案説明での関係府県とも連携、また抜本的解決に向けた国への引き続き働きかけの具体的な中身は何かとのご質問でございます。現在、全国には36都道府県に40公社ございまして、総額で1兆円を超える累積債務を抱えております。この債務問題は、検証委員会でも明らかにされておりますが、同じ構造的要因から発生した全国共通の問題でもあります。県は、これまでから、関係府県と連携を図りながら、森林県連合などの活動を通じて国に対して要望を行ってまいりました。また、昨年11月には国と地方の代表による「林業公社の経営対策等に関する検討会」が設置され、地方財政措置の拡充など一定の成果をみてまいりました。  
 しかし、これで債務問題が全て解決したわけではないので、引き続き関係府県と連携を図りつつ、また県民の支持を得ながら、様々なチャンネルを活用して、国における抜本的な解決が図られるよう、粘り強く働きかけてまいりたいと考えております。特に、これまでの中央集権体制との関わりの中で、この造林公社問題の解決が困難であったという認識もございます。政権交代の中で、民主党のローカルマニフェストにおいても、公庫債務の軽減につながる国の支援について述べていただいております。また、今年1月には都道府県議会議長会による特別立法の提案や先の6月議会での意見書の採択もいただております。これらはいずれも県民負担の軽減という点から見ますと、大変心強いことでありまして、議会の皆様にも引き続き、ご支援をお願いしたいと考えております。
 次に、3点目の下流団体の責任についてでございます。報告書と同じ認識なら、今後、下流団体についてどう対応すべきか、特に、特定調停の現状と見通しについてでございます。下流団体の参加でございますが、昭和30年代末から40年代にかけて、下流では高度経済成長の下、大変な水不足に直面しておりました。地下水のくみ上げにより地盤沈下などの切実な問題がございました。そのような中で、琵琶湖総合開発、プラス40トンの水利用への要望が下流から出されたわけでございます。この水需要の要望に応えるため、琵琶湖としては、水源かん養機能を高めるということで公社が設立され、その公社の設立目的に賛同し、昭和41年度に大阪府および大阪市、また昭和42年度に兵庫県および兵庫県下の利水団体が、社員または理事や監事として経営参画していただき、貸付金による支援をしてきたという歴史的経緯がございます。
 しかし、社会経済情勢の変化、木材価格の下落等により将来の伐採収益では、全ての借入金を返済することが不可能と判明したことから、下流団体にも債務圧縮により応分のご負担をお願いするため、平成19年11月に特定調停を申し立てているところでありまして、この早期成立を図ることが先決と考えております。この特定調停は、昨年、平成20年10月30日に第7回調停が開かれて以降、次回開催期日が決まっていない状況が続いております。これは交渉が行き詰まっているためではなく、調停委員より、債務圧縮の合意形成を図るためには、期日外における個別協議を進めよとの指示を受けたことによるものでございます。現在は、公社ともども期日外において下流団体との必要な協議、調整を精力的に行っております。
 また、この期日外協議における論点などについても情報交換をしながら、各社員の代理人と調停委員による代理人協議も平行して行われている状況でございます。
 調停申し立てから2年近くになり、下流団体も早期の解決が求められていることについてはご理解をいただいており、お互いができるだけ早い時期に合意点を見いだすことができるよう目指して、取り組んでいるところでございます。
 次に、4点目の県自身の責任をどう考え、両公社をこのような状態にまでした県の経営責任についてお答えでございます。県や公社は、当事者としての責任があり、経営の仕組みや事業の見直しなど、様々な問題点があったとの指摘をいただき、これを大変重く受け止めております。また、木材価格の低迷など社会経済情勢の変化や、国の造林政策の中で、公社においては、保育基準の見直し、事務の合理化などに努め、県においても貸付金の無利子化などの対策を講じてまいりましたが、これまで構造的な問題に十分取り組めなかったことについても、反省すべき点と考えております。こうした指摘を踏まえて、公社の経営の仕組み、あるいは県としてのチェックの仕組みについて改善を図るとともに、社会経済情勢の変化の中での公共目的の変化も踏まえた公社のあり方について、今後策定を予定している新たな経営計画の中で十分検討してまいります。
 次に、5点目の県民に対しての情報開示や説明責任を今後どう働かせるかとのご質問でございます。造林公社問題に関する情報については、私も平成18年就任するまで、またその前後について情報が不足していたということを認識しております。
 そのため、平成19年10月より県のホームページにおいて情報提供を始めました。それ以降、新たな状況が発生するたびに内容を追加、更新し、常に最新の情報を提供するよう心がけてまいりました。しかし、今回、検証委員会の議論の参考とするため、県民から意見募集を行った際にも、情報不足について多くのご意見をいただいており、反省をするべきところであります。
 このため、両公社の健全経営のための特別な関与に関する条例を本年4月から施行したところでありまして、公社が経営計画に基づき事業の進捗状況について自ら評価を行い、これを県がチェックし、それに対する県の指導、助言を併せて、議会に報告することといたしました。この条例に基づく仕組みを有効に機能させることで、十分に情報開示を行い説明責任を果たしてまいります。また、これらの状況については、県や公社のホームページに掲載するとともに、これまでもプラスワンなど県の広報誌で積極的に広報してまいりましたが、今後も広報誌など利用し、広く県民の皆様に積極的に開示するよう心がけてまいります。
 最後に、6点目の過去のツケを最小限度にするだけでなく、今ある営林地の価値増進に向けてどう臨んでいくのかとのご質問でございます。
 公社においては、今回の検証委員会の報告を受け、また下流団体との特定調停を早急に進めた上で、今年度中に公社に外部有識者からなる検討会を設置し、22年度中に新たな経営計画を策定する予定でございます。常々申し上げておりますように、この公社問題、1千億円の負債を抱えながら、実はまだ公式には1本も公社から木材の伐り出しができていない。平成27年度から伐り出しが始まるという状況でございます。
 そのような中で、この新たな経営計画には、公社の長期的な経営見通しと、森林整備や木材生産・販売などの事業、またその実施にあたっての森林組合など林業事業体との連携のあり方など具体的な事業計画を盛り込むこととしています。検証委員会報告においては、社会経済情勢の変化で公共目的そのものが変化してきたことについての検討が不十分だった、との指摘もいただいております。このことも踏まえ、県全体の10%の面積を占める公社営林、これまでの木材生産、しっかりとバイオマスをため、また森も育っております。そのような木材生産の成果を見極めながら、水源かん養や二酸化炭素吸収など多面的な機能を発揮できるような管理、活用を図るという考え方のもと、経営計画を策定する方針でございます。例えば、全国各地で集成材やバイオマス燃料など木材の用途開発も進められておりまして、また温暖化問題の中で、二酸化炭素吸収源としての森林のオフセットクレジット制度、あるいは癒しの場としての森林セラピーなど、新たな取り組みが始まっていることなど視野に入れながら、公社の特性に応じた取り組みを盛り込むべく検討してまいるところでございます。

アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について

 次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について、お尋ねいたします。
 私たち民主党は、去る第45回衆議院選挙の「民主党マニフェスト+滋賀」で現在、県財政を圧迫し、県民生活に悪影響を及ぼしかねないとされます「アール・ディエンジニアリング最終処分場問題」の解決のため、平成25年3月31日で期限が切れる産廃特措法の期限延長法案の国会提出、成立をはかり、この問題に対して、国の支援を継続させるとともに、多額の費用を要します有害物質除去に対して、全面から取り組むことを県民にお約束しました。
 一方、地域住民の多くは、有害物がそこにあることの「不安」を日々お持ちの現状があります。そして、こうした「不安」を「安心」に変える対策を、知事の今任期中に積極的に取り組んでいただけるものと今も希望と期待をもっておられます。
 政権交代し、知事の一期目の任期が残り一年を切った現在、改めて民主党・県民ネットワークとしてアール・ディエンジニアリング最終処分場問題の解決の道筋について簡潔明瞭な答弁をお願いし、以下、知事にお伺いいたします。
 我が会派は住民が不安視していますドラム缶等を含む「有害廃棄物除去のための全量掘削」が解決への一つのキーワードとなると考えていますが、住民側から具体的な掘削案が出た場合、県として掘削案を前向きに受け止め対応する姿勢はおありですか、お伺いいたします。
 次に、恒久対策としての有害物除去は、この問題の根本解決のためには、避けて通れない課題だと考えますが、このことについての知事の具体的なご所見をお伺いいたします。
 次に、産廃特措法延長について、県として施策・予算に関しての政府提案、要望活動の内容進捗についてどの様な働きかけを国に対して具体的に行われましたか、お伺いいたします。
 加えて、政権交代したことにより、今後どのような行動を県として国・政府に対してとられようとしていらっしゃいますでしょうか、併せてお伺いいたします。
 次に、6月議会以降「栗東市調査委員会の案」と「よりよい原位置浄化策」とをラウンドテーブルで精査・検討・比較してもらうための中立的第三者を交えた協議の場の設置のため、どのように住民に対して具体的な提案をされたのか、お伺いいたします。
 更に、住民は中立的第三者の協議の場の設置に否定的な見解との6月議会での知事答弁がありましたが、その後の進捗状況と住民の現段階での距離感や反応について知事としてどのように感じておられるのでしょうか、ご所見をお伺いいたします。
 先の6月議会の知事答弁では、緊急対策工事については、できるだけ早い時期に工事説明会を行いますとのことでしたが、その後、7月21日の住民説明会や7月29日の県議会環境・農水常任委員会での住民の方々の反応を鑑みても、秋には設計業務を終え、年度内には緊急対策を完了すべきだと考えます。当初の予定通り、業務は進捗しているのでしょうか、改めてお伺いいたします。
 また、技術・効果・時期などを含めた住民の考え方を、県としてここ数ヶ月の間、聞いてこられたのでしょうか。人的・経費的な部分も含めて住民案づくりに支援を検討するとの6月議会での知事答弁でしたが、県から住民への支援内容とその後の成果について、お伺いいたします。
 最後に、6月議会答弁で知事ご自身が「対策工について地元住民の皆さんと話し合いを進め、効果的で合理的かつ地元住民の皆さんの合意と納得が得られる対策が、1日も早く実施できるよう私自身努力をさせていただきたいと考えております」と解決に向けての覚悟と熱意ある答弁をいただきましたが、その後の具体的な努力の成果について、お伺いいたします。
 我が会派は、この問題について本会議でも再三申し上げていますが、住民も県も今までの案に固執することなく、共に解決に向け、歩み寄りを見せるべきなのです。
 徐々にではありますが、この一年間、住民も胸襟を開き、解決の糸口を模索してきました。
 今こそ、県としても「よりよい原位置浄化策」に固執することなく、再度住民の願いや声に真摯に耳を傾け、思いを汲み取った対策や行動をとるべきだということを心から申し上げ、質問を終わります。
[知事答弁]
 次に、RD最終処分場問題について9点のご質問にお答えいたします。
 まず、1点目の住民側から具体的な掘削案が出た場合、県として掘削案を前向きに受け止め対応する姿勢はあるのかとの質問でございます。RD最終処分場問題を解決するための対策工については、廃棄物処理法に基づき事業者に代わり県が代執行として行うものであり、この事業は、産廃特措法による国からの財政支援を受けて実施するという考えでございます。このことから、生活環境保全上の支障やそのおそれを除去するための安全対策として、昨年6月にも議会で発言してまいりましたように、「有害廃棄物除去のための全量掘削」は、合理性や経済性の観点から、採用することはできないと申し上げたところでございます。今後、周辺7自治会として具体的な掘削案をお示しいただき、第三者を交えた協議の場において県案と比較検討し、掘削案が効果的で合理的であれば、柔軟に対応してまいりたいと考えております。その際、議員のご指摘にもありますように、有害物が存在すること、そのことが不安であるというご意見についても十分耳を傾けていきたいと考えております。
 次に、2点目の産廃特措法延長について、国に対してどのような働きかけを行ったのかというご質問でございます。産廃特措法の延長は、本県のRD最終処分場問題の現状や取り組みを訴えながら、国の施策・予算に関する政策提案として、昨年度に引き続き本年度も、要望活動を行っているところでございます。
 次に、3点目の政権交代したことにより、今後どのような行動を国・政府に対してとろうとしているのかとの質問でございます。議員ご指摘のように、民主党のローカルマニフェストに掲げられていることからも、今後も引き続き要望活動を行うとともに、住民合意が得られた対策工を一日も早く実施計画書として取りまとめ、国へ協議してまいりたいと考えています。
 次に、4点目の6月議会以降、中立的第三者を交えた協議の場の設置のため、どのように住民に対して具体的な提案をしたのかとの質問でございます。この協議の場の設置につきましては、本年4月以降、周辺自治会長や役員を対象とする説明会や周辺7自治会の合同説明会を開催し、まず、世話人会を設置し、その上で準備会を設置していくことや、県主導ではなく協議事項や委員構成などについても住民の皆さんのご意見を反映し、十分話し合って決定していくことなどについて、県の試案、試しの案として取りまとめ具体的に提案してまいりました。本年7月には周辺自治会連絡会に、この中立的第三者を交えた協議の場は県として是非必要であり検討されたいと要請してまいりました。
 次に、5点目のこの中立的第三者の協議の場、設置についての進捗状況と、住民の皆さんとの距離感や反応をどう感じているかとのご質問でございます。これまでの説明会では、設置に向けて否定的なご意見をいただいておりますが、県では再度その必要性について説明し、検討を要請したところでありまして、これに対する正式なお答えはいただいていないところでございます。県としては、RD問題を解決していくためには科学的な知見をしっかり共有する必要があると考えておりまして、周辺自治会連絡会や各自治会において、さらにご議論いただき、中立的第三者を交えた協議の場の設置に向けて、前向きな対応がいただけるよう願っているところでございます。もとより、この協議の場を提案をいたしました思いといたしましては、県の責任、県は当事者として管理不行き届きという責任がございます。その当事者である県と、また、課題、問題を受け止めておられる当事者としての住民、その当事者同士でなかなか方向が見えないというところから、この第三者の協議の場を提案したところでございます。その根本的な方向につきましても、ご理解をいただきまして、是非とも協議の場の設置に向けてご理解を得られるよう県としても力を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に、6点目の緊急対策工について、当初の予定どおり進捗しているのかとの質問でございます。緊急対策工の設計業務は、7月29日に契約締結し、焼却炉撤去の設計は10月末に、その他の対策工の設計は11月末に業務を終える予定であります。設計業務完了後、速やかに、工事発注の手続きをした後、工事を年度内に完了したいと考えております。この緊急対策工事の地元説明会については、詳細設計を行っていく上でのご意見をお尋ねするとともに、ご質問にお答えするために9月4日に説明会を開催したところでありまして、今後も詳細設計の完了前や工事の事前説明など、時期を逸することなくしっかり行ってまいりたいと考えております。
 次に、7点目の技術・効果・時期などを含めた住民の考え方を、県としてここ数ヶ月の間に聞いてきたのかとのご質問でございます。県の今後の取り組みの考え方や緊急対策の概要、および第三者を交えた協議の場の設置については、周辺自治会の自治会長や役員に案をお示しし、ご意見をいただいた上で、周辺自治会合同説明会を開催し、住民の皆さんとの意見交換を行ってまいりました。また、7月には、周辺6自治会で構成されるRD問題周辺自治会連絡会の要請により、有害物除去、緊急対策、産廃特措法、第三者を交えた協議の場、住民案提案とその支援といったテーマについて意見交換を行ってまいりました。このような意見交換の場において、なかでも、有害物除去については周辺自治会連絡会から要望書をいただいておりまして、住民の皆さんの有害物除去対策案の工法などをお尋ねをしておりますが、現在までのところ、明確にその工法は、お示しいただいていない状況でございます。
 次に、8点目の住民案づくりに対する県からの支援内容と、6月議会以降の成果についてのご質問でございます。住民案を提案するかどうかについては、住民の皆さんの間でいろいろな意見があると伺っておりますが、まずは住民案の基本的な考え方を、周辺7自治会でとりまとめていただきたいと考えております。また、常々申し上げておりますように、住民の皆さん、時間、また予算など不足しているということを伺っております。その予算についても県として支援をさせていただきたいということは、申し出をさせていただいております。そのような中で、住民の皆さんの求める支援、可能な限り支援をさせていただいて、さらなる展開を期待をしているところでございます。
 次に、9点目の6月議会答弁後の、「効果的で合理的かつ地元住民のみなさんの合意と納得が得られる対策が1日も早く実現できる」ための具体的な努力の成果についてのご質問でございます。昨年5月から実施した周辺7自治会への説明会の経緯や結果を踏まえ、「中立的第三者を交えた協議の場」の設置の提案を行うとともに、6月議会以降は、住民の皆さんが考えておられる対策工(案)について、人的および経費的な支援を行うことを表明してまいりました。先ほど、申し上げたとおりです。まずは、周辺自治会の皆さんが提案される対策案が、どのような考え方なり具体的な、あるいは技術的な方法なのかをお尋ねし、また、皆さんが「協議の場の設置」をどのようにお考えなのかお尋ねした上で、話し合いを進めていく状況と認識しております。
 なお、焼却炉の撤去など緊急対策の概要内容について、先にお答えしたとおりでございます。周辺自治会の皆さんに説明を行っているところでありまして、焼却炉撤去などの緊急対策工事がなるべく早く、円滑に着手できるよう取り組んでまいりたいと考えております。先程来、申し上げておりますように、県としてはこの問題、責任のある当事者として前向きに取り組んでおります。平成10年以降、硫化水素ガスの発生以降、大変大きな不安を住民の皆さんに与えてしまい、ご迷惑をかけているところでございます。一日も早くこの問題が解決できるよう、当事者としての県、当事者としての住民、前向きに協議の場を設定し、住民の皆さんの案をいただきながら、できるだけ早い解決を図ってまいりたいと考えております。






 6月29日(月)に柴田智恵美議員(大津市選出)が民主党・県民ネットワークを代表して本会議質疑を行ないました。その内容を以下報告します。

平成21年度6月補正予算について

 民主党・県民ネットワークを代表して、質問いたします。
 政府は17日に発表した6月の月例経済報告で、景気の基調判断を「一部に持ち直しの動きが見られる」として、7ヶ月ぶりに「悪化」という表現を削除し、2ヶ月連続で上方修正しました。
 そして、与謝野財務・金融・経済財政大臣は「景気は底を打ったと推定できる」として、主要先進国の中で最も早く「景気の底打ち」を宣言しました。
 この判断の背景には、企業の生産活動を示す鉱工業生産指数が4月に前月比で5.9%上昇したことや、自動車の新車販売台数が4月以降、増加に転じていること、あるいは4月の輸出数量指数や5月の倒産件数などの指標が上向いたという理由によるものとされております。
 しかし、確かに、数字から見れば、マクロ的な景気回復の兆しが見られるものの、この政府の景気判断に、一般の国民、県民は違和感を感じた人も多いのではないでしょうか。失業率は上昇し、4月の有効求人倍率は、本県は0.37と過去最悪の状況であり、正社員、非正社員を含め、雇用の先行きはまだまだ極めて不透明な状況です。
 4月の滋賀県景況調査結果によると、生産、売り上げ、経常利益、業況の各DI(企業景況)は、平成20年10−12月期以降、急激に悪化しており、また、6月の滋賀県経済指標でも、本県の鉱工業指数は昨年10月から3月まで、連続して低下が続いています。個人消費も昨年の11月から今年3月まで、いずれも前年比を下回っています。企業倒産も平成20年は180件と過去最悪を更新し、今年の1月から5月の倒産件数も77件と報告されております。
 また、内閣府と財務省が発表した4?6月期の法人企業景気予測調査で、県内企業の景況判断指数は改善したと報道されていますが、これは資本金、10億円以上の「大企業」がプラスに転じたためであり、資本金、1億円以上10億円未満の「中堅企業」ではマイナス18.8、資本金1億円未満の「中小企業」は過去最悪のマイナス54.2という悪さです。製造業が改善する一方、非製造業は前回よりも悪化しています。  こうした数字を並べてみると、景気が「底を打った」といっても、景気の急降下のスピードが弱まったという程度で、まだまだ景気回復への足がかりは見えてこないのが、多くの人々の実感ではないかと思います。
 政府が「底打ち」との表現で景気の悪化が下げ止まったような表現をしたのは、政府として過去最大規模の経済対策を打ち出した成果を強調しておきたいという思惑を感じます。あえて「底打ち」という言い方をしたのは、大型の景気対策の効果と実績を示すことで、目前に迫っている総選挙を有利に戦いたいと考えているとしか思えません。
 しかし、今回の不況は、中国経済に多少の明るさがあるものの、アメリカやヨーロッパも不安定な金融システムを抱えており、こうした状況を考えると、これまでのように外需に頼った経済回復のシナリオは描けません。また、少子化、人口減の日本においては、単純な内需拡大シナリオにも限界があります。  環境、福祉、教育など、私たちが抱える課題解決を図るために有効で長期的な視野を踏まえた持続力のある産業振興策、社会保障をはじめとする安定感のある社会づくり、将来世代にツケを残さない健全財政化への取り組みなどを進める必要があると思います。
 知事は「もったいない」を標榜し、県政を進めてこられましたが、「もったいない」の先にどのような滋賀県の姿を描いておられるのでしょうか。その目指すべき姿を示し、それに向かって変わっていくことに実感がもてる取り組みを進めることが、本当の経済・景気対策だと考えます。
 こうしたことを踏まえて、まず、今回の補正予算について、知事にお伺いいたします。
 今回、国は約14兆7千億円もの補正予算で経済対策を進めようとしていますが、思いつく限りの施策を集めた印象が否めません。また、設置される基金も概ね平成23年度までとなっており、設置期間終了後、地方負担とならないか、懸念されるところです。知事は、今回の国の補正予算をどう評価されるのか、まず、お伺いいたします。
 知事は、今議会に約340億円の補正予算を提案され、このうち約185億円が本年度に事業を実施し、早期に内需拡大の効果を図るために使い、残り約155億円を各種基金として積み立て、3年間で事業執行しようとされておられます。
 2月補正においては、県政経営の方針で示された4つの重点テーマに加えて、「森林と農業、琵琶湖を活用した水と緑の雇用」「人が人を支える医療、福祉、教育への投資」という領域で雇用創出を図るとする、いわゆる「滋賀県版ニューディール」により、内需を育て、地域内部でお金が回り、人々の誇りと生き甲斐が生まれる仕事づくりなどによって、1,000人の雇用の実現を目指すとされました。これまでの緊急生活・経済・雇用対策の成果と課題をどう認識しているのか、知事にご見解をお伺いいたします。  次に、今回の補正予算では、県事業で536人、市町事業で194人、合計730人の新規雇用を生み出すとされています。しかし、その中には、専門的な知識・技能を持った人材を想定している事業も見られ、十分な雇用創出になるのか危惧されます。職を求める多くの人がおられる一方で、農業や福祉など人手不足、担い手不足の領域があるように、求人と求職のアンバランスを考慮した緊急雇用対策を進めなければ、十分な効果は得られないと思われます。人を求める側と職を求める側のマッチングについて、どのように対応しようと考えておられるのでしょうか、お伺いいたします。
 同時に、こうした短期的な雇用創出とともに、長期にわたる新しい雇用の場をつくりだしていく必要があります。本県は大学誘致に力を入れてきた結果、大学数は13、学生数は3万人を超し、人口10万人あたりの学生数は全国第1位になっていますが、残念ながら、滋賀で学んだ学生が、県内で就職先を見つけられる十分な雇用環境にはなっていません。滋賀で学び、滋賀に愛着を持つ若い人々が働くための経済構造を創り出して行かなければならないと考えますが、厳しい就職状況にあることを含め、若い人たちの雇用の場の確保に向けた、知事のご所見をお聞かせください。
 また、この補正予算の中で、多くの県立施設の長寿命化の事業が計上されております。思わぬ交付金のおかげで施設の長寿命化を進めるというだけでなく、これを機会に、施設の機能を高め、ソフト面の向上を進めることが県民サービスの向上につながると考えます。施設の長寿命化を機会に、施設のサービス向上に向けて、どのように取り組もうとされているのかお伺いいたします。
 次に、新型インフルエンザに伴う経済的影響への対応として、知事が率先して修学旅行の誘致のトップセールスに乗り出されましたが、影響の大きかった観光対策に向けた予算が組まれたことは、評価したいと思います。また、先日発表された、再来年のNHK大河ドラマに、本県ゆかりの戦国大名、浅井長政とお市の方の三姉妹の三女「江」を主人公とする「江〜姫たちの戦国〜」が決定されたというニュースも観光振興の上では明るい話題です。
 しかし、今回の新型インフルエンザは、観光業以外にも多くの分野に影響を与えました。観光業以外での経済的影響はどのように把握されておられますか。そして、それにどのような対策が考えられているのかお伺いいたします。
 最後に、補正予算と関連して、本県財政の収支見通しについてお伺いいたします。
  6月17日に地方分権・行財政対策特別委員会に提出された試算が報告されました。これによると、県税について内閣府試算の「底ばい継続シナリオ」を前提にした「リスク推計」と、「順調回復シナリオ」を前提にした「成長推計」のいずれにおいても、平成30年度まで一般会計においては毎年220億円から最大では470億円もの財源不足が生じるとされております。
 県は、財政構造改革プログラムを策定し、それに基づく取り組みを着実に実施し、歳入歳出全般の見直しによる健全財政化を目指していますが、試算結果から見ると、これまでと同様の取り組みでは、限界があることは明白です。
 こうした収支見通しの状態で、平成22年度の編成作業は可能なのでしょうか。来年度以降の予算編成でも毎年収支の帳尻合わせに精力を注がれ、未来を開く共生社会を構築していくエネルギーが生まれてこないのではないかと心配になります。
 このままでは、財政再建団体への転落もありうるとの意見もあります。知事は、持続可能で健全な県政運営に向けて、どのように取り組もうとされておられるのかご所見をお伺いし、次の質問に移ります。
   [知事答弁]
 今回の国の補正予算においては、経済危機対策として、緊急の課題である雇用対策を始め、子育て支援対策や医療・介護対策、さらに低炭素革命の推進が掲げられておりまして、これらの対策については、本県の極めて厳しい雇用情勢への対応や、本県が進める滋賀県基本構想の戦略的取り組みの方向性とも合致するものと認識しております。
 さらに、「地方公共団体への配慮」として制度化された「地域活性化・公共 投資臨時交付金」および「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」については、比較的自由度が高い形でその使いみちが地方公共団体に委ねられており、本県の極めて厳しい財政状況の中で、これまでなかなか手が回らなかった公共事業や、必要性がありながらも先送りになっていた施設の長寿命化などにも活用できるものと考えております。
 このような点から、今回の国の経済危機対策は有効なものと認識しております。
 なお、今回の国の対策をうけて、8つの基金の創設、増額を行い、基金を活用した事業を実施することとしておりますが、基金の設置期間終了後の対応については、全国的な課題でもあることから、引き続き事業を実施する必要がある場合においては、まずは、国の責任において必要な財源措置が行われるよう、強く求めてまいりたいと考えております。 2点目のこれまでの緊急生活・経済・雇用対策の成果と課題をどう認識しているか、とのご質問でございます。
 昨年12月24日に滋賀県緊急生活・経済・雇用対策本部を設置し、各種対策にこれまで、積極的に取り組んでまいりました。
 例えば、「生活対策」では、県社会福祉協議会において、緊急小口資金を創設し、4月からの2ヶ月間に118件の貸付けを行いました。また、「経済対策」においては、公共工事の上期前倒し発注について、目標の75%を上回るよう努めております。さらに、「雇用対策」については、6月1日現在で、緊急雇用創出特別推進事業において、県・市町をあわせて、延べ607人の雇用の機会を確保するとともに、ふるさと雇用再生特別推進事業では、134人の雇用を創出したところでございます。
 しかしながら、製造業の生産活動においては、一部に持ち直しの動きがみられるものの、相変わらず、低水準となっております。また、有効求人倍率も0.37倍と過去最低となるなど、県内の生活・経済・雇用情勢は、依然として、大変厳しい状況にあることから、県と国、市町が一体となって、引き続き、対策に取り組む必要があると認識しております。
 次に、雇用のマッチング、人を求める側と職を求める側のマッチングについてどう対応しようと考えているか、についてお答えいたします。
 議員のご質問の中で、緊急雇用対策事業において、「専門的な知識・技能を持った人材を想定している事業も見られる」とのご指摘をいただきましたが、今回の緊急雇用対策事業については、職を失われた方に対して、幅広く雇用機会を提供する趣旨から、特定の資格要件で制限しているものではないことを、まずは、ご理解いただきたいと思います。
 求人、求職のアンバランスについては、農業や福祉などの領域において人手不足の現状にあり、これまでから、緊急雇用対策事業の実施にあたっては、農地や森林、福祉や医療、あるいは教育、琵琶湖等に着目して雇用創出の取り組みを進めてまいりました。
 また、福祉職場に就職を希望されている方を対象とした「福祉の職場総合就職説明会」、あるいは、農業への就業を希望される方と求人を希望する農業法人等との出会いの機会となる「農の就業相談会」を開催するなどし、人を求める側と職を求める側のマッチングに努めてまいっております。
 今回、国の追加対策においても、人材確保や人材高度化等が強く要請される介護や福祉、教育などの分野を重点分野に位置づけるとの方針が出されたところであり、県としても、現場のニーズをしっかりと踏まえながら、雇用機会の創出に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、若い人たちの雇用の場の確保に向けた所見についてでございます。
 滋賀で学び、滋賀に愛着を持つ若者が、県内で生きがいを持って働き、生き生きとして生活している、そして、家族を持ち、子産み、子育てができる滋賀県にしていきたいと考えております。
 このため、大学卒業予定者などを対象とした就職面接会の開催、あるいは、県内企業を紹介する「企業ガイド滋賀」の発行、概ね35歳未満の若年者の就職を総合的に支援するヤングジョブセンター滋賀における相談支援などにより、若者の県内での就労の促進に取り組んでいるところでございます。
 また、高等技術専門校を中心に、コンピュータ制御や自動車整備などの訓練を実施するほか、基礎的なビジネスマナーを習得する講座を開設するなど、能力開発が必要な若者に対して、様々な職業訓練等の機会も提供しております。
 さらには、新規学校卒業者の求人受付の時期を迎えるにあたり、去る6月18日には、県下の経済6団体および県内の主な事業所、これについては、昨年より1,700事業所多い4,100事業所に対し、滋賀労働局長と私と教育長の連名で新規学卒者の積極的な採用について要請したところでございます。
 しかしながら、滋賀で学んだ若者が県内で就職できるようになるためには、雇用対策だけでなく、教育や地域づくりを含め、県全体で考えていかなければならない課題であり、このことについては、長期的かつ戦略的な視点をもって取り組む課題と強く認識しております。
 今回の補正予算においては、国の経済危機対策において制度化された交付金を活用して、本県の厳しい財政状況の中で必要性がありながらも先送りとなってきた、長浜荘やさつき荘等の県立老人福祉施設の改修をはじめとして、近江学園や信楽学園等の児童福祉施設、びわ湖ホールや文化産業交流会館等の文化施設の改修など、県民の皆さんに日常的に利用いただく施設等を中心に、施設、設備の改修を実施することとしております。
 今回実施する施設の長寿命化をきっかけとして、各施設における日常的な取り組みを通じて、県民サービス向上に向けて、さらに一層の工夫を講じてまいりたいと考えております。
 次に、6点目の「新型インフルエンザは、観光業以外にも多くの分野に影響 を与えたが、観光業以外での経済的影響をどう把握しているか。また、それにどう対応した対策が考えられているか。」のご質問にお答えいたします。
 まず、観光業以外での経済的影響の把握についてですが、商工観光労働部において、新型インフルエンザの発生直後の先月26日と、一定程度事態が落ち着いた今月中旬に、県内の経済団体を通じて聞き取り調査を行ったところでございます。
 その結果、長浜市・彦根市などの商店街では、県内で患者が発生した直後の土日は人出が減少したり、また、大型小売店舗では来店者数が落ち込んでいるほか、県内の飲食業においても予約のキャンセルが発生するなど、売上げに影響が出たところもあるという報告を受けております。
 このため、県としても、これまでの「セーフティネット資金」の融資対象の要件に、新型インフルエンザの影響により売り上げが減少した中小企業を新たに追加いたしまして、県制度融資のきめ細やかな対応を行うこととしたところでございます。
 引き続き、県としては事業者の方々からの相談をお受けする電話窓口である 「金融緊急ホットライン」や、商工会等へのヒアリングなどを通じて、事業者の状況を把握し、できる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。
 また、福祉サービス事業所については、休業に伴い収入の減少の影響がある と認識しております。  このため、障害福祉サービス事業所については、既存の仕組により対応することとしているところでございます。
 これまで、本県においては、平成19年度に「滋賀県財政構造改革プログラム」を策定し、その内容に沿った取り組みを実施するとともに、今年度から新たに「収支改善に向けた更なる見直し」を行い、財政収支の改善のための様々な取り組みを進めてまいりました。
 今般試算した収支見通しの結果を踏まえますと、議員ご指摘のように、財政 再生団体への転落も想定しなければならないところであり、そうした事態に至ることのないよう、まずは、現行の財政構造改革の取り組みを着実に実施しつつ、今後、歳入歳出全般にわたって一層の精査、見直しを行う必要があると考えております。
 ただ、これまでの県の自助努力のみでは大きな限界があるものと認識してお りまして、これまでも申し上げておりますように、国に対し、分権化の実現、とりわけ税財源移譲を含めた地方税財政制度の抜本的な改革や直轄負担金制度の廃止など、引き続き、強く求めていく必要があるものと考えております。  一方で、緊急の課題である経済・雇用対策や、滋賀県基本構想の戦略的取り組みとして設定された4つの重点テーマを中心に施策の構築を行い、未来への安心・未来への投資に向けて持続可能で健全な県政運営につなげてまいりたいと考えております。

