12月定例県議会・会派代表質問 Q&A

 12月定例議会が12月1日から開催されており、12月6日に会派「県民ネットワーク」を代表して「出原いつみ議員」が知事ならびに各部長に質問をしました。その内容を要約して報告致します。

代表質問項目
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1.20世紀から21世紀へ 知事答弁
2.13年度の予算編成方針について 知事答弁
3.びわこ空港について 知事答弁
4.市町村合併・地域振興局について 知事答弁
5.人権条例について 知事答弁
6.男女共同参画社会の実現にむけて 知事答弁
7.NPO活動の支援について 企画県民部長答弁
8.環境問題について 知事・びわこ環境部長答弁
9.介護保険について 知事・健康福祉部長答弁
10.県内中小企業の振興の方策について 商工労働部長答弁
11.新しい農林水産プランについて 農政水産部長答弁
12.学校教育を取り巻く諸問題について 教育長

以下が質問項目およびその答弁になります


 

●20世紀から21世紀へ

 私たちは、いよいよ21世紀という新しい時代のドアをノックしようとしています。そしてノックしたドアの向こう側には、夢、希望、躍動、可能性を秘めた魅力ある時代が待っていてほしいと誰もが願っています。
 しかしながら、こうしたバラ色の21世紀は、決して過去の延長線上には存在しないことは明らかです。21世紀という時代は、地球規模の環境問題、本格的な少子高齢社会の到来、男女共同参画社会と分権型社会の実現、IT革命に象徴される情報化時代への対応、そして世界平和の実現など、過去のどの世紀よりも変化の激しい時代になることは間違いありません。
 シリコンバレーでは、寿命の短い犬のように1年が、7年から8年に相当するというドッグイヤーという時間感覚のなかでビジネスが展開されています。21世紀に生きる私たちは、この猛烈な変化のスピードに適確に対応していかなくてはなりません。
 同時にまた、私たちは古の古典に頭を垂れ、源氏物語やシェイクスピアに感動することができます。時代を超えて人間として共感できるもの、つまり、いつの世も変わらぬ 本質的なものへの憧れ、真・善・美の追求はもちろんのこと、何よりも地域をこよなく愛する気持ちは決してやむことはないでありましょう。むしろ、変化への対応が求められる時代であればこそ、私たちは軸足をしっかりと定め、本質を追及する努力をより深く究めなければなりません。
 私たちは、21世紀という時代性を、変化への適確な対応と本質の追求という方向でとらえていきたいと考えます。そのためにも、いたずらに不安感や悲観論に陥ることなく、健全な危機感に裏付けられたチャレンジ精神が必要なことは言うまでもありません。
 私達は、変化への対応と本質の追求を縦軸に、まちづくり・ひとづくりを横軸にして県政を考えていきたいと思います。 そこで、まず最初に、知事は20世紀をどのように総括し、21世紀の夢を県民にどのように語られるのかをお伺いいたしまして、以下、県政の重要課題について、「県民ネットワーク」を代表して質問いたします。
 
 まず、20世紀をどのように総括し、21世紀の夢を県民の皆様にどのように語るのか、とのご質問についてでありますが、20世紀の人類は、2回の世界大戦と幾多の地域戦争を経験し苦難の時代を過ごす一方、目覚しい科学技術の発達と経済成長に支えられ、われわれは豊かで便利な生活ができるようになりました。人類の長い歴史の中で、これほど劇的で変化の激しい世紀はなかったように思います。その意味で20世紀は、一言でいうならば、「成長と拡大の世紀」でありました。
  しかし、20世紀末に至って、経済的な繁栄をバックに物質的な豊かさや便利さを追求してきた生き方は、地球環境の悪化や人と人とが互いに支えあう絆の希薄化など、多くの問題を引き起こしました。その結果 、われわれは、経済の成長や拡大が無限に続くものでなく、すべてに優先されるものでもないということに気づきました。
 さらに、今なお世界各地で勃発している地域紛争を目のあたりにするとき、来るべき21世紀は、何よりも人類の英知によって、世界の恒久平和が実現する世紀であってほしいと念願しておりますし、その上にたって、地球環境問題や21世紀を担う青少年の問題などの諸課題に正面 から向かい合い、待ったなしで行動を起こしていくことが求められる世紀であります。
 また、科学技術の進展やIT革命を背景として、ボーダレス化やグローバル化といった世界規模での著しい経済社会の変動が急速に進行する中で、今一度人間としての本来の生き方を見つめ直し、人間と自然との、あるいは人と人との良好な関係の再構築と、ものの豊かさから心の豊かさへの転換が求められる世紀でもあります。
  いつの時代にありましても先を見通すことは大変難しいものがありますが、こうした時代の変化を的確に見極めつつ、自らの足元をしっかりと固め、柔軟さや確かさを併せ持つ地域づくりを進めていくことが大切であると考えます。
  このような中で、今私たちが進めている故国作りは、20世紀における人類のさまざまな経験と反省の上に立って、多くの素材に恵まれ、あたかも小宇宙のようなまとまりをもったこの滋賀を舞台に、21世紀という時代にふさわしい、節度を持った人間らしい営みを、暮らしや産業そして社会の仕組みの中で探り当て、県民の皆さんとの協働の作業で実践していこうとする取組であると考えます。
  また、この目標達成への道筋で、ともすればおろそかにされてきた、家族の絆、地域との絆、自然との絆などを一層大切にし、滋賀県らしい文化、それも「エコ文化」とでも言えるものを創造し、国内外とも評価して頂ける滋賀県を創ってまいりたいと考えております。
 

