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 5月29日に5月県議会臨時会(5月28日〜29日の2日間)において、総務政策常任委員会に付託された5議案を審議しました。そこで、本会議の質疑を聞いた上で疑問に思った点について質疑を行ないました。

<付託された議案>
 

議題138号 平成21年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)
議題139号 滋賀県一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例案
議題140号 滋賀県一般職の任期付研究員の採用等に関する条例の一部を改正する条例案
議題141号 滋賀県特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案
議題142号 滋賀県職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例案
<質疑のポイント>
 

人事院ならびに人事委員会の給与勧告の基本的な考え方からして今回の「意見の申出」(職員の今年6月の期末手当ならびに勤勉手当の支給月数、2.15月を0.2月凍結し1.95月とする)はどうか?
  • 従来、人事院は約11,000民間事業所を前年の8月から翌年の7月にかけて調査をしている。
  • 滋賀県でも昨年は109事業所を調査完結した。
  • しかし今年の人事院は340事業所のみの調査で、滋賀県の事業所の調査はしていない。
  • 本会議答弁で11県は国家公務員より月率が低いということから勧告してないと答弁されたが、我々の調査ではそれぞれの県内の民間企業の夏季一時金の支給状況を精確に把握することができないから勧告していないということである。
  • このような調査状況の中での今回の勧告は納得性がない。
  • 今日までのルール通りしっかりした調査をして勧告することが職員、県民にも納得を得られる。たとえ12月期の特別給で1年分の清算が大きくなってもしっかりしたデーターに基づいたほうが納得される。

今日までの県独自カットとの関係をどう見るのか?
  • 一般職については平成15年から財政が厳しいということから給与の削減を県独自で行っている。
  • 特に平成19年度は総額で20億円、平成20年度は30億円、平成21年度は35億円の削減をしている。
  • 今回の0.2月削減の総額は16億円であり、すでにこれより大きな額を削減している。
  • 宮城県・島根県・佐賀県は独自カットをしているということから今回勧告していない。
  • 滋賀県もこのような政治判断をすべきでなかったか。
  • 本会議では給与と期末手当は別であるからというようなことから期末手当を削減すると答弁されたが、職員の生活は給与と期末手当等の年間総賃金で営まれている。いいとこ取りをするようでは職員のモチベーションは高まらない。
 

「意見の申出」の仕方についてどうであったか?
  • 今回の「意見の申出」をするというなら、人事委員会が昨年勧告した内容『平成15年4月以降、厳しい財政状況を理由とし、職員の給与が減額措置されているところであるが・・・・・(中略)・・・・勧告に基づく本来の職員の給与水準を確保すべきと考える。』を付け加え、その上で総合的に判断させるようなものにすべきでなかったか。
 

滋賀県職員の賃金水準(ラスパイレス指数)は全国的にどうか?

 


 8月21日(木)から22日(金)にかけて経済振興対策特別委員会の一員として徳島県に行政調査に出向きました。その調査内容について以下報告をします。

株式会社いろどり(徳島県勝浦郡上勝町)

調査日時
8月21日(木)14:30〜16:30
調査題目
彩事業について
調査目的
 上勝町では昭和56年当時の主要産業であったミカンが寒波により絶滅し、そこからの復興の過程で、昭和61年から「葉っぱを売る」彩事業をスタートさせた。彩事業は現在、葉っぱや花、山菜等の約340種類の商品を扱い、「おばあちゃんたちが葉っぱでうんと稼いでいる」事業として全国で注目を集めている。株式会社いろどりは平成11年4月、上勝町と株式会社紙克バイオの出資による第三セクター方式で設立され、生産者と農協との連携によりこの彩事業を中心となって運営するほか、上勝町の農産物全般の販売拡大、町全体の産業情報センターの役割等を担っている。本県でも、農業から商・工の分野にさらに一歩踏み込んだ販売促進の取り組みが広がりつつあるが、過疎の山間の町で単に取れた農産物を流通に流して売るだけではなく、売るための仕組みづくりがどのようになされ、どのような工夫により今日の成功につながったのか、事業の経緯やシステムを調査し、今後の参考とする。
調査内容
↓画像をクリックすると大きな画面で見られます。
   

 

出原いつみの質疑
生産者に還元される割合はどのくらいか?
60%である。(普通の農産物は流通経費等が嵩み生産者に20〜30%程度しか還元されないとも言われている中、生産者に60%入るのは魅力であると感じた)
品質管理が問題であると思うがどのようにしているのか?
生産者も気をつけているが農協が管理している。時にはクレームが出ることがある。
※現在、葉っぱでの売上高は年間2億5千万円とのこと。
※上勝町にはIターン者(都会から)が100名程度(20代をはじめ若い人)おられそれぞれの立場で活躍されているとのこと。
※株式会社いろどりの横石知二代表は「人は誰でも主役になれる」ということばを大事にしているとのこと。

出原いつみの思い

葉っぱビジネスに参加しているお年寄りは190名(平均年齢70歳)で、受発注情報入手はパソコンを使っておられるとのこと。中には年収1,000万円の人もおられ、まさに地域資源を生かした経済活動をされ、地域のお年寄りに元気を出させている取り組みに感心する。住民の得意なところを見つけ出番を作り、住民が頑張ったことを評価し、それを自信につなげ、住民の持っている人間力を発揮させる仕組みは滋賀県で今後いかさなければならないとの思いを持つ。また、株式会社いろどりの横石知二代表は「人は誰でも主役になれる」ということばを大切にしているとのこと、このことは活力ある社会の原点であり、常に頭において活動しなければと思う。また、Iターン者が多く、将来に向かってまちの活性化につながることを祈る。

 



徳島県議会(徳島県徳島市)

調査日時
8月22日(金) 10:00〜12:000
調査題目
中小企業対策について
調査目的
 徳島県では、県の経済飛躍の実現にとって中小企業の振興が重要であることを明確にし、頑張る中小企業者が多様で持続的な事業活動を行なうことができる環境の整備を推進すること等により中小企業の振興を図るため、平成20年3月「徳島県経済飛躍のための中小企業の振興に関する条例」を制定し、中小企業振興に取り組んでいる。本県においては、事業所の99%を中小企業が占めている中で、こうした中小企業を取り巻く環境は産業構造の変化や地域間競争の激化などにより、非常に厳しいものとなっている。本県の経済振興には中小企業の振興が不可欠であり、徳島県での条例制定をはじめとする中小企業振興対策の取り組みについて調査し、今後の参考とする。
調査内容
↓画像をクリックすると大きな画面で見られます。
 




徳島県経済飛躍のための中小企業の振興に関する条例 

 中小企業は、経済的社会的環境の変化に即応し、多様化する市場における需要に柔軟性及び機動性をもって的確に対応するとともに、新たな事業に果敢に挑戦し、新たな産業を創出する等、我が国の経済の基盤を形成し、その成長発展及び雇用の創出に大きく貢献してきた。
  また、本県の中小企業は、先人のたゆまぬ努力と創意工夫により培われた高度な技術力を基礎として、木材加工業をはじめとする伝統的な産業から発光ダイオード、バイオテクノロジー等に関する最先端の産業に至るまでの様々な分野において活力ある産業を創出し、本県経済の活力の源泉として中核的な役割を担い、その成長発展及び県民福祉の向上に大きく貢献してきた。
  しかし、近年、本県の中小企業を取り巻く環境は、少子化に伴う人口減少社会の到来による国内市場の規模の縮小、高度情報化や経済のグローバル化の急速な進展による競争の激化、団塊の世代の大量退職による技術の継承の問題の発生等、大きく変化してきている。
  このような中で、本県の経済飛躍の実現を図るためには、中小企業者がそれぞれに有する能力を最大限に発揮し、進取の気質に富んだ県民性、本県ゆかりの豊富な人材、安全で安心な農林畜水産物、高度な技術力の集積、多様な交通手段等のたぐいまれなる本県の強みを活用しながら様々な分野において主体的かつ創造的な事業活動を行うことにより、強い競争力を有し、先進的で魅力ある企業へと成長発展していくことが不可欠である。
  さらに、県、市町村、中小企業団体、大企業者、高等教育研究機関及び県民は、本県経済における中小企業の重要性や地域社会における役割を理解し、その円滑な事業活動が助長されるよう協力しながら支援していくことが必要である。
  ここに、私たちは、本県の経済飛躍の実現にとって中小企業の振興が重要であることを明確にし、頑張る中小企業者が多様で持続的な事業活動を行うことができる環境の整備を推進すること等により中小企業の振興を図るため、この条例を制定する。

(目的)
第一条 この条例は、本県の経済飛躍の実現を図るため、中小企業の振興に関し、基本理念を定め、及び中小企業者、県等の責務、大企業者等の役割等を明らかにするとともに、中小企業の振興に関する基本方針及び施策の基本となる事項を定めることにより、中小企業の振興に関する施策を総合的に推進することを目的とする。

(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 経済飛躍 経済が飛躍的に発展することをいう。
二 頑張る中小企業者 中小企業者(中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号。以下「基本法」という。)第二条第一項に規定する中小企業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。以下同じ。)であって、主体的かつ創造的な事業活動に努めるものをいう。
三 中小企業団体 商工会、商工会議所、中小企業団体中央会その他の中小企業に関  する団体をいう。
四 大企業者 中小企業者以外の事業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。
五 産学官の連携 企業、中小企業団体、高等教育研究機関、国、県又は市町村が相互に連携することをいう。
六 高等教育研究機関 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学及び高等専門学校(以下「大学等」という。)並びに産学官の連携により中小企業の振興に係る研究及び事業化の促進に取り組む機関(大学等を除く。)をいう。

(基本理念)
第三条 中小企業の振興は、本県の経済飛躍の実現を図るため、次に掲げるところによ り行われなければならない。 
一 頑張る中小企業者を支援することにより推進されること。
二 県、市町村、中小企業団体、大企業者、高等教育研究機関及び県民の協力により推進されること。
三 県内外の産業界で活躍する本県ゆかりの人材(本県の出身者であることその他の本県と関係を有する人材をいう。以下同じ。)、本県の地域における地理的及び自然的な特性等の豊富な資源その他の本県の強み(本県の経済飛躍の実現を図るための中小企業の振興を行うに際し本県が有する優れた特性をいう。以下同じ。)の活用を図ることにより推進されること。

(基本方針)
第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、次に掲げる基本方針に基づき、中小企業の振興に関する施策を講ずるものとする。
一 頑張る中小企業者の支援に係る態勢の整備を図ること。
二 実践的な能力を備えた人材の育成を図ること。
三 競争力の強化に資するための本県独自の企業ブランド(本県の企業に共通する当該企業又は当該企業が供給するサービス及び製品に対して信頼感等を与える独自の印象をいう。以下同じ。)の創出を図ること。
四 新たな市場の開拓に関する挑戦的な取組を行う頑張る中小企業者の販路の拡大の促進を図ること。
五 戦略的な産業集積の促進を図ること。

(中小企業者の責務)
第五条 中小企業者は、基本理念にのっとり、自らを取り巻く環境の変化に即応して事業の成長発展を図るため、主体的かつ創造的な事業活動に努めなければならない。

(県の責務)
第六条 県は、基本理念にのっとり、本県の強みを活用した中小企業の振興に関する戦略的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(市町村に対する協力)
第七条 県は、基本理念にのっとり積極的に中小企業の振興に取り組む市町村に対し、情報の提供、技術的な助言その他の必要な措置を講ずるものとする。

(中小企業団体の責務)
第八条 中小企業団体は、基本理念にのっとり、県及び市町村が実施する中小企業の振興に関する施策への協力をはじめとして、経営資源の確保が困難であることが多い小規模企業者(基本法第二条第五項に規定する小規模企業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。)の経営の改善及び向上その他の地域の特性に応じた中小企業の振興に関する施策に積極的に取り組むよう努めなければならない。

(大企業者の役割)
第九条 大企業者は、基本理念にのっとり、中小企業が地域社会の発展はもとより、自らの事業活動の維持及び発展に欠くことができない重要な存在であることを認識し、中小企業が供給するサービス及び製品(以下「中小企業のサービス等」という。)の利用等に努めるとともに、県、市町村及び中小企業団体が実施する中小企業の振興に関する施策に積極的に参画し、及び協力するよう努めるものとする。

(高等教育研究機関の役割)
第十条 高等教育研究機関は、その活動が中小企業の振興に資するものであるとともに、産学官の連携による取組が中小企業の振興にとって重要なものであることにかんがみ、人材の育成並びに研究及びその成果の普及に自主的に努めるものとする。
2 県は、中小企業の振興に関する施策で大学等に係るものを策定し、及びこれを実施するに当たっては、研究者の自主性の尊重その他の大学等における教育研究の特性に配慮しなければならない。

(県民の理解と協力)
第十一条 県民は、基本理念にのっとり、中小企業の振興が地域経済の活性化及び県民生活の向上に寄与することについて理解を深め、中小企業のサービス等の利用等により当該振興に協力するよう努めるものとする。

(頑張る中小企業者の支援に係る態勢の整備)
第十二条 県は、県内外の産業界で活躍する本県ゆかりの人材の積極的な参画により、その優れた知識、技術、人脈等を生かして効果的かつ効率的な頑張る中小企業者の振 興に関する施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。
2 県は、徳島県中小企業・雇用対策事業特別会計及び民間からの資金協力を得たファ ンド等の活用といった創意工夫により必要な財源の確保を図るとともに、金融機関との一層の連携を図ることにより融資、信用補完事業等の充実に努めるものとする。
3 県は、頑張る中小企業者の課題の把握に努め、当該課題の解決のために一元的かつ総合的な支援を行うための機能の充実に努めるものとする。
4 県は、中小企業の身近な支援機関である中小企業団体の機能の強化を促進することにより、頑張る中小企業者の支援に係る態勢の充実に努めるものとする。
5 県は、頑張る中小企業者の円滑な事業活動を推進するため、当該事業活動に必要な情報通信技術及び交通に係る基盤の効果的かつ効率的な整備及び活用の促進に努める ものとする。
6 県は、頑張る中小企業者の円滑な事業活動を推進するため、本県における頑張る中 小企業者に対する規制の緩和及び行政手続の簡素化に努めるものとする。

(実践的な能力を備えた人材の育成等)
第十三条 県は、中小企業の事業活動を支える人材を確保するため、次代を担う若年者並びに実践的な技術力及び経営力を有する就業経験者を対象とした企業での実習の機 会の提供に努めるとともに、産業界の需要に応じた技術及び技能を有する人材の育成、経営に関する総合的かつ体系的な研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、中小企業の振興に資する新たな産業の創出を促進するため、女性の経営者及び青壮年の経営者の創造的な事業活動の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
3 県は、中小企業の持続的な発展を促進するため、これまで蓄積された知識、技術及び技能並びに事業の次代への継承に資する情報の収集及び提供その他の必要な施策を講ずるものとする。