雇用対策について

 以上の補正予算に関連して、次に、雇用対策について、知事にお伺いします。
 先般、NHKの番組で、「人にやさしい企業の挑戦」として、この不況下の中で正社員のリストラ、派遣切りと厳しい雇用環境の中で、「人や給料には一切手をつけない」「社員こそが開発の源泉」、安定した経営のためには「急成長は敵」、短期的な利益の追求は避ける「戦略的非上場」など、会社が頑張っている姿が放送されました。「会社は誰のために何のためにあるのか」を改めて考えさせられました。
 残念ながら、これまでグローバル社会至上主義や市場万能主義の台頭など経済優先の政策が主流となってきました。特に、小泉政権以降、社会保障制度や医療制度の行き詰まり、行き過ぎた規制緩和による労働の破壊など、人間生活と社会の土台を崩壊させてきました。今一度、人が「働く」という意味を問い直し、経済優先の政策ではなく、「生活第一」との基本的認識に立つべきです。ワークライフバランスをはじめとする、働きがいのある人間らしい生活実現のために、企業のあり方や国の政策はどうあるべきだと思われますか、知事の所感をお伺いします。
 次に、県内の雇用情勢について、お伺いします。
 滋賀県経済指標において、生産動向、個人消費ともに低下、減少しており、依然として、県内景気は一段と厳しい状況が続いています。
 企業倒産も過去最多を更新、平成20年度の高校生の就職決定率も初めて全国平均を下回り、有効求人倍率も1月以降、近畿2府4県で最下位です。非正規の雇い止めについても、月ごとに増加し、5月には5,812人となっています。
 そこで、これまでの緊急雇用対策事業の検証をしっかりと行い、今後、より効果のある対策を講じることが重要です。県は、経済・雇用の急激な悪化に対して、県民生活を「不安を安心に変える」とし、これまで「生活の安定」「雇用の創出」「経済の活性化」を一体的に取り組むとして緊急対策を講じてこられましたが、その効果とさらなる課題について、お伺いします。
 次に、離職を余儀なくされた求職者の皆さんの生活の安定、再就職の促進を図るために、本年3月に設置された「滋賀県求職者総合支援センター」についてお伺いします。
 支援センター開設以降、相談件数は5月までに1,195件とされていますが、どのような相談内容であったのか、また相談を受けるだけに終わっていないのかどうか、その特徴と対応状況についてお伺いします。
 次に、本県に多い外国人労働者に対する取り組みについて、お伺いします。
 これまで、派遣会社に衣食住を含めた生活すべてを依存してきた多くの外国人労働者にとって、今回の急激な経済・雇用危機は生活不安へと直撃しています。もちろん、子どもたちの教育にも深刻な影を落とし、NPO法人のボランティアの方の報告によると、食べることもままならない、極めて厳しい状況であるとのことです。とりわけ、長浜市、東近江市、湖南市の地域に集中しているようです。
 特に、次の4つの点が、これから必要な対策である、と聞き及んでおります。
@ 相談内容が居住・雇用・生活支援の一体的支援が必要なケースが多く、窓口相談、各種支援制度の適用の検討、申請手続きが円滑に進められるよう、各関係機関の緊密な連携が求められる。
A 製造業への復帰が、当面厳しい現状から、新たな雇用分野の開拓が不可欠。特に、福祉・環境分野への拡大のネックになっている「言葉の壁」を乗り越えるための、公的な語学研修等のスキルアップを図る機会が求められる。
B 現状の県内外国人労働者の生活実態調査が必要。特に、相談者の追跡調査は課題克服のため、早急な実施が求められる。
C 人員体制・相談窓口の増設等のさらなる相談体制の拡充が必要。
 などです。
 また、9月に失業保険の給付期限が来る方が多いと仄聞しております。こうした課題も含め、現在の外国人労働者の支援の枠組みでは、限界があると考えますが、県は、どのように対応されようとしているのか、お伺いいたします。
[知事答弁]
 次に、2点目の雇用対策について、4つのご質問にお答えいたします。
 まず、働きがいのある人間らしい生活を実現する上での、企業のあり方や国の施策の方向性に関する所感についてでございます。
 「働く」ことを通じて、一人ひとりが豊かな、そして人間らしい生活を実現していく上では、企業経営において、そこで働く従業員の生活を大切にするという視点こそが重要でありまして、そうでなければ、企業の更なる発展、社会的貢献は望めないのではないかと考えております。
 国においては、そういう視点を踏まえ、仕事と生活の調和、いわゆるワーク・ライフ・バランスを推進しておりますが、県においても、国、関係団体と連携して、長時間労働の是正や仕事と子育ての両立支援を一層推進し、企業における雇用環境の整備が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、2つ目の、緊急雇用対策事業のこれまでの効果と課題についてでございます。
 雇用の創出については、国の交付金を活用し、離職を余儀なくされた非正規労働等の方々に対して、次の雇用までの一時的な就業の機会を創り出す「緊急雇用創出特別推進事業」と、継続的な雇用機会を創り出す「ふるさと雇用再生特別推進事業」の2つの事業に、市町とともに取り組んでおります。
 6月1日現在で、県、市町あわせて、201の事業に着手し、延べ741人の雇用の機会を創出いたしました。
例えば、農業分野への就業を促進する事業や森林保全と環境学習を両立させる森林レンジャー事業などでは、多くの若者の雇用を生み出しており、また、県や市町が実施する観光関連の事業には多数の応募があるなど、着実に雇用機会の創出につながっているものと考えております。
 ただ、依然として、雇用情勢は大変厳しい状況にありますことから、引き続き、事業の早期執行に努めるなどして、全庁あげて、更なる雇用機会の創出に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、3つ目の、求職者総合支援センターの相談の特徴と対応状況についてでございます。
 まず、相談内容ですが、3月の開所時から5月末までの相談件数1,195件のうち、職業紹介などの労働相談が538件で45%を占め、次いで、生活保護や生活資金の貸し付けなどの福祉の相談、住宅の確保に関する相談が多くなっております。
 労働相談については、センター内におかれているハローワークにおいて、今日の求人が少ないという厳しい雇用情勢の中ではありますが、できる限り本人の希望や適性を考慮して、紹介に努めていると聞いております。
 また、福祉の相談や住宅相談についても、県として、必要な情報提供を行うとともに、必要に応じて、市町や社会福祉協議会、あるいは関係機関などと協議し、具体的な支援方策を確認したうえで、相談者に対してお教えするといった、きめ細やかな支援を行っております。
 今後とも、より一層、相談者の立場に立った対応を心がけてまいりたいと考えております。
 次に、外国人労働者の4点のご質問にお答えさせていただきます。
 まず、1点目の関係機関の緊密な連携についてですが、滋賀県求職者総合支援センターにおいては、先ほども答弁したとおり、相談内容に応じて、ハローワークや社会福祉協議会等と協議し、相談者に対して助言するなど、手続きが円滑に進められるよう、対応を行っております。
 さらに、日本語の理解が困難な外国人住民については、各種の窓口において通訳が必要な場合が想定されることから、関係機関に対して通訳の配置についての働きかけを行うとともに、県では、インターネットを利用して、求職者総合支援センターの職員が通訳を行う方策も試行することなどにより、関係機関との緊密な連携のもと、外国人労働者への支援を引き続き行ってまいりたいと考えております。
 次に、2点目の語学研修等のスキルアップ機会の提供についてですが、外国人労働者の就労のためには、日本語の習得が大変重要と認識しております。
 このため県としては、これまでも滋賀県国際協会を通じて、地域の日本語教室の運営に対する支援を行ってまいりました。
 さらに、外国籍住民への支援を行っている民間団体に委託し、7月から語学指導・面接指導などのスキルアップ事業をスタートさせることとしております。
 また、国においても6月より湖南市、長浜市において南米国籍の日系人を対象として、日本語能力の向上や労働法令・社会保険制度等に関する知識の習得を行う就労準備研修を開催しているところでありまして、県としては、県内の他地域でも開催されるよう働きかけを行っていきたいと考えております。
 3点目の外国人労働者の生活実態調査についてでございますが、本年1月に滋賀県国際協会が実態調査を実施しましたが、この調査から約半年が経過した今月においても、前回の調査地域の長浜市・湖南市に加え、東近江市を対象に、就業状況や雇用保険の受給状況などの生活実態の調査を実施しているところでございます。
 調査結果については、現在、取りまとめ中ですが、1月に実施した調査においては約4割であった失業者が、今回の6月の調査では、さらに増えていることが予想され、秋以降の追跡調査の実施について検討してまいるとともに、調査結果を分析し、今後必要な施策についても検討してまいりたいと考えております。
 4点目の相談体制の拡充についてでございますが、現在、滋賀県求職者総合支援センター内に滋賀県多文化共生地域づくり支援センターを併設し、コーディネーター2名と通訳者4名を配置し、外国人労働者の対応にあたっております。
 7月からは、県内のハローワークへの出張相談をはじめるとともに、8月からは、相談員1名と通訳者2名を増員し、人員体制・相談窓口の拡充・充実を図ってまいりたいと考えております。

地方分権のあり方について

 次に、地方分権のあり方について、知事にお伺い致します。
 地方分権改革推進委員会は、昨年12月に「地方政府の確立に向けた地方の役割と自主性の拡大」をテーマに、第2次勧告をし、本年6月5日には、「義務付け・枠付けの見直しに係る第3次勧告に向けた中間報告」をまとめました。この秋には、第3次勧告を取りまとめ、平成22年3月までには新地方分権一括法が国会へ提出される予定です。
 第2次勧告では、「義務づけ・枠付けの見直し」「国の地方出先機関の見直し」等について、具体的な提言をされておりますが、知事は、第2次勧告及び6月の中間報告をどのように評価されておられるのか、先ずお伺い致します。
 さらに、第3次勧告では、「国庫補助負担金の整理統合化」「地方税財源の充実確保」について焦点となると思われますが、第3次勧告に向けて期待する点があれば、お示し願います。
また、一見、地方分権への流れは加速しているかのように見えますが、事はそう簡単ではありません。権限の縮小に反発する省庁、官僚は、猛烈に、また巧妙に抵抗しており、第3次勧告の行方すら危ぶまれております。出先の合同庁舎の駆け込み的な建設や、そこに廃止を勧告されている部署のスペースまで確保するなどは、露骨な抵抗の一例であります。今こそ、政治主導で地方分権を結実させる必要があり、全国知事会でも来るべき総選挙で「分権に、より熱意のあるマニフェストを掲げた政党を支援する態度表明をすべき」との意見も多く出されております。知事も「分権を進める千載一遇のチャンス」とも発言されておりますが、発言の真意及び総選挙への知事の対応をお伺い致します。
 次に、国の地方支配の象徴と言われます「直轄事業負担金」についてお伺い致します。
橋下大阪府知事の「奴隷制度、ぼったくりバー」発言を契機に、地方の猛反発を受けて、国土交通省も2度にわたり、地方負担金の内容を情報開示しましたが、十分な情報開示と言えるのでしょうか、内容への不満も含めて、知事のご所見をお伺い致します。
 また、金子国交大臣は「職員退職手当や年金分の負担金廃止」を表明しましたが、一部報道によりますと、47都道府県のうち、40知事がアンケートに対して不十分と回答し、十分と答えたのは、長野、大分の2県のみとなっております。これは、小手先の手直しではなく、制度そのものの抜本的な改革が求められていると考えますが、知事のご所見をお伺い致します。
 次に、県の公共事業に対する市町の負担金について、お伺い致します。
この市町の負担金にも県職員の人件費等、国の直轄事業に類似する経費が含まれていると仄聞しておりますが、その実態及び情報開示はどうなのか、市町の理解は得られているのかお伺い致します。
 次に、直轄事業県負担金の支払いについて、お伺い致します。
知事は「住民や議会への説明責任が果たせず、支払いができない」と発言され、現状では、全額支払いが困難との見解を示されております。国から納得のできる説明がなければ、この姿勢を貫く覚悟がお有りなのでしょうか、お伺い致します。
 次に、市町村合併について、お伺い致します。
 合併特例法及びそれに続く合併新法のもと全国で平成の大合併が進み、1999年には3,232あった市町村が2009年3月末には1,777市町村にまで減少しました。地方制度調査会では「2010年3月末をもって一区切りとすべし」との答申を決定し、この10年吹き荒れた合併の嵐も終息する状況であります。本県でも、合併推進の方針のもと、50市町村が、現在で26市町に半減し、来年、合併する長浜市で6減、今定例会に提案されている近江八幡市の合併が議決されると1減となり、19市町に再編されることとなります。
 平成の大合併には、アメとムチが用意され、アメは合併特例債や合併市町村補助金、基金の造成等であり、ムチは、地方交付税の大幅な削減でありました。多くの市町村が悩みに悩んだ末、合併を決断し、合併協議会では「同じ合併をするのなら地域の未来を切り拓き、夢の語れる合併にしよう」と各地で真摯な議論がなされました。しかし、この理想には程遠い状況ではないでしょうか。財政難は深刻で、負担が増え、サービスが低下した、との不満も住民側から聞こえて参ります。旧市町村の垣根は依然として高く、新市での一体感もまだまだの状態です。
 知事は、こうした状況も踏まえて、現在までの県内の合併をどのように総括されているのかお伺いいたします。
 また、本県でも小規模自治体のおかれている状況は厳しく、今後の振興策や生き残り策への対応が不可欠です。彦根市を中心とした1市4町では、総務省の提唱した「定住自立権構想」のモデル地域に取り組む動きもありますが、この定住自立圏構想も含め、「平成の大合併」後の本県における小規模自治体への支援策や、基礎自治体のあり方、また、県と基礎自治体との関係について、どのようなビジョンを描いておられるのでしょうか、併せてお伺いいたします。
 次に、今回提案されております近江八幡市と安土町の合併においては、安土町で、町長リコールの請求が成立しました。こうした中で、今回、両市町の申請に基づき、廃置分合の議決を求められましたが、「対話と共感」を標榜する知事は、このような事態をどのように判断した上で、今回の提案をされたのかお伺いし、 次の質問に移ります。
   [知事答弁]
 「地方分権のあり方について」の6点の質問にお答えさせていただきます。
 まず1点目ですが、昨年12月の第2次勧告の「義務付け・枠付けの見直し」については、地方の自由度を拡大することで、住民生活を豊かにするという地方分権の本質に合致した内容であり、大いに評価しております。
 一方、「国の出先機関の見直し」については、地方整備局など6つの出先機関の統廃合により、巨大な「地方振興局と地方工務局」が設置されるという内容になっており、逆に中央集権が進んでしまうのではないかと、強く懸念を抱いております。国に対しては、出先機関の事務そのものの廃止や地方への移譲などを行うとともに、事務の地方への移譲に際しては、事業量に見合った財源を確実に移譲するよう、強く要請してまいりたいと考えております。
  「義務付け・枠付けの見直しに係る第3次勧告に向けた中間報告」については、第2次勧告において見直すべきとされた約4,000の項目のうち、特に問題があるとされた、「施設・公物設置管理の基準」や、「協議、同意、許可、認可、承認」、および「計画等の策定及びその手続き」について、具体的に講ずるべき措置の方針についての一定の整理が行われたものと認識しております。
 先ほども申し上げましたが、「義務付け・枠付け」の見直しは、真の地方自治の実現のために欠くことのできない取組であり、国においても、引き続き、調査検討を進めていただきたいと考えております。
 さらに、第3次勧告に期待する点ですが、第3次勧告では、「権限と財源の移譲」という地方分権改革の根幹に関わる内容が含まれることとなります。本県としては、地方交付税の増額・拡充とともに、さらなる税源移譲を含めた、税体系の抜本的改革を求めてまいりたいと考えております。
 なお、これには中央省庁の激しい抵抗が予想されますが、本県が主張している、地域のことは地域の自治に責任を持つ地方公共団体が決める、真の「地方政府」の確立につながる勧告となるよう、大いに期待したいと考えております。
 次に2点目の、地方分権を進めるにあたって、5月に開催された全国知事会の場で、私自身が「千載一隅のチャンス」と発言したことの真意でございますが、地方分権の推進にあたっては、各政党に地方分権の推進を政策として明確に位置づけてもらうことが重要であり、総選挙はその絶好のチャンスであることから、このように発言したものでございます。
 去る6月18日には、私自身、全国知事会の政権公約評価特別委員会の委員として、自民党・公明党・民主党の各政党の代表の方々に、政党マニフェストの大きな柱として、地方分権を盛り込むよう強く要請してまいったところでございます。
 まずは、地方分権を実現するという強い思いが、各政党のマニフェストに、どれくらい盛り込まれるか、大いに注目していきたいと考えております。
 次に3点目の、国土交通省の直轄事業負担金についての情報開示に対す る所見でございます。先日、国直轄事業の平成20年度分および21年度 分について、国土交通省より事業概要と経費内容について資料の提示と説 明がございました。これまでの負担金の通知に比べれば、情報が多くなっ ていることは事実でございますが、工事内容に具体的な数量の記載がない こと、特に基本となる基準単価がないこと、あるいは広報費や事業車両費 についての記載がないこと、また、人件費に退職金や管理職手当など、本 来県が払う理由のない項目が含まれている等、支払う負担金の妥当性を判 断するには、まだ不十分であると考えております。
 県と国は対等・協力の関係にあるのであって、県民の皆さんへの説明責任を果たすためにも、国庫補助事業の申請時に、県が国に求められている内容と同等・対等の情報開示を引き続き国に対して求めていきたいと考えております。
 次に4点目の、直轄事業負担金制度の抜本的な改革に対する所見でございますが、直轄事業負担金制度は、国と地方のどちらが負担するかという財政的な問題にとどまらない、地方分権の推進にあたっての象徴的な問題であります。
 最終的には、国と地方の役割分担のあり方、公共事業そのもののあり方といった部分にまで関わってくるものだと考えております。
 まずは維持管理費にかかる直轄事業負担金を来年度から廃止していただくよう強く求めるとともに、将来的には、直轄事業負担金そのものの廃止に向けて国に訴えていきたいと考えております。
 市町負担金には、いわゆる事業費支弁の人件費として、県職員の人件費が一定割合含まれているところでありますが、全国知事会等で国へ問題点として指摘しております「退職手当」や「管理職にかかわる給料」については含まれておりません。
 また、情報開示についてでございますが、県の公共事業に対する市町負担金に関しては、従来より市町への説明の場を設けているところであり、引き続きこうした場で、事業計画の内容等について説明することとしているところでございます。
市町については、今後さらに透明度を上げる取組に努めて参りたいと考えております。
 6点目の、直轄事業負担金の支払いについてでございますが、国からの 情報開示が不十分なままであれば、県民への説明責任を果たす必要がある 、私自身、知事の立場として、直轄事業負担金を支払わないのではなく、 支払えないと申し上げてきたところでございます。
今後、全国知事会での議論もふまえながら、具体的な対応を検討してまいりたいと考えております。
 県と国は、対等・協力の関係にあるという認識のもと、全国知事会や近 畿ブロック知事会の場などを活用しながら、国庫補助事業の申請の際に、 県が国から求められる内容と同等・対等の情報開示を、引き続き国に対して求めていきたいと考えております。
 次に7点目の市町村合併についての3つの質問にお答えさせていただきます。
 先ず1点目の現在までの県内の合併をどう総括するか、でございます。
 少子化と高齢化が同時に進む本格的な人口減少社会の到来を目前にいたしまして、地方分権改革が進展するなかで、市町村は分権社会の担い手としての体制整備が求められております。
 市町村合併の総合的な評価が得られるまでには、まだ一定の期間が必要と考えられますが、厳しい財政状況の中で、合併した市町においては、事務処理の効率化、専門化が図られ、効果的で効率的な行財政運営ができる環境が整い、行財政基盤の充実・強化が図られてきていると理解をしております。
 加えて、合併時に緩和措置として講じられた不均一の課税や料金体系への対応など、一体性の確保において課題があるものの、小中学校区や旧町村を単位とする新たな自治の仕組みを構築し、地域の歴史や文化、個性を大切にしつつ、住民が主体となった新たなまちづくりに向けた取組が進んでいる地域もあり、一定の成果が見られると理解をしております。
 次に2点目の「定住自立圏構想」を含む「平成の大合併」後の小規模自治体への支援策や、基礎自治体のあり方、県と基礎自治体との関係について、どのようなビジョンを描いているか、とのご質問でございます。
 国の第29次地方制度調査会においては、「市町村合併を含めた基礎自治体のあり方」について議論され、いわゆる「平成の大合併」を、合併新法の期限切れとなる本年度末で「一区切り」とすることや、小規模市町村における行財政基盤の強化などを内容とする答申が先になされたところであります。
 本県においても、これまでの市町合併の結果、合併市町については基盤の強化が進められる一方で、人口1万人に満たない、いわゆる小規模町においては、事務処理体制や財政基盤の確保などに課題があるものと認識しております。
 こうした中で、彦根市を中心とする1市4町では「湖東定住自立圏」の形成に向けた取組を本年度からスタートされたところであり、今後、圏域でのマネジメント能力の強化などが推進されようとしております。
 本来、基礎自治体は、住民に最も身近な総合的な行政主体として、高度化多様化する住民のニーズに的確に対応できるよう自立性の高い十分な権限と財政基盤を持つことが必要であり、県としては、市町との役割分担を踏まえつつ、分権改革の方向を見極めながら、市町の自主的な取組に対して、必要な支援や助言に努めてまいりたいと考えております。
 次に3点目の近江八幡市と安土町の合併についてでございます。
 県としては、「滋賀県における自主的な市町の合併の推進に関する構想」に基づき、合併新法の期限内における市町の自主的な合併を推進してきたところでございます。
 近江八幡市と安土町の合併については、4月に法定合併協議会が設置され協議が進められた結果、去る5月31日に合併協定調印が執り行われ、さらに両市町議会の議決を経て、今般、合併申請がなされたところであります。
 この合併においては、県内でははじめてとなる安土町を名称とする「地域自治区」が設けられるなど、地域の将来を見据え、真剣な議論が重ねられてきたところでありまして、私としても、これまでの協議の中で住民の皆さんの様々な思いが受け止められてきたものと考えております。
 そうした積み重ねの上に、住民の代表として、両市町長や議会が判断をされたものと受け止めておりまして、市町の自主的な合併を支援している県としては、その判断を尊重すべきであり、またそのことが、住民意志に叶うものであると考え、今回かかる議案を提案させていただいたものでございます。