 

●平成13年度の予算編成方針について

 先の臨時国会で2000年度の総額4兆7,000億円あまりの補正予算が成立した。しかし私たちは安易に国債を発行しての経済対策には疑問がある。真に経済を再生するためには規制緩和や民間主導のIT革命、さらには財政構造改革を進めていくことが必要だと考える。
  そこでまず知事に今日の国の財政運営についてどのように考えているのか伺う。
  そして今日の本県の財政構造をいかに認識され、21世紀に向かってどのように改革されるのかその基本的な考えを伺う。
 
 わが国の景気は厳しい状況を未だ脱しておらず。一方では、IT革命や少子高齢化の進展など大きな変革期を迎えている。国においては多額の国債残高を抱え厳しい財政状況にある中ではあるが、まずは、低迷している国内景気を自律的回復基調に乗せることを最優先に様々な対策を講じているものと認識している。
 次に本県の財政構造についてであるが、平成9年度と平成11年度決算での比較をしてみると、経常収支比率は85.3%が86%へ、公債費負担比率は13.5%が16.2%へと上昇している。このことからも本県財政は硬直化が進み、極めて厳しい状況にあると認識している。このため、先に策定した「当面 の財政運営方針」に沿って、歳入については、地方分権にふさわしい税財源の委譲を国に働きかけるとともに、独自の税財源を検討し、歳入の確保に努める。歳出については役割分担を見直し、負担の適正化を図るとともに、徹底したスクラップ・アンド・ビルドを行う。また、公共事業をはじめとするすべての事業についてその必要性を十分検討するとともに、重点化や効率化に努め、総額を抑制していく。
 

 

 バブル崩壊後、財政の健全化をはかるために平成10年度から12年度までの3ヵ年を「財政構造改革」の集中改革期間として取り組んできた。しかし県債残高は平成9年度末6,286億円であったものが平成12年度末見込みでは7,452億円に増大していること、基金では財政調整機能を持つ財政調整基金および県債管理基金が平成9年度末では618億円あったものが平成12年度末見込みでは220億円に激減している。
  この原因は外的要因によるとみておられるのか、それとも内部の取り組み姿勢にも問題があったと思われているのか伺う。
 
 平成12年度末においては、県債残高の増加と基金の現象は言ってやむをえないものと予想していたが、期間内の景気の落ち込みによる税収の大幅な減少に対応するための減収補填債の発行や基金の取り崩し、加えて国の経済対策に呼応するための補正予算債の発行が最も大きな要因と認識している。
 

 

 本県の県債残高は国の経済対策に無原則に付き合うことによって、先ほど額で申し上げたように驚異的に増加した。私たちは経済対策の名のもとに何でも手を出すと借金だけが残り、結果 的に大火傷をすると思っている。本県としてのルールや投資対効果のものさしをしっかり持つべきと考えるが、本県の対応方針を伺う。
 
 経済対策は国と地方とが相まって取り組むことにより一層の効果 が発揮されるものである。これらの事業の実施に伴う地方負担については、万全の財源措置が講じられたことなどから取り組んできた。今後も、経済対策に伴う事業が本県にとって必要不可欠なものかどうかを十分検討のうえ対応していく。
 

 

来年度の税収見通しはどうか。また「当面 の財政運営方針」に掲げている独自の新たな税財源の確保についてどのようなものを考えているのか伺う。
 個人消費の回復の足取りは鈍く、最近の株価の低迷や原油価格の高騰など景気の先行きについて懸念される状況があり、法人二税の動向は必ずしも楽観できない。現段階では税制改正の動向が明らかでなく今確かな見通 しを言うことはできないが、来年度は今年度大幅な増収を見込んでいる県民税利子割の減少といった特殊要因もあり見積もりは慎重にしなければならない。
 独自の税財源の確保については法廷外税などを検討していくことも地方分権のあり方として大切なことである。現在庁内に設置している「税制度研究会」で検討させている。年度末に一定の取りまとめをしていく。
 

 

 21世紀のスタートの年、単に平成13年度予算というだけでなく21世紀の本県が進むべき方向性を示す極めて重要な歳出予算についてであるが、各部門予算枠について従来の割合を変更してまでの重点指向をされていく考えがあるのか伺う。
 
 各施策それぞれについて県民のニーズに的確に答えられるか、本県にとって真に必要な施策であるかどうかといった点を中心に検討したうえで、さらに優先度や緊急度も勘案して判断してきたが、その結果 として、重点的に取り組むべき分野への予算配分が可能になっていると考えている。
 

 

 また従来にも増して「歳入に見合った歳出」ということになれば、施策の優先度・緊急度の整理がより必要になり、また義務的経費にもメスを入れなければならない。そこで施策のチェックをどのようなものさしで行うのか、また総人件費の抑制の目標とその具体的方策について伺う。
 
 施策のチェックのものさしについては「しがベンチマーク」や施策評価も活用しながら、今一度原点に立ち戻って、十分検証していく。総人件費の抑制については今後とも定員管理の一層の適正化を図る。行政改革大綱において削減目標としている75人のうち、すでに56人削減している。計画期間は後3年あるが残る19人を極力前倒しして削減を行い、総人件費抑制の効果 を高めていく。
 

 