(競争力強化のための本県独自の企業ブランドの創出)
第十四条 県は、中小企業の競争力の強化に資するための本県独自の企業ブランドの創出を図るため、本県の企業による独自のサービス及び製品を開発するための取組並びに企業防災力(災害に関し適切な危機管理を行うことにより災害発生後においても継続して事業を行う能力をいう。)、環境経営力(環境への負荷の低減に貢献し、環境と調和のとれた経営を行う能力をいう。)、情報通信技術を活用する能力等の強化により様々な課題を解決する能力を高め、これを当該企業の優れた特性とするための取組に対して支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

(新たな市場開拓に挑戦する頑張る中小企業者の販路の拡大等)
第十五条 県は、新たな市場の開拓に関する挑戦的な取組を行う頑張る中小企業者の販路の拡大を促進するため、大都市圏での情報発信の拠点の充実を図るとともに、国内外の見本市、商談会等に出展する頑張る中小企業者への効果的かつ効率的な支援、電子商取引の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、中小企業のサービス等の利用等の気運の醸成に努め、需要の拡大の促進を図るとともに、中小企業のサービス等に対し自ら率先して試用すること及びその受注機会の増大を図ること、優れた中小企業のサービス等に対し顕彰することその他の中小企業のサービス等の需要の拡大の促進のために必要な施策を講ずるものとする。

(戦略的な産業集積の促進等)
第十六条 県は、本県の強みを活用した産業集積を促進するため、中小企業のみならず大企業、高等教育研究機関等の積極的な参画の下、産業集積に係る戦略的な構想を策定し、その計画的な推進に努めるものとする。
2 県は、中小企業の振興に資する新たな産業の創出を促進するため、産学官の連携の下、農林水産業と商工業、医学と工業などの異分野にわたる連携による実践的な研究開発を強化することにより、中小企業への技術移転及び事業化の促進、知的財産の創造、保護及び活用その他の必要な施策を講ずるものとする。
3 県は、中小企業の振興に資する企業の立地及び設備投資を促進するため、市町村等との連携を通じて事業に利用できる用地及び施設の情報の収集及び提供、資金の供給の円滑化その他の必要な施策を講ずるものとする。
4 県は、中小企業の振興に資するため、魅力ある商業の集積及び活性化に係る頑張る 中小企業者、中小企業団体等の意欲的な取組に対する支援に努めるものとする。

(推進体制)
第十七条 県は、中小企業の振興に関する戦略的な施策の策定及びその実施の推進のために必要な体制を整備するものとする。

(その他の施策)
第十八条 県は、この条例で定めるもののほか、中小企業の振興に関し、本県に係る経 済的社会的諸条件の変化に伴い必要となる施策を策定し、及び実施するものとする。

    附 則
この条例は、公布の日から施行する。

 

頑張る中小企業応援条例の解説

前文

 中小企業は、経済的社会的環境の変化に即応し、多様化する市場における需要に柔軟性及び機動性をもって的確に対応するとともに、新たな事業に果敢に挑戦し、新たな産業を創出する等、我が国の経済の基盤を形成し、その成長発展及び雇用の創出に大きく貢献してきた。
 また、本県の中小企業は、先人のたゆまぬ努力と創意工夫により培われた高度な技術力を基礎として、木材加工業をはじめとする伝統的な産業から発光ダイオード、バイオテクノロジー等に関する最先端の産業に至るまでの様々な分野において活力ある産業を創出し、本県経済の活力の源泉として中核的な役割を担い、その成長発展及び県民福祉の向上に大きく貢献してきた。
 しかし、近年、本県の中小企業を取り巻く環境は、少子化に伴う人口減少社会の到来による国内市場の規模の縮小、高度情報化や経済のグローバル化の急速な進展による競争の激化、団塊の世代の大量退職による技術の継承の問題の発生等、大きく変化してきている。
 このような中で、本県の経済飛躍の実現を図るためには、中小企業者がそれぞれに有する能力を最大限に発揮し、進取の気質に富んだ県民性、本県ゆかりの豊富な人材、安全で安心な農林畜水産物、高度な技術力の集積、多様な交通手段等のたぐいまれなる本県の強みを活用しながら様々な分野において主体的かつ創造的な事業活動を行うことにより、強い競争力を有し、先進的で魅力ある企業へと成長発展していくことが不可欠である。
 さらに、県、市町村、中小企業団体、大企業者、高等教育研究機関及び県民は、本県経済における中小企業の重要性や地域社会における役割を理解し、その円滑な事業活動が助長されるよう協力しながら支援していくことが必要である。
 ここに、私たちは、本県の経済飛躍の実現にとって中小企業の振興が重要であることを明確にし、頑張る中小企業者が多様で持続的な事業活動を行うことができる環境の整備を推進すること等により中小企業の振興を図るため、この条例を制定する。

解説

 前文は、「頑張る中小企業者」を支援する条例として、これまで中小企業が全国及び本県経済において果たしてきた役割とその重要性、また、近年の中小企業を取り巻く経営環境の激変などを踏まえ、経済飛躍を遂げるための今後の中小企業振興の方向性として、中小企業者の努力に加えて、あらゆる関係者の参画と協力が必要不可欠であることを明確にするため設けています。
 ここでは、全ての関係者がそれぞれの立場で参画いただくことを旨として中小企業の振興を推進していくという条例全体の基本的な考え方を明示しています。

目的

第一条 この条例は、本県の経済飛躍の実現を図るため、中小企業の振興に関し、基本理念を定め、及び中小企業者、県等の責務、大企業者等の役割等を明らかにするとともに、中小企業の振興に関する基本方針及び施策の基本となる事項を定めることにより、本県の経済飛躍の実現を図るための中小企業の振興に関する施策を総合的に推進することを目的と する。

解説

 本条は、この条例制定の趣旨とこの条例により実現しようとする目的を規定しています。
 目的は、「経済飛躍の実現」であり、そのための中小企業振興に関する施策の総合的な推進です。

定義

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に 定めるところによる。
一 経済飛躍 経済が飛躍的に発展することをいう。
二 頑張る中小企業者 中小企業者(中小企業基本法(昭和三十八年法律 第百五十四号。以下「基本法」という。)第二条第一項に規定する中小 企業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。以下同 じ。)であって、主体的かつ創造的な事業活動に努めるものをいう。
三 中小企業団体 商工会、商工会議所、中小企業団体中央会その他の中小企業に関する団体をいう。
四 大企業者 中小企業者以外の事業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。
五 産学官の連携 企業、中小企業団体、高等教育研究機関、国、県又は市町村が相互に連携することをいう。
六 高等教育研究機関 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学及び高等専門学校(以下「大学等」という。)並びに 産学官の連携により中小企業の振興に係る研究及び事業化の促進に取り 組む機関(大学等を除く。)をいう。

解説

 本条は、「経済飛躍」、「頑張る中小企業者」、「中小企業団体」、「大企業者」、「産学官の連携」、「高等教育研究機関」について、本条例中での定義を規定しています。
 第二号は、中小企業者の内、本条例での支援の対象者である「頑張る中小企業者」を定義しています。
 頑張る中小企業者とは、ここに記載のとおり、「主体的かつ創造的な事業活動に努めるもの」を指します。
 主体的な事業活動とは、自ら経営の改善、経営向上に努力する中小企業者の取り組みですが、この条例の目的は「経済飛躍の実現」でありますので、加えて「創造的な事業活動に努める」こととしています。
 創造的な事業活動とは、文字通り「新しいものを創り出すこと」でありますが、本条例では、あらゆる中小企業者が現状の事業活動に甘んじることなく、常に新たな視点からの変革をに取り組むことが重要であると考えています。
 そこで、本条例では、例えば、「独自のサービスや製品の開発」、新産業の創出に係る支援として「産学官連携による異業種融合の促進」などを促進することに重点を置いています。
 なお、「中小企業者」を引用している中小企業基本法第2条第1項による中小企業者の定義は、次の表の通りです。

※資本金基準又は従業員基準のいずれかを満たす企業

区分

資本金基準

従業員基準

業種

(資本金又は出資金)

(常時使用する従業員数

サービス業

5000万円以下

100人以下

小 売 業

5000万円以下

50人以下

卸 売 業

1億円以下

100人以下

製 造 業

3億円以下

300人以下

建 設 業

運 輸 業

そ の 他

 第三号の「その他中小企業に関する団体」とは、特別法により設立認可された「商工会」「商工会議所」「中小企業団体中央会」以外に積極的に中小企業の振興に努めている団体も含み、法人格の有無は問いません。
 第六号の高等教育研究機関については、中小企業の振興に関し、特に大学等が果たす人材育成、研究およびその成果の普及の重要性に鑑み、同様の機能を有する機関をも包含する言葉として本条例による造語です。
 第六号の後段に規定の「産学官の連携により中小企業の振興に係る研究及び事業化の促進に取り組む機関(大学等を除く。)」とは、具体的には「JSTイノベーションサテライト徳島」を想定しています。
 本条例では、大企業や大学、高等専門学校、JSTイノベーションサテライト徳島の参画により策定した戦略的構想に基づき推進される産業集積や産学官の連携による異分野間での実践的な研究開発とその成果の事業化を重視しています。

基本理念
第三条 中小企業の振興は、本県の経済飛躍の実現を図るため、次に掲げるところにより行われなければならない。 
一 頑張る中小企業者を支援することにより推進されること。
二 県、市町村、中小企業団体、大企業者、高等教育研究機関及び県民の協力により推進されること。
三 県内外の産業界で活躍する本県ゆかりの人材(本県の出身者であることその他の本県と関係を有する人材をいう。以下同じ。)、本県の地域における地理的及び自然的な特性等の豊富な資源その他の本県の強み(本 県の経済飛躍の実現を図るための中小企業の振興を行うに際し本県が有する優れた特性をいう。以下同じ。)の活用を図ることにより推進されること。
解説
 本条は、条例全体にわたる中小企業振興の基本的な考え方を規定しています。
 第一項では、まずは、中小企業者の主体的かつ創造的な事業活動(頑張る中小企業者)を前提に、それを支援する環境の整備が重要であることを規定しています。
 第二項では、本県経済の飛躍のためには、中小企業者の努力に加えて、県はもとより、あらゆる関係者が中小企業の振興施策に参画し、協力して進めることが重要であることを規定しています。
 第三項では、中小企業の振興は、本県が有する強みを活用することの重要性を規定しています。
 「強み」の活用としては、次のことが考えられます。
 「県内外の産業界で活躍する本県ゆかりの人材」
※この方々が有する優れた知識、技術、人脈等を生かした戦略的施策の策定、実施
 「地理的及び自然的な特性等の豊富な資源その他本県の強み」
※進取の気質に富んだ県民性、安全で安心な農林畜水産物、伝統的産業から最先端産業までの高度な技術力の集積、陸海空の大都市圏と直結の多様な交通手段などが強みとして考えられ、これらの強みを生かした戦略的な施策を進めていくことを理念として規定しています。
基本方針
第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、次に掲げる基本方針に基づき、中小企業の振興に関する施策を講ずるものとする。
一 頑張る中小企業者の支援に係る態勢の整備を図ること。
二 実践的な能力を備えた人材の育成を図ること。
三 競争力の強化に資するための本県独自の企業ブランド(本県の企業に 共通する当該企業又は当該企業が供給するサービス及び製品に対して信頼感等を与える独自の印象をいう。以下同じ。)の創出を図ること。
四 新たな市場の開拓に関する挑戦的な取組を行う頑張る中小企業者の販路の拡大の促進を図ること。
五 戦略的な産業集積の促進を図ること。
解説
 本条は、基本理念に基づく中小企業の振興を実施する上での、その基本的な方向性を明確にするため、わかり易く「目的指向」型で構成しております。
 第一号では、第二号から第五号までの方向性を実効性あるものとして裏付けるため「頑張る中小企業者」の支援態勢の整備を図る規定です。
 第二号では、企業活動で最も重要な経営資源である「人材の育成」を図ることを、
 第三号では「人・もの・金」に次ぐ第四の経営資源である「ブランドの創出」を図ることを、
 第四号では、中小企業者の経営課題のひとつである「販路の拡大を促進する」ことを、
 第五号では、本県の強みを生かした「戦略的な産業集積」を促進することを規定しています。
中小企業者の責務
第五条 中小企業者は、基本理念にのっとり、自らを取り巻く環境の変化に即応して事業の成長発展を図るため、主体的かつ創造的な事業活動に努めなければならない。
解説
 第五条から第十一条は、あらゆる関係者が中小企業振興に参画することの必要性を規定した「前文」及び「基本理念第三条第二号」にのっとり、各主体の責務や役割を明らかにするとともに、その関わり具合に重み付けをする規定としております。
 本条は、中小企業の振興については、基本理念に規定のとおり、まずは中小企業者自身の主体的かつ創造的な努力が必要であるため、そのことを明確にするため、あらゆる主体の一番最初に中小企業者の責務として「努めなければならない」と規定しています。
県の責務
第六条 県は、基本理念にのっとり、本県の強みを活用した中小企業の振 興に関する戦略的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
解説
 本条は、中小企業振興に関する県の立場として「責務を有する」と規定し、あらゆる主体の中で一番強い重み付けにしています。
市町村に対する協力
第七条 県は、基本理念にのっとり積極的に中小企業の振興に取り組む市町村に対し、情報の提供、技術的な助言その他の必要な措置を講ずるものとする。
解説
 本条は、中小企業基本法第六条で、県と同様に中小企業の振興に関する施策を実施する旨の責務規定がある市町村に関する規定です。
 本来、市町村の責務として規定したいところですが、地方分権一括法により県と市町村は対等の関係にあるとしている関係上、県条例において市町村の役割等について「責務や努力等」を規定できないため、このように市町村に対する協力として規定しております。
 なお、市町村に関する規定に関し制限される中、あくまでも県の中小企業振興に関する考え方である基本理念にのっとり、積極的な中小企業振興に取り組む市町村との連携(情報の提供、技術的な助言等)を想定しており、市町村も基礎自治体としての責務を期待する意味を含めています。

【参考】中小企業基本法抜粋
(地方公共団体の責務)
第六条  地方公共団体は、基本理念にのっとり、中小企業に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