新型インフルエンザ対策に関して

 次に、新型インフルエンザ対策に関して、知事及び教育長にお伺いいたします。
 5月20日に滋賀県内で最初の「新型インフルエンザ感染者」が確認され、以後、拡大防止には大変ご苦労をいただきました。
 幸い弱毒性であったことから日本においては死亡者もなく、終息されつつありますが、感染の流行期に入った南半球では急拡大しており、世界保健機関(WHO)は、6月11日世界的大流行、パンデミックを意味する「フェーズ6」を宣言しました。
 日本でも、この秋から冬にかけて第2波、あるいは、第3波が来るのではないか、どういう形でくるのか、と大変懸念されているところであります。それだけに、今回の事態をしっかりと検証し、次への備えが求められています。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 まず、5月の臨時議会において、知事より「まだ終息したわけではなく、総括という段階ではない」との答弁でありましたが、ほぼ1ヶ月が経ち、その後の県内感染者も確認されていないこと、更に、次の感染期に対して時間がないことから、ひとつの区切りとして総括をするときにあるのではないかと考えます。
仄聞しているところでは、既に着手されているようですが、どのような方法で、いつごろまでに総括し、これを今後、どのように生かそうとしておられるのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、個別案件4点についてお伺いいたします。
 まず、知事は、さきに「感染拡大防止に最大の重点を置き、対象地域の決定、県立高校の全県休校は適切であった」との評価をされています。一方で、「経済活動や社会生活の維持に努めていくことも重要」とも述べられていますが、今回の対応は、どう見ても感染拡大防止だけが最優先されたという感が否めず、このことが、社会経済活動の低下を招いたのではないかと考えます。
 世界保健機関(WHO)は、4月28日、弱毒性であることを発表しており、新聞情報では、中部地方の自治体では、5月上旬までに、弱毒性を想定した新アクションプログラムを策定、あるいは、休校やイベントの自粛範囲は状況に応じて弾力的に運用するとしていました。
 また、国内初の感染者が確認された5月16日、政府対策本部は「学校の休校要請を都道府県単位から原則市町村単位に縮小し、集会等については、一律の自粛要請は行わないなど」との確認事項を発表しています。
 5月20日、県内で最初の感染者が確認され、厚生労働省は滋賀県における患者や濃厚接触者が活動した地域等は大津市及び草津市としましたが、県は対象地域を大津市、草津市のほか、湖南4市を含めた6市とし、高校に至っては県下全高校の休校を決定されました。
 6市を対象地区にした理由として「交通機関における人の移動」をあげておられますが、翌21日に感染者が確認された東京都や神奈川県では、交通機関での移動経路も長く、混雑もひどく、人口密度が高いにも関わらず、対象地域は限定されていました。
 5月22日に国の対策本部は、改定した基本的対処方針を発表しました。滋賀県は、この発表前であったとはいえ、それまでの国の動きや他府県の状況を確認していれば、対象地域や期間の決定はもっと違ったものになっていたのではないでしょうか。
 知事には、地域や学校の感染防止と社会経済活動の両方に責任があり、全体を俯瞰(ふかん)して調整しなくてはなりません。国内の感染症対策は、地方自治体が主体的に実行するものであり、最終的には知事に判断責任があります。
 感染防止と社会経済活動とのバランスをどこにおくのかは、難しいことではありますが、今回の対象地域及び期間の決定に関しての問題点、今後、検討すべき課題についてお伺いいたします。
2つめに、6月19日、国は「発熱外来の見直し」を行ないました。
今後、より深刻な事態になれば、これまでの診療体制では対応できないことは明らかであり、国の見直しは現実に添ったものといえます。
 しかし、単に多くの患者を分散させるだけで解決できるものではなく、開業医においてどのような対応ができるのか、今回でも「診療拒否」の医療機関がありましたが、このような医療機関や「休診」をする医療機関が増えるのではないか。一般患者と感染者とをどのように区分するのか、施設や医療資材面での支援・スタッフ等の確保、関係団体の協力や患者の病院志向に対しての取組みも必要です。さらに、弱毒から強毒に変異する可能性もあり、段階に応じた対策も考えなくてはなりません。今回、国が打ち出した見直しについて、どのように対応されようとしているのかお伺いいたします。
 3つめに、県内企業においても、様々な対応が行なわれたと思います。県内企業の「新型インフルエンザ対策」はどの程度できているのかお伺いいたします。
 中小企業においては、単なる感染防止的な意味だけではなく、企業防衛に関わる問題でもあることを理解される必要があります。
 経営への介入と責任、あるいは経営と社会的要請等、難しい課題であると思われますが、県としてどのような係わり方ができるのか、どのように対応されるのかお伺いいたします。
 4つめに、今回、広報の不十分さも指摘されておりましたが、県民の不安を取り除き、冷静な対応のための、広報、情報提供をどう充実させるべきであると知事はお考えでしょうか、お伺いいたします。
[知事答弁]
 4点目の新型インフルエンザ対策についてのご質問にお答えさせていただきます。
 まず、今回の新型インフルエンザへの対応の総括と今後についてでございますが、
 昨日も県内で5人目の患者が確認されており、まだまだ予断は許される状態ではございませんが、今回の対応の総括に向けて、発熱外来を設置された医療機関、病院協会、医師会、薬剤師会、看護協会などからご意見を伺ってまいりました。
 県新型インフルエンザ対策本部幹事会においては、行動計画の点検・見直しを始めたところであります。これに加え、近く設置する防疫対策の専門家による委員会や市町の意見をお聞きすることとしております。
 このようななかで、課題整理を行った上で、ウイルスの毒性の強弱に対応できるものとし、秋・冬のインフルエンザ流行期に間に合うよう改正しなければならないと考えております。
 次に2点目でございますが、対象地域及び期間の決定に関しての問題点・今後検討すべき課題についてでございます。
 5月20日に本県において初の感染者が確認されましたが、この対応については県の新型インフルエンザ対策行動計画にしたがって発生初期の段階で封じ込めを行うことを重点に、6市を対象地区として学校の休業や県立施設の閉鎖等の措置をとりました。  
 5月22日になって厚生労働省から基本的対処方針が改定され、地域の実情に応じた柔軟な対応をとることとされ、その後の発生についてはこの方針にしたがうことといたしました。
 京阪神への通勤通学圏である本県としては、最初の患者発生時、少ない情報の中、患者の行動確認や感染経路の推測なども踏まえ、まずは県民の健康を守ることを第一に、感染の封じ込めと拡大防止を最優先に、対象の地域、期間を決定したもので、県民の皆様のご協力、ご理解もあって初期の感染拡大の防止ができたものと考えております。
 県がとった対応によって、社会経済活動の低下を招いたとのご指摘でございますが、例えば、旅館やホテルのキャンセルについて言えば、5月16日に神戸で国内初の感染があり、すでにその翌日の17日には県内でキャンセルが確認されております。その後、県内初の発生の5月20日までの間に相当数のキャンセルが出ている事実から判断すると、関東あるいは九州地域など遠隔から見ると、関西一円が影響を受けて汚染されているというイメージによってもたらされたものであるとみられ、必ずしも県のとった個別の対応が原因で、社会経済活動の低下を招いたものではないと事実に則して判断をしているところでございます。
 とはいえ、今後は、感染防止と社会経済活動とのバランスをどこにおくかは大変難しい問題でございまして、防疫的な見地から、毒性の程度や感染力の強さを見極めて、第二波に対し適切な対応ができるようにしてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の国が打ち出した「発熱外来の見直し」にどのように対応しようとしているのかについてでございます。
 国の運用指針では、今回のH1N1のような新型インフルエンザに対応するため、原則として全ての一般医療機関においても発熱患者の外来診療を行うこととしておりますが、同時に、院内感染対策の徹底も求めております。
 このような対策が既に整っているのは、発熱外来を実施している医療機関であり、当面、こうした医療機関に受診していただくことが、国の指針にかなうものと考えております。
 加えて、多くの一般外来でも発熱患者の診療を行っていただけるよう、できるだけ早期に医療体制を整えてまいりたいと考えております。      
 また、強毒へ変異した際にも備えて、発熱外来の増設、県医師会の協力による医療従事者の確保等も進めてまいる必要があると考えております。
 次に、4点目の県内企業の対策についてでございます。
 まず、1点目の新型インフルエンザの発生に備えての対策ですが、企業活動については、その社会的影響の大きさから、災害や事故で被害を受けても、主要な業務が中断しないことや、中断しても可能な限り短い期間で業務を展開できる対応が求められている。そのためには、新型インフルエンザの発生に係わらず、企業におけるBCP、Business Continuity Plan、事業継続計画の策定が重要なことから、これまで、経営者、経営指導員に対する研修会に対して支援を行ってきたところでございます。
 次に、県として企業にどのような係わり方ができるのか、どのように対応するのかについてでございますが、今回の新型インフルエンザに関しては、その発生による労働力不足や一部商品の入手困難など、企業への影響が想定されることから、商工会・商工会議所等の県内経済団体や県のホームページを通じて、必要な情報を逐次提供するとともに、最新の正しい情報に基づいて冷静に対応することをお願いし、企業活動への影響を最小限にとどめるよう努めたところでございます。
 今後の新型インフルエンザの発生に備えて、引き続き県内企業においてBCPの策定が進むよう、経営指導員等による啓発および策定の支援を積極的に進めて参りたいと考えております。
 次に4点目の「県民の不安を取り除き、冷静な対応のために、広報、情報提供をどう充実させるべきと考えているか」のご質問についてですが、県の主な広報媒体には、広報誌「滋賀プラスワン」、広報テレビ番組「県政週間プラスワン」、ホームページなどがあります。
 まず、広報紙「滋賀プラスワン」では、昨年の11月号に『新型インフルエンザQ&A』の記事を掲載し、早くから注意喚起を行って参りました。今後は、7月号で「新型インフルエンザへの備え」と題したコーナーを掲載し、続く9月号では記事を切り抜いて身近なところに保管・掲示できるような体裁にするなど、工夫を加えた情報提供も考えております。
 次に、広報テレビ番組「県政週刊プラスワン」では、昨年11月に特集番組を放送したほか、今回の新型インフルエンザ対策については、国内で感染者が確認された5月16日から2週にわたり、詳しく解説するとともに、県民のみなさんへ冷静な対応を呼びかけました。また、ラジオ放送による周知、びわ湖放送の地デジ・データ放送による24時間視聴可能な情報提供もあわせて行っております。次に、ホームページについては、トップ画面の一番、目につくところに「新型インフルエンザ対策」のコーナーを設け、最新情報を掲載しており、本県での感染者が最初に確認された直後の1週間では10万件を超えるホームページへのアクセスがありました。また、携帯電話用のホームページにも一部情報を掲載し、パソコンをお持ちでない方や外出中の方でも情報を入手できるようにしております。
 その他、先の5月補正予算で証人をいただいております新聞広告への掲載やチラシの全戸配布についても、それぞれを必要な時期に効果的に活用していきたいと考えております。
 今後、再流行のおそれや、毒性・感染力の強いインフルエンザに変化する可能性も指摘されており、県民のみなさんの情報の入手手段が多様であることから、速報性、保存性など各媒体の特性を効果的に使い分け、インフルエンザに対する不安を取り除き、冷静な対応をしていただくための広報の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、教育長にお尋ねします。
 「高等学校は全県一区制であることから、全校を休校にされた」と聞いておりますが、同じ全県一区の自治体で、一例発生しただけで全県休校にしたのは滋賀県のみと聞いております。
 今回の問題点と今後に向けての取組みについてお伺いいたします。
[教育長答弁]
 今回の新型インフルエンザ対策についての問題点と今後の取り組みについてのご質問にお答えします。
 今回の学校の休業措置については、県新型インフルエンザ対策本部の方針を受け、6市の幼稚園、小学校、中学校について休業要請を行うとともに、県立高校については、この時期、県内外の学校とのスポーツ交流が盛んであり、他府県ではこのことにより感染が広がっていたことや活動範囲が広く、通学区が全県に及ぶことなどから、感染防止を最優先に考え、すべてを臨時休業としたところであります。こうした措置を取ったこともあって、学校等での感染は防止できたものと考えております。
 しかしながら、休業によって生じた授業の遅れや学校行事の延期など、児童生徒等の学校・園での生活に少なからず影響が出ておりますので、夏季休業中に補充授業を計画するなど、学校・園の実情に応じて適切に対応しているところです。
 今後の取り組みといたしましては、まずは感染防止と初期対応が大切であることから、うがいや手洗いといった保健指導や、日々の健康観察による保健管理の充実を図るとともに、児童生徒等の健康状況に著しい変化があった場合には速やかな報告を求め、患者発生の早期把握に努めることとしております。  また、学校で患者が発生した場合には、新たな国の運用方針等に沿って、必要に応じて出席停止、学級閉鎖、休校などの措置を講じ、学校での感染防止に努めるとともに、保護者の理解と協力を得ながら、その影響を可能な限り、最小限にとどめるよう取り組んでまいりたいと考えております。

滋賀県文化振興条例案について

 次に、滋賀県文化振興条例案について、知事にお伺いいたします。
 文化を振興することで、県の品格・風格を高めることになり、また、そのことが、結果として県内の観光や地域活性化、産業振興に繋がると考えます。
 また、今後の県全体に及ぼす影響も大きなものがあり、成熟期を迎えた社会の使命として、このたびの滋賀県文化振興条例が魂の入った条例となるよう強く願い、質問させていただきます。
 21世紀を迎えた平成13年、国において文化芸術振興基本法が制定されました。同年、本県においては、滋賀らしい文化芸術振興のあり方について検討するため「滋賀らしい文化創造の基本的な考え方」を策定されました。そして、文化創造の環境づくりに取り組む中で、平成16年度に、文化施策の再構築を図るための「滋賀県立文化施設のあり方」を検討、平成17年度には、しがの文化芸術・新生プロジェクト戦略で各分野との連携、協働、支援をはじめ、平成18年度以降においては、県立文化施設のホールネットワークの再編を行なうなどの文化施策を展開してきました。
 一方で、本県独自の文化芸術に関する基本理念の確立や総合的かつ計画的な施策の推進等が課題となっていることから、今後の滋賀らしい文化芸術活動振興のあり方を、条例制定や基本方針の策定も視野に入れながら検討を行なうとして、平成18年に「滋賀らしい文化芸術振興のあり方検討委員会」が設置され、今議会に提案された文化振興条例案に繋がったと理解しております。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 すでに、全国では、22の都道府県において文化芸術振興に関する条例が制定、施行されております。文化が行政課題の一つとして取り上げられるようになった1970年代の後半、本県は、文化行政を担当する部局として、教育委員会に文化振興課、社会教育課、青少年課、文化財保護課の4課で構成された文化部を設置するなど、いち早く取り組みを始めた自治体の一つとして全国に知られてきました。以降、30年余りの間、文化行政が取り組むべき課題検討のための「湖と文化の懇話会」の開催、県民との協働をテーマにした「草の根文化活動」の展開、行政のすべての分野に文化の屋根をかけることを目的として実施された「文化の屋根事業」、そして文化に係る研修会、懇談会、セミナー、シンポジウム、研究会などの開催など、積極的に文化行政をすすめてきた経緯があります。このようにかつて力を注いできた本県の文化行政の経緯と効果をどのように受け止め、今回の策定は、どういった滋賀らしさや特徴のあるものになったのか、お伺いいたします。
 また、本条例案の第2章、第4条に、「知事は、文化振興施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、文化の振興に関する基本的な方針を定めるものとする」とされております。さらに、基本理念に基づいた施策を実施するための県の責務と文化の振興に関する基本的施策を実施するにあたっての県の役割が明記されております。今後の本県の文化行政の推進に、大きな期待をするものでありますが、しっかりと実効性のある有効な施策の取り組みにならなければ、条例制定の意義はないと思われます。多様な主体との連携が必要となる中、基本的な方針を受けて、今後の施策を進めるにあたり、県の体制について、具体的にどのように考えておられるのかお伺いいたします。
 言うまでもなく文化は、人々の心を豊かにし、地域を元気にするエネルギーを持っています。そして、本県は、琵琶湖を取り巻く豊かな自然、歴史、風土に恵まれており、多種多様の有形無形の文化が、人々によって、その時代や世代を超えて守られ、伝えられてきました。今現在でも力強くその存在感が示されており、その価値は計り知れないものがあります。今後も広く、多くの理解と協力を得るために、この条例をいかに地域や県民の皆さんひとり一人の意識の中に根ざすことができるかが重要と考えますが、県民、市町との連携を含めた今後の方策についてお伺いいたします。
 また、文化財を例にしますと、県内で唯一、国宝や重要文化財など、仏教美術を中心とした美術品等を多数保有した博物館であります県立琵琶湖文化館が、来館者の減少、耐震上の問題、エレベーター、冷暖房など設備的問題などの理由により、昨年3月末で、休館を余儀なくされました。またその後、文化庁から承認を受けておりました勧告承認出品施設および、公開承認施設を返上した結果、この地で守るべき滋賀の宝の県外流出を止めることが出来ず、残念な方向へ向かっていった現実は否めません。しかし、その背景には県財政の厳しさがあることは言うまでもありませんが、心まで貧しくなってはならない、と強く思ったところです。
 さて、本条例案には、財政上の措置について明記されておりません。先ほど申し上げました22の都道府県の条例には、ほとんどの自治体で、この財政上の措置が明記されております。本県の厳しい財政状況は理解しておりますが、文化振興において、必要な財政措置を講ずることは、今を生きる私たちの社会的責任ではないでしょうか。知事のご所見をお伺いします。
 最後に、本条例を絵に描いたモチにしないことを強く願い、次の質問に移ります。
   [知事答弁]
 次に、「滋賀県文化振興条例案について」の4点のご質問にお答えさせていただきます。
 1点目の「本県の文化行政の経緯と効果、また本条例案の滋賀らしさや特徴」についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、本県では文化の重要性に早くから着目し、滋賀の個性が発揮できるよう、文化施設の整備や芸術文化祭の実施等を通して県民の文化活動を支援し、滋賀の志が発信できるよう、文化行政に積極的に取り組んでまいりました。
 その結果、ハード面の環境は整い、人が育つとともに、県民の活動が活発になるなど、議員もご指摘のように対外的にも高い評価をいただくような段階になっております。
 今後は、これまでの先人の努力また成果を確実に活かしながら、この条例の制定を契機としたしまして、こうした文化施設、蓄積されたノウハウの活用をさらに図り、県民の自主的な活動がより活発になり、より広がるよう、「多様な主体との協働」、「次世代の育成」に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、独自の歴史や風土に培われてきた滋賀の文化の特色を踏まえ、文化の範囲をより幅広くとらえ、「地域において継承されてきた文化的資産」、「人々の生活とともに形成されてきた風景」なども対象とし、さらには「産業、福祉、教育など他の分野との連携」にも取り組んでいきたいと考えております。
 次に2点目の「施策を進めるにあたっての具体的な県の体制について」でございます。
 文化の振興に当たっては、県民をはじめ地域文化を担う多様な主体が相互に連携していく必要があります。
 こうしたことを踏まえ、学識経験者や県民などで構成する文化審議会を設置し、基本方針の策定や文化振興施策の実施状況等について幅広い観点から議論していただくことといたします。
 また、広範囲にわたる文化振興施策を効果的に企画実施するため、庁内の関係部局による連絡調整会議を設けるなど全庁的に文化行政を展開してまいりたいと考えております。
 さらには、「文化と経済は社会の発展にとって車の両輪」と言われていることから、経済界との連携にも努めてまいりたいと考えております。
 次に3点目の「県民、市町との連携を含めた今後の方策について」でございます。
 条例の制定後、記念フォーラムの開催などを通じて、条例の趣旨や目的等を県民の皆さんと共有できるよう努めてまいります。
 これまでから県内各地では、子どもたちに芸術体験を届けるボランティア活動、近江歴史回廊大学の修了者による文化的資産を活用したまちづくりの取り組みなど、文化に関する活動が大変活発になってきております。
 こうした、地域文化を担う多様な主体の文化活動がより活発になるよう、今後策定する基本方針に文化の振興に関する総合的かつ長期的な目標、文化振興施策の方向、条例に規定した基本的施策の具体的な内容などを盛り込み、その方針に沿って県民の皆さんや市町との連携のもとに施策を展開してまいります。
 最後に4点目の、「文化振興施策を進める上での財政的な措置について」ですが、基本的施策のそれぞれにおいて「必要な施策を講ずる」こととしておりまして、そのため必要な財政措置は当然講ずるものとなります。
 本県の財政は引き続き大変厳しい状況にありますが、限られた財源の中にあっても、文化振興分野も含め県政の全ての分野にわたって、毎年度の予算編成を通じて必要な財政措置を講じてまいりたいと考えております。
 今さら言うまでもなく、文化の担い手である県民一人ひとりの文化活動を後方、側面から支援することが行政の役割でありまして、県民と行政との協働のもとに文化振興施策を推進し、文化を大切にする社会的気運をより一層盛り上げてまいりたいと考えております。

アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について

 次に、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題について、知事にお伺いいたします。
 我が会派は、処分場排水管から硫化水素が検出された平成11年秋以降、一貫してこの問題に取り組み、この間、地元選出の国・県・市議会議員はもとより、会派をあげて解決に向け、住民の皆さんと努力をしてきました。
 そして、国会では、4月14日に、産廃特措法の失効を平成25年3月31日から平成35年3月31日に期限延長するよう求める『産廃特措法の一部を改正する法律案』を衆議院に提出しました。
 産廃特措法の10年延長により、『徹底した支障の除去の推進』と『周辺住民の安全・安心の確保』に向け、現在も各級議員が鋭意努力しております。
 これを受け、県としても、国の支援を得て対策工を実施するために、「産廃特措法の期限延長」は現実的な課題であり、国に強く要望しておられます。国への働きかけの今の進捗状況と交渉過程での延長の可能性について、知事として、現時点でどのように考えておられるのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、現行特措法内での最良の恒久対策について、県の対策実施に向けた現在の状況についてお伺いいたします。
 県は、この問題の抜本的解決に向けて、「地域住民の皆さんの合意と納得が得られること」「効果的で合理的であること」が基本的な大原則であるとされています。さらに、知事自身、我が会派の九里議員の2月定例会一般質問に対して、県の示す『よりよい原位置浄化策案』と『有害物撤去を含む案』とをラウンドテーブルで精査、検討、比較することが大事と答弁され、そのためには中立的な第三者の客観的評価、コメントが必要不可欠と答弁されていました。
 その後、3ヶ月半が経過していますが、『よりよい原位置浄化策』と『有害物撤去を含む案』との精査、検討、比較結果についてどのような判断をされたのでしょうか、お伺いいたします。
 行政対応検証委員会の報告内容にもあるように、地域住民の不安と要望に応えるため、県と地元住民の皆さんが互いに胸襟を開き、膝を交えた誠実な話し合いを即刻すべきだと思いますが、2月定例会以降、住民の皆さんとの意見交換や話し合いはどの程度進捗し、効果がでているのでしょうか。
 また、時間がない中、一方では『現行特措法内での対策協議』をすべきだと考えますが、知事としての見解をお伺いいたします。
 周辺自治会では連絡会を立ち上げ、少しでもこの問題解決に向けて、県の皆さんと向き合い、その距離感や温度差を縮めたいと考えておられます。先月27日には周辺6自治会の集約として、『恒久対策で有害物除去をしてほしい』との要望がでています。この要望について、どのように対応しようとされているのでしょうか、お伺いいたします。
 有害物除去に関して、住民の安全安心の願いに応えるだけのリスク評価を県として行い、住民に明示した上で有害物を除去するべきだと考えますが、その可否についてもお伺いいたします。
 さらには、県の「よりよい原位置浄化策」を住民に理解してもらうための具体的な進展はあったのでしょうか。なければ、膠着状態が続くばかりです。知事として、県案に固執されず、科学的、技術的、予算的根拠があれば、柔軟に対応するお考えはあるのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、抜本的対策実施まで放置することができない生活環境保全上の支障、または、それを除去するための緊急対策工について、お伺いいたします。
 緊急工事費が、本年度、予算化されていますが、緊急対策に対しての設計、積算入札、工事実施のタイムスケジュールと一日も早く着手して、こその緊急対策だと考えますが、いつから本格的に工事着手されるのでしょうか、その時期をお伺いいたします。
 今、地域住民は知事と直接話し合いたいと強く願っています。不安を安心に変える県政に取り組むことが、本年度の知事のテーマです。
 長年放置されてきたこの問題に対し、知事は、一定行動し、着手してこられました。いよいよ緊急対策が今年度より始まることに地元では大きな期待があります。マニフェストにも記載されている通り、この問題にかける環境知事としての、また滋賀県のトップリーダーとしての手腕が、今こそ問われています。
 地域住民が、安全で安心な生活ができるよう、解決に向け、琵琶湖環境部はもとより、県庁力を最大に活かした取り組みを推進していただくための覚悟と熱意を最後にお伺いし、次の質問に移ります。
   [知事答弁]
 次に、RD最終処分場問題についての9点のご質問にお答えいたします。
 まず、1点目の国に要望している「産廃特措法の期限延長」の進捗状況と延長の可能性についてでございます。
 産廃特措法の延長は、本県のRD最終処分場問題の現状や取り組みを訴えながら、国の施策・予算に関する政府提案として、要望活動を行っております。
 現時点における、産廃特措法の延長の見通しは大変厳しいものと認識しておりますが、合意が得られた対策工を1日も早く実施計画書として取りまとめ、国へ協議してまいりたいと考えております。
次に、2点目の「よりよい原位置浄化策」と「有害物撤去を含む案」との精査、検討、比較結果についてどういう判断をされたのかとのご質問ですが、
 2月定例会では、有害物撤去と粘土層修復および継続的な監視などを行う「栗東市調査委員会の案」と、「よりよい原位置浄化策」などの対策案をラウンドテーブルで精査、検討、比較することが大事だと申し上げました。
 この対策案の精査、検討、比較のために、中立的第三者を交えた協議の場を設置したいと考え、住民の皆さんに提案させていただいたところでございます。
 次に、3点目のご質問ですが、2月定例会以降、住民の皆さんとの意見交換や話し合いはどの程度進捗し、効果がでているのかとのご質問でございます。
 周辺自治会には、今日まで、説明会を開催し、中立的第三者を交えた協議の場の設置を提案するとともに、焼却炉の撤去などについて、ご説明申し上げたところであります。
 中立的第三者を交えた協議の場については、現時点では、その設置に否定的なご意見をいただいておりますが、緊急対策事業については、出来るだけ早い時期に具体的な工事説明会を開催していきたいと考えております。
 次に、4点目の「現行特措法内での対策協議」についての見解を伺うとのご質問ですが、
 県として講じるべき対策工に合意が得られ次第、県として実施計画書の策定に全力をあげ、その上で、国と本格的な協議を行い、対策工の実施に向けて最大限努力する所存でございます。
 次に、5点目の有害物除去の要望についてどのように対応しようとするのかとのご質問でございます。
 周辺自治会の住民の皆さんの有害物除去への思いは理解しておりますが、まずは、有害物を除去するための具体的な対策工について、住民の皆さんがどのような考え方をお持ちなのか計画にまとめていただき、その詳細について伺ってまいりたいと考えております。
 計画の技術的、また、効果、さらには時期などを含めた計画の具体案をまとめていただき、そのような計画ができるよう、経費的な面も含め支援を検討してまいりたいと住民の皆さんには提案をしてまいります。
 その上で、県案と比較検討させていただきたいと考えております。
 次に、6点目の有害物除去に関し、リスク評価を行い、有害物を除去するべきとの質問でございますが、RD問題周辺自治会連絡会の皆さんが要望されている「有害物除去」への対応については、住民の皆さんと県とが共通認識を醸成していくことが大切と考えております。
 先の県議会でも、RD処分場からの健康被害に関する毒性や暴露量を基にしたリスク評価をお示ししたところでございますが、今後、RD最終処分場の現状や県としてこれまでお示ししたリスク評価を住民の皆さんがどう考えるのかといった話し合いを真摯に行っていく必要があると考えております。
 次に、7点目の「よりよい原位置浄化策」を住民に理解してもらうための具体的な進展はあったのか、県案に固執せず、柔軟に対応できるのか、とのご質問でございます。
 「よりよい原位置浄化策」に係る当初予算を見送った以降は、膠着状態の打開に向けて、協議の場の設置についての検討を進め、先程ご説明申し上げましたような形で地元での説明会を行ってきたところでございます。
 対策工は、廃棄物処理法に基づく行政代執行として行うとともに、産廃特措法に基づく国からの財政的な支援を得て実施しなければなりません。
 したがって、対策工は科学的な知見や技術的な根拠を有し、その中でも効果的で合理的な手法を選択していくことが重要な条件となっておりまして、現時点では「よりよい原位置浄化策」が最も効果的で合理的な対策案であると考えております。
 他に、周辺7自治会として、上記に申し上げましたような科学的、技術的な根拠を有し、効果的で合理的な条件を備えた対策案が提案されるのであれば、第三者を交えた協議の場において比較検討した上で、柔軟に対応してまいりたいと考えております。
 また、先程申し上げましたように、住民の皆さんご自身が計画案を提案するにあたっての、人的あるいは具体的な支援について、必要とあれば検討させていただきたいということも申し上げさせていただきたいと思っております。
 次に、8点目の緊急対策工事にいつ着手するのかとのご質問でございます。
 緊急対策工事に係る設計業務を秋には終え、できるだけ速やかに工事に着手し、年度内には完了したいと考えております。
 次に、9点目の取り組みを推進する覚悟と熱意についてでございます。
 対策工についての地元住民の皆さんとの話し合いを進め、効果的で合理的かつ地元住民の皆さんの合意と納得が得られる対策が、1日も早く実施できるよう私自身努力をさせていただきたいと考えております 。

地球温暖化防止対策について

 次に、地球温暖化防止対策について、知事にお伺いいたします。  
 麻生首相は、去る6月10日に、温室効果ガスの2020年までの削減目標について、2005年比で15%削減すると発表しました。しかし、これは90年比でいうと、8%の削減であり、京都議定書の約束と比べれば、わずか2%の上乗せでしかありません。
 麻生首相は「本格的な国際交渉に向けた第一歩」としていますが、COP3を開催し、また、福田内閣時代には「2050年に現状比60〜80%削減」という長期目標を掲げ、環境面で世界をリードすべき役割を持つわが国としては、地球の気候変動に真正面から取り組もうという熱意が感じにくい目標設定と言わざるを得ません。
 特に、今回の国の目標設定は、国内の産業構造や社会のあり方が大きく変わらないことを前提にしています。そのために、民生部門での負担感の高さも感じられます。世界が本格的に低炭素化社会に向けて舵を切ろうとしているとき、この目標設定では、日本は取り残されてしまうのではないかと危惧するところであります。
 民主党は「90年比25%削減」を掲げておりますが、政府はもっとインパクトのある温暖化対策と経済成長の両立への意欲を世界に示さないと、国際的な理解も得られないと考えます。
 そこで、昨年「持続可能な滋賀社会ビジョン」を発表され、「2030年温室効果ガス90年比50%削減」を目標として掲げている知事は、国の削減目標についてどのようにお考えでしょうか、ご所見をお伺いします。
 知事は、「2030年には90年比CO2半減」という社会は、どのような社会であるかを示すことが大事だと考えます。
 例えば、高齢化が進むことも視野に入れて電車やバスという公共交通を充実するといった施策への転換や、個別交通としてのアシスト付き自転車の普及など、これまでの自動車交通を前提とした道路整備への投資からの転換も必要だと思います。
 先日、コンビニにおける賞味期限切れ食品の廃棄問題に対して、公正取引委員会が、排除措置命令を出しましたが、こうした大量廃棄型産業構造からの転換も必要です。 また、森林の持つCO2吸収機能やバイオマス利活用、まず森林の現状を具体的に把握し、現況を踏まえた山を生かす戦略を打ち立てていくことも必要だと考えます。
 今回の補正予算の中に、太陽光発電導入支援対策が盛り込まれ、県下の市町でも上乗せをしていく動きも見られますが、残念ながら、県の事業は、今のところ今年度限りという限定的な対応です。太陽光発電に限らず、山や田んぼのバイオマス利用など再生可能エネルギー普及への取り組みは、国の制度を待つだけでなく、滋賀県としても積極的な対応が必要だと思われます。
 これからは、化石資源・化石エネルギーを土台にした産業構造や、使い捨て型が残る社会構造を、環境と経済が好循環する社会にしていくことが大事だと考えますが、知事はどのような滋賀の姿をイメージされておられるのでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
 さらに、それを実現していくためには、県民、企業、市町などの理解と協力が不可欠だと考えます。今回の大型補正予算では、こうした社会への転換を促進する仕組みづくりの検討がなされたのでしょうか、お伺いいたします。
 本県においては、地球温暖化対策推進計画に基づき、平成22年の温室効果ガス排出量を、基準年である90年比で9%削減することを目標に、取り組みが進められてきておりますが、計画の達成状況と、今後の目標達成のためには何が課題と考えておられるのかお伺いします。
 次に、今年度から、2030年に90年比半減を実現するためのロードマップの作成が始まっています。高い目標の実現のためには、知事のトップリーダーとしての強い指導力が問われますが、作成に当たって、どのような指示をなされたのでしょうか、お伺いいたします。
 地球温暖化防止ということについては、人々の関心は高いものがありますが、強力な施策を着実に進めていくためには、安定的な財源も不可欠です。
 国に先がけた対応を行うためには、必要な財源を明確にし、力強い温暖化防止対策をすすめる必要があると考えますが、財源捻出に対する知事のご所見をお伺いいたします。
 最後に、温暖化防止条例についてお伺いいたします。
 去る6月11日に、本県の地球温暖化対策を総合的に推進し、温室効果ガス削減の実効性を確保する拠り所となる新たな条例の制定を含む、今後の地球温暖化対策推進のあり方を検討するため、環境審議会に諮問されました。これを受けて、温暖化対策部会で、今後の措置について、検討が始まっております。この審議会の議論と先ほどのロードマップ策定の作業とは、どのような連携をとって進められるのでしょうか、お伺いいたします。
 地球温暖化は、直接、県民生活に影響を与え、また滋賀県にとってはかけがえのない琵琶湖の生態にも大きな影響を与えます。その視点をもつことが、琵琶湖の赤潮を転機として環境問題に取り組んできた滋賀県の環境保全への取り組みの底力となると思います。
 地球温暖化防止にかける知事の決意をお伺いして、質問を終わります。
   [知事答弁]
 地球温暖化防止対策についての8点のご質問にお答えさせていただきます。
 1点目の、国の削減目標についてどのように考えているかでございます。
 今回の中期目標の決定にあたりましては、政府は6つの選択肢を公表し、広く国民への意見募集をするなど、参加型のプロセスを採用されたというところは大変評価できるところでございます。
 しかし、今回の中期目標の検討にいたる議論を見ておりますと、経済的コストや国際的な公平性などが大きな論点になっており、現在の産業構造なり技術体系を前提とした社会経済的側面からの議論が中心となっていたように思われます。その結果として、我が国の経済的負担や公平性というメッセージが強く国民に向けて出されたのではないかと思います。
 本来、中期目標の検討にあたっては、今、私たちが享受している自然の価値やめぐみ、それらが損なわれることによる損失についても同時に議論がなされるべきでありまして、その意味でもさらに高いハードルを自ら課すことが国際交渉をリードするとともに、20世紀型の社会構造を転換するチャンスにもつながるものと考えております。
 次に2点目の、どのような滋賀の姿をイメージしているのか、とのご質問でございます。
産業革命以降、今日までの大量生産、大量消費、大量廃棄に象徴される20世紀型の石油文明ともいうべき世界のパラダイムからの大きな転換期に今さしかかっており、これまでとは異なる新たな社会を構築しなければならない時期だと考えております。
 本県では、バランスのとれた経済発展を通じて、固有の歴史と文化に恵まれた自然と共生する「持続可能な滋賀社会ビジョン」を他府県に先駆けて策定してきたものでございます。
それを実現していくためにも、20世紀型の産業構造から、本県の本来持っている自然の力、あるいは、人の力を活かして、医療や福祉などのサービス産業や観光産業、そして環境産業や農林水産業を含めた形での産業構造の比重をより高めることも重要であると考えております。
 滋賀の環境と生態系が健全に保たれ、バランスの取れた経済発展を通じて、県民すべての生活の質の向上が図られている豊かで安全な社会、また利便性を求めつつも安心できる社会、それが私たちの目指すべき社会像であると考えております。
 3点目の、今回の大型補正予算で、社会の転換を促進する仕組みづくりの検討がなされたのか、とのご質問でございます。
 我が国の経済が大変厳しい事態に直面する中で、滋賀の持つ強みや潜在的な可能性を生かして、将来にわたり持続可能な成長を支える社会基盤を構築していくことが、改めて言うまでもなく重要でございます。
 今回の補正予算においては、県内での需要創出、雇用拡大など現下の経済危機対策に直接対応できる補正予算を計上させていただきました。
 したがって、将来の社会の転換を促進する仕組みづくりに向けて、補正予算の重点の一つである「未来に向けて種まきとなる事業等の展開」として、温暖化対策においては「住宅用太陽光発電導入支援対策補助事業」を行うこととし、また、この取組が将来に向けた新エネルギー導入促進の端緒となり、本県の環境産業の一層の発展に資することを期待しております。
 さらに、「小学生のための温暖化学習普及推進事業」において、学習船「うみのこ」での、琵琶湖と地球温暖化との関わりについての学習プログラム作りを実施し、将来の世代が一県民として温暖化対策に「自分ごと」として取り組むための導入部となるよう意を配ったところでございます。
 今後も引き続き「地域グリーンニューディール基金」を活用した事業計画の検討や、2030年を目標とするロードマップ作成の中で、さらには滋賀全体としての将来構想の中で、仕組みづくりについて十分検討・研究してまいりたいと考えております。
 4点目の、温暖化対策推進計画の達成状況の現状と、今後の目標達成のための課題についてでございます。
滋賀県域からの温室効果ガスの排出状況は、2006年で1990年比7.7%減でございますが、直近の3年間では横ばい傾向であり、温暖化対策推進計画の目標である 1990年比9%削減、さらには持続可能な滋賀社会ビジョンの目標である2030年での1990年比50%削減に向けて、さらなる努力が必要な状況であります。
 これら目標を達成するための今後の温暖化対策の課題は、一つには削減を確実に進める実効性を担保する制度的枠組みを設計することであり、今年度から新たな条例作りと、ロードマップ作りに取りかかっているところであります。
 もう一つの課題は、地球温暖化問題の原因者でもあります県民、事業者、行政等の主体的な取り組みを推進するため、温暖化問題の「自分化」を進めることであると考えております。
そのための取り組みの第一歩といたしまして、昨年度より県民の誰もが簡単に自らのCO2排出削減を「見える化」できるWEBサイト「みるエコおうみ」を立ち上げているところでございます。
 また、本県経済界は、これまで琵琶湖の保全などにも積極的に取り組むなど、環境保全への意識が高く、滋賀エコ・エコノミープロジェクトなどを始め、温暖化対策にも率先して取り組まれており、県としてもこのような経済界の自主的な取り組みと協働して取り組んでまいりたいと考えております。
 次に5点目の、高い目標実現のためのロードマップ作成に当たってどのような指示をしたのかについてでございます。
 2030年で50%削減は高い目標でありますが、温暖化問題は、本県では既に琵琶湖北湖での全循環、いわゆる「琵琶湖の深呼吸」が損なわれている予兆が現れてきており、まさに待ったなしの、今やらなければ取り返しのつかない課題と、強く認識しております。
 そこで、まず心構えとして、私自らが本部長である県地球温暖化対策推進本部において、ロードマップづくりは21年度施策の大きな柱であることから、全庁的、部局横断的に取り組むこと、環境か経済かの二者択一ではなく環境も経済もという視点で考えてほしいこと、また、自治体レベルでは初めての試みであり、社会を変えるくらいのつもりでチャレンジして欲しいということを伝えました。
 また、具体的な戦略としては、現状から考えられる方策の延長で将来を考えられる、これまでのフォアキャスティング、現在から将来を見通すフォアキャスティングの手法ではなく、まず将来の目標を設定し、そこからさかのぼって、現在までの道筋を定めるバックキャスティングという、これまでにない手法を研究してアプローチするよう指示したところでございます。
 次に6点目の、温暖化対策に必要な財源捻出についてでございます。
温暖化対策については、国、地方などあらゆる主体を挙げて取り組むべき課題であるということから、それに係る財源については、基本的には国と地方の役割分担の明確化と、国・地方を通じた税財源のあり方という中で検討すべき課題であると考えます。
 なお、県では、先程来申し上げておりますロードマップ作成作業で、「どのような方策」を、「いつ頃」、「どのような手法・手段」で取り組んでいくのかという工程表を明らかにしていくこととしており、取り組む過程においては、実現に向けて制度的な側面だけでなく、対策に係る費用や役割分担をどのように整理していくのか検討していきたいと考えております。
 7点目の、温暖化対策部会での議論とロードマップ策定作業との連携についてでございますが、ロードマップは、2030年の温室効果ガス50%削減の目標を達成するための道筋を示すものであり、条例についても中長期の方向性を視野に入れるべきものであることから、ロードマップの実現を可能にするための制度的枠組みという性格を有しております。
 そのため、条例の検討とロードマップの検討は切り離せない不即不離のものであり、ロードマップに書き込む方策とそれを支える制度のうち、条例化するもの、施策として実行するものを整理していくことになります。
 ロードマップの検討過程で明らかになった知見については、温暖化対策部会に適宜情報提供し、また、温暖化対策部会での意見については、ロードマップの検討に活かすことにより、それぞれの検討を一体的に進めてまいりたいと考えております。
 8点目の、地球温暖化防止にかける決意についてでございます。
地球温暖化は、琵琶湖を中心とした生態系の危機、また水質汚染も含め、琵琶湖そのものの存在の危機につながる課題でありまして、決して遠い世界のことではございません。繰り返し申し上げておりますように、まさに目の前の琵琶湖が、深呼吸ができない状態の中で、そこで生き物の生態系の保全もきわめて危ぶまれる、滋賀県にとってまず第一に取り組むべき環境問題でございます。
 これまで、ともすれば生物多様性の問題と温暖化問題、別々に捉えられてまいりましたけれども、まさにこの琵琶湖において、生物多様性、生き物の保全と、温暖化問題がつながっているということが示されたわけでございます。
 そのような中で、子どもたちの未来へ安心をつないでいくため、琵琶湖を中心とした豊かな自然と生き物、にぎわい、生態系、そして環境への高い意識を持った県民性という、ある意味でかけがえのない資源を持った滋賀だからこそできる、という高い志を持って、この温暖化対策、精一杯取り組んでまいりたいと考えております。





 5月29日に西沢桂一議員(愛知郡選出)が民主党県民ネットワークを代表して本会議質疑を行ないました。その内容を以下報告します。

期末手当および勤勉手当について

 民主党・県民ネットワークを代表し、分割方式で質問をさせて頂きます。
 まずはじめに、平成21年6月に支給する期末手当および勤勉手当に関して、知事および人事委員会委員長にお伺いいたします。
 滋賀県人事委員会は、人事院が5月14日に、平成21年6月に支給する期末手当および勤勉手当に関する特例措置に係る改正および勧告を行ったことを踏まえ、「本県においても、国家公務員に対する国の特例措置に準じて所要の措置を講ぜられることが適当と認めます」として地方公務員法第8条第1項第3号の規定に基づく意見を申し出されました。
 これまで人事委員会は、滋賀県の独自カットに対して、職員のモチベーションをいたずらに削ぐとして、勧告通り実施しないことを非難してきました。まさに、人勧制度の適正運営を求めてこられたものであり、人事委員会の機能と役割を果たされてきたものと、我が会派は一定の評価をしてきたところであります。
 ところが、今回の意見の申し出は、県民感情からすればやむを得ないところもあるわけですが、憲法で規定されている「労働基本権の代償措置」としての人事委員会の機能と役割に対して疑問を持つものであります。
 そもそも、今回の人事院の夏季一時金削減勧告は、これまでの給与勧告のルールを一方的に見直して、対前年増減比という正確性・納得性のない、わずか340社の調査結果に基づいて行われたものであります。そうした納得性のない勧告を、政府がそのまま実施することは人勧制度に対する信頼性を大きく損ない、労働基本権制約の代償措置としての現行の賃金労働条件決定制度を自ら傷つけてしまうことになるものと考えています。
 また、いまだ未決着の中小・地場企業の一時金にも影響を与え、政府全体で取り組んでいる景気刺激策にも逆行するものと考えます。そのことを申し上げて、以下、人事委員会委員長に質問をさせて頂きます。 1.現在、県内の一時金の妥結率は3割に満たない状況です。さらに、人事委員会として、独自の調査もされていないと仄聞しておりますが、まずは「人勧と人事委員会の機能と役割についての基本的認識」と、そして今回、「勧告」でなく「意見の申し出」となった理由をお伺いします。 2.次に、各都道府県では「勧告・意見・勧告しない」と三つの対応に分かれていると仄 聞しております。特に2割以上の県においては「調査を実施していない」「当該県の民間 企業の実態を示すデーターが把握できていない」「既に独自カットを実施している」など の理由から「勧告をしない」とされています。
 そのことについて滋賀県の人事委員会として、どのように受け止めておられるのか お伺いします。
   [人事委員会委員長答弁]
 期末・勤勉手当にかかる意見の申出についてのご質問にお答えいたします。
 まず、人事委員会勧告と人事委員会の機能と役割についての基本的認識についてのご質問でございますが、ご承知のとおり、公務員の労働基本権が制約されていることに対する、代償措置として人事委員会による給与勧告制度が設けられているものでございまして、職員に対し、社会一般の情勢に適応した給与水準を確保する機能を有するものと認識しております。このため、毎年5月から行う職種別民間給与実態調査におきまして、県内の民間事業所で支払われた給与の実績を精確に調査したうえで、例年10月に給料表が適当であるかについて報告し、改定が適当であると認めるときは、勧告させていただいているところでございます。
 このたび、意見の申し出にあたりましては、県内においてこの時期、今年の夏季一時金を決めていない企業が相当見込まれ、一方、製造業や小売業といった産業の別によりまして、妥結状況にばらつきが推定される状況にありまして、県内地域のように対象企業数が国に比べまして絶対数が少ないところに、調査結果の回収率によっては、少数回答に大きく影響されまして、特定の企業規模や業種に偏ったものとなる可能性が高く、地域の実情を反映する結果を得ることは困難と判断いたしまして、本県調査は行わなかったところでありますが、本県民間事業所の一時金の支給割合は、これまで全国の民間事業所の一時金の支給割合と概ね同水準で推移してきた経緯や、このたびの措置はあくまで暫定的な凍結であるということ。人事院の報告および勧告等を踏まえ判断したところであり、「勧告」ではなく、地方公務員法第8条第1項第3号の「意見の申出」が適当と考えたところでございます。なお、昭和49年急激な物価の高騰に対し、人事院は今回同様、特別調査を行ったうえで期末手当の引き上げ勧告を行ったことがございますが、このときも本県においては独自調査を行わず国に準じて措置するよう意見の申出を行っているところでございます。
 次に、約2割の県において、このたびの措置が実施されないことをどう受け止めているかとのご質問についてでございますが、それぞれの人事委員会が、自らの判断によりまして対応されたところであり、それについてコメントさせていただく立場にはございませんが、当委員会といたしましては、本県民間事業所の一時金の支給割合は、これまで全国の民間事業所の一時金の支給割合と概ね同水準で推移してきておりまして、結果として、本県の特別給の支給月数は国家公務員の支給月数と一致してきたことや、今回の措置は暫定的なものであり、凍結分は、本県民間企業の支給実績を調査したうえで必要な措置を10月に勧告すること。職員の給与は、県民の負担によって賄われておりまして、もし職員の給与が著しく世間一般の水準を超えるようなことがありますれば、県民の納得を得ることが難しいと考えられますことから、適当な措置と考えているところであり、職員の皆さんにもご理解をいただきたいと思っております。
[再質問]
 本県では独自カットを行っているが、そのことをどう思うか。
   [人事委員会委員長答弁]
 勧告の中でいわゆるカットについては、遺憾であると申し上げています。これは、情勢適応の原則にあってはいないということを報告しているところであります。今回の一時金の問題に関しましては、急激な変化が認められ、人事院もこれを認めました結果、当県におきましても同じような対応が必要と考え、また暫定的なものから、当県も意見を出させていただいたところである。
 次に、知事にお伺いします。
1.これまでの独自カットに対する人事委員会の是正勧告に対して、受け入れてこられなかった経緯からみると、今回、「意見の申出」をあっさり受け入れられた姿勢にいささか疑問を感じるところです。
 特に、日頃から地方の自主性を重視されておられる知事として、どのような考えで国に追随するような対応をとられるのかお伺いします。
2次に、民間が大変厳しい状況下に置かれているなかで、地域経済はいまや公務員頼みともいわれております。これまで県内の景気浮揚を積極的に進めてこられた知事として、今回の凍結措置が県内景気にどのような影響を及ぼすとお考えか、内需拡大の観点も含めてお伺いします。
3最後に、職員のモチベーションについてお伺いします。
 日頃から、知事は県庁力の最大化を掲げておられます。現に、今回発生した新型インフルエンザをはじめいろいろの課題に真剣に取り組んでおられる職員に対して、この措置を職員にむけてどう説明し、モチベーション維持を図ろうとされているのかお伺いします。
   [知事答弁]
 西沢議員の人事委員会から「意見の申出」についてのご質問にお答えいたします。
 まず1点目ですが、人事委員会からの意見の申出を受け入れた理由でございますが、人事委員会からの勧告や報告、あるいは今回のような意見の申出などについては、これまでから、基本的に尊重するなかで決定してきたところでございます。
 こうした状況の中、去る5月14日に人事委員会から、6月期の期末勤勉手当について、国家公務員における措置に準じることが適当であるという「意見の申出」があり、その取り扱いについて検討してまいりました。
 私としては、国に追随するということではなく、今回の措置が、厳しい民間の状況を反映したものであり、県としては独自の財政構造改革プログラムの取り組みにより事業費の大きな削減により、県民生活への影響もある中で、私自身の判断として、県民の皆さんにご理解をいただくためには、人事委員会の意見のとおりとすることが適当であると考えたところでございます。
 次に、2点目の県内景気への影響についてでございますが、影響への懸念は否定することはできませんが、経済への影響と職員の給与決定の問題は、基本的にはそれぞれ別の問題であると考えており、生活、経済、雇用の緊急対策にしっかりと県として取り組むことによりまして、県内の景気回復に向けた足取りがしっかりとしたものとなるよう、引き続き、精一杯努力してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の職員のモチベーションということでございますが、議員ご指摘のとおり、現在、職員は新型インフルエンザの緊急対応に日夜を違わず取り組み、さらに、緊急経済対策など、またご指摘のような様々な県の課題に対して、精一杯取り組んでおります。
 こうした中で、職員団体との交渉も行い、人事委員会からの意見に基づき、6月期の期末勤勉手当について、その一部を凍結することといたしましたが、あっさりと決めたわけではなく、私自身苦渋の決断でございます。職員の基本的な給与決定の仕組みに基づきながら、同時に苦渋の決断として決めさせていただいた事でございます。
 職員が、現在の社会情勢の中で、県が果たすべき役割を理解し、県全体の目標を共有し、県民の視点に立って、諸課題に対しやりがいを持って取り組めるような組織運営、県庁力の最大化を引き続き取り組んで参りたいと考えております。