 次に平成13年度予算編成要領に「補助対象に一定の幅を持たせ、市町村が裁量 によって実情に即した個性的、重点的な事業実施が図れるように補助金の統合化、交付金化を積極的に実施する」とうたわれており、私たちは地方分権の推進という観点から賛意を示すものであるが、具体的にどのように実施するのか伺う。
 
 関係部局が所管している市町村向けの県単独補助金について大括りに政策の柱で統合したうえで、市町村が既存のメニューにとらわれず個性的、重点的な事業を実施できるよう新たな方式にも工夫を凝らしていく。
 

 

●県民の関心が最も高いびわこ空港について

 私たち「県民ネットワーク」は、昨今の経済情勢や県の財政状況、県民世論の動向などをふまえ、「空港の必要性は認めるが、蒲生・日野を予定地とするびわこ空港計画は凍結するべき」との意見をまとめ、知事にも申し入れたところである。   知事は、本定例会の提案説明のなかにおいて、「少なくとも1〜2年、立ち止まって考える」と、いわゆる総合的判断を下された。しかし、これを聞く我々も県民も大変わかりにくいというのが正直なところである。「凍結」でも「撤回」でもないとのことだが、わかりやすくご説明いただきたい。
 
 本県の将来にとって空港はぜひとも必要である。しかし、今環境アセスメント等諸調査に着手するには必ずしも状況が十分でない。ここはしばらく時間を設けて、よりよい実現方策をみんなで考えようということだ。たとえて申し上げるとすれば将棋や碁の対局における「考慮の時間」とでも言うのかも知れない。
 

 

 そもそも、今回の総合的判断なるものをわかりにくくしているのは、現在の予定地である蒲生・日野をどうするのかが明確でないからである。つまり、蒲生・日野が全体のなかでどのように位 置づけるのかを明確にしないと、空港の議論は今後、一歩も前へ進まないと考える。明確な答弁を願う。
 また、自動車専用道路は推進すると述べられたが、今後は両町に対してどのような方策を考えているのか伺う。
 
 地元両町にかってない進展した状況が生まれてきたものの、もろもろの情勢からみて、環境アセスメント等諸調査の実施に踏み切るには必ずしも十分でない面 があるため、現時点では調査の実施を見合わせるということで、びわこ空港の予定地が「蒲生・日野地区」であることには変わりはない。と同時に、ここしばらく立ち止まってみて、みんなで考えてみましょうという提案をさせて頂いたものであり、地元の皆さんを含めて広く県民の皆さんが、それぞれの立場で、滋賀の将来にとっての空港と、その実現方策について考えて頂きたいというのがその基本である。
 従って、その間は地元の蒲生・日野両町に対しては臨空都市構想関連施設に、県として特段の方策を講じることはできない。
 

 

 来年度予算との関係で、環境アセスは来年度も計上しないと言われたが、財団法人びわこ空港周辺整備基金への貸付金70億円を含め、空港関連予算はどのようにされるのか。「立ち止まって考える」費用も当然、発生すると考えられるし、来年度予算の中身は知事の考え方を理解する一助になろうかと思うので伺う。
 
 立ち止まって実現方策を考える期間については環境アセスメント等に要する経費や地元対策に関する経費は不要であるので、びわこ空港周辺整備基金への貸付金を含め、これらを計上する考えはない。
  一方、県民の皆様が確かな実現方策を考えていただくための材料を、できるだけ様々な形で提供することや、県と県民の皆さん、あるいは県民の皆さん同士が議論いただく「場」の提供も積極的に取り組んでいく。例えば広報誌や県のホームページなどを活用して情報提供に努めるとともに、空港について意見を交換し、考えていただける場として「空港フォーラム」「空港トーク」といったようなものをできるだけ各地で開催するほか、ホームページを通 じて意見交換を行うなどを検討してはと考えており、できるものは年明けにも実施し、こうした経費については必要なものは計上していく。
 

 

 総合的判断のポイントの1つは「県民の皆さんとともに考え、確かな実現方策を見出す」ことだと考えます。「確かな実現方策」とは何なのか伺う。
 様々な立場の皆さんが、それぞれの地域なり、職場なり、ご家庭なりで、幅広い自由な議論をして頂いて、そうしたものの積み重ねの中から、滋賀の将来を見通 したとき、どんな空港づくりをしていくのがよいのか、あるいはそうした空港を実現させるためにはどうすればよいのか、といったことを、一緒になって考えて頂くことを期待している。
 

 

 環境アセスを見合わせることにより、国の第7次空港整備計画期間内に空港設置許可申請を行うことは無理になった。今回、1〜2年「立ち止まる」ことにより、国との関係、特に空港整備計画にどのような影響を与えるのか伺う。
 国にも「なるほどこれなら実現できる」と受け止めていただけるような方策を見出していくことが重要である。このような考え方には国も一定の理解をして頂いている。できれば7次空整の期間内にそうした状況を作り出していきたい。

 

 空港問題は、今回の知事の総合的判断によって1つの節目を迎えたことは事実である。私たちは、びわこ空港を「凍結」と主張し、知事は、「立ち止まって考える」と言われた。
  知事が、「立ち止まって考え」ざるをえなくなった背景について、過去12年間の取組みの検証をふまえてどのように考え、また県の責任はどう考えているのか伺う。
 