中小企業団体の責務
第八条 中小企業団体は、基本理念にのっとり、県及び市町村が実施する中小企業の振興に関する施策への協力をはじめとして、経営資源の確保が困難であることが多い小規模企業者(基本法第二条第五項に規定する 小規模企業者であって、県内に事務所又は事業所を有するものをいう。)の経営の改善及び向上その他の地域の特性に応じた中小企業の振興に関する施策に積極的に取り組むよう努めなければならない。
解説
 本条は、商工会、商工会議所、中小企業団体中央会などの中小企業団体に関する規定です。
 中小企業団体は、中小企業振興に関する県補助金の受給団体であることから、県及び市町村の中小企業振興施策に協力することはもちろんのこと、本来の各団体の設置目的である商工業の総合的な改善発達に取り組まなければならないことを「努めなければならない」と規定し、中小企業者と同様に強い努力規定としております。
大企業者の役割
第九条 大企業者は、基本理念にのっとり、中小企業が地域社会の発展はもとより、自らの事業活動の維持及び発展についても欠くことができない重要な存在であることを認識し、中小企業が供給するサービス及び製 品(以下「中小企業のサービス等」という。)の利用等に努めるとともに、県、市町村及び中小企業団体が実施する中小企業の振興に関する施策に積極的に参画し、及び協力するよう努めるものとする。
解説
 本条は、本県における大企業数の数は少ないものの、地域社会を構成する一員として中小企業との共存共栄が地域社会の発展に欠かせないこと及び中小企業の存在なくして大企業の事業活動そのものも成り立たない事に鑑み、大企業者は中小企業のサービス等の利用等に「努めること」とするとともに、県・市町村・中小企業団体が行う中小企業振興に関する施策への「参画と協力に努めること」と規定しております。
高等教育研究機関の役割
第十条 高等教育研究機関は、その活動が中小企業の振興に資するものであるとともに、産学官の連携による取組が中小企業の振興にとって重要なものであることにかんがみ、人材の育成並びに研究及びその成果の普 及に自主的に努めるものとする。
2 県は、中小企業の振興に関する施策で大学等に係るものを策定し、及びこれを実施するに当たっては、研究者の自主性の尊重その他の大学等における教育研究の特性に配慮しなければならない。
解説
 本条は、中小企業振興には大学等が有する基礎的な知識・技術を生かした事業への応用が重要でありますので、人材育成や研究の成果の普及等について自主的に取り組むよう「努めるものとする」と規定しております。
 第二項は、憲法で保障された学問の自由(研究、研究発表、教授、大学の自治)の規定に抵触しないよう、大学への配慮規定としておいています。
県民の理解と協力
第十一条 県民は、基本理念にのっとり、中小企業の振興が地域経済の活性化及び県民生活の向上に寄与することについて理解を深め、中小企業のサービス等の利用等により当該振興に協力するよう努めるものとす る。
解説
 本条は、県内事業所数の99.9%、従業者の91.6%の雇用の創出を担っている中小企業の役割及びその重要性に鑑み、県民に対して中小企業振興を進めることが、地域経済の活性化、引いては自らの生活向上にも寄与することの理解を求め、その上で、県産品の積極的な利用等の促進を通じて、中小企業の支援に参画するよう「努めるものとする」として規定しております。
頑張る中小企業者の支援に係る態勢の整備
第十二条 県は、県内外の産業界で活躍する本県ゆかりの人材の積極的な参画により、その優れた知識、技術、人脈等を生かして効果的かつ効率的な頑張る中小企業者の振興に関する施策を策定し、及び実施するよう努めるものとする。
2 県は、徳島県中小企業・雇用対策事業特別会計及び民間からの資金協力を得たファンド等の活用といった創意工夫により必要な財源の確保を 図るとともに、金融機関との一層の連携を図ることにより融資、信用補 完事業等の充実に努めるものとする。
3 県は、頑張る中小企業者の課題の把握に努め、当該課題の解決のために一元的かつ総合的な支援を行うための機能の充実に努めるものとする。
4 県は、中小企業の身近な支援機関である中小企業団体の機能の強化を促進することにより、頑張る中小企業者の支援に係る態勢の充実に努めるものとする。
5 県は、頑張る中小企業者の円滑な事業活動を推進するため、当該事業活動に必要な情報通信技術及び交通に係る基盤の効果的かつ効率的な整備及び活用の促進に努めるものとする。
6 県は、頑張る中小企業者の円滑な事業活動を推進するため、本県における頑張る中小企業者に対する規制の緩和及び行政手続の簡素化に努めるものとする。
解説
 第十二条から第十六条は、基本方針をさらに詳しく、県が実施する中長期的な中小企業振興の基本的な方向性を規定しています。
 第一項の「県内外の産業界で活躍の本県ゆかりの人材の参画によって、優れた知識・技術・人脈等を活かした中小企業の振興施策」については、
 本県ゆかりの産業人材を「経済成長戦略アドバイザー」として委嘱し、具体的な産業政策に係るご提言や、事業化へのアドバイスをいただくとともに、「とくしま経済飛躍サミット」の開催により、徳島の強みを活かした新たな産業の創出の可能性などについて、経済飛躍への足がかりに関する集中討議を行うことを想定しています。
 第二項の「財源の確保」と「円滑な資金供給の充実」について規定しています。
 「財源の確保」としては、県財政の厳しい中においても、県政の重要課題である経済飛躍のための中小企業振興に関して、一般会計による効率的効果的な事業実施に努めることはもちろんのこと、「徳島県中小企業・雇用対策事業特別会計」や「LEDバレイ推進ファンド」などの工夫した手法によって、必要な財源を確保することを規定しています。
 「・・・ファンド等」の等については、手数料収入の増額や大企業からの寄付金収入など様々な財源確保策が想定されます。
 「円滑な資金供給の充実」としては、融資の窓口である金融機関の果たす役割が大きいことから、一層の連携を図り、全段で確保を図った財源等を利用して「中小企業向けの協調融資」、「信用保証料の一部補助」等の各種事業や県内中小企業等が実施する経済飛躍に役立つ事業に活用することを想定しています。
 また、「・・・信用補完事業等」の等については、金融機関がリレーションシップバンクであるがゆえに保有する中小企業の課題(経営、事業承継等)に関する情報があることに鑑み、今後大きな課題として持ち上がる事業承継等に関しては、金融機関との連携が欠かせないことから、金融機関との連携を一層図ることと規定しています。
 第三項の「一元的かつ総合的な支援を行うための機能の充実」については、財団法人とくしま産業振興機構の相談・支援機能の充実を図ることはもとより、今後、多様化、複雑化する中小企業ニーズにきめ細やかに対応できるような、いわば中小企業支援コンシェルジュ的な機能を持ったワンストップ型の体制への進化を想定しています。
 第四項の「中小企業団体の機能強化の促進」については、地域の総合経済団体である商工会、商工会議所及び中小企業団体中央会の機能強化を促進することにより、経営資源の確保が困難であることが多い零細小規模企業を中心とする頑張る中小企業者の支援態勢の充実を図ることを想定しています。
 第五項の「情報通信技術及び交通に係る基盤の効果的かつ効率的な整備」については、「e-とくしま推進プラン」に基づく全県ブロードバンド網の整備や四国横断自動車や徳島飛行場拡張、徳島小松島港の整備など陸海空の交通基盤の整備を想定しています。
 また、これらの産業基盤の活用の促進については、ICTを活用した販路の拡大や利用の促進に資する(本四架橋通行料金の低廉化)支援策などを想定しています。
 第六項の「規制の緩和及び行政手続きの簡素化」については、円滑な事業活動を進めるため、より一層の規制緩和等を進めることを規定しています。
 具体的には、県が持つ規制緩和に加え公共施設の転用などを対象とした県版特区「とくしまリフレッシュ特区」と国の構造改革特区、地域再生特区の一体的運用による中小企業支援や市町村への権限移譲による行政手続きの簡素化などを想定しています。
実践的な能力を備えた人材の育成等
第十三条 県は、中小企業の事業活動を支える人材を確保するため、次代を担う若年者並びに実践的な技術力及び経営力を有する就業経験者を対象とした企業での実習の機会の提供に努めるとともに、産業界の需要に 応じた技術及び技能を有する人材の育成、経営に関する総合的かつ体系的な研修の実施その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、中小企業の振興に資する新たな産業の創出を促進するため、女性の経営者及び青壮年の経営者の創造的な事業活動の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
3 県は、中小企業の持続的な発展を促進するため、これまで蓄積された 知識、技術及び技能並びに事業の次代への継承に資する情報の収集及び提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
解説
 第一項の「次代を担う若年者並びに実践的な技術力及び経営力を有する就業経験者を対象とした企業での実習の機会の提供」については、経営資源として一番重要な人材の確保対策として、1つは、今後の産業界を担う人材確保として「就学中の生徒・学生」を対象とし、2つとして、実践的な技術・知識を有する「団塊の世代」等を対象としたインターンシップの機会の提供などを想定しています。
 「産業界の需要に応じた技術及び技能を有する人材の育成」については、テクノスクールの再整備により、時代とともに変化する産業界ニーズに応じた技術・技能を有する人材の育成を図ることを想定しています。
 「経営に関する総合的かつ体系的な研修の実施」については、とくしま経営塾「平成長久館」事業の充実強化などを想定しています。
 第二項の「女性の経営者及び青壮年の経営者の創造的な事業活動の促進」については、本県の強みの1つである「阿波女」や行動力ある若手経営者が取り組む斬新な事業活動への支援を想定しています。
 第三項の「知識、技術及び技能並びに事業の次代への継承に資する情報の収集及び提供」については、後継者難の企業と開業を目指す人材のマッチングや事業承継に関する手続き等に資する「事業継続支援協議会」を早期に設置することで、中小企業の持続的は発展に資する支援を図ることを想定しています。
競争力強化のための本県独自の企業ブランドの創出
第十四条 県は、中小企業の競争力の強化に資するための本県独自の企業ブランドの創出を図るため、本県の企業による独自のサービス及び製品を開発するための取組並びに企業防災力(災害に関し適切な危機管理を 行うことにより災害発生後においても継続して事業を行う能力をいう。)、環境経営力(環境への負荷の低減に貢献し、環境と調和のとれた経営を行う能力をいう。)、情報通信技術を活用する能力等の強化により様々な課題を解決する能力を高め、これを当該企業の優れた特性とするための取組に対して支援その他の必要な施策を講ずるものとする。
解説
 「独自のサービス及び製品を開発するための取組」については、中小企業の競争力の強化を図るため、「徳島の○○」となるような独自性に富んだサービス、製品の開発に対する支援を想定しています。
 「様々な課題を解決する能力を高め、これを当該企業の優れた特性とする ための取組」については、中小企業の競争力の強化を図るため、
 例示として、「BCPの導入促進による、取引上の競争力の強化」
 「環境問題に配慮し、企業としての収益性も考慮した経営」
 「ICTを利用することによるビジネスチャンスの拡大」など特色ある企業活動自体がその企業の優位性に繋がる取り組みを想定しています。
新たな市場開拓に挑戦する頑張る中小企業者の販路の拡大等
第十五条 県は、新たな市場の開拓に関する挑戦的な取組を行う頑張る中小企業者の販路の拡大を促進するため、大都市圏での情報発信の拠点の充実を図るとともに、国内外の見本市、商談会等に出展する頑張る中 小企業者への効果的かつ効率的な支援、電子商取引の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、中小企業のサービス等の利用等の気運の醸成に努め、需要の拡 大の促進を図るとともに、中小企業のサービス等に対し自ら率先して試 用すること及びその受注機会の増大を図ること、優れた中小企業のサービス等に対し顕彰することその他の中小企業のサービス等の需要の拡大の促進のために必要な施策を講ずるものとする。
解説
 第一項の「大都市圏での情報発信の拠点の充実」については、中小企業の販路の拡大のため、大都市圏(東京、名古屋、大阪)での県産品の情報発信の充実に努めます。
 この規定は、東京都虎ノ門の県有地の有効活用を含め、効果的な情報発信拠点の整備充実や徳島を丸ごと売り込むための「新鮮なっ!とくしま号」による大都市圏行きへの売り込みなどを想定しています。
 「国内外の見本市、商談会等に出展する頑張る中小企業者への効果的かつ効率的な支援」については、中小企業の販路の拡大のため、国内を始め、国外への見本市等への出展を支援します。
 この規定は、本県ゆかりの産業人材の人脈等を活かしてのトヨタに代表される大企業への単独商談会の開催や、ドイツ・ニーダーザクセン州との友好提携に基づくハノーバーメッセなどへの出展支援などを想定しています。
 「電子商取引の促進」については、ICT技術を生かし本県産業のグローバル化を支援します。
 第二項は、第十一条(県民の理解と協力)に規定した「中小企業のサービス等の利用等」を進めるため、県民に対して県産品の積極的な利用等を喚起することを規定するほか、県自らも中小・ベンチャ−企業が開発した製品を、県が率先して購入することにより、官公庁で受注実績をあげる事業(お試し発注推進事業)の実施、また、優れたサービス等を顕彰することによる高付加価値化などの支援を想定しています。
戦略的な産業集積の促進等
第十六条 県は、本県の強みを活用した産業集積を促進するため、中小企業のみならず大企業、高等教育研究機関等の積極的な参画の下、産業集 積に係る戦略的な構想を策定し、その計画的な推進に努めるものとする。
2 県は、中小企業の振興に資する新たな産業の創出を促進するため、産学官の連携の下、農林水産業と商工業、医学と工業などの異分野にわたる連携による実践的な研究開発を強化することにより、中小企業への技術移転及び事業化の促進、知的財産の創造、保護及び活用その他の必要な施策を講ずるものとする。
3 県は、中小企業の振興に資する企業の立地及び設備投資を促進するため、市町村等との連携を通じて事業に利用できる用地及び施設の情報の収集及び提供、資金の供給の円滑化その他の必要な施策を講ずるものと する。
4 県は、中小企業の振興に資するため、魅力ある商業の集積及び活性化に係る頑張る中小企業者、中小企業団体等の意欲的な取組に対する支援に努めるものとする。
解説
 第一項の「戦略的な構想を策定し、その計画的な推進」については、本県の強みを生かした構想(例:LEDバレイ構想、健康医療クラスター構想)等による戦略にのっとった産業集積を想定しています。
 第二項の「産学官の連携の下、農林水産業と商工業、医学と工業などの異分野にわたる連携による実践的な研究開発を強化」については、本条例の重要な要素の一つであり、新産業創出のため、異業種融合の事業化を図るための取り組みを促進することを規定しています。
 現在、大豆を原料とする食品製造業者から排出される副産物の有効活用と新たなビジネスの創出に向けた検討を進めるため、産業界・大学・県で構成する「地域資源循環型ビジネス研究会」が発足し、新たなビジネスモデルの研究に取り組んでいます。
 「知的財産の創造、保護及び活用」については、「徳島知的財産推進指針」に基づき、中小企業者が安心して知財投資できる環境の整備を図り、知的財産の創造・保護・活用に係る情報の提供、相談体制の充実、知財の活用促進等の支援を想定しています。
 第三項の「市町村等との連携を通じて事業に利用できる用地及び施設の情報の収集及び提供、資金の供給の円滑化」については、企業立地を進めるため、県庁内に専門の組織体制を整備するとともに、圏域別の「立地推進協議会」を設立し、誘致制度の改善など企業立地を促進する環境づくりを促進することを想定しています。
 平成二十年二月一日から立地に関する許認可事務や人材確保、立地時の優遇制度など企業立地に係るワンストップの相談実施と立地後のフォローアップを図る組織体制が発足いたします。
 第四項については、「魅力ある商業の集積及び活性化」の取り組みとしては、「地域通貨」による消費者の囲い込みや「バーチャルモール」などによる販路拡大などの中小企業振興に資する取り組みを想定しています。
推進体制
第十七条 県は、中小企業の振興に関する戦略的な施策の策定及びその実 施の推進のために必要な体制を整備するものとする。
解説
 本条は、頑張る中小企業者に対する戦略的な施策を、県内外の産業界で活躍する方々の参画を得て、推進することを規定しています。
 具体的には、本県産業界を代表する方々などから構成する「頑張る中小企業振興会議(仮称)」により、具体的な産業施策への御提言、施策の評価・検証などを実施し、常に中小企業振興施策の進化を図るための推進体制とすることを想定しています。
 また、経済成長戦略アドバイザーから成る専門部会により、事業化に向けた具体的取り組みを進める他、年1回「とくしま経済飛躍サミット」を開催することで、中小企業振興が県経済飛躍の重要な鍵であることと、あらゆる関係者が参画することの必要性など、中小企業振興への気運の醸成を図ることとします。
その他の施策
第十八条 県は、この条例で定めるもののほか、中小企業の振興に関し、本県に係る経済的社会的諸条件の変化に伴い必要となる施策を策定し、及び実施するものとする。
解説
 本条は、基本方針に基づいた第十二条から第十六条までの方向性以外に、経済的社会的諸条件の変化に応じて効果的効率的な中小企業振興の施策が必要になった場合のことを考慮して定めた規定であり、条例の改定を要することなく適時的確な施策の実施に努めるために規定しています。
 もちろん、経済は生き物であり、中小企業を取り巻く経営環境が激変し、基本方針等に大きな変更を要する場合などは、条例改正の時機を逸することなく「進化する条例」として適切な対応をすることとします。