新型インフルエンザ対策について

 新型インフルエンザ対策について、知事にお伺いいたします。
 5月20日に滋賀県内で最初の新型インフルエンザの患者1名が確認されました。翌21日には、県と県教育委員会では、県民の命と健康を守り、今後の県内での感染拡大を防ぐため、万全の体制を取るとして、県立高校を休校にするほか、小中学校・幼稚園、保育所、高齢者や障害者の通所施設の臨時休業、さらに各種イベントの自粛をお願いするなどの対応方針が示されました。
 その後、23日に、さらに1名の感染患者の確認があったものの、大きな感染拡大には至らず、26日には、国が出した基本的対処方針も踏まえ、地域の実情に応じた柔軟な対応を行うとの知事メッセージが出されたところであります。
 今回の補正予算では、こうした状況を踏まえ、医療機関の医療機材の充実や広報予算の拡大、治療薬の購入等が盛り込まれており、新型インフルエンザへの診療体制の充実を図ろうとされておりますが、感染拡大防止とともに、その社会的経済的な悪影響を最小限度にしていくことにも力を注ぐことが求められていると考えます。
 滋賀県では、新型インフルエンザの県内発生以来、国の基本的対処方針を受け、感染拡大防止に重点をおいて対応がなされてきました。
 その結果、本県においては感染拡大の兆しが見られず、一応の落ち着きが取り戻されつつあります。
 しかし、一方で、多くの課題も出てきています。
1.これまでの新型インフルエンザへの対応をどのように総括した上で、今回の補正予算を組まれたのでしょうか、ご所見をお伺いいたします。
2.次に、これまでは感染拡大防止に重点が置かれるあまり、社会経済的な影響への配慮が十分でなかったという声があります。  厳しい経済状況が続く中にあって、新型インフルエンザは社会的にも経済的にも大きなマイナスの影響をもたらしましたが、今回の対応の結果もたらされた社会経済的な影響はどれくらいであったとお考えでしょうか。併せて、今回これに係る補正予算は必要ではなかったのでしょうか。
3.また、県民生活と地域経済が受けた影響は、行政が過度に反応しすぎた結果によるものであるという見方もあります。このことについて、ご所見をお伺いします。
4.今回の補正予算の中には、広報の充実のための予算が含まれております。強い感染力があるものの、弱毒性であったことから、県民のあいだに大きな混乱が起きずに済みましたが、いまだ新型インフルエンザを予防するためのワクチンは出来ていない状況においては、県民に新型インフルエンザについての十分な情報提供、広報のあり方が問われます。
 いたずらに不安をあおることも避けなければならず、かといって安心しすぎることなく、正しい理解を促進し、過度な自粛等による過剰対応が起きないようにすることが大切です。
 学校、地域、職場、マスコミ等、あらゆる場を通じて正確な広報が求められると思われます。様々な主体との連携も大切であると思われますが、今回特に県と市町との関係、あるいは市町間格差など問題はなかったのでしょうかお伺いします。
 また、県民や事業者への正確でスピーディーな情報提供のあり方、広報のあり方についてのご所見をお伺いいたします。
   [知事答弁]
 新型インフルエンザへの対応をどのようにしたのかとのご質問にお答えさせていただきます。
 まず、どう総括をし、今回の補正予算を組んだのかとの所見でございます。 4月28日にWHOのフェーズ4が宣言されて以来、県としては、発熱相談センター、発熱外来などの準備を始めるとともに、対策本部を開催し、地域防災監・大津市等との連携をとりつつ、各部局における対応の準備を続けてまいりました。
 5月20日に県内初の新型インフルエンザ患者が発生した際には、感染拡大の防止に最大の重点を置き、自粛等の要請を行う対象地域を湖南の6市とし、県立高校については全県的に休業することとしました。
 2例目以降の対応については、5月22日に改訂された国の基本的対処方針に基づき、集団感染等の感染の拡大が認められない限り、施設単位での対応をとることといたしました。
 これらの対策によりまして初期の感染拡大は阻止でき、防疫面において対応は適切であったと考えております。
 一方で、まず県民の健康を守るということを優先して、感染拡大防止に対する協力をお願いしながらも、経済活動、社会生活の維持に努めていただくことも重要でありまして、このバランスの取り方をはじめとして、今後さらに検証していくべき事項があると考え、今後の対策に生かしていきたいと考えております。
 以上のとおり、今回の新型インフルエンザの対応は、現時点では先ほど申しあげましたようにまだ終息したわけではなく、総括という段階ではないと認識しております。引き続き油断することなく対応していく必要があると考えております。
 こうしたことから、今回、必要な予算として、発熱外来の開設などの医療体制の整備、検査機器の充実、広報、またタミフルの追加備蓄といった、いずれも喫緊の課題として予算をお願いしたものでございます。
 次に4点目の今回特に県と市町との関係、あるいは市町間格差の問題はなかったのか、また、県民や事業者へのスピーディーな情報提供のあり方、広報のあり方についての所見との2点のご質問をいただきました。
 まず、1点目ですが、今回特に県と市町との関係、あるいは市町間格差の問題はなかっ たのかとのお尋ねでございますが、市町に対しましては、本年4月から設置いたしました 地域防災監を通じて患者情報や対策本部の意志決定などを迅速に提供することによりまし て、情報の共有ができ、県と市町が一体となって、スムーズな対策を推進できたと考えて おります。
 また2点目の、県民や事業者へのスピーディーな情報提供のあり方、広報のあり方についての所見でございます。
 今回のような広域的な危機管理体制の、対応の柱の一つが情報提供とその共有でありま す。4月28日の対策本部設置以来、本部会議はすべて報道機関に公開し、報道の皆さんのご協力をいただきながら、同時に県のホームページにはきめ細やかな情報をアップさせていただきました。また、情報提供にあたり ましては、県民の皆さんのくらしの視点から、できるだけスピーディーな、わかりやすい情報提供をさせていただいたつもりでございます。
 例えば学校などの再開にあたりましては、5月22日時点で、県民や事業者の皆さまに 「このまま26日まで感染拡大が防げれば、27日からは学校を再開し、イベントや行事などについても同様にしたい」というメッセージをあらかじめお知らせし、準備をしていただいたところです。
 正確でスピーディーな情報提供については、議員ご指摘のとおり大変重要でございます ので、今回の危機管理対応についても全体として、組織を上げて心掛けて対応してまいったところでございます。
 締めくくりでございますけれども、新型インフルエンザ対策につきましては、県として は社会的機能の維持を図りつつ、感染拡大をできるだけ抑制するという方針で、できる限りの対応をしてまいりました。また、一昨日の5月27日には、私自身上京し、厚生労働大臣をはじめとする関係省庁の幹部の方々に対して、現場の実態をご説明するとともに、病院や診療所等への支援の強化、社会経済活動の制約等に対する適切な支援、中小企業者の資金繰り対策など9項目について、実効性のある対策を早急に講じていただくよう緊急要望を行ったところでございます。先ほども申しあげましたが、今回のような社会全体としての危機管理としては、それぞれ、持ち場、持ち場での役割を発揮していただき ながら、公助として県として全力をあげながら、自助、共助、助け合いの精神で、皆で命と健康を守るという姿勢が大切であると考えております。県民の安心安全確保のため、引き続き、県として必要な対応を迅速に行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
 次に、健康福祉部長にお伺いします。
1.「豚インフルエンザ対策に関する県内での発熱外来設置について」の依頼文書が県 健康福祉部長から各拠点病院や協力病院に対して、4月28日に発せられ、以後これら病院においては「感染症に対する病院構造上の問題、普段でさえ医師・看護師等の不足がいわれているなかでの医療スタッフの確保問題、防護服やタミフルなど医療資材の確保問題」など、いろいろの問題があるなかで鋭意取り組んでいただいたところであります。
 そうしたなかで聴かれますのは、「県は依頼するだけ。マニュアルも示されず、まず病 院従事者に対して正しい理解をしてもらうのに時間を要した。医療資材にしても支給がなく、医療機関に丸投げされている。」ということであります。
 今回の補正予算において「医療機関に対する補助」が提案されていますが、発熱外来 の設置を依頼する以上、このようなことは当然のことであり、この初歩的な当たり前のことがなぜできていなかったのかお尋ねします。
2.医療機関に受診する場合、発熱や咳などのインフルエンザ様症状が見られた場合には、まず「発熱相談センター」に相談し、その上で、「発熱外来」に受診することになっていますが、多くはこのルールにのることなく、異常があればいつもの医療機関において受診するという従来からの受診行動が強く出ています。
 発熱外来設置医療機関では、当然他の一般患者が見えますので、まずその整理(トリア ージ)を行なう必要があります。多くの病院では玄関のところで全ての来院者に対して「熱や咳」のチェックをし「発熱外来」と「一般外来」の仕分けをしています。そして、この段階で全員に対して「マスク」の着用を求めています。
 発熱外来における使い捨てのエプロンやこのようなマスクは診療報酬としての対象 ではなく、医療機関の負担となっており、この状態が続くようであればとても持たないといわれています。
 27日の「国に対する新型インフルエンザ対策に関する緊急要望」にも含まれていますが、まず県として措置すべきであると考えますが、現場の声をどのようにくみ上げておられるのかお尋ねし質問を終ります。
   [健康福祉部長答弁]
 医療機関に対する補助は、発熱外来の設置を依頼する以上、当然のことであり、初歩的な当たり前のことが、なぜ、できていなかったのかとのおたずねにお答えをいたします。
 これまでから発熱外来の開催を働きかけ要請をしてまいりましたが、その中で病院からは様々な提案、要請がございました。これらの中から順次対応しようとしておりまして、例えば人工呼吸器で申しあげますと、これまでに11病院に支援し、今回の予算案で8病院を加えることをお願いしているところでございます。着実に取り組みをすすめさせていただきたいと考えているところでございます。
 次に、発熱外来の現場の声をどのようにくみ上げているのかのおたずねについてでございます。
 5月25日、26日に発熱外来を開設されている病院に、私ども職員が出向きまして、感染拡大防止の取り組みにお礼申し上げるとともに、現状をお聞きし、課題、提案を伺ってまいりました。おたずねの「国に対する緊急要望」にも、このような現場の声を盛り込んだところでございます。今後の発熱外来の増設や運用に向け、お聞きした声を反映してまいりたいと考えております。





 2月16日(月)に開会された2月県議会定例会で中澤啓子議員(彦根市選出・政調会長)が「民主党・県民ネットワーク」を代表して2月19日(木)に質問を行いました。その内容を以下報告します。
(はじめに)
 今、世の中は100年に一度と言われる厳しい経済状況にあります。 大変な時こそ、大きく変われるチャンスです。 今までの慣例に捕らわれることなく、大きく構造を変えることができます。 温暖化、人口減少、少子高齢社会など、新しい時代に対応できる社会となるよう、ピンチをチャンスに変える知恵を出し、勇気を持って行動する事が望まれます。 冬来たりなば、春遠からじ。 来るべき春を目指し、知恵を出し、汗をかき、ともに冬を乗り越えたいと思います。 しかしながら、経済対策、景気対策が急がれる中、国では、第2次補正予算成立により、2兆円の定額給付金の支給を決定しました。しかし、その経済効果は期待できず、国民の7割以上が疑問に思っており、その支給のために850億円もの経費を要することも明らかとなっています。 定額給付金という税金のバラマキ策は原点に戻し、緊急雇用対策や中小企業対策に、高齢者医療・介護等の充実に、あるいは学校の耐震化に、と、その使い方について、本当に効果がある方法を考えるべきであると思います。 そして、現在の日本経済がおかれた現状から考えると、今こそもっと大胆で、経済回復への確たる信念がメッセージとしてしっかりと国民に伝わるような、新しい政策が求められているのではないでしょうか。 そのためにも、一日も早い解散、総選挙による変革を確信し、民主党・県民ネットワークを代表して質問いたします。

平成21年度当初予算と財政見通しについて

 まず、平成21年度当初予算と財政見通しについて、以下、知事にお伺いいたします。 昨年8月「平成21年度県政経営の基本方針」が示され、行財政改革の徹底した取り組みとともに、「県民の生命と暮らしを守り、次世代を育成する」予算編成の基本方針により、4つの重点テーマ、8つの柱に沿い、21年度予算が編成されました。予算編成課程の「見える化」については、昨年9月定例会での我が会派の代表質問でも指摘をしましたが、知事は、今回どのように「見える化」に努められたのでしょうか、お伺いをいたします。
 県政経営会議で提示された資料は一部非公開のまま、数ヶ月後に公開されています。また、知事査定の状況は1月21日から23日の3日間、それぞれ1時間、県側の判断で、ごく一部を限定的に記者に公開されただけです。議会や市町、何より県民に対して、予算編成過程の「見える化」は、十分といえたのでしょうか、併せてお伺いいたします。
 平成21年度当初予算編成は、嘉田知事として3回目の当初予算編成となります。一般会計は、前年度比1.7%、84億円減の4,852億円、特別会計は、前年度比6.4%、135億円減の1,980億円、と共に、減額予算となりました。
 また、プライマリーバランスは、6年ぶりにマイナスとなり、歳入歳出全般にわたる更なる見直しを迫られる結果になりました。財政構造改革プログラム中にあって、重点政策以外の政策経費はゼロシーリング、一般行政経費5%カットという厳しい状況の中で、県民から強い要望のあった、福祉医療助成や教育に関する重点政策について、現状維持できた点は、年度当初から我が会派が強く要望してきたところでもあり、一定の評価をするものです。
 しかしながら、「未来を拓く共生社会」の実現に向け、「県民の生命と暮らしを守り、次世代を育成する」予算のためには、補助金や委託料などで毎年多額の計上している外郭団体を見直すなど、もっと大胆に大ナタを振るうこともできたかと考えますが、県政経営の基本方針実現に向けた取り組みを、戦略的に推進するために、どのような努力をされ、予算に反映されたのかお伺いいたします。
 次に、自治振興交付金についてお伺いをいたします。地方分権の進む中で、市町への県単独補助金の交付金化予算として5億3千万円が計上されました。事実上の補助金カットとなる今回の交付金化について、自治創造会議での市町の意見を踏まえ、市町への理解を得る努力はされたのでしょうか。
 また、理解は得られたのでしょうか。説明責任は果たせたのでしょうか、お伺いをいたします。また、交付金化による市町間の格差を懸念するところですが、メリット、デメリットについて併せてお伺いいたします。
 この項の最後に、今後の財政対策についてお伺いいたします。
 一般会計は、景気後退の影響で、県税収入は前年度比408億円減の1,477億円と過去最大の落ち込みとなり、財源不足額は103億円も拡大し、524億円にもなりました。その穴埋め98億円を含む、総額870億円の県債発行と、財政調整基金、県債管理基金などの取り崩し141億円、県有地売却8億円など総額268億円の財源対策で、超緊縮型ながらなんとか予算編成ができた状況です。
 その結果、平成21年度末の県債残高見込みは9,473億円にものぼり、財政調整基金と県債管理基金の残高は4億円と底をついた状況といえます。果たして、平成22年度予算は組めるのでしょうか。
 今後の財源不足に対して持続可能な健全な県政経営のための対応策について知事のご所見をお伺いし、次の質問に移ります。

   [知事答弁]
 極めて厳しい財政状況の中であるからこそ、県として、最小の費用で最大の効果を上げる努力をしているということを、よりわかりやすく県民の皆さんに お示しすることが重要であると認識しており、このため、予算編成過程の「見える化」の取り組みを推進してまいりました。  
 具体的には、7月に「長期収支見通し」について、8月には平成21年度の「県政経営の基本方針」について、また、10月には「収支改善に向けた更なる見直しの取り組み」や「平成21年度の予算編成方針」について、それぞれ 県議会や市町にお示しするとともに、その都度ホームページに掲載し、広く県民の皆さんに周知させていただきました。  
 さらに、予算の見積状況や決定内容を公表するとともに、知事査定の一部を 報道機関に公開し、その結果をホームページで公表したところであます。これらの取り組みによりまして、県としての現状分析や、課題解決のための施策構築をどのように進めているのかなど、一定程度お示しすることができ、県民の皆さんにとっても、県の予算について、より親しみを持っていただけるように なったのではないかと考えております。  
 しかし、今回の取り組みは、本県としては初めての試みでありまして、来年度以降についても、予算編成過程のより一層の「見える化」に向けて、引き続き努力させていただく必要があると考えております。 県政経営の方針の実現に向けましては、行政改革の一層の取組が必要であるとの認識の下、定数削減や地域振興局等の見直しを着実に実施するなど、組織の一層のスリム化を進めてまいりました。  
 外郭団体に対する財政支出についても、その関与を抑制する観点から、見直しを行ってきたところでありまして、平成21年度予算においても補助金および委託料について、約3億円を削減したところであります。  
 今後も厳しい財政状況の中で、まずは財政構造改革プログラムに掲げる取り組みを着実に実施するとともに、外郭団体等については、現在、滋賀県行政経営改革委員会において専門部会を設け、集中的に議論を行っていただいているところでありまして、平成21年中に見直し方針を取りまとめ、さらなる改革に取り組んでいきたいと考えております。
 これらの取り組みを行う一方で、基本構想の実現に向け4つの重点テーマを選定し、戦略的に施策を推進し、メリハリのある予算編成に努めるとともに雇用情勢の悪化をうけて雇用対策を拡充し、県民の皆さんの「不安を安心に変える」政策の実現を図ってきたところであります。
 次に、3点目の自治振興交付金についてお答えいたします。県単独補助金の交付金化を目指す自治振興交付金については、昨年秋の自治創造会議の場で、収支改善に向けた更なる見直しの一項目として、市町長の皆さんにお示しをいたしました。
 その後、交付金の総額や制度内容について、市長、町長の皆さんとの行政懇談会や市町の担当部課長会議など、都合7回にわたり説明、協議を重ねてまいりました。
 その中で、県の厳しい財政事情から県単独補助金の規模をそのまま維持することができない状況を説明するとともに、予算額全額を配分するなど効率の良い執行が可能で、市町にとってもなるべく自由度が高く、均衡のとれた交付金制度の構築に努めたところでありまして、概ね市町の理解は得られたものと考えております。
 次に交付金制度のメリットについてでございますが、この交付金制度においては、市町ごとに設ける算入限度額の範囲内で、市町が対象事業から必要と判断するものを自由に選択することができ、事業の重点化を図るなど、地域の実情に応じた自主性、独自性を発揮した施策の展開が期待できるとともに、手続きの簡素化も図れるなどのメリットがございます。 
 また、交付金の対象の53事業については、従来の補助事業の内容を基本的に引き継ぐことで、県としても市町で取り組んでもらいたい事業を従前と同様に推進できる仕組みとしているところでありまして、事務的には大きな変更となるため、市町向け説明会を開催するなど、交付金制度の開始に当たっては大きな混乱が生じないよう努めてまいりました。
 地方分権が進展する中で、交付金制度のメリットを生かし、住民に身近な行政は身近な基礎自治体である市町の判断により推進することができるよう、交付金制度の運用を図ってまいりたいと考えております。
 昨年度策定しました「滋賀県財政構造改革プログラム」においては、平成20年度から平成22年度の改革プログラムの推進期間中に財政収支の改善のための種々の取り組みを行うこととしております。  
 平成22年度の予算編成に当たっては、まずは、これらの取り組みを着実に実施しつつ、歳入歳出全般にわたって一層の精査、見直しを行い、併せて平成23年度以降の持続可能で健全な県政運営につなげていきたいと考えておりま す。  
 財政構造改革プログラムの中でも、平成23年度以降についても引き続き厳しい財政状況が想定されることから、プログラム期間中に、平成23年度以降にその効果が現れる歳入・歳出改革を進めることとしております。  
 具体的には、産業振興策を適切に講じることにより県税収入の安定的な確保に努めるとともに、県立施設については県民ニーズ等を勘案し、設置する必要性が低下しているものについては、休廃止、規模の縮小、統廃合など、そのあり方について、抜本的な見直しを行うこととしております。  
 県としても、これらの独自の努力が必要であると考えておりまして、県の自助努力のみでは限界があるものと認識しております。いつも申し上げておりますように、自治体の仕事は6、財源は4という状況の中で、国に対し、改めて税源移譲を含め、抜本的な地方税財政制度の改革について強く求めてまいりたいと考えております。

地方分権と関西広域連合について

 次に、地方分権と関西広域連合について、知事にお伺いいたします。  
 現在、第2期地方分権改革が進められている中で、昨年5月の第一次勧告、12月の第2次勧告、そして、今年の春には第3次勧告も予定されています。第一期の分権改革以降、機関委任事務の廃止、税源移譲などが行われましたが、この間、地方交付税等が大幅に削減されるなど、真の分権改革には程遠いものとなっています。  
 2月12日の衆議院本会議では鳩山総務相が「三位一体改革は失敗の部分がある、地方をここまで苦しめているのは改革が正しくなかったからだ」と発言しています。
 こうした中で、滋賀県が4府県合意に基づき、国の進めてきたダム中止の意見を提出するなど、これまでの国と地方の関係を一変させる象徴的な出来事がありました。  
 また、大阪府や新潟県のように、これまで、国が一方的に都道府県に求めてきた国の直轄事業の負担金に対して、異を唱える自治体も現れてきました。  
 これも大きな流れであると思います。
 地方分権改革から道州制へ、これらと関係して関西広域連合を検討されていますが、滋賀県の地理的条件や各市町の状況を鑑みて、知事は地方分権について、今後、どのような流れを期待し、また、分権社会における滋賀県のあるべき姿をどのように描かれているのか、お伺いいたします。
 また、第二期分権改革の第1次、第2次勧告について、どのような評価をされているのか、所感をお伺いいたします。
 その第二期分権改革の進展を踏まえ、今後の滋賀県における市町の姿をどのようにイメージされているのでしょうか。また、そうした市町の姿に対して、県の果たす役割はどうあるべきだとお考えでしょうか、その認識をお伺いいたします。
 次に、現在、検討中の関西広域連合についてお伺いいたします。
 仮に、滋賀県が関西広域連合に参加するとした場合、最短で本年9月議会で規約案の議決が必要とのことですが、非常に拙速に感じます。現在、広域連合では、防災などの6項目の事務処理とそれ以外の独自項目が検討されています。
 現時点で参加についてどのようにお考えでしょうか、また、その場合、具体的なスケジュールと参加項目についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。  
 関西広域連合については、2億円を超える予算並びに構成団体が経費を負担する職員の人件費等を勘案すると運営にかなりの管理費用が必要になります。
 2重構造になり責任の所在が分かりにくくなることも懸念されます。また、議会の開催なども必要になり、意思決定までに時間を要することも予測されますが、それでも広域で事務処理することのメリットはあるのでしょうか。
 法による広域連合などを設置しなくても、単なる広域連携で十分対応できるのではないかと考えますが、この点の比較からも関西広域連合の必要性についてどのようのお考えかお伺いいたします。
 この項の最後に、仮に、関西広域連合が一定の成果をあげれば、道州制ビジョン懇談会中間報告で述べられている2018年目途の道州制移行につながっていくのか、その見解について、併せてお伺いし、次の質問に移ります。

   [知事答弁]
 地方分権と、関西広域連合についての6件のご質問にお答えさせていただきます。
 まず、1点目でございますが、期待する地方分権の流れと滋賀県のあるべき姿についてでございます。現在、国・地方を通じて第二期地方分権改革が進められおり、この分権改革の着実な推進によって、住民により近い地方公共団体が権限と財源を持って自己決定権を行使できるようにすることが重要であります。
 歴史的に振り返ってみますと、実は地方自治については、戦後、民選知事などいくつかの制度変更がなされた訳でございますけれども、財源あるいは権限のところで、自治体の持っている役割あるいは機能というのはまだまだ十分とは言えません。そのような中にあって、分権社会における本県の役割についても、近畿2府4県の一員であるとともに、近畿と中部、近畿と北陸との結節点であるという地理的特性を生かし、引き続き本県が一層の存在感を発揮していくことができるよう取り組んで参りたいと考えております。
 次に2点目でございますが、地方分権改革推進委員会の第1次、第2次勧告の評価についてでございます。昨年5月の第1次勧告においては、生活者の視点に立った国と地方の役割分担の見直しや、都道府県から市町村への権限移譲について勧告されており、本県の「生活現場からの発想を活かした県政」に通じるものとして大いに評価しております。
 一方、昨年12月の第2次勧告については、1つめの「義務付け・枠付けの見直し」については、地方の自由度の拡大という点で大いに評価できる反面、もう一つの「国の出先機関の見直し」については、地方整備局など6つの出先機関の統廃合により巨大な「地方振興局」が設置されるという内容になっており、逆に中央集権が進んでしまうのではないかという懸念も抱いております。
 国に対しては、出先機関の事務そのものの廃止や地方への移譲などを行うとともに、事務の地方への移譲に際しては、その財源も確実に移譲するよう強く要請して参りたいと考えております。
 次に3点目の、分権社会における市町の姿と県の役割についてでございます。地方分権の大きな流れは、近接・補完の原理に基づき、地域の課題は住民に最も身近な市町が担うべきであるという「基礎自治体優先」の考え方のもと、できる限り国から県に、県から市町に、事務権限を移管することにあります。
 こうした分権社会にあって、県と市町は、それぞれの性格に応じた役割分担を明確にし、対等のパートナーとして連携、協力する必要があると考えております。具体的には、市町は地域の生活に密着したものなどを担い、県は市町を包括する広域自治体として、広域的な行政需要への対応、あるいは高度な技術や専門性を要するものへの対応などを担っていくことになると考えております。  
 次に4点目の、関西広域連合に対する考え方とスケジュールについてでございますが、関西広域連合は、地方分権改革の突破口として、現在その設立について検討が進められております。合わせて、住民福祉の向上という観点からも、様々な広域的行政課題を解決するために、広域連携を推進していくことは極めて重要でありまして、例えば、県政の重要テーマであります「県民の生命を守る」という観点に合致するものや、将来的に、国から事務移管される事務などについて、本県の立場を積極的に主張していく中で、県民生活の向上に寄与するものであれば、関西広域連合に参加することが適当であると考えております。
 また、今後のスケジュールについては、関西広域機構の事務局からは、広域連合に参加する場合、最短で今年の9月議会における規約の議決という日程を伺っておりますが、本県としては、拙速に判断することなく、議会、市町、県民の皆さんからご意見を頂きながら、判断して参りたいと考えております。
 次に5点目の、広域連合の必要性についてでございます。議員ご指摘のように、責任の所在が不明確になる、意思決定に時間がかかる、あるいは管理費用がかかるなどの懸念があるのは事実でございます。
 こうした懸念も十分踏まえ、その解決を図りながら、県民生活の向上に寄与するものであれば、広域連合に参加することが適当であると考えております。
 6点目のご質問でございますが、関西広域連合が道州制移行につながっていくのか、についてでございます。関西広域連合を道州制導入に向けた一里塚として捉えている府県も存在いたしますが、本県としては、地方分権改革の突破口としての関西広域連合の設立に向けた検討には主体的に参加するものの、道州制を見据えた動きとは一線を画すべきであると考えております。
 