 県としては候補地選定以来、地元両町ともどもに地道な努力を重ね、また地元の皆さんも大変熱心に議論を重ねていただく中で、昨年までは、環境アセスメント等諸調査に同意が得られない集落が、対象16集落の内、残り2つというところまで進んできた。
  その後、これまで話し合いの難しかった、これら2集落についても、特に夏以降真剣な議論を重ねて頂き、それぞれの新しい決定を頂いた結果 、県さえ決断すれば、環境アセスメント等諸調査の着手も可能と受け止められるような、かってない進展した状況が生まれてきたことも間違いない。
  ただ、そうした状況の中で、その実施に踏み切るには、もろもろの情勢からみてまだ十分ではない面 があり、現時点では調査の実施を見合わせるという、まさに苦渋の判断をしたところである。ここはしばらく立ち止まって、確かな実現方策をみんなで考えた上で空港を実現することが、県としての責任を果 たすことであると思っており、そのことが今日までの関係者の努力を実らせるものであると考える。
 

 

●市町村合併・地域振興局について

 県事務所については、かねてより縦割り行政の弊害とも言える地方機関相互間の連携・調整の悪さや本庁と地方との役割分担の不明確さに基づく二重行政などの諸課題があり、そのあり方が問われてきたところである。
 また、本年4月に地方分権一括法が施行され、いよいよ地方分権時代の幕が切っておとされた訳だが、地方自治体がその自主性、自立性を発揮して個性と活力に満ちた地域づくりを進めることが求められる中で、当面 の課題である合併の推進に向けた支援や地域のことについて決定できる権限の委譲などが求められているところである。
  このような課題や要請に応えるために、県では、行政改革大綱や地方分権推進指針において、県事務所の機能を充実強化するとされているところであり、その改革をどのように実施しようとするのか伺う。
 
 地域振興策の企画立案や部局横断的な事業を展開する機能を強化するために、県事務所、健康福祉センター、土木事務所を統合し、分権時代にふさわしい総合地方機関として整備していく。
  また市町村が分権の担い手としてふさわしい体制に整備を図るための支援としては、第一義的には総合地方機関が担うこととするとともに、生活者原点や地域重視といった視点から、総合地方機関の独自性が活かせる予算システムや、市町村が自らの意思で、地域の実情に応じた施策を実施できる補助金制度に工夫を凝らすなどを考えている。
  さらに県民への幅広い情報提供とあわせ、各種行政サービスを身近なところで提供できるよう、本庁から事務の委譲を行い、より手続きの簡素化、事務処理期間の短縮化など利便性の向上を図っていく。今後県議会にも諮りながら平成13年4月から新しい体制をスタートさせていきたい。
 

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●人権条例について

 いよいよ、「戦争の世紀」と云われた20世紀もその100年の歴史に幕を下ろし、「平和、人権、環境」をテーマに、21世紀の新しい幕が、切って落とされようとしている。
 時あたかも、県民ネットワークでは、去る11月23日より中国を訪問し、20世紀最悪の出来事とも云える戦争の傷跡いわゆる「南京大屠殺記念館」を訪ねた。それは広島・長崎・沖縄と同様に戦争という名のもとに行われた残虐極まりない行為に胸をつきさされる想いにかられ、深く頭を垂れた。
 そして、わが県においては、新しい時代の幕明けにふさわしい、「人権条例」が、制定される運びとなっている。その人権条例を制定するにあたって以下のことを伺う。

  1. 基本的な理念はどうか。
  2. 家庭における人権尊重をどう考えるか。
  3. 先の国会で制定された「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」との関係をどのように考え、また、今後同和問題解決の施策をいかに展開していくか。
 
  1.  県ではこれまでから女性、子ども、高齢者、同和問題などの人権の個別 分野毎に、それぞれの課題解決のため、各種の施策の推進に取り組んできた。さらに、人権尊重という基本理念を県全体の行政施策の中心に据え、あらゆる施策の中に取り込んでいこうと考えており、条例はこうした施策を総合的かつ継続的に実施していくための法的基盤となるものである。
      人権の世紀といわれる21世紀の最初の年に自治体として独自に人権が尊重される社会の実現のための基本となる条例を制定するということは極めて意義深いことである。
  2.  家庭内におけるドメスティック・バイオレンスおよび高齢者や子どもへの虐待は、他人が容易に踏み込むことができない家庭という密室で起こるため、被害者の逃げ場がない深刻な人権問題であると認識しており、家庭における人権尊重は非常に重要な課題であると考えている。今後条例案として作成する段階でご指摘頂いた趣旨を踏まえ検討していく。
  3.  法律は、人権教育及び人権啓発に関する施策の推進について、国、地方呼応協団体の責務を明らかにし、その中で、地方公共団体の責務としては、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、人権教育および人権啓発に関する施策を策定し、実施することが規定されたところである。
      一方、条例要綱案では「人権意識の高揚を図るための施策その他の人権が尊重される社会づくりに関する施策を積極的に推進するものとする」と定めようというものである。これは県として人権教育・人権啓発をはじめとする様々な人権施策を総合的に推進していくことを定めようとするものであり、法律の施行による人権教育・啓発はもとより、条例によって本県の人権尊重の社会づくりが幅広く進められるというものである。
      また同和問題解決への施策展開であるが平成9年に「今後の同和行政に関する基本方針」を策定しており、現在この方針に基づき、積極的に取り組んでいる。今後も人権の幅広い取組の中で、わが国固有の人権問題である同和問題の一日も早い解決に向けて、引き続き取り組む。
 