出原いつみの質疑
条例施行前と後ではどういう変化が出たのか?
条例でそれぞれの役割を明確にすることによって行政も進めやすくなった。また、商工団体も積極的に取り組むようになった。ただ予算に関しては来年からになる。
販路拡大について現在は徳島県出身の経営者がいる企業に照準を合わせて行なわれているが将来はどう展開される考えか?
将来的にはどうすべきか考えなければならない。
今日の経済情勢、原材料は値上がりしている中で製品価格は落ち込んでいる、このような状況では中小企業にしわ寄せがされるが、大企業の役割として適正な取引をしていくことが条例に含まれているか?
条例全体でその精神は謳われている。

出原いつみの思い
現在滋賀県では事業所数の99%を占めている中小企業が元気にならないと滋賀県の経済は発展しないし県民の雇用と生活は守れないということから中小企業振興条例制定に向けて取り組んでいる。この条例制定は昨年の県議会議員選挙での我が民主党のマニフェストに掲げたものでもあり、早い機会に制定しなければと思っている。そのためには今回、徳島県で調査したことを参考にして経済振興対策特別委員会で委員のコンセンサスを得て議員提案での条例制定を目指したい。

 


 



 3月4日(火)に予算特別委員会が開催され、当日各担当部長からそれぞれの概要説明がありました。その内容を報告します。なお、平成20年度一般会計予算(案)の審議は以下の日程で審議されます。

月4日(火)
6日(木)
7日(金)
10日(月)
11日(火)
12日(水)
19日(水)
各部門の概要説明
全体質疑
全体質疑
全体質疑
分科会
分科会
委員会採決

[政策調整部]
 政策調整部が、今議会に審議をお願いしております平成20年度の当初予算案でございますが、総額124億8千089万2千円となっております。
  来年度重点的に取り組みます6つの課題を説明申し上げます。
 まず、1つ目は、「基本構想の推進」でございます。
 基本構想につきましては、一昨年、平成18年11月に基本構想審議会に諮問して以来、県民の皆さんからさまざまな形で意見や提案をいただきながら、県議会においてご審議をいただき、昨年11月の臨時議会、12月の県議会の議決をいただき、昨年末に策定いたしました。
  部といたしましては、この基本構想を全体的に推進する立場として、構想に掲げた各施策が着実に実施されるよう進行管理を行い、厳しい財政状況の中にありますが、工夫を凝らし、構想が目指す共生社会の構築に向けて、全庁一丸となって取り組んでまいります。
  当部の個別事業といたしましても、経済界と共同で、環境成長経済の実現に向けた「新しい発展モデル」を目指す「滋賀エコ・エコノミープロジェクト」、本県の地域イメージの構築や価値を高めるブランド戦略、ふるさと納税制度に向けた本県ブランドを発信していく「滋賀・琵琶湖ブランド」構築事業、また、将来を見据えた政策課題について専門家を交えた研究会など、広い観点から基本構想の推進を支えてまいります。
 2つ目は、「県立大学の改革」でございます。
  県立大学は、平成18年度に法人化し、教員研究では、地域に根ざしたフィールドワークや実験実習の一層の充実を図っているところであります。また、大学の地域貢献機能としては、「地域づくり調査研究センター」における琵琶湖塾、近江環人地域再生学座、「地域産学連携センター」では県内企業等とのより一層の受託・共同研究の推進に積極的に取り組んでもらっているところでございます。
  さらには、外部資金の獲得に努め、特殊ガラス業界において世界第2位を誇る日本電気硝子株式会社から寄付金1億円を受け、今年度4月に工学部に寄附講座として、「ガラス工学研究センター」を設置したところです。
  こうした県立大学の運営につきましては外部評価委員会からは、業績評価に基づく研究費の配分の導入など、目標管理による改革を積極的に進めていると評価をいただいたところでございます。
  来年度は、工学部を再編し、新たに「電子システム工学科」を開設することとしており、より広い工学知識を持った人材を育成することとしております。「大学全入時代」を迎え大学間競争が厳しくなる中、より一層魅力ある大学づくりを行っていただくよう努めてまいるところでございます。
  3つ目は、「新幹線新駅に係る協定類の終了に伴う諸課題への対応」でございます。
  「栗東新都心土地区画整理事業への対応」につきましては、今年度内に設置予定の、副知事、副市長をトップとした「対策会議」の場で、協定類の終了に伴う土地区画整理事業への影響に対する対応策について、栗東市と協議・調整しながら必要な支援策を講じてまいりたいと考えております。
  また、「県南部地域の振興」につきましては、同じく今年度内に設置予定の「(仮称)南部地域振興会議」において、県と関係市等とともに広域的な振興策等を検討し、平成21年の春頃を目途に「(仮称)県南部地域振興プラン」を策定してまいりたいと考えております。
  4つ目は、「男女共同参画社会の実現」でございます。
  男女共同参画計画の第2次改訂版に基づき、重点的に施策を推進してまいります。重点の1つであります仕事と生活の調和の推進については、経済団体等と協働で企業の取組推進に向けた調査研究を実施いたしますほか、女性が能力を存分に発揮できる社会づくりに向けて「女性“きらり”フォーラム」を開催いたします。また、地域の実情に応じた取り組みとしまして、圏域ごとに市町や団体等と協働して事業を行う圏域ネットワーク事業を実施いたします。
  男女共同参画センターにおきましても、女性のチャレンジ支援事業をはじめ、情報発信、活動交流、研修、相談事業などに取り組み、県民、事業者、市町等の主体的な取り組み促進に努めてまいります。 
  5つ目が、「個性を生かした魅力と活力のある地域づくり」でございます。
  市町の個性的・重点的な事業展開を市町振興総合補助金により支援してまいりますとともに、新たに県職員からなる支援チーム「ともに地域の未来を拓き隊」を編成し、住民の方々、市町の職員さんとともに考え、助言や技術的な支援などにより、市町の課題解決に向けてモデル的に実施することとしております。
  また、新たに中山間地域の過疎・高齢化が進行した、いわゆる「限界集落」について、その実態を調査し、対応を検討してまいります。
  草津市の旧県立短期大学農業部跡地の活用につきましては、その地域に相応しい用途に活用されるようプロポーザル方式により売却を進めてまいります。
  振興局・県事務所では、河川敷等の竹木を地域住民と連携して伐採、チップ化して再利用を図る取組みなど、各地域の特性や課題に応じて、合計13の圏域振興事業に取り組んでまいります。
  6つ目は「広報・広聴の推進」でございます。
  毎月発行しております県政広報誌「滋賀プラスワン」をはじめ、テレビ、ラジオなど各種の広報媒体を活用して県政情報を提供してまいります。
  来年度は、新たに地上デジタル放送を県行政として活用すべく、テレビのデータ放送や携帯電話のワンセグメント放送により、防災情報をはじめとした県政情報を発信し、県民サービスの向上に努めます。
  広聴につきましては、引き続き特色のある活動などを行っている自治会、NPO、団体等と対話する「知事とふれあい『座ぶとん会議』」、先進的な活動を行っている事業所、施設等を訪問して対話する「おじゃまします!知事です!」の実施、また、県政モニター制度などにより幅広く県民の方々のご意見を伺って、県政に活用してまいりたいと思います。
 以上の重点課題の推進にあたりましては、生活者の視点や生活現場からの発想など、県民本位の立場に立って、県民の幸せづくりと魅力ある地域づくりに各部局が一体となって取り組み、それぞれの施策の成果が達成できますよう努めてまいりたいと思っております。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。


[総務部]
 それでは、今議会にご審議をお願いいたしております平成20年度当初予算のうち歳入の概要と当部の主要事業につきまして総括的にご説明いたします。
 まず、歳入の根幹となる県税収入であります。
 県税収入総額で1,885億円、対前年度比95億円、率にして5.3%の増と当初予算としては4年連続で上回ることになりました。
 これは、県税の基幹税目であります法人二税が、これまでの景気回復基調のなかで製造業を中心に企業業績が引き続き好調に推移してきたことを反映し、対前年度当初比で64億円、率にして9.7%の伸びとなったことが主な要因でありますが、このところの原油高による原材料価格の高騰や円高・株安傾向あるいはサブプライムローン問題を抱えるアメリカ経済の下振れリスクなどの影響から現在作業中の19年度決算見込の水準を下回るものと考えております。
 また、法人二税以外の税目では、個人県民税で、税源移譲の平年度化などにより増収が見込まれる一方、新規販売台数の落ち込みなどにより自動車税・自動車取得税で減収を見込んでおります。
 次に地方交付税でありますが、
臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税については、平成20年度の地方財政対策において、地方税の偏在是正により設けられることとなった「地方再生対策費」を加味いたしましても約1,100億円程度となる見込みであり、前年度に比べ49億円の減少となっております。
 これは、交付税の算定において、基準財政需要額が社会保障経費や地方再生対策費の増などにより、一定の伸びが見込まれるものの、基準財政収入額の算定に際して、法人関係税等の推計に一定の伸び率が乗じられることなどから、本県の税収見込み以上に基準財政収入額が高く見積もられる結果として、大幅に落ち込むことが見込まれることとなったものであります。
 このように、県税収入は増えましたものの、地方交付税等の減少などにより、当初見込んでおりました400億円の財源不足額がさらに拡大し、421億円となったものでございます。
 事務事業の抜本的な見直しなど、考えられる最大限の取り組みを進めましたが、なお、多額の財源不足が残ることとなり、これに対しましては、財政調整的な基金や財源対策のための県債の発行により対応することといたしました。
 まず、基金につきましては、この財源不足に対応するため、財政調整基金を20億円、県債管理基金を64億円それぞれ取り崩すことといたしました結果、残高は両基金合わせて36億円とほとんど底をつく状況となりました。
 さらに、特定目的基金についても、基金の目的に沿って活用することとしているため、基金全体の額は244億円にまで減少することとなったものであります。
 こうしたことから、今年度一定の税収増が見込まれますことから、この2月補正予算で、財政調整基金等につきまして、不用額等を精査する中で、今年度予定しておりました基金取崩額を減じる形で、できるだけ基金残高を確保するように取り組んでまいりたいと考えております。
 また、県債につきましては、投資的経費を抑制するなど極力発行の抑制に努めたところですが、最終的な財源不足に対応するため、退職手当債や行政改革等推進債を合わせて108億円発行することといたしました。
 さらに、地方交付税からの振り替えである臨時財政対策債227億円などを含めまして、平成20年度の県債発行額は、719億となったところでございます。
こうした結果、県債残高は平成20年度末に9,240億円となる見込みですが、臨時財政対策債を除きますと、7,496億円となり平成19年度末見込みより42億円減少することとなりました。
 続きまして、平成20年度の当部の主要事業の概要につきまして、ご説明いたします。
私立学校の振興対策でありますが、独自の建学の精神に基づき、県民に多彩な修学機会を提供し、公教育の一翼を担っております私立学校に対しまして、経営の健全化等を図るため、人件費などの経常的経費に対し助成してまいります。
 また、保護者の授業料負担の軽減について、経済的に困窮され支援の必要な低所得者層に重点を置きつつ助成してまいりたいと考えております。
 次に、市町合併の支援についてであります。
 合併新法下におけるこれまでの県の取組としましては、平成18年度に「自主的な市町合併の推進に関する構想」を策定し、対象地域における説明会等の開催や各種広報媒体の活用により、その内容を周知しました。今年度は、新たに情報紙の発行や住民会議を開催するなど、住民参加の議論を促進するとともに、各市町の自主的な取組を支援しているところです。
 平成20年度は、構想対象3地域におけます議論の状況を踏まえ、「地域の自治を考えるフォーラム」を開催し、分権時代におけるまちづくりについて議論を深めていただくとともに、市町の合併協議に向けた取組に対して適切な助言、必要な支援に努めてまいります。
 また、旧法下で合併された9つの市町の新しいまちづくりに対して、「市町合併支援プラン」に基づき、引き続き支援してまいります。
 最後に、事業課の競艇事業でありますが、景気は回復してきているものの、近年の公営競技を取り巻く環境は、依然として非常に厳しい状況が続いております。
 このような状況下にありまして、平成20年度は、本場での開催を今年度と同様に年間156日間、場間場外発売を110日間行うこととしています。
 平成20年度の主なレースといたしましては、全国発売G1競走であります『新鋭王座決定戦競走』の開催が決定しており、このレースの売上を100億円と見込んでおります。
 また、『ボートピア京都やわた』におきましては、年間350日間の発売を行い、1日あたり4,000万円の売上を見込んでおります。
 公営競技にとって平成20年度も依然として厳しい経営環境が続くと思われますが、経営状況を的確に捉え適切な事業運営に努めて参りたいと考えております。
 以上、歳入の概要と総務部所管の主要事業につきまして、ご説明申し上げました。今後とも、委員各位のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。