治水対策について

 次に、治水対策について、知事にお伺い致します。
 1月16日の臨時議会最終日に、「大戸川ダムを淀川水系河川整備計画に位置づけない」とする知事意見が可決されました。国に河川政策の見直しを迫る歴史的な議決を受けて、知事は、橋下大阪府知事と共に、この13日、知事意見書を国土交通省近畿地方整備局に提出されました。
 今後は、この知事意見を反映した整備計画が策定されることを願うものでありますが、その見通しについて知事の御所見をお伺い致します。  
 次に、大戸川のローカル治水についてお伺い致します。当面の目標である毎秒550トン河道への改修は、滋賀県独自の検証によって下流にほとんど影響を与えないことが明らかとなりました。
 また、天ヶ瀬ダム建設時に、大戸川の流量配分も毎秒約700トンあったことも判明しております。これらの検証結果や史実は下流京都府に既に示されていると思いますが、京都府の理解、特に事務レベルでの理解は進んでいるのかお伺い致します。  
 次に、大戸川の河川整備計画についてお伺い致します。各河川圏域の整備計画は、県の中長期整備実施河川の方針に基づいて検討されるものであり、概ね21年度中に策定となっておりますが、過去の経緯からしても信楽・大津圏域については急がなければなりません。整備計画策定のスケジュールや21年度に実施する事業について知事はどのようにお考えかお伺い致します。  
 次に、県道大津信楽線などのダム関連事業についてお伺い致します。近畿地方整備局のこの事業での20年度繰越金は約5億円と仄聞しております。
 ダム建設がなくても、地域の生活道路として、必要性を国も一旦認めた道路であれば、21年度で予定されていた事業に充当するべきであると考えますが知事の御所見をお伺い致します。  
 また、新聞報道では、大阪府は次年度予算にダム関連事業の負担分を計上し、京都府も負担をする意向とのことですが、水源地域整備事業にかかる下流負担金の過年度の未払い分の扱いについて、どのような対応をしようとされているのか、お伺い致します。
 次に、地元説明の状況についてお伺い致します。年明けの知事の訪問及び直近の説明申し入れは共に拒否されましたが、河川整備計画策定にかかる「川づくり会議」の立ち上げなど地元の理解が得られなければ進まない事業も多くあります。
 知事の努力で信頼を回復し、話し合いのテーブルについて頂くことが先ず重要でありますが、地元の頑なな姿勢に変化はないように見受けられます。いかにして解決の糸口を見出そうとされているのか、知事の御所見をお伺い致します。
 次に、芹川問題についてお伺い致します。芹谷ダム建設中止の方針を発表して以来、知事は「芹川の治水対策は優先的に実施する」としておりますが、湖東圏域河川整備計画のスケジュール及び21年度の実施予定事業はどうか先ずお伺い致します。
 次に、芹川の堤防強化についてお伺い致します。堤防の状況は河川によって大きく異なります。強い堤防としては、スーパー堤防や耐越水堤防が挙げられますが、ケヤキや桜の古木が並木を成す芹川堤防では既存の工法で対応できないものと思われます。
 並木も堤防の強さに取り込みながら粘り強い堤防強化をすることが求められますが、芹川堤防の強化について、知事の御所見をお伺い致します。
 また、例え堤防が強化されても想定以上の洪水で越水の危険性があることは常に考えておかなければなりません。住宅が密集するこの地域での流域治水対策はどの程度進んでいるのかお伺い致します。
 次に、地元対策についてお伺い致します。水没予定地の水谷地区の生活再建と地域振興は最優先で取り組むべき事業であります。県も「芹谷地域振興協議会」の運営費や「芹谷地域振興促進費」に予算措置をしておりますが、今後の事業目標についてご説明願います。
 この項の最後に、地元説明についてお伺い致します。彦根市や多賀町及び地元のダム対策委員会は「今後もダムの建設を求めて行く」して、県の方針に反発されております。
 このような状況の中で、「地域振興協議会」をスムーズに立ち上げることができるのか危惧されるところですが、地元住民やダム対策委員会との対話の状況はどうなのか、お伺い致します。

[知事答弁]
 次に、治水対策についての11点のご質問にお答えさせていただきます。  
 まず、1点目の、淀川水系河川整備計画策定の見通しについてでございます。淀川水系河川整備計画(案)に対する滋賀県知事意見については、去る2月13日に、大阪府の橋下知事とともに近畿地方整備局長に提出したところでございます。  
 今回の知事意見の提出にあたっては、上・中・下流がともに助け合える河川政策、河川流域自治の実現をめざすため、4府県知事の共通認識を確認し、4府県の合意に基づきそれぞれの意見書をとりまとめたことについては、大変意義深いものと考えております。  
 今後、近畿地方整備局において河川整備計画が策定されることとなりますが、議会の議決という大変重いプロセスを経た滋賀県知事意見であることから、しっかりと受け止め策定していただきたいと近畿地方整備局長に直接要望させていただいたところでございます。  
 2点目の、大戸川のローカル治水の京都府の理解についてでございます。「淀川水系河川整備計画(案)に対する滋賀県の評価」の資料はすでに京都府にお渡ししているところでありますが、京都府では、府知事意見を提出するにあたって府議会で議論されているところと聞いております。京都府の事務方からは、京都府知事意見を2月末に提出した後、協議したいとのことであり、県としてもできるだけ早く京都府、大阪府と本格的な事務レベルの協議を進めたいと考えております。  
 3点目の、大戸川の河川整備計画のスケジュールおよび21年度の実施事業についてでございます。流域住民の皆さんの願いであります大戸川の治水安全度を確保するために、早急に滋賀県において大戸川の河道計画の検討を進めてまいりたいと考えております。  
 このため、京都府、大阪府とも、早急に調整を図りながら、住民の皆様の意見をお聴きする「川づくり会議」を開催するとともに、「淡海の川づくり検討委員会」を通して学識者の意見をお聴きし、地元自治体の長の意見を踏まえ、平成
 21年度中を目途に河川整備計画をとりまとめていきたいと考えております。  
 また、整備計画が策定されるまでにも必要な維持管理にはしっかりと取り組んでまいりたいと考えておりまして、平成21年度においても今年度に引き続き、瀬田川合流点から石居橋の間で堆積土砂の除去や竹木の伐採を予定しております。  
 4点目の、近畿地方整備局における平成20年度の大戸川ダム建設事業費の繰越についてでございます。新聞報道では、平成20年度予算における付け替え道路工事関係の予算約5億円について、今年度、当該工事に着手することは難しい情勢であるとして、国庫に返納する公算が大きいと報道されましたが、整備局からは、「現在次年度への繰り越し手続きを行っているところであり、返納は考えていない。今後6府県知事意見の内容など社会情勢を踏まえて、河川整備計画を正式に策定したうえで、関係機関と相談しつつ付け替え道路の扱いを決めていきたいと考えている。」と伺っているところでございます。  
 いずれにせよ、県道大津信楽線は、地域の生活道路として通勤等の交通量が多い中で、大戸川沿いの険しい谷間を走っており、山が迫り、道路幅が狭いうえにカーブも多く、危険な状態にあり、早急に整備を要するものと理解しております。 このため、12月22日に大阪府、京都府の両知事と私との3知事連名の文書により、国土交通大臣あて、同県道の工事を最後まで予算措置をして早急に実施していただき、国の責務を果たしていただくよう強く要請したところであります。
 今後とも、県道大津信楽線の付け替え工事が早急に実施されるよう、京都府、大阪府の両知事とも連携しながら国に対して要請してまいります。  
 なお、新年度当初予算案において、道路整備の予算についても大阪府、滋賀県は直轄負担金の中に計上しているところでありまして、また、京都府については、21年度予算案に直接計上されていないとのことでございますが、山田知事からは、国が計上した場合には枠として確保してある直轄負担金の中から支出する準備があると聞いているところであります。  
 5点目の、水源地域整備事業にかかる下流負担金の過年度の未払い分の取扱いについてでございます。大戸川ダムに係る水源地域整備事業は、平成13年度から、下流の京都府、大阪府から、下流負担金を財源の一部として、県および地元の大津市、甲賀市等で計画的に実施されてきたところであります。  
 河川整備計画が策定され、ダムの扱いが決まれば、平成18、19年度分も含め、両府から負担してもらうべきと考えております。  
 県としては、これまで、ダムの事業主体でもある近畿地方整備局に対して、県、大津市、甲賀市および地元住民が一方的な不利益を被ることのないよう、両府との調整を求めてきたところでありまして、今後とも引き続き、確かな調整を要請して参りたいと考えております。  
 6点目の、大戸川の地元説明の状況についてでございます。大戸川の地元の皆さんには、大戸川ダムについて河川整備計画に位置づける必要がないとした、判断に至った経過や今後の見通しなどを説明させていただく機会がまだ実現しておりません。  
 1月臨時議会後の2月4日には、大戸川ダム対策協議会など4団体に再度そのような機会をお願いしましたが、地元に受け入れていただけなかったことは誠に残念でございます。  
 今後も引き続き、そうした機会を設けさせていただくよう、粘り強く誠心誠意努力してまいりたいと考えております。  
 合わせて、流域住民の皆さんの願いは大戸川の治水安全度の向上でありまして、具体的な河川改修を早急に検討し、下流府とも調整を進め、地元に提示できるよう努めてまいります。  
 7点目の、芹川に関する湖東圏域河川整備計画のスケジュールおよび21年度の実施予定事業についてでございます。芹谷治水ダム建設事業の中止にあたり、芹谷治水ダム建設予定地および周辺地域の整備や生活再建などの地域振興が重要な課題であり、芹谷地域の振興対策については、関係者で構成される協議会を開催し、具体的な地域振興計画をまず取りまとめる必要がございます。あわせて、芹川の具体的な治水対策の検討を進め来年度のできるだけ早い時期に住民の意見を聴く「川づくり会議」を開催するとともに、「淡海の川づくり検討委員会」を通して学識者の意見をお聴きしながら、平成21年度中には河川整備計画を策定してまいりたいと考えております。  
 また、整備計画が策定されるまでの間においても、21年度においては河道掘削に向けての下流部の測量、国道8号から下流の堤防点検を行う他、維持管理として、今年度に引き続き堆積土砂の除去や樹木伐採を予定しております。  
 8点目の、芹川の堤防強化についてでありますが、万一破堤した場合、壊滅的な被害をもたらす恐れのあるTランク河川については、堤防の安全度評価を行い、その結果を踏まえて、特に人家密集地などの緊急性の高いところから順次、堤防の拡幅や止水工、ドレーンなど必要な対策を進めてまいります。  
 芹川についても、平成16年度から堤防の調査を実施してきており、引き続き調査を行った上で対策が必要となった場合は、堤防沿いの古木のケヤキや桜並木があることや、堤防近くに家屋が近接していることを踏まえ、議員ご指摘のような粘り強い堤防強化に向けて実現可能な対策を検討してまいりたいと考えております。  
 9点目の、芹川下流地域での流域治水対策の進捗についてでございます。県は、昨年、芹川を水位周知河川に指定しまして、彦根市が避難勧告等を発令する目安となる「避難判断水位」の設定と、河川水位がこの水位を上回った時に「はん濫警戒情報」を発表するという体制整備を進めたところでございます。  
 また、今年の出水期までに、県が芹川の浸水想定区域を指定ならびに公表し、彦根市において洪水ハザードマップを沿川住民に配布出来るよう、現在準備を進めていただいているところであります。  
 芹川に限らず、ハザードマップの作成については、その作成はまず第一歩であると考えておりまして、次の段階として、いかにマップを活用していくかが重要でございます。そのような中で、さらに、災害時要援護者への対応等、警戒避難体制の充実に向けて地元自治体に対する支援を県としても実施してまいりたいと考えております。  
 10点目の、芹谷地域の振興についての今後の事業目標についてであります。芹谷治水ダム建設事業の中止にあたっては、ダム事業の長期化により長年にわたり大変ご苦労をお掛けしましたダム建設予定地および周辺地域の整備や、皆様の生活再建や立ち遅れている生活関連基盤等の地域整備など地域振興が重要な課題であり、早急にその対策を進めなければならないと考えております。  
 芹谷地域の振興対策については、まずは、地元の皆様等と振興対策の具体的な内容について協議させていただく場として、協議会を設置させていただきたいと考えております。地元の皆様には、芹谷ダムの中止の経過や協議会の設置について、事務方が現地に赴いて説明させていただき、また文書でもお願いし、ご理解とご協力をいただけるよう努めているところであります。  
 芹谷地域の振興対策の今後の目標については、協議会において、関係の皆様と十分協議し、今年の夏頃までには地元の実情にあった地域振興計画をとりまとめ、計画に位置づけた事業は5年間を目途に完了し、現在の場所においてお一人お一人が元気を取り戻していただけるような地域づくりを目指してまいりたいと考えております。
 最後に11点目の、地元住民やダム対策委員会との対話の状況についてでございます。県としては、芹谷地域の振興計画を早期に策定し計画的に実行するため、関係の皆様と膝を突き合わせた話し合いの場としての協議会を一日も早く立ち上げたいと考えております。  
 芹谷治水ダム建設予定地の皆様等とは、芹谷ダムを中止した場合の地域振興について、これまで、彦根市長、多賀町長の立ち会いのもとでの意見交換会で様々ご意見をいただき、県の考え方等についても説明させていただきました。芹川の治水対策等については、彦根市長からの公開質問状や地元のダム対策委員会からご質問等に回答させていただいたところであります。また、事務方も頻繁に現地に赴いて、直接、地元のダム対策委員会の皆様に説明させていただいているところでございます。  
 今後も引き続き、関係の皆様に芹谷治水ダム建設事業の中止の経過や今後の県の考え方について、また、皆様が心配されていることに対して丁寧に説明させていただき、ご理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。

RDエンジニアリング最終処分場問題について

 次に、RDエンジニアリング最終処分場問題について、知事にお伺いいたします。
 知事は、今月3日の定例記者会見で、「よりよい原位置浄化策」による対策工事費の新年度当初予算案への計上見送りを発表されました。
 「住民の合意と納得を得られないまま工事を強行しても、住民の不安はぬぐえない」「住民の合意と納得に向け、話し合いを尽くすべきだと考えた。安心していただけるよう、もう一歩努力したい」と住民との協議優先の説明をされました。
 栗東市の対策工に係る同意要請に対する判断の文中にも、「周辺7自治会の合意と納得」が示され、市議会の附帯決議にも「住民の合意と納得」が記されています。
 このような現状を踏まえ、基本方針にもある周辺7自治会の「住民の合意と納得」を得るため、具体的に、県として、今後どのような努力行動をおこされるのでしょうか、お伺いいたします。  
 次に、去る2月5日の環境・農水常任委員会で、知事は、市の委員会が提案した別の対策方針などとの比較を客観的な評価で示す必要性を示され、「対策工について代替案も含めて議論する余地」があると述べられました。
 「住民のいち早い確実な合意と納得」のためにも、県として、市の調査委員会や住民提案について、今こそラウンドテーブルで検討する必要があると考えます。委員会答弁でも、知事自身で述べられている住民提案、合意に向けての舞台設定を、いつごろ、どのような方法で実行されるのでしょうか。具体的にお伺いいたします。  
 また、委員会では「県と住民の意見を持ち寄る場」として、NPO等、第三者を交えた客観的中立的な立場の調整役や場の設定について言及されています。具体的にどのような組織なのでしょうか、構成メンバーの位置づけを含め、お伺いいたします。  
 次に、産廃特措法の延長についてお伺いいたします。
 民主党本部の環境部門会議において田口副知事から意見聴取をされたと仄聞しておりますが、特措法の延長についての現時点での県の考え方をお伺いいたします。
 また、環境省は、特措法の適応許可に際し、「行政対応」「措置命令」「計画」を3本の柱としています。環境省から、昨年4月11日時点で「まったくやり取りが出来ていない」と指摘された行政対応、いわゆる再発防止策や措置命令、計画について、その後の相談内容の骨子と進捗状況についてお伺いいたします。  
 次に、来年度実施予定の最終処分場支障除去等の緊急対策事業と環境影響調査事業についての具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。  
 知事の政治信条である「対話」と「共感」を得る前に、この問題の根本的解決のためには、県と住民が共に胸襟を開き、信頼を互いに得ることが、何より大切なことだと考えます。  
 長年の「不安」「不信」を少しでも「安心」で「信頼」されるのものに変えるため、県と住民が共に「公正」で「透明」な対応をしあわなければならないのです。このことについての、知事のお考えを最後にお伺いし、次の質問に移ります。

   [知事答弁]
 次に、RD最終処分場問題について7点のご質問にお答えいたします。
 まず、地元住民の合意と納得を得るため、今後どのような努力行動をするのかとのご質問でございます。
 これまで県は、「よりよい原位置浄化策」を実施計画の基本とすることで、地元自治会へ説明を重ね、同意を要請してきたところでありますが、その状況は大変厳しい結果となっております。
 このような膠着した状況を打開し、対策工に地元住民の皆さんの合意と納得を得ていくためには、まず、中立的な第三者のお力を借りていきたいと考えております。
 次に、2点目、3点目でございますが、合意に向けての舞台設定を、いつ、どのような方法で実行するのか、また第三者を交えた客観的中立的な委員会の組織と構成メンバーの位置付けについてのご質問でございますが、
 どのようなメンバー、どのような運営とするのか、性格付けや役割も含めて現在、検討中であります。このRD処分場問題につきましては、ある意味で当事者の一端でもあります県と、また地元住民の皆さんとの両方の意見をきいていただき、客観的な評価、コメントをいただくなど、中立的な第三者の存在が必要ではないかと考えております。
 次に、4点目のご質問でございますが、特措法の延長についてでございます。
 「よりよい原位置浄化策」にかかる対策工の当初予算の見送りによりまして、現行特措法期限内にこれを完了させることは大変難しい見通しと考えております。
 従って、これまでは現行特措法期限内での事業実施に最大限の努力を行ってまいりましたが、今後は産廃特措法の期限延長を現実的な課題と認識し、対策工の検討を行う必要があると考えております。
 次に、5点目の特措法の適用許可に際し、行政対応、措置命令、計画の3本柱について環境省から指摘された昨年4月11日以降の協議内容の骨子と進捗状況についてでございます。
 環境省とは、廃棄物処理法や産廃特措法の法解釈や運用、さらには本県と同種の他府県の事例などについて相談や助言をお願いしております。
 これを受けて、「行政対応」につきましては、行政対応検証委員会を開き、その答申を謙虚にふまえ、県でもさらなる検証を行い、組織力の強化など再発防止に向けた具体の取組みについて、今年度、取り組めるところは始め、また、その継続的な作業を進めているところでございます。
 2点目の「措置命令」についてでございますが、昨年5月以降、RD社や元代表取締役等に対して措置命令を発し、関係者に対する責任追及を行ってきているところであります。
 3点目の「計画」の最も重要な柱であります対策工については、その方針が決定していないため、実施計画書上の審査を実質的に行う産業廃棄物処理事業振興財団へ状況報告を行うとともに、技術的な指導をお願いしているところであります。
 次に、6点目の来年度実施予定の最終処分場支障除去等の緊急対策事業と環境影響調査事業についての具体的な内容についてでございます。
 緊急対策では、汚染水のくみ上げと既存水処理施設の稼働、雨水に廃棄物がさらされる部分の覆土、ドラム缶等の仮置き廃棄物の適正管理対策、西市道側法面へのシート敷設等を行います。また、焼却炉については解体撤去いたします。
 この緊急対策により、汚染地下水の拡散を低減し、廃棄物の飛散流出防止を図るとともに、廃棄物にふれた水が公共用水域に流出することが防止でき、焼却炉焼却灰の飛散も防止できるものと考えております。
 環境影響調査ですが、これまでよりも地下水のモニタリング箇所を増やし、周辺地下水の監視強化を図ってまいります。
 また、ケーシング掘削調査等を行い、有害物調査も行う考えでございます。
 7点目の長年の「不安」「不信」を少しでも「安心」で「信頼」されるものに変えるため、県と住民が共に「公正」で「透明」な対応をしなければならないことというご指摘でございますが、これまでから、RD最終処分場問題対策委員会については、すべて公開で行ってきたところでございまして、ホームページを開設し、情報公開に努めてまいりました。
 また、地下水のモニタリング結果などは資料提供し、県が行う掘削調査などについても現地で公開し、説明も行ってまいりました。
 議員ご指摘のように、行政として公正で透明な対応を行うことは当然でありまして、今後も、引き続き、そのような基本原則のもとに対応してまいりたいと考えております。


雇用対策について

 次に、雇用対策について、以下、知事にお伺いいたします。
 連日、マスコミ報道各社のトップニュースでは、深刻な雇用問題が取り上げられ、米国発の大津波が、日本の雇用状況を直撃しています。また、厚生労働省からは、非正規雇用失職者が3カ月で4倍の124,802人に上ることが公表されました。これは、前回調査の昨年12月19日時点から、約4万人増加したことになります。
 さらに、内定取り消しをされた大学生、高校生も1,215人と前回調査から446人増えており、非正規労働者、新卒者ともに雇用状況の悪化が進んでいます。なお、失職する非正規労働者のうち85,743人が派遣労働者で全体の68.7%を占めており、他は、期間労働者が23,247人、請負1,456人、パートなど5,356人。業種別では、製造業が約96%を占めています。
 また、急激な雇用情勢の悪化により、昨年10月から今年3月までに失職したか、失職する見通しの正社員が6千人を超えることも公表されました。昨年12月調査の3,295人からほぼ倍増となる状況です。
 製造業中心の経済基盤を持つ滋賀県は、その影響をストレートに受けており、1月に公表された経済指標から見る滋賀県経済の動向も、
 「@生産動向は急速に低下している」
 「A個人消費は弱い動きが強まっている」
 「B住宅投資はこのところほぼ横ばいの推移となっている」
 「C公共投資は低調に推移している」
 「D雇用情勢は急速に悪化している」
 となっており、極めて厳しい状況となっています。
 特に、県内の2006年度の派遣労働者の数は24,063人で、2005年度の17,732人から6,331人増加しています。
 また、全労働者の非正規雇用の割合は、2006年10月時点で全国平均37.7%に対して、県内では39.4%と上回っており、2006年以降も増加傾向を示しています。今や、全国でも滋賀県の非正規雇用の割合はトップクラスになっています。
 ただ、暗い雇用情勢ばかりではなく、医薬品大手の企業が契約社員を正社員に登用することや、ある人材派遣会社が「雇い止め」された労働者を対象に、再就職支援を行うことを表明するなど、少し明るいニュースも報道されています。
 そこで、雇用対策全般についてお伺いいたします。
 昨年末「緊急生活・経済・雇用対策本部」が発足されました。国の滋賀労働局と滋賀県、そして市町、商工業団体とのネットワーク、さらに、直接雇用創出、効果的な技術習得や研修、雇用のミスマッチ対策など、どれだけ具体策を講じられるかが重要です。
 国の予算措置を前倒しして対応している京都府ように、スピード感を持った対応が必要だと考えます。「緊急生活・経済・雇用対策本部」の位置づけとその役割についてお伺いいたします。
 また、滋賀県としての緊急雇用対策について、その内容とどのような効果が期待できるのかを併せてお伺いいたします。
 次に、労働者派遣制度に関してお伺いいたします。
 まずは、労働者派遣事業の許認可は、厚生労働省の地方機関である滋賀労働局に提出することになっていますが、滋賀県と滋賀労働局との日常的な連携はどのようにされているのかお伺いいたします。
 また、他府県に所在する悪質な派遣業者もいると仄聞しておりますが、その摘発等の状況、その対応についてお伺いいたします。
 いずれにしても、派遣労働者の労働環境を改善するためには、派遣労働を臨時的かつ専門性の高い業務に限定することや、派遣先の正社員との均等待遇を義務づけること、また、派遣労働者の使い捨てを招く「登録型」派遣そのものを原則禁止とすることなどを含む、労働者派遣法の抜本的な見直しが、今こそ求められています。
 まさに、深刻化する貧困と格差を克服し、労働者が人間らしく働くための労働のルールを確立するためにも、滋賀県としても積極的に国への働きかけを強めていかなければなりません。知事の派遣制度に対する考え方と、課題解決に向けた決意をお伺いいたします。
 次に、外国人労働者問題についてお伺いいたします。
 滋賀県は、外国人と日本人が互いに理解を深めながら、共に暮らしやすい社会を実現するとして、基本構想にも多文化共生が位置付けられ、滋賀県多文化共生推進本部を設置しておられます。その趣旨からすれば、真っ先に雇用不安に見舞われている外国人労働者の支援対策は急務ではないかと考えます。
 子どもたちの教育問題をはじめ、基本的人権に係る問題です。当該市町としっかり連携をし、その対策を講じなければならないと考えます。現在の県下の状況と、滋賀県としてのその対応・対策についてお伺いいたします。
 次に、外国人研修制度についてお伺いいたします。
 この制度は、1990年、規制緩和と産業界の要請を受けて、国際貢献を柱に設けられた制度です。
 しかし、現状は、単なる安価な労働力の確保のみが目的になっており、まさに過酷な扱いを受けている、というのが実態です。その原因の一つに、総合的な指導・監督を行う責任省庁がないことが指摘されています。無法状態と言っても過言ではありません。
 先般、遅まきながら研修生を労働法で保護するとの方向性が出されたところです。国際貢献と多文化共生を標榜している滋賀県として、早急に実態把握行い、国と連携して、救済措置や受け入れ企業への是正要請が必要だと考えますが、滋賀県下の実態と滋賀県の関与について、知事にお伺いいたします。
 次に、雇用創出についてお伺いいたします。
 知事は、年頭所感で福祉、農林業、環境分野等の雇用創出として、滋賀県版ニューディール政策について言及されましたが、その趣旨と狙いについてお伺いいたします。
 また、千人程度の雇用を創出する方針を明らかにされましたが、どのようなプロセスで雇用創出を実現されようとしているのか、お伺いいたします。
 いずれにしても、雇用創出は、産業として成立しなければ、長期的な雇用は望めません。しっかりとした中長期ビジョンを示していくことが重要です。この項の最後に、知事の今後の展望と決意をお伺いし、次の質問に移ります。