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●男女共同参画社会の実現にむけて

 女性で日本画壇の最重鎮小倉遊亀画伯が、7月に105歳の天寿を全うされました。滋賀県が生んだ巨匠の姿は、年齢を感じさせない作品にそのまま現われ、逝去された後にも死を悼む全国のファンから問い合わせがよせられ、急遽実施することになった遺作展には、秋の木立の県立近代美術館へ県内外からの来館者が絶えないとのことであります。
 105歳という長寿、2世紀にまたがり生きてこられたご健康と、生涯現役で絵筆を握ってこられたすばらしい創造力に驚嘆と敬意を覚えるものである。100年余り前の滋賀で、女の子が学問を磨くことなんて全く珍しかった時代に、少女遊亀さんが高等教育を受けるきっかけとなられたのは、幼少のころから才能があったことは言うに及ばず、憧れの女性教師が進学を勧めたこと、また経済的に支援してくれた人があったからだとのことであります。
 天の半分をささえる女性の才能を開花させ、社会的に幅広く活躍できるかどうかは、憧れやモデルにしたい女性の仕事や生き方があるかどうかがいつの時代も影響します。そして男女共同参画時代の今日であっては、女性にとって男性もモデルであるともいえます。お互いのライフスタイルを磨き合い尊敬し合って生きる21世紀にしたいものです。
  このほど第33回滋賀県世論調査が公表された。世論調査によれば、「男女の不平等」を実感しているのが約7割あり、男性より女性が6.3ポイント高い。最も不平等だと感じる場としては、男性が職場、地域社会、家庭の順なのに対し、女性は地域社会、家庭、職場の順となっている。また、全体に「不平等だ」と感じているのは女性が多いことから、女性の側から照準を当てるのが妥当と見て、女性が不平等を感じる場としても高い地域社会での男女平等を進めるためには、早急に男女平等条例を制定すべきと考えるが、知事はどのように考えるのか伺う。
 
 これまで、身近な地域社会からの取組機運の醸成に向け、啓発広報や出前講座等を通 じて、市町村とともに意識啓発に努めてきたり、様々な分野で取組できたが、こうした結果 をみると、地域社会では、依然として男性中心の意識や性別役割分担による古い慣習やしきたりが根強く残っている。このことに、女性だけでなく男性も疑問に感じるということが増加していると思う。
 そこで、こうした地域社会の固定的な性別役割分担意識を解消するためには、意識啓発の一層の取組とあわせて、家庭や職場などにおいても県民一人ひとりの主体的な取組を加速していくことが必要である。さらに一歩進めて、地域ぐるみでの共同参画の実践活動につなげていく、新たな手立てが必要ではないかという思いを強くしたところである。今年度発足した第9期の男女共同参画懇話会では「男女共同参画社会の実現を加速する新たな方策」をテーマとして、本県の現状や特性の分析、先進県への調査などを行い、条例の制定を視野に入れた論議を深めて頂いている。県としてはその提言を年度末に頂き次第、今後の取組を明らかにしていく。
 

 

 女性の労働については、子どもができたら辞めて、手がかからなくなったら働くのが良いという「子育て中断型」が最も多く約6割となっている。この「子育て中断型」の考えは、全国的な世論調査である総理府の調査よりは22ポイント高い状況で、滋賀県ではまだ性別 役割分担の考えが強いことが現われており、できるだけ早く解決されなくてはならないが、その手立てについて伺う。
 
 これまでから男女がともに仕事と家庭の両立ができるよう、保育サービスの充実や地域の子育て支援体制の整備などに取り組んできた。また、啓発広報誌の男性問題特集号を県下のすべての自治会を対象に回覧で配布するなど、様々な啓発の機会を捉えて男女双方の固定的な性別 役割分担意識の解消に努めており、今後も引き続き、庁内はもとより市町村、民間団体と密接に連携し合いながら、創意工夫を凝らしながら、施策の充実を図るなどにより、家庭や地域・学校・職場など様々な場から、着実に意識変革が進むよう一層努力していく。
 

 

 この秋50市町村を訪問したとき、男女共同参画に関しても首長と意見交換をしたが、首長によって考え方が大きく違うということを実感致した。そこで、市町村の格差をどう認識し、その是正をどの様に図るのか伺う。
 
 担当職員の配置状況や行動計画の策定状況をみても、指摘のとおり格差がみられる。このため、これまでから、市町村長の理解や取組を促すとともに町村推進体制整備モデル事業による支援に加えて、市町村担当職員を対象とする研修講座を開催するほか、市町村との共同企画による地域実態調査の実施やそれを踏まえた啓発研修資材の作成などに取り組んできた。今後とも引き続き、市町村自らが、まず推進体制を整備し、主体的に取組が展開されるように一層の支援や働きかけを行い、市町村間の取組格差の是正を図る。
 

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●NPO活動への支援策について

 NPO活動を促進するための仕組みとして、98年3月に制定された、いわゆるNPO法により、NPOの法人格取得という大きな成果 があり、NPO活動の社会的な認知が進んだと言われている。過日も、草津市内で超党派の国会議員による「NPO議員連盟・地方フォーラムIN滋賀」が開催され、参加者との間で活発な議論が行われたところである。議論の中心は、NPO法人の財政支援を税制面 からおこなおうというものであり、NPO法人への寄附金について、所得税法、法人税法の改正を検討しているとのことであった。
 そこで、まず、国の動きにあわせて、いや、国に先がけて滋賀県としてNPO法人への税制面 での支援を検討されるべきと考えるが、いかがなものか伺う。