[県民文化生活部]
当部の施策につきましては、消費者施策や、情報公開・個人情報保護、安全・安心な地域づくり、NPO活動の促進、文化芸術振興、人権施策、IT施策から防災対策など多岐にわたっており、また、どれもが県民の皆さんの生活に直結するとともに、その実現には、全庁的、更には市町や関係団体、それから県民の皆さんとの連携・協働が必要不可欠なものばかりでございます。
 平成20年度当初予算の編成にあたり、当部におきましては、大変厳しい県の財政事情を踏まえ、施策・事務事業の徹底した見直しを行ったところでございますが、これらの見直しにあたっては、県民の皆さんへの影響を最小限にとどめるように、また、限られた財源や人的資源をどのように配分し、活かしていくか、まさに「最少の経費で最大の効果を挙げる」べく、職員一丸となって出来る限りの創意工夫を図りながら、取り組んでまいりました。
 今議会にご審議をお願いしております平成20年度当初予算案につきまして、当部は一般会計で職員給与費を除き、53億9,889万3千円を計上しております。
 それでは、当部の主要な施策の概要につきまして、7つの項目に分けてご説明申しあげます。
 1つ目の項目は、「安全で快適な生活環境の実現」でございます。
 まず、県民の皆さんに安全で豊かな消費生活を送っていただくための消費者施策でございます。 
 県では、現在5ヶ所ある消費生活相談窓口におきまして、市町の窓口とも連携を図りながら、県民の皆さんの消費生活相談を迅速かつ適切に処理することにより、また、事業者に対して適切な指導を行うことにより、消費者保護を図るとともに、普及啓発活動等を通じて、自立した消費者の育成を図ってまいります。
 また、より一層の市町との役割分担を図り、特に県は広域的、専門的な機能を担うこととするため、今年の10月からは消費生活センター草津分室を廃止し、彦根本所に統合してまいります。
 次に、2つ目の項目は、「災害に強く、安全で平穏な暮らしの基盤づくり」でございます。
 地震などの自然災害をはじめとした各種災害や、身近なところで発生する犯罪に対する県民の皆さんの関心や不安感は高く、これらに対する取組につきましては、着実に推進していく必要がございます。
 まず、災害への備えとしての防災機能の充実でございますが、災害時におきましても確実な通信を確保できる防災行政無線につきまして、各機関に同時に情報を発信できる一斉指令装置の更新を行い、機能充実を図るとともに、平成19年10月から気象庁で提供が開始された緊急地震速報を活用してまいります。
 また、市町の防災力をより一層強化していただくため、県内各市町の首長を対象としたトップセミナーを開催するとともに、消防職員を含む市町職員の研修や地域における自主防災活動に対する支援を実施してまいります。
 また、「滋賀県地震防災プログラム」につきましては、県有施設の耐震化等について、各所管部局において予算計上し、計画的に推進しているところでございます。
 さらに、犯罪のない安全で安心な社会づくりでございますが、地域自衛型防犯体制を充実するため、引き続き自主防犯活動に対して支援し、「犯罪発生件数を平成22年までに1万6千件以下にする」ことを目標に、県民の皆さんとともに行政、警察、事業者が一体となって更なる犯罪防止に取り組んでまいります。
 次に、3つ目の項目は、「多様なつながりによる地域づくり」でございます。
 現在、少子高齢化など様々な社会的課題がございますが、そうした課題に対応するには、行政だけでなく、NPOや地域団体等、県民の皆さんと連携・協働した取組を進めていくことが必要不可欠でございます。
 こうした協働の取組を進め、双方の力を活かし合う、いわゆる「協働型県政」への転換を図り、NPOや地域団体等と行政がともに主体的に地域を支え合う社会づくりを推進してまいります。
 そのために、ボランティア活動やNPO活動などの社会貢献活動がより広範で活発になるよう、活動のきっかけとなる普及啓発事業等を実施するとともに、NPO等からの現場視点による提案に基づき、ともに公共政策を創り上げていくための「協働提案制度」の創設に向けて、制度内容の検討等を行ってまいります。
 次に、4つ目の項目は、「人権尊重の社会づくり」でございます。
全ての人が、人間としての尊厳が保障され、人権が尊重される社会をつくりあげることは、皆が願うことであり、また我々にはそれを実現する責務がございます。
 そのような社会の実現に向けまして、「滋賀県人権尊重の社会づくり条例」や、それに基づく「人権施策基本方針」を具現化するために、あらゆる行政分野で人権尊重の視点に立った施策を総合的かつ効果的に実施してまいります。
 当部におきましては、人権意識高揚のための普及啓発事業や、隣保事業等を行う地域総合センターに対する支援などを実施するとともに、複雑化する人権侵害に対する相談・支援体制の充実に努めてまいります。
 次に、5つ目の項目は、「個性ある地域文化の構築」でございます。
 文化は人々に楽しさや感動、そして精神的な安らぎや生きる喜びをもたらし、人生を豊かにするとともに、豊かな感性や創造力を育むものでございます。
 特に、本県には、今を生きる世代が新たな感性で創造している芸術文化や、先人によって培われてきた伝統文化があり、このような多様な文化は県民の共通の財産であり、今後も、これらを活かした施策を推進してまいります。
 まず、個性豊かな文化の創造を目指し、「びわ湖ホール」や「しが県民芸術創造館」、「文化産業交流会館」の県立文化ホールを拠点に、市町や民間とも連携を図りながら、多彩な事業を展開するとともに、近代美術館におきましては、「加工されていない、生のままの芸術」を意味する「アールブリュット」展をはじめとした各種展覧会を開催するなど、県民の皆さんが文化芸術に親しめる環境づくりと魅力ある滋賀の文化力の向上に努めてまいります。
 特に、次世代を担う子どもたちにつきましては、豊かな感性を身につけ、成長することができるように、文化芸術を身近に体験することができるためのサポートや、文化ボランティアの育成等を行う取組に対して支援してまいります。
 また、県が保有する歴史的に価値のある資料を活用し、県民の皆さんが歴史に触れ、学ぶ機会をつくりだすため、県庁内に(仮称)県政史料室を設置いたします。
 次に、6つ目の項目は、「美しく魅力ある地域づくりの推進」でございます。
 本県には、琵琶湖をはじめとする豊かな自然や、長い歴史によって培われてきた、地域に根ざした多くの特色ある伝統行事や生活文化がございます。
 このような地域の貴重な財産を活かした地域づくりを推進するため、これらの映像を県民の皆さん自らが発信する取組に対して支援してまいります。
 最後に、7つ目の項目は、「高度情報社会の形成」でございます。
 近年の情報通信技術の急激な進歩に伴い、生活の利便性は大きく向上する一方で、世代や地理的条件などによる情報通信格差や、情報セキュリティ問題などが生じているところでございますが、県民の皆さんがITの利便性を等しく享受できる環境づくりに努めますとともに、庁内における情報セキュリティ対策の充実を図ってまいります。
 まず、テレビの地上デジタル放送のデータ放送等を活用し、防災や防犯などの公共情報を広く、かつ迅速に県民の皆さんにお知らせするための地域情報提供システムを整備してまいります。
 また、携帯電話利用可能地域の拡大への支援や、今年度から再構築を行っている県域の情報通信基盤である「びわ湖情報ハイウェイ」を引き続き円滑に運用することにより、情報通信格差の是正を図るとともに、申請・届出などの行政手続きに関する電子申請システムを更新することにより利便性を高め、行政サービスの更なる向上を図ってまいります。
 更に、情報セキュリティ対策のための内部監査や研修を実施してまいります。
 以上が、当部の平成20年度当初予算案の主要な施策の概要でございます。
 何卒よろしくご審議をいただきますようお願い申し上げますとともに、議員の皆様方には、引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。


[琵琶湖環境部]
 当部の平成20年度予算額は、一般会計総額で約148億円、平成19年度当初予算と比べ約14.2%の減となっております。
 このように厳しい財政制約の中で、基本方針として、@「県民の生命とくらし」に直接に関わる環境を保全する、A将来におおきな「つけ」を残す課題の解決に取り組む、B琵琶湖環境の保全、地球温暖化対策、循環社会構築等に集中化するの3つの方針を立てて、予算編成を進めてきたところです。
 それでは、平成20年度予算の主要な施策につきまして、基本構想をもとに4本の柱立てでご説明申し上げます。
 第1の柱は「琵琶湖の総合保全をはじめとした自然環境の保全」の推進です。
 琵琶湖の総合保全につきましては、平成12年に策定されました、水質保全、水源涵養、
 自然的環境・景観保全を3本の柱とする、「マザーレイク21計画」を基本にしております。
 「水質保全」につきましては、引き続き下水道や合併浄化槽の整備、市街地などの面源からの流入負荷の削減対策を進めます。また、外来魚の繁殖や水草の異常繁茂といった生態系の変化も含めまして、総合的・学際的な水質・生態系メカニズム調査を実施し、国等の関係機関とも連携した学術委員会において琵琶湖再生の方策を探ってまいります。
 また「自然的環境・景観保全」につきましては、琵琶湖の生態系や水質保全に効果が期待されます旧早崎内湖の再生につきまして、内湖再生計画案をもとに実施計画を策定するための地形測量等を行います。
 第2の柱は、「持続可能な社会づくり」の推進です。
 「持続可能な社会」とは、環境と生態系が健全に保たれ、バランスのとれた経済発展を通じて県民生活の質の向上が図られる社会ですが、この実現には「地球温暖化防止対策の推進」や「省資源・資源循環の推進」などが重要な柱となります。
 まず「地球温暖化防止対策の推進」でありますが、県地球温暖化対策推進計画では、
 2010年に温室効果ガスの排出量を9%削減すること、さらに持続可能な滋賀社会ビジョン(案)では、2030年に50%削減することを目標としております。温室効果ガスの削減に向け、企業等との協働により「家庭CO2削減プログラム」の普及推進を図るなど、県民、事業者、行政、NPOなどが連携し、主体的に取り組むよう温暖化対策を促進してまいります。また、県機関を対象としたエスコ事業の導入により省エネルギーの推進を図ります。
 次に、「省資源・資源循環の促進」ですが、県と市町が役割分担しながら、廃棄物の発生抑制、再利用やリサイクルの推進に取り組みます。また、不法投棄の早期発見、早期解決に一層力を入れていきます。
 なお、「アール・ディ・エンジニアリング最終処分場問題」につきましては、「RD最終処分場問題対策委員会」において、対策を議論いただいております。当初予定からはおくれていますが早急に、効果的で合理的な生活環境上の支障除去等の実施計画を策定し、来年度は具体的な対策工事に着手したいと考えております。
 また、滋賀県環境事業公社が設置する産業廃棄物最終処分場「クリーンセンター滋賀」については、当初計画見込みより最終処分量が大幅に減少し、自立した経営が困難な状況にあります。県内には他に管理型最終処分場がなく、県内で排出される産業廃棄物の受け皿として、企業誘致や大規模災害時の対応等の観点からも公共関与による安全・安心な施設が必要であることから、環境事業公社が引き続き管理運営することを基本に、公共の関与を強めて、投資的な経費や管理運営費に支援を行うことが必要と考えております。
第3の柱は「多様な生きもののにぎわい」の確保であります。
 「野生動植物の保護対策」につきましては、「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」に基づき、希少種の生息・生育地保護区の指定等を推進します。また、外来植物の侵入や観光客の集中利用による自然環境の劣化が懸念される伊吹山の自然再生事業に着手します。さらに、カワウ総合対策やシカの一斉駆除などの獣害対策については、限られた財源の中ではありますが、引き続き市町の取組を支援してまいりたいと考えております。
 「琵琶湖の生態系の修復対策」として、大量に繁茂した水草に対しては、船舶の航行や生活環境面での支障の除去に重点化して刈り取りを継続してまいります。さらに、泥質化により悪化した南湖の湖底環境の改善のため、国や関係機関が連携して南湖の再生に取り組んでまいります。また、繁殖力の強い外来水生植物についても、研究者やボランティアと連携しつつ監視と除去に対応してまいります。
 第4の柱は、「森林の持つ多面的機能の増進」であります。
 県土の保全、水源の涵養、温暖化の防止、木材資源の供給等々、森林が持つ多面的な機能を持続的に発揮させるため、林野公共事業の実施と併せて、「森林づくり県民税」を活用した事業を継続して実施するとともに、温暖化防止としての森林吸収源対策に関連した国の補助制度の導入などによって、農業用水の確保や漁場の保全で重要な区域における間伐の推進にも取り組むこととしております。また、森林資源が育成の段階から利用の段階へ移りつつある中、林業の担い手である森林組合の育成強化とともに、市場化に対応する低コストな木材生産、県産材の安定供給、需要変化に対応した加工流通などの体制整備を視野に入れた、滋賀県にふさわしい木材の生産流通システムを構築するための調査検討を行いたいと考えております。
 なお、造林公社の抜本的な経営改善については、公社が特定調停を通じて農林漁業金融公庫や、下流社員8団体、滋賀県への債務圧縮をお願いしているところであり、あわせて土地所有者との分収割合の見直しや不採算林の契約解除などにも取り組みながら、公社の存続による森林管理を前提に対応して参りたいと考えています。
 以上、琵琶湖環境部の平成20年度予算にかかる主要施策につきましてご説明を申し上げました。