   [知事答弁]
 次に、雇用対策についての5点のご質問にお答えします。
 まず、1点目の対策本部の位置づけと役割でありますが、
 この度の急激な経済情勢の悪化に対して、国、県、市町が相互に連携・協力して各種施策を総合的、効果的に進め、迅速かつ的確な対策を講じることとしております。
 また、緊急雇用対策の内容と期待される効果でありますが、
 雇用の創出や就労支援として、2つの交付金事業の活用のほか、離職者向けの職業訓練の拡大、ヤングジョブセンター滋賀での相談対応、働き・暮らし応援センターでの障害者の就職支援に加え、青年農業者の就農支援、福祉分野での職業紹介・説明会の実施など、全庁あげて強力に取り組むこととしております。
 こうしたことで、離職者に幅広く雇用機会を提供する効果を期待するものでございます。
 2点目の、労働者派遣制度でありますが、
 県と労働局とが設置している雇用対策連絡調整会議や知事と労働局長の会議を通じ、正規雇用が望ましいという県の意見を伝えるなど労働者派遣についても連携を図っているところであります。
 また、派遣業者の摘発等でありますが、法に基づく許可・届出の手続きや指導等は滋賀労働局が所管しており、平成19年度に118件の指導が行われたと聞いていますが、県外事業者に関する情報は、提供していただけておりません。
 また、派遣制度に対する考え方ですが、若い人にとっては今後の人生を全うするためのキャリアを形成していくことはたいへん大切でありまして、未来に向けての生きがいに深く関わるものと考えております。
 そういう意味で労働者派遣は、あくまでも常用雇用の代替ではなく臨時的・一時的な措置に限定されるべきであり、全国知事会としても法的整備等を要望してきたところでありまして、今後も機会あるごとに要望・発信していきたいと考えております。  
 3点目の、外国人労働者の状況とその対応・対策でございます。
 県と(財)滋賀県国際協会が、この1月に実施しました緊急調査によりますと、約4割が失業状態にありまして、生活や住居、子弟の教育にもたいへん大きな影響が出ております。
 このような状況のなかで、国の基金を活用しながら、外国人相談員・通訳者を配置し就労・住宅・職業等の相談や情報提供を行う支援拠点の整備を検討しておりまして、また、教育委員会におきましても「ほっとサポーター」などの派遣も検討し、関係する市町と連携し、しっかりと対策を講じていきたいと考えております。  
 4点目の、外国人研修制度でありますが、財団法人国際研修協力機構によりますと、平成19年度における県内の研修生は851人で、事業協同組合等が受け入れ先となる団体監理型は727人、企業単独型は124人であり、約8割が中国人となっております。
 団体監理型について県としては、昨年7月に中小企業庁が策定した取扱要領に基づき、組合設立の認可等の事前指導として、組合設立後1年以上経過した後、研修生受入事業を実施することや、定款への受入事業の明記、関係法令の遵守など徹底しております。
 また、県では、中部圏知事会において制度の適正な運用を要望してきたところでありまして、今後も、様々な機会をとらえ国へ要望して参ります。
 5点目の、滋賀県版ニューディール政策の趣旨とねらいでございます。
 私自身は、20世紀型の産業資本主義と金融資本主義という社会の仕組みを見直すべき時代が来ていると考えております。
 こうした考えのもとで、国の今回施策等も活用し、「命」「子ども」「環境」、「産業」、の四つの重点分野に加え、「水と緑の雇用と暮らしづくり」や「人とひとをつなぐ雇用と暮らしづくり」の領域において、若い人たちの仕事づくりと暮らしの支援を柱において、新しい雇用を生み出す施策を実施していきたいと考えております。
 特に近年は、医療など、事業効果は内需を拡大し、経済波及効果は大きいものがあるという指摘もなされはじめております。これらの施策については、県行政だけで推進することはできませんので、市町やNPO、関連団体の皆さんにも、それぞれの立場で、知恵を出していただき、県と一緒に推進していきたいと考えております。
 安定した仕事に就き、社会参加を促されることは、本人の暮らしを守るだけでなく、未来の社会の安定と安心が保障されることにもなります。このため、この大きな不況期にこそ、滋賀から対応できる、働き手にとっても、雇用者にとっても、また社会にとっても望ましい形で、『滋賀のニューディール政策』ともいえる施策を県民の皆さんとともに進めていきたいと考えております。

厳しい経済状況下での自殺対策について

 厳しい経済状況下での自殺対策について、知事に以下お伺いいたします。
 現在、100年に1度と言われる状況の中、自殺の増加が危惧をされています。自殺者は、全国で10年の経済不況の時に、3万人を初めて越えて、そのままの高水準で推移しています。
 交通事故死者数は1万1千人から6千人を切る状況にも関わらず、毎年3万人を超える方が、それも自から命を絶たれるというのは、大変不幸なことだと思います。
 自殺をされたあと、遺族の方を含め周りの方々は「話をきいていれば・・・」「疲れていたのに気づいていれば・・・」等、居た堪れない思いにさいなまれることになると思います。
 本県においても、当時、231人から268人に増加しており、19年度は292名の方が自ら命を絶たれています。男性の割合が72%となっており、厳しい経済状況の中、自殺者の増加が危惧されます。
 まずは、滋賀県の自殺の現状と分析をお伺いいたします。
 また、セーフテーネットに綻びが生じていることも、不安定感を与えている一つの要因と感じます。このような状況を生む要因はなんだとお考えでしょうか、併せてお伺いいたします。
 派遣切りや雇い止めなど不安定雇用によって将来への希望が見えない、自分の居場所が見つけられない、物理的な余裕も精神的な余裕もなくなり追いつめられる。
 このような厳しい状況の下、人間関係もぎすぎすし、非常に生きにくい環境になっていると感じます。うつ病、それ以前の気分障害の人が増加しているのもその現れだといえます。
 自殺する直前は、7割にうつ病等がかかわっていることを考えれば、うつ病対策も大切です。人は、自分の存在価値が感じられることや、未来に希望をもつことや、人との繋がりの中で、人として生きられるだと思います。
 このような厳しい社会状況の今、心の健康が保てるような取り組みが社会全体で行われることが求められていると思います。
 滋賀県も自殺対策基本法の制定を受け、滋賀県自殺対策連絡協議会を設置しておられます。現下の厳しい経済状況の中、自殺防止など早急な対策が必要と考えますが、今後の対応をお伺いし、次の質問に移ります。

   [知事答弁]
 次に、厳しい経済状況下での自殺対策についてでございます。  
 1点目の滋賀県の自殺の現状と分析についてでございますが、平成15年の330人をピークに、ここ5年間約300人前後で推移しております。この滋賀県内、交通事故の死者数が80人前後にまで減少していることを考えますと、300人という人数、大変に大きな課題であり、それぞれの人生にとって重たいものであると考えております。
 自殺の原因としては、県警察本部の平成19年の集計によりますと、「健康問題」が1番多く、次に「経済・生活問題」が続くという状況であります。
 現在のような厳しい経済状況は、昨年秋以降のことであり、今年のまた今後の状況は大変懸念されますので注視していきたいと考えております。
 2点目に自殺防止についての今後の対応についてであります。
 県では、平成19年12月に医療、福祉、経済、法曹、労働関係団体や遺族で構成する「滋賀県自殺対策連絡協議会」を設け、自殺対策に取り組んで参りました。昨年10月に開催した協議会では、多発している硫化水素による自殺の原因や課題について検討するとともに、今後の啓発活動について意見交換を行いました。
 年末年始には、「経済情勢の悪化にともなう緊急相談窓口のご案内」を県のホームページに掲載し、「ハローワーク大津における緊急職業相談」、「しが中小企業金融緊急ホットラインの年末対応」、「県消費生活センターの年末・年始対応」を案内いたしましたが、これにあわせて、死にたいと考えている人の相談に直接に応じる「滋賀いのちの電話」への相談の呼びかけを行って参りました。
 解雇などにより、収入は元より住宅さえも失ってしまった方から、生活保護の相談や申請が増えてきておりますが、生活保護制度が最後のセーフティネットとしての役割をしっかり果たすことができるよう、1月15日には生活保護担当課長会議を開催し、保護申請の適切な受理について指導徹底したところであります。
 2月に開催しました「滋賀県自殺対策連絡協議会」では、県下の経済状況を踏まえた自殺対策について協議し、それぞれの団体が行っている相談事業を連携して実施することとし、相談支援体制を強化しております。
 早速、来月に弁護士会、司法書士会の開催で、多重債務についての無料相  談会が開催されることになりました。
 引き続き、この協議会を核といたしまして自殺対策を着実に進めてまいりたいと考えております。

観光政策について

 次に、観光政策について、知事にお伺いいたします。
 滋賀県基本構想において、地域の将来の姿を「経済・産業」の視点から描かれた中に、「歴史や文化、自然など地域固有の資源を活かした観光が発展していきます」と記されています。
 また、この度、平成13年に策定された観光振興の基本指針「滋賀県観光振興指針−湖国観光交流ビジョン」を改定し、「新・滋賀県観光振興指針」(以下、新指針)が策定され、観光振興の目標達成に向け幅広い取り組みを掲げておられます。
 ここ数年、滋賀県を訪れる観光客数は、年々少しずつではあるものの増加しているといえます。しかしながら、平成18年は、大河ドラマ「功名が辻」の効果により、長浜を中心に、平成19年は、彦根城築城400年祭の効果によるもので、滋賀県独自の戦略では観光客数増加に寄与していないように感じ取れます。
 平成15年4月以降、観光交流の振興を担う中核的な組織として、びわこビジターズビューロとともに、様々な取り組みを展開されておられますが、滋賀の観光振興をどのように戦略的に展開し、そして、市町の頑張り以外の部分において、どれだけの効果を成し遂げてこられたのでしょうか。
 これまでの滋賀県観光振興指針においては、滋賀県の観光の課題を3点にまとめられていましたが、
 これら「観光資源の発掘と活用」「効果的かつ多様な情報の発信」「受け入れ体制の充実」の3点の課題が、これまでの指針によって、どのように克服されたのか、これまでの指針の評価を含めてお伺いいたします。
 次に、新指針を策定するにあたり、社会情勢の変化や国の動向も分析されていますが、少子高齢化の進行や環境意識の向上、外国人の訪日旅行など、今後の観光におけるニーズをどのように分析されているのか、お伺いいたします。
 多くの方に滋賀に来てもらうことにより、歴史や自然、文化など様々な滋賀の魅力を味わってもらうことができます。
 また、人が来ることにより、経済効果をも生み出し、結果、新産業の創出や雇用創出にもつながると考えられますが、滋賀県において何のために観光振興を行うのか、またこの新指針はどのような意義をもって策定をされるのかお伺いたします。
 また、観光政策というのは、各都道府県、どこでも行っている政策です。それぞれの地域で、特性やもっている資源を最大限活用し、観光政策を展開しているといえます。また、この経済危機の中、観光に対する影響も大きなものと考えます。
 このような中でも、滋賀を訪れたいと思われるような、戦略が必要です。今後、滋賀県として、どのような目標と戦略を持っているのか併せてお伺いし、次の質問に移ります。

   [知事答弁]
 次に、観光政策についての4点の質問にお答えいたします。
 まず、1点目の、現指針の課題克服と評価でございます。現指針の策定を受け、本県観光振興の中核的な組織として、平成15年にびわこビジターズビューローを設立し、観光振興にかかる実践的事業実施を担い、県では観光施策の企画立案を担うなど、民間と行政が一体となる推進体制づくりが図れたところであります。
 課題であります「観光資源の発掘と活用」では、豊かな自然環境や歴史文化遺産など、滋賀県・琵琶湖の数多くの観光資源を活用する広域観光イベント事業を実施し、また、2点目の「情報の発信」につきましては、観光情報ホームページで地域の観光情報の一元管理を行い、現在ではアクセス数も多くなり、本県の魅力について一定の情報発信ができたものと考えております。
 また、「受け入れ体制の充実」としては、琵琶湖環状線や新名神高速道路などの交通アクセスの整備や観光ボランティアガイドの育成支援を図ってきたところでありまして、さらには東アジアを中心に海外からの観光客誘致や、関西・中部の各府県と連携した国際観光の展開などを行ってまいりました。観光客数は、市町や観光協会などに加え、このような県やビューローの取り組みにより、着実に増えてきたものと考えております。 
 次に、2点目のニーズの分析でございますが、国の動向調査や今回策定にあたってのヒアリング調査等によりますと、国内では人々の価値観の変化に伴い、マスツーリズムから、どちらかと言いますと、少人数の個人旅行がさらに進行しております。また、多くの人が訪れたいと感じるのは、地域の自然や歴史・文化、人々の生活が織りなす「まち」のたたずまいであり、滋賀のありのままの良さを見てもらうことではないかと考えております。さらに、外国人観光客は昨今の円高の影響はあるものの、潜在的な需要は大きいものと考えております。
 次に、3点目の新指針の意義でございますが、観光産業は、農林水産業からサービス業や製造業まで様々な分野に及ぶ裾野の広い産業であり、その振興を図ることは、厳しい経済情勢の中、内需型産業を発展させ、雇用拡大にも繋がるものと期待しております。 
 また、経済面ばかりでなく、先人から受け継いだ地域の自然や歴史文化など自らのまちの個性を磨き上げることにより、地域に対する愛着が増し、そして、観光に訪れた人々の評価が、逆に、わがまちに対する自信や誇りとなり、「おもてなしの心」につながるなど、双方向の効果も含め、意義や効果は大変大きいものと考えております。
 最後に4点目の新指針の目標と戦略でございますが、目標は、計画期間である5年間の活動の成果として、観光入り込み客数は5千万人、宿泊者数は330万人、観光消費額は3千億円などの数値目標を掲げております。
 この目標の実現に向けて、「観光ブランドの創造・発信」や「おもてなしの向上と居心地の良いまちづくりの推進」など5つの戦略を立てております。例えば、琵琶湖をはじめとする水の生活文化や住民が守り育ててきた文化財に光をあてた観光ブランドの発信や、景観計画や歴史まちづくり法の活用によるまちなみ保存、屋外広告物の規制により美しい景観形成に取り組み、来訪者に喜ばれ、地域への愛着と誇りを持てる「まちづくり」を推進していきたいと考えております。
 今後、本県の観光振興に向けて、県や市町をはじめ、それぞれの主体が役割を果たしつつ連携機能を強化するネットワークを構築し、より効率的・効果的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。

公立病院改革と医療政策について

 次に、公立病院改革と医療政策について、知事及び病院事業庁長にお伺いいたします。
 本県では、病院経営の自主性・自律性を高め、効果的・効率的な病院改革を進めるため、平成18 年度から病院事業に地方公営企業法の全部適応プラスを導入され、平成18年には21年度までの県立病院中期計画を策定されました。
 その中で病院事業の経常収支を、期間内に黒字化する事を改革内目標に掲げましたが、その後毎年10億遠前後の赤字体質に変化なく、成人病センターでは、平成19年度決算において、過去最悪の12億6千万円の欠損が発生し、年度末の未処理欠損金は115億3千万円を超すものとなっております。
 その上病床利用率については、許可病床541床について87.2%の改革目標に対し、実績は稼働病床425.3床に対し約80.3%、患者については入院も外来も16年度以降毎年減り続け、19年実績は、16年度比でそれぞれ20%前後の減少となっています。
 このような状況の中、自治体の財政健全化のため、国より全国の自治体に「公立病院改革ガイドライン」が示され、三年後の黒字化、70%以上の病床利用率、などが求められました。本県においても経営健全化に向けた改革プランとして「(仮称)第二次滋賀県立病院中期計画案」が検討されております。
 まず、病院事業庁として、現中期計画18年策定より二年を経てのこの状況から、計画との落差の原因と現状の課題そして、国のガイドラインのクリアーへの問題点について庁長にお伺いします。
 成人病センターには、稼働病床442床の中で、19 年度で約28億8千万円の一般会計負担金が出されています。この事は、成人病センターの収益と表現されている数字の24,67% すなわち約4分の1は、県からの繰出し金です。
 もし成人病センターの決算書を繰入金の無い民間病院に置き換えると19 年度は実に約41億5千万円の赤字となり、たちまちの倒産は間違いない数値です。
 一床当たりにしても、たとえば、成人病センターでは、収益的収支への繰り出しが、1床当たり460万円であるのに対し、他府県のがんセンターなど類似病院の平均が407万円であることからも、県立病院への繰出しの精査が必要と考えます。
 勿論、県立病院としての政策使命があります。そうした中でも、県債管理基金までもが底を突く状況の県の財政危機の中で県立病院のそれに当たる、損益勘定留保資金52億円(19 年度末)に更に繰出し金によって積み増す時なのか、繰り出し金の現状と今後の在り方について知事に伺います。
 国においては、「医療提供体制の改革ビジョン」の中で、急性期医療に係る病床数の集約化、公的病院の病床数の削減等の方向が示されているところですが、今、県内の全ての自治体病院が公立病院改革プランを策定中のはずです。医師や看護師の増員なしでは改革プランの達成が難しい事は容易に想像できます。
 そうした中、成人病センターでは現在閉鎖中の病床100床の内、50床を22年度から稼働させるとの事です。医師、看護師等の確保の見通しは立っているのでしょうか、神経内科医などの不足は問題視されてから久しいと存じます。医師、看護師 招聘の見通しを庁長にお伺いします。
 また7 : 1 看護の達成のために地方の看護師不足に拍車をかけたのと同様に、各病院での医師、看護師の取り合いが又始まるのではと危惧します。
 県下全体での医療の費用面、患者数、医師、看護師など需要と供給のバランスをどのように受け止めどのように対応しようとされるのか、また、併せて、滋賀県保健医療計画、医療費適正化計画との整合性について、県下の医療政策に責任をもつ知事に伺います。
 成人病センターの許可病床数は541床です。それに対する病床利用率19年度末は63%です。残念ながら健全化には程遠い数値です。加えて年々減り続ける患者数(入院、外来共)と増え続ける累積赤字・・・・・病院経営はイエローカードものです。
 こうした状況下、第二次滋賀県立病院中期計画案では、平成25年度時で経常収支の黒字化、病床利用率19年度比 8.8%増、入院・外来の患者数はそれぞれ12.9%と11.3%増を計っている訳ですが、成人病センターは周辺の病院と次は医師、看護師に続き患者の奪い合いでも始める事になるのでしょうか。
 病床利用率等の数値は、県民あるいは患者の病院への依存度の表れとも思えます。すなわち、63%はこの病院の医療のニーズがかなり低い証拠と言えます。このような成人病センターを庁長はどのように分析され、県立の役目をどのように考えておられるのか伺います。
 公立病院改革プランは、全国の自治体で今年度中に作成されます。県においては、今日まで何度も計画が策定され改革が訴えられました。しかし先にも述べましたように、残念ながら計画の目標実現には程遠く、計画書は棚の奥に忘れられたかの感がします。
 正に計画書は「絵に描いたもち」です。今回の計画が「絵に描いたもち」にならない保障はありますか。ならないよう、どのような対策を執るおつもりなのか事業庁長にお伺いします。
 県立病院のあり方は、滋賀県の医療政策に大きく関わります。そこで、以下、知事にお伺い致します。
 現計画の中でも、少子高齢化の進展、疾病構造の変化、県内の医療機関の充実等医療を取り巻く環境は大きく変化しているとあります。特に昭和45年開設の成人病センターが、もし今日も同じ診療科目、診療内容なら多額の税金を投入し続ける必要性は全くありません。
 高度専門医療 一つを考えても、その後の滋賀医大の開設で、その必要性、内容は大きく変わったはずです。計画にあるように、県民の医療ニーズに対応した病院機能の明確化を図り、他の病院との役割分担、区別化を図っていく必要もあります。
 他の病院で出来るところは他の病院に任せて、いずれ税金を投入するなら県立しか出来ない医療に特化し、現事業の縮小廃止、変換を恐れず改革を進めるべきと考えます。成人病センターだけでも、平均して200床のベッドが空いている勘定です。
 新型インフルエンザ・SARS等の感染症・エイズ・小児救急等、他の病院では受け入れ難い医療。県民に不足している医療に積極的に取り組むべきと考えます。現況は、この分野から逃げているようにも見えます。研究所の廃止、縮小も視野に入れ病院が望む医療でなく、県民の望む医療を目指すべきです。知事の考えをお伺いします。
 併せて、今後の滋賀の医療福祉を考える中で自治体立病院のビジョンと役割について知事の考えをお伺いします。
 民間病院の経営では結果も求められますが、公立病院にはそれが弱気、時が来れば、責任をとる事もなく移動、または、退職されます。これで目的達成は可能でしょうか、結果が出せるのでしょうか。専門性、能力を無視したかのような、職員配置も問題ですが、責任者の責任が見えません。
 例えば、公立甲賀病院は全国でも珍しい黒字病院です。これは、現在の院長が若くして院長となり、責任をもって改革につとめてきた結果であると思えます。
 経営手腕をもつ人材を抜擢し責任を持って10年間くらい改革に取り組むという人事も必要ではないでしょうか。県立病院の経営について最高責任者である知事の考えをお伺いします。