 
 県ではこれまで、独自の措置として法人県民税均等割の減免を実施している。NPO活動をより強化していくためには、NPOを社会で支えるシステムとして税制度の抜本的な改正が必要であると考えている。県としても、優遇税制の導入がぜひとも必要と考えており、NPO法人に寄付をした場合の個人住民税の所得控除制度の創設や法人事業税などの損金算入枠の拡大を内容とする地方税の措置を含めて税制改正が速やかに実現されるよう、このほど国に対して要望を行ったところである。
 

 

 NPOはその発想や感性、行動力において非常に優れたものを持っているが、一方で、新しい事業を始めるに当たっての財政面 が非常に脆弱である。そこで、初期投資にかかる融資制度等立ち上げ時の財政支援策について伺う。

 
 淡海ネットワークセンターでは平成9年度から、新しいグループづくりの初めての一歩を応援するため、経費の助成を行ってきたが、利用される団体は少なくなってきた。また介護保険事業を行っているNPO法人に対する融資はすでに担当部局で実施している。こうしたことから、立ち上げ時の財政的支援としてどのようなことが求められるのか、今回の税制改正の結果 も踏まえながら、今後検討していく。
 

 

 NPOが立ち上げに際して、財政面以外に頭を痛めているのが活動の継続性を維持するためのノウハウである。NPOは、利潤追求を目的としない社会性を第一に掲げた団体であるだけに、特に効率的な運営をおこなうことが不得手である場合が多く、行政が積極的に運営面 に関する支援をおこなうべきだと考えるが、いかがなものか伺う。

 
 淡海ネットワークセンターにおいて、活動に必要なノウハウを提供するための「わくわく市民活動ゼミナール」を開催しており、その中で、会計、資金調達などの団体運営の実務に関する講座を設けてきた。また、「NPOアドバイザー派遣」制度を設け、団体の立ち上げから活動運営に至るまでのアドバイスを行ってきている。今後も本県のNPOの発展に向けて支援していく。
 

 

 NPOと行政との協働領域が増えれば増えるほど、社会のしなやかな発展につながる。県民とのパートナーシップを唱える滋賀県として、NPOとの協働のあり方、その支援のあり方について見解を伺う。

 
 今後県民の多様なニーズに応えていく上で、NPOは行政とともに公共的なサービスを担いうるものとして大いに期待されており、互いにパートナーであることを認識し、そらぞれの特性を活かした役割分担のもと、協働を進めていくことが重要である。県では今年度、学識経験者やNPOの代表等で構成する専門家会議を設置し、協働のあり方に関する調査研究を実施している。今後、この成果 を踏まえて様々な分野で行政とNPOとの協働が一層進むよう取り組んでいく。
 

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●環境問題(1)地球温暖化問題について

 先に公表されたOECD(経済協力開発機構)の2020年までの環境の変化を予測した報告書でも、地球温暖化、化学物質による汚染や都市部の大気汚染など7つの事項を、環境状況の悪化が予測されるため緊急な対策が必要とされる問題にあげ、特に地球温暖化に関しては、現在の対策のままでは温室効果 ガスは2020年までに1990年比約25パーセントも増加するとの見通 しで、京都議定書の削減目標を達成するには強力な対策が必要であるとしている。
  しかし、11月にオランダのハーグで開催されたCOP6では、「地球温暖化防止京都会議」で採択された「京都議定書」の具体的なルールを固めるため、当初の予定を1日延長してまで討議が行われたが、残念ながら合意にいたらず、「京都議定書」の2002年からの発効は困難な状況となった。このような深刻化する地球温暖化の現実と、遅々として進まない対策の現況を見て、県はどのように受け止めているのか伺う。

 
 21世紀最大の環境問題とされる地球温暖化の防止対策の成否は、京都議定書に定められた対策を国際社会が一致協力して実行できるかどうかということにかかっていると思っている。しかしながら、京都議定書を具体化するための交渉が行われたCOP6が決裂に終わったことは、大変残念である。今後相違点を乗り越え、来年のCOP7に向け、早期に国際合意が図れるよう強く期待している。
 

 

 本県における地球温暖化対策の取組について、国では、「地球温暖化防止京都会議」を受けて、平成10年に、地球温暖化対策に関する基本的な姿勢を示す「地球温暖化対策推進法」を制定し、本県においても、平成10年に「地球温暖化対策地域推進第1次計画」を策定し、2010年までに県民一人当たりの二酸化炭素の排出量 を1990年の排出量より6%削減するとの目標を立て、さらに、本年2月県議会において「大気環境への負荷の低減に関する条例」を制定し県による推進計画の策定と事業者に対する負荷低減計画の策定を義務づけたところだがこの後、これらの措置はどのように進められているのか県の対応状況を伺う。

 
 本県では平成10年に「地球温暖化防止対策地域推進第1次計画」を策定し、対策を進めてきた。来年度は「大気環境への負荷の低減に関する条例」に基づき、推進計画として必要な見直しを行い、より実効性のある対策を盛り込んで、削減対策の一層の推進を図っていく。温室効果 ガスの排出源のうち排出量が最も大きい産業部門については、条例に基づき「大気環境負荷提言計画」をそれぞれの事業場で作っていただくことにして、対象となる約800社に対して、現在、各地域ごとに説明会を開催している。
  また平成10年から運用をはじめた「グリーンオフィス滋賀」の取組により一定の削減効果 もすでに現れてきているが、さらに一層の削減を図る工夫を加え、年度内を目途にこの率先実行計画を作っていく。
 

 