[健康福祉部]
 健康福祉部におきましては、平成20年度の予算編成にあたりまして、少子高齢化が進行し、財政の厳しさが深刻化する状況の下にありまして、県民の皆さんの安全・安心を確保するため、暮らしへの影響を極力回避することに努める中におきまして、保健、医療、福祉が直面しております喫緊の課題に焦点をあて
 1つに「安全・安心な医療の提供体制の確保」、
 2つに「高齢化の進展に伴う要介護者の増加、後期高齢者医療制度への対応」、
 3つに「障害のある人の円滑な地域生活への移行の促進」、
 4つに「社会で子育てを支えるための対応」などに重点的に取り組むことといたしております。
 平成20年度の健康福祉部の当初予算につきましては、総額におきまして675億円となっておりまして、前年度に比べますと、約9億3千万円の増、率にいたしまして1.4%の増となっているところでございまして、総額の中で、一部の事業につきまして、縮小などを行っているところでございますが、健康・福祉を取り巻きます現状と今後の見通しをもとに、基本となります基盤の整備や、仕組みの充実に努めているところでございます。
 それでは、以下、喫緊の課題に対応する取組を中心にいたしまして、主な施策について、ご説明申し上げます。
 まず1点目の、「安全・安心な医療の提供体制の確保」につきましては、来年度から新しい県の保健医療計画に基づき、人生80年時代を迎え、健康でいきいきとした活力ある社会の仕組みをつくりますため、地域や家庭での健康づくりや生活習慣病の予防、介護を要する状態とならないよう介護予防の取組を進めるとともに、医療、保健、福祉、介護の連携によりまして自宅や地域で暮らし続けられることを目指して取り組んでまいります。
 まず、在宅医療等推進事業におきましては、入院から在宅までの切れ目のない医療提供を行いますため、複数の医療機関による共同診療計画の作成に取り組みますほか、通所看護モデル事業を実施してまいります。
 また、医師の地域偏在等に対応いたしますため、医師の養成に新たな支援のメニューを追加し、さらに魅力的な病院づくり、積極的な医師の養成、働きやすい環境づくりなどに取り組んでまいります。
 看護職員の離職防止を図るため、働きやすい職場環境の確保に向けまして、モデル事業を実施してまいります。
 「乳児死亡率改善緊急対策」におきましては、本県の乳児死亡率、新生児死亡率等が、近年、全国に比べてまして高くなっておりますことから、妊婦自身の健康管理を促進いたしますため、健診の受診を呼びかけますとともに、周囲の理解を促すためマタニティーマークの普及を図ってまいります。
 また、多胎妊娠の登録システムやリスクに応じた医療機関の連携システムなどについての検討を行いますほか、緊急時に広域の緊急搬送を円滑に行うため、その窓口として連絡調整を行うコーディネーターの設置、「地域周産期母子医療センター」運営への新たな支援により、医療体制の充実・強化を行い死亡率の改善を図ってまいります。
 「小児救急医療体制」の確保につきましては、2次医療圏域の拠点病院や輪番制病院におきます休日夜間の医療体制への支援を強化いたしますとともに、医療機関の適切な利用を進めるため、電話による相談事業や保護者を対象とした急病時の対応についての講習を実施してまいります。
 さらに、「小児救急医療提供体制」を安定的に維持・確保いたしますため、各地域における医療資源の実情を踏まえながら、「広域での輪番体制の確立」や「地域医師会との連携・協働」などを、各2次医療圏ごとに検討を行います。
 感染症対策につきましては、「薬害肝炎問題」を契機として、肝炎ウイルス検査の希望者が大幅に増加しておりますことから、保健所における検査に加えまして、緊急的に医療機関でも検査を実施し、受検機会の拡大を図ってまいります。
 また、B型やC型の肝炎患者のインターフェロン治療につきましては、その自己負担の軽減を図り、重症化の防止を図ってまいります。
 2点目の、「高齢化の進展に伴う要介護者の増加、後期高齢者医療制度への対応」につきましては、「地域ケア体制の整備に関する方針」や「レイカディア滋賀プラン」に基づきまして、超高齢社会を生きがいを持って暮らせる健康長寿社会といたしますため、介護予防の取組を進めますとともに、医療・保険・福祉の各サービスと多様な住まいなどの提供できる体制の整備を推進してまいります。
 まず、介護予防地域づくり促進事業におきましては、高齢者の生きがいづくりや健康づくりをすすめるため、介護や支援が必要な状態となることを防ぐための意識の醸成、人材の育成、介護予防に地域全体で取り組む仕組みづくりを推進いたしますほか、介護サービスなどを提供する基盤整備への支援「介護保険給付費負担金」の増額を行い、介護保険制度が、円滑に運営されるよう支援してまいります。
 また、介護などの現場における福祉人材の確保が非常に厳しい状況にありますことから、市町が地域の特色を踏まえて実施する人材募集・養成事業等への支援を行いますほか、訪問看護ステーション等において、退職後の働く意欲のある看護職員が社会貢献するシステムを作ってまいります。
 さらに、本年4月からスタートいたします、後期高齢者医療制度が安定的かつ円滑に運営されますよう、医療給付費の負担、財政安定化基金の造成、基盤安定対策費の負担、高額医療費の負担により広域連合や市町を支援してまいります。
3点目の、「障害のある人の円滑な地域生活」につきましては、障害のある人が、身近な地域でいきいきと生活し、自分の夢や希望を持つことができ、その実現に向かって自分らしく努力できる。
 このような地域社会の実現を図りますため、生まれてから・育ち・働くまでの各生活の場面におきまして、一貫した支援を進めてまいります。
 まず、「障害者自立支援法」の円滑な施行を図りますため、障害福祉サービス費、新体系への移行にあたっての整備費への支援を引き続き行いますほか、事業者の経営状況をもとに、基盤の強化を図るため、通所サービスに係る報酬単価の引上げなどを行ってまいります。
 また、就労収入向上プロジェクト事業におきましては、授産施設や共同作業所等の事業所で働く障害のある人の就労収入の向上等を図りますため、「支援チーム」を設置いたしますとともに、経営コンサルタント等を事業所に派遣し、「チャレンジ計画」に基づく活動を支援してまいります。
 「精神科救急情報センター」の整備につきましては、精神科救急に関する申請・通報等の件数が年々増加する中にありまして、精神障害者の医療および保護を迅速かつ適切に行いますため、平成21年度の稼働に向け、準備を進めてまいります。
 また、障害のある人を取り巻く環境などが変化しておりますことから、その生活実態や福祉サービスの利用実態等について調査し、今後の障害者施策に活かしてまいります。
 4点目の「社会で子育てを支えるための対応」につきましては、少子化の流れを変え、次の社会を担う子どもたちが健やかに育つ社会、子供を産み育てることに喜びを感じることができる社会への転換を図ってまいります。
 また、新しい次代を担うたくましく心豊かな青少年の育成を目指してまいります。
まず、地域での基盤整備を促進いたしますため、地域の子育て支援拠点の設置の増、利用しやすい保育所づくりにおける病児・病後児保育、放課後児童クラブにおける長期休暇中の開設や障害児の受入れの充実などを支援いたしますとともに、地域力を生かす子育ての“わ”づくり研究事業では、子育て世代におきます育児への負担感や不安感の緩和を図るため、地域の人的、物的資源等を活用して、子育てを社会全体で支える仕組みの構築に向けまして、実証に取り組んでまいります。
 児童の虐待防止対策防止事業におきましては、その未然防止、早期発見・対応、保護など切れ目のない支援を行いますとともに、オレンジリボンキャンペーンによる啓発を行ってまいります。
 また、「社会で子育てを支えるしが」を推進いたしますため、施策のあり方や県の役割について、有識者等による懇話会を設置いたしまして検討を行いますとともに、フォーラム等を開催し、その機運の醸成を図ってまいります。
 「出会い発見!青少年応援事業」では、若者と社会の接点が希薄化している状況のもとにありまして、若者における、社会性、自立性の獲得を図りますため、地域の職業人やNPO等との出会いの場づくりなど、青少年の社会性・自立性の向上につながる機会の確保に取り組んでまいります。
 こうした4つの取組のほか、食の安全を確保いたしますため、「食の安全・安心アクションプログラム」、「食品衛生監視指導計画」に基づきまして、食品衛生施設の監視指導や食品中の残留農薬等の検査、本県独自の食品自主衛生管理認証制度の周知、認証施設の拡大に取り組んでまいります。
 以上、喫緊の課題への対応を中心に、ご説明申し上げました。
 これら施策の推進にあたりましては市町、関係機関、関係者との協力、連携の下に健康福祉の推進に努めてまいりたいと考えております。
 委員の皆様におかれましては、ご支援、ご協力、ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

[商工観光労働部]
 それでは、当部の来年度予算の重点と基本姿勢について、ご説明させていただきます。
 まず、本県経済の動向ですが、景気は、一部に弱い動きがあるものの、回復傾向が続いていると認識しておりますが、業種や規模などで景況感にはバラツキが見られ、特に、中小企業を取り巻く環境は依然厳しい状態が続いております。
 また、雇用情勢については、着実に回復しているものの、対応が必要な課題として、若年者や女性、障害者の雇用問題などが残っていると認識しております。
 こうした中で、当部としましては、滋賀県基本構想の基本理念である「未来を拓く共生社会へ」に基づき、県経済の活性化や雇用の安定に重点をおいた施策展開を図ってまいりたいと考えております。
 具体的には、3つの柱を重点として考えております。
 まず第一の柱は、「新規成長産業の創造や新たな事業活動への挑戦を支援する」施策であります。
 新規成長産業の育成振興として、平成16年度から県版経済振興特区制度を推進しておりますが、これまでに「びわ湖南部エリア新産業創出特区」を始め5特区を認定したところであります。選択と集中の考え方のもと、これら県版特区のプロジェクトが、より着実な成果をあげるよう、重点的に支援を実施してまいりますとともに、引き続き、産学官連携の積極的な推進を図ってまいります。
 また、研究所や研究開発型の事業所など時代をリードする企業の誘致にも、引き続き積極的に取り組んでまいります。
 新たな事業としまして、独立行政法人中小企業基盤整備機構の資金を活用した「しが新事業応援ファンド」を創設し、その運用益によって、地域資源を活かして新たな事業に取り組む中小企業をはじめ、創業者や学生など、多様な主体が知恵と工夫を凝らした新たな事業への取組が進むよう、その初期段階を支援し、本県の特性を活かした産業を育成してまいります。
 第二の柱は、「滋賀県の特性を活かした産業を育成・支援する」施策であります。 これまで滋賀3K・BI産業の創出に取り組んでまいりましたが、特に環境関連産業の創出・育成・集積を図るため、環境産業クラスター形成を促進するとともに、本県の知的ポテンシャルを活かした研究開発プロジェクトの推進等に取り組むほか、引き続き滋賀県の歴史や自然を活かした観光産業の展開に取り組んでまいります。 また、「感動」や「共感」などによる価値の創出を図るため、産業における感性価値の創出に取り組むとともに、成長が見込めるサービス産業への支援を実施してまいります。
 具体的なものとしましては、甲賀市や高島市が特区事業として実施する事業に対する支援や、本年、大津市域で繰り広げられる「源氏物語千年紀」関連事業に対する支援を実施することとしております。
 第三の柱は、「“力を発揮できる多様で柔軟な活躍の場をつくる”と“多文化共生を目指す”」施策であります。
 本県の有効求人倍率は32ヵ月連続して1倍を超え、54ヶ月連続で全国水準を上回っている状況であります。
 しかしながら、若年者や女性、障害者の雇用については依然として厳しく、また、育児等により退職し、再就職を希望する女性の再チャレンジにも厳しいものがあります。一方、多様な働き方を求めるニーズへの対応もしていく必要があります。
 こうした背景のもと、それぞれの力に応じて活躍できる環境づくりを進めるため、若年者や定年退職者、女性の就業支援、また、障害のある人の雇用の促進を図るための企業や関係機関との連携を深めるとともに、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の取組の促進などを図ってまいります。
 新たな取組として、企業におけるワーク・ライフ・バランス推進のために、経済団体に推進会議の設置をお願いし、次世代育成支援対策推進法に基づく、一般事業主行動計画の策定とその実践を促進することとしております。
 また、近年、ブラジルをはじめとする南米国籍など外国籍住民の増加は、言葉や文化、習慣などの違いから地域社会に様々な問題をもたらしております。このような問題を解消し、外国籍住民を含むすべての県民が理解を深めながら安心して暮らすことのできる多文化共生を推進するため、引き続き市町、NPOと協働してまいります。
 以上、3つの柱を重点とし、その他の事業も含めた来年度の商工観光労働部予算額は、一般会計総額で、264億8,000万円、これは、対前年度当初比で、10.7%の減となっております。
 大変に厳しい状況ではありますが、滋賀県基本構想の効果的で着実な推進を図るため、商工観光労働部としましては、地域経済を牽引する気概をもって、全力で取り組んでまいる所存でございます。
 委員の皆様のご理解とご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

[農政水産部]
 農政水産部の平成20年度予算概要につきまして、ご説明申し上げます。
 まず、予算額でございますが、総額190億6,658万 1千円でございまして、前年度当初予算比75.2%となっております。
 平成20年度からの「新たな財政構造改革プログラム」により、事業全般において抜本的な見直しを行いましたが、当面する農業・水産業の振興に必要な事業につきましては、 選択と集中を行い、知恵と工夫を凝らしながら最大限の確保に努めたところでございます。
 また、予算の編成に当たりましては、本県農政の総合的な 推進のための指針としております「しがの農業・水産業新戦略プラン」を基本とし軸足がぶれることなく、施策の一貫性を維持するよう努めたところでございます。
 以下、当部の主要施策の概要につきまして、当該プランの基本目標であります五つの柱に沿いまして、ご説明させていただきます。
 第一の柱は、「琵琶湖と共存する環境こだわり農業のさらなる展開」でございます。
 まず、環境こだわり農業につきましては、県内耕地面積  54,000ヘクタールの2割にあたる約11,000ヘクタールまで普及拡大してまいりますとともに、環境こだわり農産物に対する県民のさらなる理解と認知度の向上を図ってまいります。
 また、農村地域の良好な水循環を確立するため、農業排水の反復利用や循環かんがいの面積拡大、節水による用水使用量の削減などの取組を、引き続き、推進してまいります。
 第二の柱は、「経営感覚に優れた担い手の確保と近江米等の品質向上」であります。
 平成19年度は、戦後農政の大転換といわれる国の3つの対策につきまして、本県では比較的順調に対応してきたところでございます。平成20年度からは国の対策に一部見直しが加えられ、「水田経営所得安定対策」が導入されますが、引き続き、認定農業者や特定農業団体等の担い手に農地が集約され、効率的で安定的な農業経営が実現できるよう、総合的にサポートしてまいりたいと考えております。
 併せて、消費者のニーズに対応した近江米の品質向上や  ブランド化にかかる取組を支援してまいります。
 また、土地改良公共事業におきましては、食料の安定供給に必要な生産基盤の整備を優先的に実施するほか、アセットマネジメント手法による効率的な資産管理により、 土地改良施設等の維持保全を図るという基本的な方針のもと、老朽化が進行している施設については、長寿命化を図りつつ計画的な更新を行うとともに、突発的な事故に対する緊急対応も実施してまいります。
 第三の柱は、「農村における人とひととの絆の向上」であります。
 平成19年度から、「世代をつなぐ農村まるごと保全事業」として、農村の土地、水、伝統文化、環境、そして人づくりを次の世代に引き継いで行くため、農地・農業用水や豊かな自然環境を保全する地域の協働活動を支援しております。平成20年度は、さらに、県内農振農用地面積の約7割での取組を目指し、新たに取り組む地域にも支援対象を拡大してまいります。
 併せて、滞在型の都市農村交流の促進・定着を図るため、農家民宿の開業や農山村の空き民家の活用に向けた地域住民の取組を支援してまります。
 また、獣害による農作物被害が深刻化しておりますが、先般、成立した「鳥獣被害防止特別措置法」に基づきまして、集落ぐるみで取り組む獣害対策を、国、県、市町が一体となって、 支援してまいります。
 第四の柱は、「生態系の修復と資源管理による琵琶湖漁業の再生」でございます。
 水産資源の回復と琵琶湖漁業の再生を目指しまして、在来魚介類の繁殖に必要なヨシ帯や砂地の造成、湖底の耕うん、水草の除去などを引き続き実施するほか、外来魚を効率的に駆除することで漁場環境の改善を一層進めるとともに、ホンモロコやニゴロブナなどの効果的な種苗放流を行ってまいります。
 第五の柱は、「食の安全が見える生産システムの確立と  『農からの食育』の推進」でございます。
食の安全・安心に対する消費者の関心の高まりに対応するため、農産物の安全性の確保を目指した農業生産のプロセスチェックや「近江牛」の統一認証システムの普及・定着をさらに進め、消費者の信頼確保に向けた取組を行ってまいります。
 さらに、地産地消や農水産物のブランドの確立を図るため、県産農産物の円滑な流通の仕組みづくりや、効果的なPRによるイメージ構築を進めてまいります。
 また、農からの食育につきましては、児童自らが、田んぼや畑に入り「育て」「収穫し」「食べる」という一貫した農業体験や調理体験学習などを、県内全域の小学校で推進してまいりたいと考えております。
 最後に、農業・水産業からの温暖化対策についてであります。
 温暖化が農業・水産業にどのような影響を及ぼすのかという「影響予測」、
 また、農業・水産業の特色を活かし、どのように温暖化に歯止めをかけていくのかという温暖化の「防止策」、
 さらには、今後一定避けることのできない温暖化の進行に対して本県農業・水産業がどのように適応し生き残っていくのかという温暖化への「適応策」、この3つの視点から総合的・体系的に温暖化対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上、平成20年度農政水産部の予算概要につきましてご説明申し上げました。議員各位の格段のご理解とご支援を、よろしくお願い申し上げます。