   [病院事業庁長答弁]
 公立病院改革と医療政策についてのご質問にお答えいたします。
 まず1点目、県立病院中期計画と現状との差の原因、現状の課題および国の公立病院改革ガイドラインへの対応についてでありますが、現状は、成人病センターにつきましては、平成18年度は収支計画の純損失9億38百万円に対し、決算額は8億95百万円の純損失と、計画を達成しましたものの、平成19年度は、収支計画の純損失6億58百万円に対しまして、決算額は12億66百万円の純損失となり、目標の達成には至りませんでした。
 なお、小児保健医療センター、精神医療センターはほぼ計画通り推移しているところであります。
 成人病センターのこの原因につきましては、計画策定時に予期できなかったこととして、まず、新医師臨床研修制度の導入に伴い医師確保が非常に困難になったこと、7対1看護体制への移行に伴う全国的な看護師不足により、一部病棟を休止せざるを得なかったこと、また、診療報酬が下がることを少しは見込んでいたものの、マイナス3.16%という大幅な改定になったこと、こういったことが大きな原因であると考えているところであります。
 さらに、成人病センターでは、地域との役割分担と連携を強化し、逆紹介を進めたことや、平均在院日数の短縮により、結果として患者数が減少したことも影響していると考えております。
 このように、計画策定以降の医療制度改革や全国的な医師・看護師不足などの外部環境の影響を大きく受けたものと考えており、全国の多くの公立病院が同じように厳しい経営環境となっております。
 次に、現状における課題でございますが、平成15年度の新病棟開設に伴い、減価償却費が収支の上で大きな負担となっており、こうした固定経費につきましては、収益増でまかなう以外に方法はございません。このためにもまずは、医師、看護師などのスタッフを確保し、休止病棟の再開や患者確保により、収益を向上させることが最大の課題であると考えております。
 次に、国の公立病院改革ガイドラインへの対応についてでありますが、成人病センターにつきましては、医師、看護師の確保が困難なことから、3年以内の黒字化については困難な状況にあり、平成25年度に「経常黒字」を達成するよう、収支改善に向けた取り組みを推進することとしております。
 また、病床利用率につきましては、稼働病床ベースでは80%を超えているものの、許可病床ベースでは70%を切る恐れがありますことから、新しい計画では、医師、看護師の確保と、平成22年度に休止病棟の一部の再開を行うこととしております。
 ガイドラインをクリアするためには、やはり医師、看護師の確保が最大の課題でありますことから、これらに向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
[知事答弁]
 次に、公立病院改革と医療政策についてのご質問についてお答えさせていただきます。
 まず2点目、病院事業に対する繰出金の現状と今後のあり方についてでありますが、繰入金については、県立3病院が、他の医療機関では対応が困難な、高度専門的な医療、政策的な医療を提供しているという重要な役割を担っていることから、政策医療を実施する上で不採算となる部分や、本来、一般行政で行うべきものを病院事業庁が担っているものなどに対し、地方公営企業法や総務省の基準に基づき繰出をしております。
 各病院事業の損益勘定留保資金につきましては、地方公営企業会計においては、病院会計が負担する起債償還やそのあり方について総務省で検討されている退職給与引当金の財源となるものであります。
 平成19年度末で起債償還分では82億円、退職給与引当金分では37億円が見込まれることから、余剰資金があるものではなく、いわば、会計的には不足ぎみであると言えます。
 したがって、県からの繰入金がなければ、資金不足におちいることは明白となります。
 平成21年度の繰出金については43億円余りとしておりますが、繰出金の見直しについても、平成10年度以降、毎年行っており、平成20年度の累積では39億1千万円の縮減で、平成21年度は更なる見直しにより2億9千万円の上乗せ縮減を行い、単年度では8億8千万円、累積では47億9千万円を縮減することしております。
 今後のあり方については、診療報酬の引き下げなど医療機関を取り巻く環境が厳しくなる中、県民皆様から期待される高度で専門的な医療を提供していくためには、医療スタッフを確保しつつ、効率的な運営が図られるよう病院事業庁長に指示をしているところでありますが、安定した経営基盤の確立には繰出が不可欠であり、国の地方財政措置の状況や総務省の繰出基準を踏まえつつ、常に見直しを行いながら、繰出を行うべきものと考えております。
[病院事業庁長答弁]
 次に、3点目の成人病センターにおける医師、看護師の確保の見通しについてでありますが、現在、策定作業を進めております「第二次滋賀県立病院中期計画」においては、先ほども申し上げましたとおり、平成22年度に休床病棟の一部再開を見込んだ計画とする予定をしております。
 そこで、病棟再開に向けた対応でありますが、一部病棟を休床している最大の原因は、やはり看護師不足が最も大きい要因でありまして、平成18年来の全国的な7対1看護体制の確保があり、その影響が大きく及んだものでありますが、これも一定安定し、今後は、幾分ゆるやかになってくるものと考えられます。
 そうした中、本年度は、既に4回にわたって看護師採用試験を行って必要数を確保して参りましたし、また今月からは、潜在看護師発掘のため、成人病センターにおいて「再チャレンジ研修会」を開催してまして、これがすべて成人病センターの採用に結びつくものではありませんが、24名の応募を受け付けております。
 また、24時間保育や短時間勤務など勤務時間の弾力化などにより、離職防止や育休からの早期復帰に向けた環境整備にも努めているところであります。
 今後も新採重視もさることながら、一層の定着重視の対策をして、離職率の低減を図るも大切でありまして、こうした取り組みをより一層推進すれば確保可能であるというふうに考えております。
 また、医師問題につきましては、特に神経内科は、その科だけでなく病院全体の患者数にも影響いたしますし、また、病床稼働率にも大きく影響してきますことから、医師の早期補充に向けて、一昨年来、関係大学側に折衝を重ね、再三要請を行ってきたところであります。
 しかし、新医師臨床研修制度の影響から医局そのものに医師が不足するという状況におきまして、現在まで常勤医は確保できず、そのため昨年4月からは、非常勤嘱託医を招聘するとともに、それを補うべく総合内科を有効に機能させながら診療して参りました。
 関係大学側もこの必要性を理解していただいておりますし、また大学以外にも色々と手を尽くして参った結果、来年度体制においては、期待できる動きがあります。また、欠員や不足が生じております他の診療科においても一部ではありますが確保できる見込みが立っております。現時点では明確には申し上げる状況にはございませんが、成人病センター全体では、現在の人員から5、6名の増員が可能となる見込みであります。
 今後、以上のような取り組みを進めながら、医師や看護師の確保に努め、新しい中期計画による平成22年度における休床病棟のオープンに向けて頑張っていきたいと、このように考えております。
[知事答弁]
 次に、4点目の、県全体の医療の費用面、医師、看護師などの需要と供給のバランスをどのように受け止め、どのように対応しようとするのか、保健医療計画、医療費適正化計画との整合はとれているのか、とのご質問でございます。
 「(仮称)第二次滋賀県立病院中期計画案」と県保健医療計画、県医療費適正化計画との整合性につきましては、この中期計画案は、県保健医療計画に基づき、政策医療として、高度専門医療等を担う県立病院の果たすべき役割を明確にしようとするものであり、県の保健医療計画との整合性をとりながら検討が進められてきたものでございます。
 また、中期計画案は、地域医療機関との連携強化をはじめ医療費適正化計画の目指す医療の効率的な提供の推進の方向に沿って検討されているものと認識しております。
 次に、医師、看護師などの需要と供給のバランスについての質問にお答えいたします。成人病センターの50床を稼働させることは、中期計画案に基づいて、県立病院が本来の果たすべきことを行おうとするものであり、かつ、現在、他の病院に影響があるところを解消しようとするものであると認識しております。
 これに際して、医師、看護師の需給に不均衡が生じるのではとの議員のご心配でございますが、病院事業庁の医師の採用計画は、基本的には県外から見込んでおり、看護師の採用計画は、広く県内外に募集しているところであります。
 県としては、県民の皆さんに安心して地域医療が提供できるよう、医師確保総合対策や看護職員確保対策に積極的に取り組んでまいります。
 去る1月19日には、看護職員合同就業面接会を開催し、前年の約1.5倍の131人の方が参加されたところであります。
 県内で臨床研修を行っている1年目の研修医の皆さんには、私自ら直接お会いをし、このまま県内に定着していただけるようお願いをしております。
 さらに、新年度においては、医学生の定員増のための緊急医師養成奨学金制度を新たに県として創設することとしております。
[病院事業庁長答弁]
 次に5点目、成人病センターの状況をどう考えるのかという点でございますが、病床利用率につきましては、ご指摘のとおり、平成19年度の一日平均入院患者数が341.5人で、稼働病床数に対する病床利用率は80.3%、許可病床数に対しては63.1%となっております。
 これは、医師・看護師不足に端を発した、神経内科の休診による入院減や、その他診療科の診療規模縮小、病棟閉鎖などが大きな原因であると認識しております。このことからも医療提供体制の充実を図ることが重要であると考えております。
 また、三次的機能を持つ病院として医療技術の進歩に合わせて先進医療の積極的な導入に対応してきたことや、地域医療機関との連携を進めた結果、平均在院日数が年々短縮してきておりまして、平成17年度には17.1日であったものが、平成19年度には16.0日となりました。
 例えば、地域連携で申し上げますと、紹介率は17年度が41.6%に対し、19年度は46.9%、同じく逆紹介率は17年度の31.1%に対しまして、19年度は48.3%と、それぞれ大きく上昇しております。
 また、琵琶湖マザーホスピタル事業による医師派遣など、地域医療機関に対する支援や地域連携を進めてきた結果が、病床稼働率にも少なからず影響しているという側面もあると考えております。
 現在、策定に向けて準備を進めております「第二次滋賀県立病院中期計画」の案では、平成23年度の入院患者数の目標値を一日当たり420人、同じく外来、患者数は890人と設定しておりますが、今後、少子高齢化が進むにつれて疾病の需要動向も変化していくと考えられ、具体的に申し上げますと、国の患者調査および将来人口・高齢化の推計をもとに推計したところでは、平成17年から27年の10年間で、滋賀県全体の入院患者数として、がんなどの新生物は約20%の増加、循環器系疾患については約30%の増加が見込まれております。こうしたことから、今後も引き続き、がんを始めとした生活習慣病に対する高度医療に取り組むことが重要であり、診療基盤を整備充実することにより、中期計画案の目標は達成できるものと考えております。
 また、県立病院としての役割ということにつきましては、全県域を対象に、がん、生活習慣病を中心とした高度専門医療を提供する、三次的な機能を持つ病院として、また、地域医療機関への支援や地域連携の取組み等を一層強化しながら、「都道府県がん診療連携拠点病院」として、引き続き県の医療における重要な役割を担っていかなければならないものと考えているところであります。
 今後、高齢化がさらに進展すること、また、医療の高度化がますます進むことなどにより、高度専門医療の拠点としての成人病センターに対する医療ニーズは高まってくるものと考えられますので、県民のみなさまの期待にお応えできるよう、診療体制、診療機能の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に6点目、新しい中期計画が「絵に描いた餅」にならないようにどのような対策をとるのか、ということでありますが、平成18年度に地方公営企業法を全部適用するに当たっては、中期計画の策定による目標管理や外部評価制度の導入など地方独立行政法人制度の手法の一部を取り入れて、滋賀県独自の全部適用方式、いわゆる「全部適用プラス」として導入したところであり、この中期計画を基本に、病院経営を行っているところであります。
 そこで、新しい中期計画を実現可能なものとするため、中期計画の策定にあたっては、3センターの全職員を対象に職員アンケートを初めて実施し、病院や職員が抱える課題を把握した上で、計画に反映したところでございます。
 また、病院のマネジメントツールであるバランス・スコアカードを活用しながら、職員が議論、検討し、新しい中期計画の策定作業を進めております。
 具体的には、各病院に医師、看護師、各コメディカル等の多職種からなる「中期計画策定プロジェクトチーム」を設置し、現場の職員自らが病院の抱える課題や病院のビジョン、具体的なアクションプランや数値目標を検討してまいりました。
 バランス・スコアカードは、1枚のカードで病院経営全体の現状やビジョン、戦略を把握できることから、病院の戦略を「見える化」して、経営トップから現場の職員すべてに浸透・展開させることができます。こうした病院マネジメントツールを活用し、定期的に進行管理を行いながら、新しい中期計画が実効あるものとなるよう取り組みを進めてまいります。
 なお、新しい中期計画の策定に当たっては、現在の医療制度の仕組みや国の施策・方針などを前提としているところでございまして、制度等の大きな変更があれば、計画期間中において、計画を見直し、的確に対応してまいりたいと考えております。
 また、新しい中期計画の実施に当たっては、職員一人ひとりが病院の進むべき方向を理解し、自発的に病院改革に取り組むことが大切であると考えております。そのためには、私自身や病院幹部が現場職員と常日頃からコミュニケーションを取りながら、気持ちを一つにしていくことが重要と考えておりまして、新しい中期計画の達成に向けて職員一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
[知事答弁]
 次に、7点目の成人病センターは県民の望む医療を目指すべきと考えるが、その所見を問うとのご質問であるが、県民の「生命」を守ること、これは21年度予算における第1の柱となるものでありまして、県政を進めるうえで、最も重要なテーマと考えております。
 なかでも医療に関しては、県政世論調査の結果にも示されておりますように、非常に 期待の高い分野でございまして、過去4年間県の施策で力を入れて欲しい分野としは連 続して1位となっております。
 21年度予算案でも、地域医療提供体制の整備には重点的に取り組ませていただいております。
 そこで、県民の望む医療をどのように実現するかということを考えますと、やはり、3大死因でありますがん、脳卒中、急性心筋梗塞、患者数が多い糖尿病、県民生活に大 きな影響を与える救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療、いわゆる 4疾病5事業に加え、難病医療などの医療体制の整備が重要と考えており、昨年の3月 に策定しました滋賀県保健医療計画に基づき取り組んでいるところであります。
 そういった中で成人病センターの果たすべき役割でありますが、センターはこれまで、三次的な機能を受け持つ病院として、がん、心臓血管疾患、脳神経疾患の3大生活習慣病を中心に高度・専門医療を提供することを使命としてまいりました。また、県の医療 政策において、4疾病5事業の充実が重要課題となる中で、特に、がんを始めとする生活習慣病に対する医療の提供という部分に特化する形で、県の進める政策医療の一端を担ってきたところであります。
 将来的に県の医療水準の向上を果たしていくためにも、成人病センターの三次医療としての機能を今後も充実させ、県内の地域医療提供体制の整備を進めていく上で重要な役割を果たしてもらいたいと考えております。
 なお、成人病センターの研究所につきましても、医療の高度化がますます進むなかで、県民に質の高い医療を提供していくうえで、その果たすべき役割も大きくなっているものと考えております。
 ただ、現状で良しとするのではなく、今後は、先端技術をがん、生活習慣病の医療に結びつけ、臨床や地域医療に貢献していくという社会的性格を、より明確に打ち出し、例えば病理あるいは画像診断等で、県民の皆さんの求めるがんの早期発見、早期診断・治療に役割を果たしていくよう病院事業庁に指示しているところでございます。
 次に、8点目の、今後の滋賀の医療福祉を考える中で自治体立病院のビジョンと役割についてでございます。
 お尋ねの自治体立病院として本県では、県立3病院と大津市民病院をはじめとする11の公立病院があります。
 これら公立病院は、地域における基幹的な公的医療機関として、また病診連携の中心として、地域医療の確保に重要な貢献をされてきており、本県では、二次保健医療圏域ごとにバランスよく効率的に配置されているところであります。
 公立病院は、一般医療のみならず、救急医療、小児救急医療、周産期医療、災害医療、へき地医療など民間の医療機関だけでは対応が困難な政策的医療を提供する役割を担う医療機関であります。
 県としては、これら公立病院に対して、小児救急医療支援事業やへき地医療支援事業などを活用しながら、積極的に医療水準の維持・向上に努めております。
 次に9点目の病院事業庁長等県立病院責任者の人事についてございます。
 現在、医療を取り巻く環境が厳しさを増す中において、県民に高度・専門的な政策医療を提供するといういわゆる行政の一環を受け持っている県立病院には、安心で安全な、すなわち質の高い医療の確保と健全な病院経営の維持・継続が求められております。
 県立病院全体の経営責任者である病院事業庁長人事を考える上でも、このような点が重要なポイントであると考えております。
 そこで私としては、病院事業庁長には、医療に造詣があるだけでなく、現在の困難な状況に対処するため、経営感覚に優れるとともに、県立病院として、政策医療の遂行、大きな予算の執行、3センターに係る組織・多くの職員の統括といった面にも精通した人材を選んでいるところであります。
 また、各病院における直接的な責任者である病院長人事については、県立病院の医療の質の向上を図る力量があり、経営感覚にも優れていることが重要であり、そうした観点を踏まえ、病院事業庁長のもとで行われているところであります。
 最後に、県立病院としての役割を果たしつつ、病院経営の健全化を図っていくためには、病院事業庁長を頂点に病院事業庁職員が一丸となって取り組まなければならないと認識しております。
 私としても、健全な病院経営の維持・継続に向け、有能な人材確保をはじめ、能力ある人材の育成・登用について努力をしていきたいと考えておりまして、また、このことについて、病院事業庁長に指示しているところでございます。

警察行政について

 次に、警察行政について、警察本部長にお伺いいたします。
 警察本部新庁舎が完成し、去る1月25日に視閲式が盛大に執り行われました。様々な社会的ニーズが拡大する中、犯罪の形態も大きく変化しています。そうした中、新庁舎を核とした警察行政の充実に対し、県民のより一層大きな期待が高まっているといえるのではないでしょうか。
 新庁舎の建設によって、耐震対応など老朽化の問題と、人口増加に伴う警察力の強化充実のための狭隘化の問題等、旧庁舎における問題の解消がなされました。
 また、新庁舎においては、通信司令室や交通管制センターの機能強化により、非常時や緊急時対応が向上したと言えますが、実際に、新庁舎により、警察本部の機能はどのような点で強化されたのでしょうか、お伺いいたします。
 また現在、県下には、12警察署、55の交番、106の駐在所、6の水上派出所、5の検問所があり、こうした警察力が地域の安全に欠かせないものであります。現場での警察力が地域の安心感につながります。
 滋賀県警察の核となる県警本部庁舎が新しくなったことで、地域の警察力はどのような点で向上するのか、併せてお伺いいたします。
 これまで、滋賀の交通事故件数は平成16年から3年連続減少し、交通事故死者数も平成19年に100人を切った状況で、昭和34年以降最小値となっております。
 犯罪情勢は、刑法犯認知件数が平成14年の32,183件から平成19年の16,553件と5年連続、減少し、減少率48.6%は全国第一位となっていますが、凶悪化が危惧されるところです。平成20年の状況をお伺いいたします。
 また、今回の100年に一度といわれる厳しい不況は、さまざまな犯罪を誘発することになると言えますが、景気悪化に伴い、窃盗や強盗、ひったくりなどの犯罪が変化をしているのでしょうか、現状と対策を併せてお伺いいたします。
 最後に、新しい機能を備えた新庁舎を核とした体制が出来上がりました。今後、県民の期待にどのように応えていくのか、全職員の意気込みも含めて、本部長の決意をお伺いし、次の質問に移ります。

   [警察本部長答弁]
 まず、新庁舎の機能強化とそれに伴う地域の警察力向上についてのご質問に一括してお答えします。
 新庁舎は、震度7の地震にも耐えられる構造を持ち、防災拠点としての機能を備えているほか、ご指摘のように通信指令や交通管制などのシステムの高度化を図りました。
 通信指令については、本部の通信指令室で、県下のパトカーの位置や犯罪の発生地を大型ビジョンやパソコンの画面上で表示できるようになったことから、迅速な警察官の配置など、初動警察 活動の充実が図れるものと考えています。
 また、交通管制については、交通状況に合わせ、よりきめ細やかな信号制御が可能となったことから、交通の円滑化等に資するものと考えています。
 次に、20年中の交通事故、刑法犯発生状況に関するご質問にお答えします。
 平成20年の刑法犯認知件数は、15,455件で、6年連続して減少し、ピークであった平成14年の半数以下となりました。
 また、交通事故についても、発生件数9,027件、死者数79人と大きく減少しており、特に交通事故死者数は、50年ぶりに80人を下回りました。
 今後も、関係機関、団体の協力をいただき、犯罪抑止対策や交通事故抑止対策に取り組んでまいります。
 次に、景気悪化に伴う犯罪情勢とその対策についてですが、本県では、景気悪化が表面化した昨年10月から 本年1月までの4ヶ月間にタクシー強盗や深夜飲食店、コンビニエンスストア等を対象とした強盗事件が10件発生しております。
 県警では、抑止対策として、昨年10月に、タクシー協会等に対し防犯指導を行ったほか、本年2月6日には、深夜飲食店を対象とした緊急防犯対策会議を開催し、強盗事件に対する防犯対策を指導しております。
 また、警察官による深夜飲食店やコンビニエンスストアに対する立ち寄り警戒も強化しているところです。
 最後になりましたが、この財政難の中で新庁舎を建設していただいた県民の皆様に深く感謝し、全職員が一丸となって、新庁舎に恥じない仕事をしてまいる所存です。
 今後とも140万県民の安全と安心を守るために、全力を傾注してまいりますので、よろしくお願いいたします。

スポーツの振興について

 次に、スポーツの振興について、知事及び教育長にお伺いいたします。
 スポーツは、人生をより豊かに、充実したものにし、人間の身体的、精神的な欲求に応える世界共通の文化です。また、青少年の健全育成、すべての人々の健康増進、地域の連帯感など大きな役割を果たしていると言えます。
 このように、多様な意義を持つスポーツに対し、より積極的な振興策を講じることこそが、活力ある滋賀の形成やまちづくりにつながるものと考えられますが、今後の対策とビジョンについて、教育長にお伺いいたします。
 先般、全国児童生徒の体力、運動能力調査が実施され、滋賀県は特に小学生の結果が、男子35番目、女子45番目と劣っていました。この現状を踏まえて、児童自らスポーツに親しむ環境をつくる必要があると考えますが、その対策は出来ているのでしょうか、教育長にお伺いいたします。
 次に、中学校、高等学校の部活動は、著しい成長期にある生徒にとって、大変重要な活動です。ところが、良き指導者に恵まれず、本来の能力を十分発揮出来ず悩みも多いと仄聞しております。部活動をより活発にするには、指導者の適正配置が不可欠ですだと考えます。今後の対策をどのように考えているのでしょうか、教育長にお伺いいたします。
 次に、滋賀県生涯スポーツ振興計画「滋賀のスポーツデザイン2010」によると、総合型スポーツクラブの育成、定着が掲げられ、現在、県内で41のクラブが設立されていますが、その活動はいまひとつ盛り上がりに欠けているように思われます。
 また、成人のスポーツ実施率50%についても目標には、まだ届いていません。その原因は一体何であるとお考えでしょうか、今後、県として、人的、経済的支援、その他の支援策をお考えでしょうか、教育長にお伺いいたします。
 次に、2順目の国民体育大会が平成36年に予定されていると仄聞していますが、びわこ国体から30年が経ち、当時、指導・育成された方々も高齢化してきています。指導者の確保、選手の強化対策事業をどのように進めていこうとされているのでしょうか教育長にお伺いいたします。
 また、他府県と比較して、県内のスポーツ施設の老朽化が進み、あまりにも不十分だと考えます。例えば、現在、県内唯一の公認プールである県立スイミングセンターの温水プールの屋根が老朽化してきたとして、緊急対策として上屋を取り除かれる検討がされておりますが、
 先日、温水プールの存続を求め、周辺7市町長の要望や、4万人を超える署名を添えて要望がされています。県内スポーツ施設の今後の整備計画について、教育長のお考えをお伺いいたします。
 この項の最後に、「びわ湖毎日マラソン」について、知事にお伺いいたします。
 日本で一番長い歴史と伝統を誇る「びわ湖毎日マラソン」は、第17回大会から滋賀県に移り、琵琶湖の春を呼ぶ風物詩として、また日本の三大マラソンとして位置づけられ、オリンピック・世界選手権大会の選手選考予選会に指定され、世界を代表するマラソン大会として定着してきました。
 そして、2時間半にわたるNHKの生中継によって「滋賀県」「琵琶湖」を国内はもとより世界に発信してきました。
 このような素晴らしいイベントを、将来にわたって継続していくことは県民の願いであります。その県民の願いを実現するために、また滋賀県にとって経済効果も高い「びわ湖毎日マラソン」を今後も継続して開催すべきと考えますが、知事の決意の程をお伺いし、質問を終わります。

   [教育長答弁]
 スポーツの振興についての6点のご質問についてお答えいたします。
 まず、1点目のスポーツ振興における、今後の対策とビジョンについてでありますが、本県のスポーツ振興は、昨年3月に改訂いたしました「滋賀のスポーツデザイン2010」をもとに進めており、その基本的な考え方は、これまでの行政主導のスポーツ振興から、スポーツをする側の立場に立って、子どもから高齢者まで、性別、障害の有無などにかかわらず、広く県民の生涯にわたるスポーツ活動を支援し、そのスポーツ環境の整備・充実を図ることにあります。
 本県におきましては、一昨年度の「日本スポーツマスターズ」、今年度の「全国スポーツ・レクリエーション祭」と続けて、2つの全国大会を開催いたしました。
 関係機関・団体等協働で実施したことは、本県のスポーツ振興の進展に大変効果があったものと確信しております。
 この成果を一過性に終わらせることなく生かすことが、今後のスポーツ振興の大きな課題であると考えておりますことから、競技スポーツとレクリエーションスポーツなどを一緒にした、県民が交流を深める総参加型の「県民総スポーツの祭典」を開催することにより、総合的にスポーツ振興を図ってまいりたいと考えております。
 2点目の全国体力・運動能力調査の結果についてでありますが、本県の小学生は全国的な数値と比較いたしますと、持久力や敏捷性などの体力要素がやや劣っているという結果であり、この背景には、1日の総運動時間が他府県より少ない傾向が見られることやテレビを見る時間が長いなど、規則正しい生活習慣が図られていないことなどが影響していると分析しております。
 このため、県教育委員会といたしましては、市町教育委員会との連携のもと、子どもたちが体を動かすことが楽しいと感じ、意欲が高まる授業内容の工夫を図ることや、「小学生1日30分運動」をさらに浸透させるなど、子どもたちが積極的に遊びや運動に親しめる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 3点目の中学校・高等学校の部活動における指導者の適正配置についてでありますが、教員の配置につきましては、本県の教育を一層進展させるため、教育改革などの制度改正はもとより各学校での教育課題や教職員の教科、性別、年齢、適正等を考慮し、組織の充実と刷新につながるよう行っているところでございます。
 そのような中で、部活動を教育活動の一環として、生涯にわたってスポーツに親しむ資質や能力を育て、体力の向上や健康の増進を図るだけでなく、生徒の自主性・協調性・責任感などの育成を目的に実施しており、部活動をより活発にするため、指導者の養成にも努めているところであります。
 さらに、部活動における生徒のニーズの多様化などに対応するため、各学校において、地域の外部指導者の積極的な活用により、部活動の充実を図っているところでもあります。
 4点目の総合型地域スポーツクラブの活動についてでありますが、現在41クラブが設立されている中で、議員ご指摘のように運営に関する中心となる人材がそろわなかったり、また設立後、比較的に日が浅いなどにより活動が十分でないクラブも一部にございますが、県といたしましては引き続き、地域の特色を生かした活動が展開されるよう各市町教育委員会とも連携の上で、指導してまいりたいと思います。
 また、成人のスポーツ実施率につきましては、本年度調査では45.2%でとなっておりまして、2010年の実施率50%の目標達成に向けて、普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
5点目の2巡目の国体に向けた指導者の確保・選手強化対策についてでありますが、県教育委員会といたしましては、「滋賀のスポーツデザイン2010」の中で競技力の総合的な向上方策を示しながら、各種の取り組みを展開しているところでございます。
 具体的には、将来的な競技力の向上に繋がるジュニア世代の育成強化、また、指導者の高齢化が進んでいることから、指導者の世代交代を図り優秀な指導者の養成・確保、さらには、各種競技団体の強化支援をはかるなど、3つの柱を中心として県全体の総合的な競技力の向上に向け、継続的な取り組みをしているところであります。
 今後とも、本県競技力の向上につきましては、2巡目国体の開催も視野に入れ、県体育協会はもとより各競技団体とも連携を図りながら計画的な取り組みをしてまいりたいと考えております。
 最後に、県内のスポーツ施設の今後の整備計画についてでありますが、ご要望もいただきました県立彦根スポーツセンターをはじめ、県立社会体育施設の大半が、びわこ国体を契機に建設され、既に相当の年月が経過しておりまして、老朽化への対応や競技規則改正による修繕等、必要に応じて整備拡充を図ってきたところでございます。
 しかしながら、現在の極めて厳しい財政事情の中におきましては、既存施設の大規模改修や新たな施設整備については、困難なものと想定されますが、一方で今後の全国規模の大会開催への対応や本県のスポーツ振興の観点からも、必要なものにつきましては、対応していかなければならないものと認識しております。
 今後の計画的な施設の整備充実につきましては、現在県としての行政改革方針や財革プログラムを視野に入れて、これらとの整合をどのように図ってまいるのかについて検討してまいりたいと考えております。
[知事答弁]
 スポーツの振興について、びわ湖毎日マラソンについてのご質問にお答えさせていただきます。びわ湖毎日マラソンに対する決意についてでありますが、この大会の歴史は大変古く、昭和21年10月に第1回全日本毎日マラソン選手権大会として大阪で誕生し、その後昭和36年第16回大会まで開催されたのちに、交通事情等の問題を背景に、翌37年の第17回大会から舞台を滋賀の地に移し、これまで数々の名勝負、名場面を生み出してきた本当に歴史のある大会でございます。
 また、この大会は議員ご指摘のように、日本三大マラソンとしても位置づけられ、国内外はもとより本県にゆかりのある方にとりましては、競技の放映を通じて、滋賀・琵琶湖辺の豊かな自然、懐かしい風景にも想いをはせていただくなど、大変多くの県民の皆様に支持をいただいております。
 さらに、今年1月にはこの大会への参加選手のレベルや大会運営能力、国際映像配信などのあらゆる面で高く評価され、日本で初めて国際陸上競技連盟よりロードレースの最高峰とされる「ゴールドランク」の格付けをされるなど、本当にこれまでの関係者のたゆまない努力で、ここまで育てていただいたことを心から感謝申し上げます。
 私としましては、このびわ湖毎日マラソンは、県民の皆様にとりましても、かけがえのない貴重な財産でありますことから、将来にわたりましても滋賀の地で開催されることは当然のことでありますし、そのための支援は、精一杯果たしてまいりたいと考えております。また、県民のスポーツへの参画の機会として市民マラソンについて、県民の皆さんおよび関係者の皆さんのご理解とご協力をへて、その実施を検討し、県民に愛されるマラソン大会、また、県民に支えられるマラソン大会として、より一層定着するよう取り組んで参りたいと考えております。


このページのトップへ