 県民一人ひとりの取組について、二酸化炭素をはじめとする温室効果 ガスは、社会経済活動の全てから排出されるため、大量排出者である事業者の取組はもちろんのこと、我々の日常の生活における取組が削減の重要な鍵を握っていると考える。
 しかし、多くの人にとって地球温暖化問題が深刻な状況にあることは理解しつつも、具体的な実践に結びついていないのが現実である。この際、県として具体的な取組方法を広く示しながら県民の協力を求めて行くべきではないか伺う。

 
 県民の皆さんの自主的な取組を支援するために滋賀県地球温暖化防止活動推進センターを設立し、地球温暖化防止活動推進員やNGO・NPOの皆さんを中心に、誰もが取組める、例えば電気機器の電源をこまめに切るといったわかりやすい実践例の紹介や、環境学習の開催などに取組んでいただくことになった。県としても、こういった活動を通 して、多くの県民の皆さんの間に毎日の生活を地球にやさしい暮らし方に変えていただく行動が広がっていくよう積極的に支援していく。
 

 

●環境問題(2)RD問題について

 昨年10月、栗東町RDの産業廃棄物処分場において高濃度の硫化水素ガスが発生した問題について、住民の立場にたって環境保全と人命に危害を及ぼす恐れがあるとの観点から、RDの廃棄物処分に違法性の疑念をもち徹底した全容の解明に取り組むべきとして、今日まで一貫して県の対応を求めてきたが、地域住民の不安と処分実態の疑念すなわち、搬入違法物質の有無の実態確認、汚水の地下水への浸透、など県当局の努力にもかかわらず、未だ地域住民の納得する解明がすすめられていないと受け止めている。
 そこで以下の点について伺う。

  1. 高濃度の硫化水素ガス発生地点を中心とする場所における発生源の特定をするための掘削作業等現状の対策はどのように進められているのか
  2. 各種の危険物、違法物が埋め立て廃棄されていると指摘のある地点等も含め調査地点を処分場全域に拡大すべきと思うがどのように考えているのか。
  3. 地域住民の不安解消のための要望実現に対して徹底した協議を進め迅速な報告が行われることが望まれるが住民との対話をどのように考えているのか。
  4. 知事は、本年9月議会の我が会派の代表質問に対する答弁においても「実態の解明に鋭意取り組む」と述べられておられるところでもあり、根本的な解明・解決に向けての今後の調査・解決方針について伺う。
 
  1. これまで硫化水素ガスの濃度を一時も早く低下させるため、ガス吸引処理等の対策を実施してきた。しかし現在でも200ppmから400ppmという値で推移している。また表層ガスやボーリングによるコア分析等の各種調査と有機物の発酵が予想される地点3ヶ所について掘削調査を行ったが、原因となる有機物の特定には至らなかった。そこで、一時も早く原因を解明するため、危険を伴うことも予測されるが、この8日に開催を予定している調査委員会の指導を得ながら、高濃度地点の1ヶ所で、何とか今月中には掘削調査に踏み切りたいと考えている。
  2. これまで表層ガス調査や必要な掘削調査をしてきたが、さらに、処分場全域について調査委員会の指導のもと、地質調査に用いられる物理探査などによる方法で、調査を実施することとしている。
  3. 住民との対話については、これまでことあるごとに事前の連絡や協議、あるいは事後の報告等をさせて頂いてきた。今後も当然のことながら住民の皆さんとともに解明に向けた取組を進める考えである。
  4. まず、解明のため、先に申したように高濃度区域の掘削と物理探査に併せ、浸透水、地下水、ガスについても法に基づき調査することとし、年内から順次着手していく。これらの調査分析結果 が明らかになり次第、県、長、事業者の役割を明確にした上で、必要な調査や対策を迅速かつて記事適切に行い、一日も早く地域の住民の皆さんの不安を解消し、生活環境の安全を確保できるよう、引き続き精一杯の努力をしていく。
 

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●介護保険に関して

 施行直前の保険料などをめぐる突然の変更や、介護報酬額の決定の遅れ、これに伴うケアプラン作成の遅れなど様々な困難はあったものの、まずは新しい制度、介護の社会化をめざした介護保険制度が始まった。そこで半年以上が経過した現在の実施状況を踏まえ、まず知事の所見を伺う。
 
 この制度は来るべき21世紀の大きな課題といわれている高齢者の介護の問題を、みんなで支えあう社会保険方式により、高齢者の自立への支援や家族の負担軽減を図ろうとするものである。いわゆる介護の社会化を目指してスタートしたものである。10月末時点における認定者数は約22,100人となっている。
  また、サービスの利用額についても、順次増加の傾向を示しており、制度に対する利用者の意識も徐々に浸透し、サービスの利用者や提供量 も順調に伸びを示している状況である。こうした中10月に2,300人の在宅サービスの利用者を対象にアンケート調査をした。そして7割にあたる約1,600人からの回答を得た。その内容をみると、約7割の方が概ね良好な評価をして頂いている。
  施行当初、新たな制度であるだけに混乱も心配していたが、8ヶ月を経過した現時点では、概ね順調に推移しているのではないかと考えている。今後生じてくる課題については、実施状況の的確な把握に努めるとともに、利用者の参加も得ながら、国、県さらに市町村がそれぞれの役割を担いながら、この制度を一層充実したものにしていく。
 

 

 介護保険導入にあたって、市町村長が最も心配されたことに、国民健康保険会計の赤字がさらに進まないかと言うことである。保険料の徴収が始まった本年4月以降、県下市町村で、滞納額の増加に伴う財政の悪化が進行すれば、特に小さな町村にとっては、大きな問題となる。
  国は、介護保険料徴収に伴う徴収額の低下には、一定の助成制度を講じているが、県として対策をどのように考えているのか伺う。
 