[土木交通部]
 土木交通部の平成20年度予算の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 まず、当部の予算額でございますが、今年度当初予算に比べまして、88.5%の554億円余となっております。
 非常事態ともいうべき本県の財政状況のもと、従来に増して施策・事業の優先度や緊急度を厳しく見極め、予算を計上したところであります。
 とりわけ公共事業については、長期的な視点に立って活力ある地域社会づくりや災害に強い県土づくりを進めるという重要な役割を担っておりますことから、県民のニーズを踏まえつつ、選択と集中を図り、事業効果が早期に発揮できる事業に重点化し、効果的に進められるよう、特に留意したところであります。
 単独公共事業については、公共土木施設の維持管理を最優先した結果、大幅な減となっておりますが、補助公共事業については、地方負担が少なく効率的・効果的な取り組みが可能でありますことから、最大限有効に活用してまいりたいと考えております。
 また、各施策の展開にあたっては、先般策定されました滋賀県基本構想を踏まえ、以下に述べます3つの基本的な考えに基づいて、進めてまいります。
 まず、第1は、「人の力、自然の力を引き出し、活力ある地域社会を創る環境づくり」であります。
 基本構想の3つの戦略のうち、 「人の力」、「自然の力」をいかに引き出すか。最小の費用で最大の効果を引き出せるよう、人の活動や自然の再生の基盤、広い意味での環境づくりをして行こうというものであります。
 県民にとって使いやすい施設づくりや多様なニーズに的確に対応した施策の実施、温暖化ガスの抑制、自然再生につながる事業の実施など、ハード、ソフトの仕組みづくりや舞台づくりを進めてまいります。
 第2は、「地と知の力を活かし、将来の世代にツケを残さない社会基盤づくり」であります。
 道路や河川をはじめとする社会資本は、様々な社会経済活動を支える基盤となり、現役世代ばかりでなく、孫子の代まで、永く利用されます。
 将来まで貴重な資産として引き継がれ、大きな便益が生み出されることから、将来の世代に一定の負担を求めるものでもあります。
 そのためにも、「地と知の力」を最大限に活かして、優良な資産を形成し、適切に維持、運営していくことが、何よりも重要であります。
 社会資本の整備にあたっては、事業の必要性や優先度を厳しく見極め、より一層の選択と集中を進めてまいります。
 また、管理にあたっても、先々の維持管理費を抑え、負担を先送りしないよう、計画的な維持管理に取り組んでまいります。
 第3は、「県民との協働による地域づくり」であります。
 県民の生活に身近な河川や道路などは、地域や県民一人ひとりの資産でもあります。
 それぞれの生活を守り、様々な便益をもたらしてくれるものとして、地域の皆さんに愛着を持っていただき、県民との協働をさらに推進してまいります。
 この方針のそれぞれに沿った形で、平成20年度予算の主な施策について、ご説明させていただきます。
 1点目の「活力ある地域社会を創る環境づくり」としては、まず、自動車分野における地球温暖化対策をハード、ソフト両面から推進してまいります。
 わが国のCO2排出量のうち2割弱が自動車から排出されており、交通渋滞を解消し効率的な走行速度を確保するとともに、マイカー依存の交通体系から公共交通機関へのシフト転換を図ることが重要であります。
 こうしたことから、ハード面では、国道1号、8号等直轄国道の整備促進、道路整備アクションプログラムに基づく大津湖南幹線など県管理の幹線道路の重点整備、さらに渋滞交差点の解消、既存の高速道路を有効に活用したスマートインターチェンジの整備等を推進してまいります。
 また、これらは本県が将来にわたって活力を維持し発展していくために、地や知の優位性をさらに高め、産業を育成・支援する重要な基盤ともなるものであります。
 一方、ソフト対策としては、人と環境にやさしく利便性の高い交通体系の構築を図るエコ交通を推進するとともに、新たに、企業や住民、交通事業者、関係自治体との協働による、マイカー通勤削減策の検討やエネルギー効率に優れ環境に優しいバスの活性化策の検討に対する支援を行ってまいります。
 また、ユニバーサルデザインによるまちづくりの推進のため、鉄道駅のバリアフリー化を促進するとともに、歩道の段差や勾配を解消し、すべての人が利用しやすい歩行空間の整備を進めてまいります。
 2点目の「将来の世代にツケを残さない社会基盤づくり」としては、まず、災害に強い安全な県土づくりをハード・ソフト一体で推進いたします。
 集中豪雨などによる水害や土砂災害に対処するため、河川改修、治水ダム、砂防事業を進めてまいります。
 また、これまでの川の中の対策に加えて、川の外での対策を組み合わせ、行政と住民との「協働型治水」を目指し、市町や県民の皆さんとの議論を深めながら、「滋賀県流域治水基本方針」を策定してまいります。さらに、県全域における浸水想定区域や水害履歴などの情報を公開し、県民の皆さんと水害に対する潜在的な危険性を共有しながら、引き続き地域防災力の強化に取り組みます。
これらと合わせて、防災情報の迅速、確実な伝達のため、情報システム等の整備を通じ、関係機関への情報の提供や共有を進めるとともに、市町の洪水ハザードマップの作成に対する支援、土砂災害警戒区域等の指定のための基礎調査や土砂災害ハザードマップ作成支援を進めてまいります。
 地震対策としては、道路や港湾の耐震対策を進めるとともに、個人木造住宅の耐震化促進のため、新たにモデル事業として主要道路沿いの住宅や高齢者世帯の住宅の耐震改修に対する補助制度を設けるほか、高齢者世帯のリバース・モーゲージ融資にかかる支援を行ってまいります。
また、安全で快適なまちづくりのため、都市計画道路の整備や老朽化した県営住宅の建て替えを計画的に進めてまいります。
 さらに、これまで整備された社会資本の管理について、「事後保全」から「予防保全」へと順次シフト転換を進めてまいります。
 道路施設について橋りょうの塗装など一部試行的に計画的維持管理を実施するとともに、県有建築施設については中長期保全計画を策定し、施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減に取り組んでまいります。

[教育委員会]
 教育委員会所管の予算の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 教育委員会では、「新しい行政改革の方針」ならびに、それに基づく「新たな財政構造改革プログラム」の策定にあたりまして、本県の明日を担う次の世代をしっかりと育てていくために、常に変わらず取り組むべき、いわば「不易(ふえき)」なものを大切にしつつ、ゼロベースでの施策・事業の見直しを行ってまいりました。
 こうした見直しも踏まえ、平成20年度予算におきましては、教育行政の基本目標を「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり〜みんなで支えあい、自らを高める教育の推進」といたしまして、子どもたちが知・徳・体の調和のもと、自国や郷土に誇りを持って国際社会に貢献し、また、共生社会の一員として確かな未来を切り拓いていけるよう、その源となる「生きる力」を育んでいくなど、本県教育の振興に向けた一層の取組みを進めて参りたいと考えております。
 予算総額は、1,273億9,197万3千円(127,391,973千円)となりまして、対前年度比では3.1%、41億1,726万7千円(4,117,267千円)の減であります。  
 増減の主なものでは、まず前年度比で減となっておりますのは、次の各事業でございます。
 まず、野洲養護学校の新設など養護学校の再編整備が進み、この4月に開校となりますことから、これにかかる施設・備品の整備経費等が 43億3,700万円の減、
 次に、学校のアスベスト対策について、除去等の工事の進捗により 2億3,200万円の減、
 また、彦根陸上競技場改修工事の終了により 6,200万円 の減などとなっています。
 一方増の方ですが、前年度比で増となっております主なものは次のとおりであります。
 まず、教職員の退職手当の増などにより、職員給与費が9億2,200万円の増、次に全国スポーツレクレーション祭の開催で3億3,200万円の増、
 また、皇子山陸上競技場の改修の補助金として1億6,000万円の増などとなっています。
 次に、主な内容を6点に絞って申し上げます。
●まず1つ目は豊かな心を育む教育の推進にかかる事業であります
子どもたちの不登校をはじめ、いじめ、その他の問題行動に的確に対応するため、「スクールカウンセラーの配置」や「スクールソーシャルワーク的学校不適応支援事業」「スクーリング・ケアサポーターの派遣」などを引き続き実施して参ります。
 また、新たに、不登校やいじめ等に不安や悩みを抱えた保護者を支援する「中学生保護者支援員配置事業」を実施し、学校と保護者が協力して生徒の自立を支援するなど、子どもたちの心を支え、育んでいくための取り組みを進め参りたいと考えております。
●2つ目は、自然や社会に学ぶ体験活動にかかる事業であります
 子どもたちにとっては、学校での学びはもちろん大切でありますが、豊かな自然の中で思い切り体を動かし、あるいは地域社会の中で働くことの大変さや素晴らしさを体験することも、大切な学びの場、貴重な成長の糧であります。
 ことに琵琶湖を舞台とした本県ならではの環境教育、体験学習の場としましては、昭和58年から今日まで39万人を越える児童を乗せ、航行して参りました学習船「うみのこ」がございますが、就航以来24年が経過した船体は、老朽化が心配されております。
 いずれ必要となる新船の建造に今から備え、次の世代のために、また本県の環境へのこだわりとして、その費用にあてるための基金を設置し、積立てを行って参りたいと考えております。 
 また、本県では、公立中学2年生全員を対象に、5日間の職場体験を実施しておりますが、これを来年度も引き続き推進し、子どもたちが自らの将来の生き方を見いだしていけるよう、望ましい勤労観、職業観の育成に取り組むなど、体験活動の充実に努めて参りたいと思います。
●3つ目は、きめ細かな教育の推進にかかる事業であります
 学習障害(LD)などの「発達障害」のある児童生徒への指導力向上を図るため、専門家などによる特別支援教育巡回チームを学校現場に派遣し、指導や助言にあたる「発達障害児童生徒への指導力向上事業」を新たに実施したいと考えております。
 また、35人学級などの少人数教育につきましては、本年度より対象を拡充し、小学校1、2、3年生および中学校1年生、さらには、小学校4年生から6年生のなかの1つの学年を学校側が選択して、実施してきたところです。
 来年度は、対象学年を拡大することはできませんが、今のレベルで引き続き実施し、子どもたち一人ひとりに対応したきめ細かな教育の推進に努めて参りたいと考えております。
●4つ目は、生涯スポーツの振興にかかる事業であります
 議員の皆様をはじめ、関係の方々のご理解、ご支援のもと、第21回全国スポーツ・レクリエーション祭は、本年10月の開催に向け、準備作業も順調に進んでいるところであります。
 希望が丘文化公園を主会場に県内13市2町で計24種目、参加者は約4万人を見込む本大会は、スポーツ・レクリエーション活動の普及とともに、滋賀を全国に発信する好機でもあります。
 全国から集う選手達を暖かく迎えますとともに、生涯スポーツの一層の振興を図る機会として参りたいと考えております。
●5つ目は、次世代へ活かす歴史文化資産の調査と活用にかかる事業であります
 本県は琵琶湖をはじめとした水に関わる数々の歴史文化に恵まれており、これらは滋賀にしかない「宝」であります。
 そこで、こうした歴史文化を調査し、広く全国に発信する「近江水の宝調査活用事業」を新たに実施し、先人の心や知恵、有形無形の素晴らしい資産を、次の世代へしっかりと継承して参りたいと考えております。
●最後に6つ目は、みんなで支え合う滋賀の教育の推進であります
 明日を担う子どもたちを、たくましく、心豊かに育てていくためには、やはり、学校と家庭、地域そして企業等が、それぞれの役割をはたし、互いに支えあう教育を進めていくことが大切であります。
このため、家庭の教育力の向上を図り、子どもたちの望ましい生活習慣を育てるため、「早寝・早起き・朝ごはん」県民運動や、家庭の教育に企業の力を活かそうという、滋賀県家庭教育協力企 業協定制度についても、引き続き取り組んで参りたいと思います。
 こうした取組みをさらに広げ、多くの人に教育への関心をもっていただくために、平成18年より11月1日を「滋賀 教育の日」と定め、2年目となる19年度は、前年を上回る1,345の関連事業が教育月間中に開催され、延べ42万2,494人の参加をいただきました。
 来年度も、この「滋賀 教育の日」の普及啓発に努め、関連事業の実施を進めまして、県民がこぞって教育について考え、子どもたちの教育に関わっていこうとする気運を高めて参りたいと考えております。
 以上6点にわたって申し上げましたが、教育委員会では来年度も、みんなで支えあう滋賀の教育を目指して、様々な教育課題に積極的に取り組んで参りたいと考えておりますので、議員の皆様には引き続きご理解、ご指導の程、よろしくお願い申し上げます。

[警察本部]
 平成20年におけます「滋賀県警察の取組み重点」と、「平成20年度警察予算案」の概要について説明させていただきます。
まず初めに、本県の治安情勢について(簡単に)ご説明申し上げます。
昨年の刑法犯認知件数は、抑止目標としておりました1万7千件を下回り、前年対比マイナス1,416件の 16,553件 で、5年連続の減少となりました。
 これは、犯罪発生のピークであった平成14年の32,183件から見ますと、5年間で「48.6%」(−15,630)の減少で、「全国第1位」の減少率となっております。
 また、交通事故死者数につきましても「93人」と、目標に掲げておりました95人を下回り、昭和34年以降、最小となりましたほか、人身事故発生件数も5年ぶりに1万件を下回ったところであります。
 しかしながら、刑法犯の認知件数が減少したとは言いましても、依然として、殺人、強盗などの凶悪犯罪や来日外国人による犯罪の続発、さらには子どもや女性が被害者となる、大変痛ましい事件が発生しております。
 また、交通事故につきましても、年間100人近い方の尊い命が失われているという悲しい現実と、人身事故が未だ1万件近く発生していることや、お隣の京都府の(昨年の)交通事故死者数が91人ということを見ましても、本県の交通事故情勢が如何に厳しく推移しているかが、御理解いただけるかと思います。
 このため、県警察といたしましては、こうした厳しい治安情勢をはじめ、県民の方々の意識や、ニーズといったものを的確に把握するとともに、社会情勢の変化を敏感に見極めながら、県民の誰もが「治安は確実に良い方向に向かっている。」 と、肌で実感することのできる「安全・安心な滋賀の実現」を目指して、全力で取り組んでまいる所存であります。
 具体的に申しますと、県警察では、平成20年の運営指針を「県民の期待と信頼にこたえる力強い警察」と定め、この運営指針のもとに、5つの重点項目を策定し、これを推進してまいります。
重点項目について、順次説明いたしますと、
 先ず、第1は、「地域安全対策の推進」であります。
 冒頭にも申し上げましたとおり、昨年は「アンダー17,000件」に再チャレンジし、目標を達成することができましたが、県警察といたしましては、治安の回復軌道を不動のものとするために極めて重要な年であるという認識のもと、これまでも強化してまいりました「制服警察官による街頭活動」を、より一層強化することとしております。
 更には、「地域の安全は住民自ら守る」という、自主防犯活動の動きをより活性化させるため、積極的かつタイムリーな犯罪情報等の提供をはじめ、安全な地域づくりに向けた支援施策を、強力に展開していくこととしております。
 第2は、「悪質犯罪の検挙」であります。
 犯罪捜査と検挙につきましては、正に県民から警察に託された分野と言え、県民が期待する「力強い警察」を象徴するものであります。
 したがいまして、県警察としましては、続発する強盗事件や子ども、女性が被害を受ける犯罪、凶悪事件に発展するおそれのある侵入窃盗など、県民が身近で最も不安に感じる犯罪の検挙に全力をあげて取り組んでまいりますほか、振り込め詐欺など匿名性の高い知能犯罪、来日外国人不良グループや暴力団による組織犯罪などに対して、検挙活動を中心とした総合的な諸対策を徹底して進めてまいる所存であります。
 第3は、「交通死亡事故の抑止」であります。
 本県の交通事故情勢につきましては、先程お話しましたとおり、依然として厳しい情勢となっております。
 そこで、「高齢者を中心とした交通弱者対策」を推進するとともに、シートベルト着用義務違反や、自転車、歩行者のルール無視に対する指導・警告等によって交通マナーの向上を図ってまいりますほか、重大事故に結びつくおそれの高い、飲酒・速度・信号無視など悪質性・危険性の高い違反に対する取締りを徹底することとしております。
 また、自治体や道路管理者と連携した交通安全施設のより効果的な整備など、交通実態に即した総合的な取組みを進めて行くこととしております。
 第4は、「テロ、災害等突発重大事案対策の推進」であります。
 本年7月には、沖縄サミット(平成12年)以来、8年振りに「北海道洞爺湖サミット」が開催される予定であり、同サミットに伴う関係閣僚会議が、近接府県の兵庫、大阪、京都で開かれる予定であります。
 サミット開催に伴う警備諸対策の推進は、全国警察が総力を挙げて取り組むべき当面の最重要課題であることから、県警察といたしましても不穏な活動に対する情報収集活動をはじめとする各種諸対策を推進することとしております。
また、琵琶湖西岸断層帯地震等の大規模災害や予期せぬ突発重大事案の発生」など、緊急事態発生時においても適切な対応が出来るよう、装備資機材の整備、自治体をはじめとする関係機関との連携など、様々な状況を想定した実践的訓練を推進することとしております。
 最後の第5は、「警察改革の継続推進」であります。
 これまで、警察に対する信頼回復のため、全国警察挙げて警察改革に継続して取り組んでいるところでありまして、県警察といたしましても、県民の信頼確保に向け、職務倫理教養の徹底をはじめ、現場執行力の向上など、改革のための様々な施策を引き続き推進してまいりますとともに、警察活動を支える各種基盤の整備・強化を図ることとしておりますので、皆様の警察活動各般に対するご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、平成20年度警察費予算案の概要につきましてご説明致します。
先ず、予算総額でありますが、366億4,440万4千円となりまして、前年度予算と比べますと率で14.8%、 金額で 47億3,282万1千円の増額となっております。
 内訳では、
○ 人件費 228億5,780万2千円
○ 物件費 137億8,660万2千円
で、前年度と比べますと
○ 人件費は、若手警察官の採用など人員構成の変動等に伴い4.6%の減額
○ 物件費は、73.1%の大幅な伸びとなっております。その主たる要因につきましては、平成17年度から4ヶ年計画で進めております「警察本部庁  舎新築整備の最終年度に要する経費」などの特別な予算による増額となっております。
 次に、警察が重点的に取り組むべき主な事業をご説明致します。
主な事業としましては、
○ 安全なまちづくりの推進
○ 交通安全対策の推進
○ 県民の安全・安心に直結する警察基盤の整備
と、大きく3つの柱に分けております。
先ず1番目が「安全なまちづくりの推進」であります。
 「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例の施行後、5年連続して犯罪を減少させた成果をさらに前進させ、より「安全」で「安心」できるまちづくりを実現するために
○ 地域住民やボランティアの自主防犯活動等を現場レベルで活性化させる活動拠点を「まちの常夜灯」と銘打って、地域の基盤づくりを支援する新たな連携体制を構築する経費《活動拠点の整備経費》や、
○ 言葉や習慣の違いから将来犯罪に走るおそれのある県内居住の外国人少年に対して、少年非行防止の鍵となる初発型非行の防止と共生対策を推進するための、外国人少年補導サポーターの運用に必要な経費 《街頭補導活動、非行防止教室支援経費》などをお願いしております。
 2番目の「交通安全対策の推進」につきましては、悲惨な交通事故から県民の尊い命を守るための対策として
○ 交通信号機の新設や道路標識・標示の整備、交通弱者のための信号機の改良等の交通安全施設の整備に必要な経費《信号機新設・県単独5基・国庫補助(円滑化対策)15基》
○ 管制エリアへの集中制御機の更新などを始めとした交通の円滑化などに必要な経費《集中制御器:大津、草津、大津北地区の13箇所更新》
○ 歩行者や自転車利用者の安全対策として、一定の地域を指定して重点的に信号機等の整備を行う「新あんしん歩行エリア」の整備に必要な経費《信号機新設(安全対策)3基 など》
など、交通事故実態をとらえての安全対策に必要な経費をお願いしております。
 最後に「県民の安全・安心に直結する警察基盤の整備」であります。
これには、
○ 警察活動の中枢となります警察本部庁舎の最終整備
○ 警察署統廃合の財政的効果を出すための旧虎姫警察署の交番化整備などをお願いしております。
  また、この他に
○ 琵琶湖西岸断層帯の大規模地震発生による警察施設の倒壊時に備え、警察活動の拠点を確保するのに必要な資機材の整備や
○ 自動車運転免許証の偽造防止と免許取得者の有益性を図るた  めのIC化システム整備などもお願いしているところであります。
 以上、厳しい財政事情の中ではありますが、いずれも「139万県民を守る」ための重要なものばかりですので、ご理解とご協力をよろしくお願い致します。

[企業庁]
 企業庁の使命は、「安全で安心な水」を「安定」して、しかも「安価」に供給することであります。
こうした使命を全うするため、平成20年度におきましても、次の4点を重点目標として、限られた財源を有効に活用するため、事業を精査し、優先順位を定めて取り組むこととしたところでございます。
 その第1点目としては、県民、企業に信頼される用水供給を目標として、「安定」して水道用水を供給するために、より良質な水道用水を供給するべく水質管理に十分配意してまいります。
 第2点目は、耐震化計画に基づき、災害や事故に強い施設づくりを進めてまいります。
第3点目は、施設更新計画に基づき計画的かつ効率的な施設更新を進めるとともに、環境にも配慮します。
 最後に、第4点目は、経営の合理化とコスト削減に努めることで、経営基盤の強化を進めてまいります。
 それでは次に、事業別に、来年度予算についてご説明いたします。
 まず、工業用水道事業は、彦根工業用水道事業と南部工業用水道事業の2事業を実施しております。
 これら2事業合わせまして、63社に日量約10万立方メートルの工業用水を供給する予定でございます。
主な事業といたしましては、いずれの工業用水道事業とも供用開始後30年以上を経過しておりますことから、用水の安定供給のために各種設備等の計画的な更新を進めることとし、彦根工業用水事業では、制水弁更新工事、南部工業用水道事業では、沈澱池傾斜板更新工事および濃縮槽掻寄機更新工事等を予定しているところでございます。
 また、工水・上水共用設備となりますが、4つの浄水場の運転監視業務を集中化するため、平成22年度にかけて集中監視設備の整備を行うことと致しております。
この結果、工業用水道事業の収益的収支の収支差は3億5,790万円の黒字が見込まれ、資本的支出は11億2,150万円を計上いたしているところでございます。
 次に、上水道供給事業は、南部上水道供給事業および東南部上水道供給事業の中部地区と甲賀地区の2事業3地区で実施しております。
 これら3地区8市3町に日量約13万2千立方メートルの用水を給水する予定でございます。
 主な事業といたしましては、まず、南部上水道供給事業拡張事業では、かねてより整備を進めております南部上水の吉川浄水場と中部上水の馬渕浄水場間を結ぶ緊急連絡管整備工事につきまして、平成22年度からの供用開始を目指し、引き続き送水管の布設工事および馬渕浄水場内の関連電気設備工事等を実施することとしております。
 また、地震や災害等に備え、安定した水道用水の供給確保のため、南部上水道供給事業で既設送水管をつなぐ新たな西部幹線送水管路を設置することとし、バックアップ管路としての機能を持つ送水管路のループ化工事に着手します。
 2つ目に、設備更新事業として、南部上水道供給事業では、濃縮槽掻寄機更新工事や甲西幹線正福寺工区移設工事等を、東南部上水道供給事業中部地区では、特高電気設備更新工事や分水電気設備・弁更新工事等を、東南部上水道供給事業甲賀地区では、高圧受変電設備更新工事等を行います。
また、上水道供給事業の事業統合のスケールメリットを生かし浄水場運転監視業務の効率化を図るため、工業用水道事業で説明しましたが、上水道供給事業におきましても、工水・上水共用設備として集中監視設備の整備を行います。
 3つ目は、東南部上水道経営基盤強化施設整備事業として、南部上水で建設工事を実施しております緊急連絡管布設に係る工事負担金を中部上水において計上しております。
4つ目に、地震対策事業といたしまして、先ほど申し上げましたが、南部上水道供給事業での西部幹線送水管敷設工事や南部上水、中部上水間の緊急連絡管敷設工事、中部上水での水管橋下部工補強設計、甲賀上水での水口調整池耐震補強工事等を実施し、施設の耐震化に計画的に取り組むこととしております。
 この結果、上水道供給事業の収益的収支の収支差は、17億7,230万円の黒字が見込まれ、資本的支出は、46億220万円を計上しているところでございます。
以上、企業庁の平成20年度予算の概要をご説明いたしましたが、今後とも、安全で安心な安定した用水供給を目指しまして、水需要の動向を的確に見極めながら、一層の経営の効率化に努め、将来にわたって健全な経営が維持できますよう、引き続き努力してまいる所存でございますので、委員各位におかれましては、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

[病院事業庁]
 病院事業庁が所管いたしております、県立・成人病センター、小児保健医療センター、精神医療センターの、3病院に係ります平成20年度予算の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 昨今の医療、とりわけ病院を取り巻く環境は、この4月からの診療報酬が、一部改善されるとは言え、全体としては4期連続のマイナス改定となることや、医師、看護師の偏在が続く等、大変厳しい状況にあります。
 こういった厳しい状況にあっても、引き続き、県民の皆様の期待に応え、安全で安心な医療を提供できますよう、県立病院の使命、すなわち、
 1つには、県内における高度専門医療の拠点として、質の高い医療を提供すること、
 2つ目は、民間医療機関等では対応が困難な「政策医療」に取り組むこと、
 3つ目といたしまして、地域の医療機関や保健・福祉との連携を一層深め、専門分野での地域医療を支援し、医療・保健サービスの中核的な役割を果たしてまいりたいと思っております。
 なかでも、来年度は特に、次の2つに重点を置き、病院運営に当たることといたしております。
 1つ目は、病院機能の明確化と充実であります。県立病院に求められる役割、県立病院だからこそ果たさなければならない機能を明確にした上で、その充実強化を図ります。
 2つ目は、地域医療機関との機能分担と連携強化であります。このことにより専門的、かつ高度な症例に対応いたしますとともに、かかりつけ医や訪問看護ステーションなどとの連携を進め、患者の皆様にとって切れ目のない医療を提供できるよう努めてまいります。
 次ぎに、病院ごとの重点的な取り組みについてでござますが、
 まず成人病センターにつきましては、
 生活習慣病対策、がん対策の推進に資するため、がん、心臓血管疾患、脳神経疾患の三大生活習慣病の拠点病院として、機能の充実を図ります。
 特にがん対策につきましては、地域がん診療連携拠点病院として、放射線療法の充実や、がん専門看護師の配置など、診療機能の強化に努めるほか、患者や家族の皆様に対する相談支援体制の充実や、がん医療従事者への研修に積極的に取り組むこととしております。
また、高度専門医療の提供と医療安全の徹底、患者サービスの向上を図るため、精度の高いコンピュータ断層撮影装置の更新等、医療機器の整備を図ります。
 喫緊の課題であります医師確保につきましては、大学等への働きかけを強化するとともに、処遇の改善や勤務環境の改善にも取り組んでまいりたいと考えております。
 看護師確保につきましては、処遇や勤務環境の改善と募集事務の一元化等により、一定、改善されつつありますものの、まだまだ厳しい状況にあり、引き続き新卒者の確保と在職者の離職防止に努め、7対1看護体制の導入を図ることとしております。
 さらに、医師不足の影響が広まるなか、県立病院の新たな役割として、医師不足の影響が大きい病院等の医療提供体制の支援に取り組みます。
 具体的には、「琵琶湖マザーホスピタル事業」として、医師確保が困難な病院の産婦人科の支援を行うこととし、成人病センターから協力病院に対して医師を派遣し、診療の支援や指導を行う一方、成人病センターでは、婦人科の高度専門医療研修を行い、産婦人科専門医の養成を図ろうとするものでございます。
次に、小児保健医療センターでございますが、
 一般病院では対応困難な、心身障害児に対する医療や、小児慢性疾患・難治性疾患を中心とした専門的な医療を提供しておりますが、人工呼吸器を装着するなど、いわゆる「超重症児」の増加に対応して、夜間の看護体制を強化いたしますとともに、MRIなど高度医療機器の導入や手術室の改修など医療環境の整備を行います。
また、在宅での看護や医療支援の重要性が高る中、保健所や訪問看護ステーションとの連携強化のため、地域連携活動を充実させますとともに、新しく看護外来を設け、家庭での医療機器の使用や感染予防対策など、小児医療特有の相談指導に積極的に取り組んでまいります。
 精神医療センターにつきましては、思春期精神障害や、アルコール・薬物中毒性精神障害など、専門的治療や緊急医療に重点的を置いた取り組みのほか、特に来年度につきましては、「入院医療中心から地域生活中心へ」という、精神医療の流れに対応すべく、患者が地域での生活を通じて療養し、早期に社会復帰できるよう支援するための体制を整備しますとともに、
精神科救急医療システムの拠点としての役割を果たせるよう、緊急応需体制の確立に努めてまいります。
 こうした病院運営により、病院事業全体の収益的収支につきましては、喫緊の課題であります医師確保に取り組んでおりますものの、成人病センターや小児保健医療センターの一部の診療科での常勤医師の欠員が、年度当初の段階では解消できない等の影響から、
 収益は前年度に比べ、1億9千万円減の164億8百万円、一方、費用につきましては、効率的な運営に努め、前年度より2億3千3百万円少ない 171億6千4百万円となりますものの、収支差は7億5千6百万円の赤字となりますが、20年度の単年度資金収支は、約2億円程度のプラスと見込まれ、病院運営に、支障は生じることはございません。
 全国平均を大きく上回る減価償却費の負担や、医師不足の影響による収益の減少により、昨年度に引き続き赤字予算となっておりますが、高度で良質な医療を安定的に提供するためにも、収支の改善が大きな課題と認識しております。
 来年度には、総務省の「公立病院改革ガイドライン」の趣旨を踏まえながら、県立病院中期計画の見直しを行うこととしておりまして、計画の策定と、その実行を通じまして、県民の皆様の期待に応えられる「安全と信頼・質の高い専門医療」を担い得る病院として、経営の健全化に精一杯取り組んでまいりたいと考えておりますので、引き続き、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。



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