 本年度の国民健康保険料(税)の9月末現在における収納率は、県全体の平均では38.7%となっており、これは前年度と比較してマイナス2.3ポイントである。しかし中にはプラスになっている市町村もあり、現時点では上乗せによる影響とは言い切れない部分もある。
  しかし、今後介護保険料の徴収が進む中で、収納率への影響も心配されることから、国においては「介護円滑導入対策基金」が設置され、この基金を基に、本年度には、「収納対策給付金」や「収納率低下給付金」がそれぞれの市町村等に実情に応じて交付されることになっている。
 県としても介護導入による財政的影響が出ないように、国の制度を十分活用した収納対策が講じられるよう市町村への指導や助言に一層努めるとともに、各種の媒体を通 じて、県民への啓発に力を入れていく。
 

 

 介護保険はシルバー産業の参入を促すものとされ、滋賀県は「商助」と称して積極的に関わってこられたが、「商助」の現状はどのようなものであるか、評価と課題及びその克服策など伺う。
 
 県の指定を受けた居宅事業者は12月1日現在で、438事業所となっている。そのうち民間企業は135事業所で、農協やNPO法人などを含めると210事業所となる。今後も増加することが見込まれ、利用者にとっても選択の幅が広がるなど「商助」が介護サービスの一翼を担っているものと考えている。
  こうした中、今後、利用者が適切にサービスを選択し利用できるようにするためには、サービス事業者においても、業務運営が適正に行われるとともに、質の高いサービスの提供がなされていくことが課題になるのではと考えている。このため県としても、サービス事業者に対して、その運営状況等の把握を行い、さらに、業務の適正な実施のための指導・監督に努めるとともに、事業者自身による組織づくりへの支援やサービスにかかる自己評価が適切に行われるよう、指導に努める。
 

 

 介護保険の導入に併せて、介護激励金を廃止して、ホリデークーポンの支給制度を実施した。この制度に対してわが会派が政調活動で県下の市町村を訪問したとき、賛否が分かれるところであった。 そこで、県としてこの制度をどう総括、評価されているのか、特に利用状況等も含めて伺う。
 
 この制度は、日夜介護しておられる方々に、休日を取って頂き、県内の旅館やホテルなどで宿泊や食事をされるなど、心のリフレッシュを図って頂くという趣旨のものである。9月に実施した第1回目の交付においては3,600人のうち約7割の2,530名の方にクーポン券を交付した。
  また利用状況は、2ヶ月間で延べ65ヶ所の宿泊施設で約650枚のクーポン券の利用がされたところである。今後月を追う毎に増加してくるものと考えている。また2回目は来年の3月を予定しており、新規該当者や事情により前回交付を受けていない方を含め、ほぼ当初予定通 りの交付ができるものと考えている。
 この事業は今年度スタートしたばかりで、まずはこの制度について県民の皆さんにご理解いただき、定着できるよう今後も普及啓発に全力をあげる。また県民から寄せられた声を参考にしながら利用方法や利用施設などにも工夫を凝らし、よりよい制度となるよう努めていく。
 

 

●県内中小企業の振興方策について

 今年1月から10月までの県内の企業倒産は累計で143件,負債総額は約1,500億円となり、件数、負債額ともに過去最高となっている。これらの倒産は販売不振などを原因とする不況型が多く、一部の大型倒産をのぞき、大部分が小規模企業であるとのことである。
  師走に入り、中小企業に対し、金融機関からは事業実績の評価はもちろん追加担保の要求や既借り入れの一括返済など、厳しい貸し付け条件を求めるケースが増えていると聞いている。
 そこでまず、構造不況の中にある、本県の中小企業の現状をどのように認識しているのか、また中小企業の年末の資金繰りに対する支援としてどんな取り組みをしておられるのか伺う。

 
 県景況調査や県事務所単位 での地域経済協議会、あるいは経済雇用調査委員の聞き取りなどから判断すると、いわゆるIT関連や輸送機械関連の製造業やサービス業など一部好調な業種があるものの、建設業をはじめとして低迷を脱していない業種が多く、全般 的にみて中小企業の業績は大企業に比べて回復が遅れている。
 単価の低下や受注競争の激化に伴う収支の悪化、取引関係の変化や需要の停滞などが不振の原因にあげられており、厳しい環境の中でご苦労頂いていると受け止めている。
 次に、抽象企業の年末の資金繰りに対する支援についてであるが、中小企業者や協同組合等の商品の仕入れや代金の決済等に必要な運転資金を貸し付ける短期事業資金を設けている。これは中小企業者の年末の資金需要に対応することも主要な目的としているので、活用して頂きたい。また特に体力が弱い小規模事業者の方については、小規模企業者経営安定資金の中に「年末つなぎ資金」を設けて、年末の資金需要に対応している。
 

 

 本県は、1960年代から今日まで、先端企業の誘致が継続的に進められ,内陸工業県として発展してきたが、滋賀に本社機能をもつ企業を育てることが積年の課題である。21世紀はこうした観点からの中小企業の振興がいよいよ重要になってきたと言える。
  私たちは、今定例会に提案されているテクノファクトリーは一つの施策として時宜を得たものであり、高く評価するが、商工労働部長はこの事業にどんな思いを込めているのか、また、この前段階に当たるレンタルラボの利用実績と評価はどうか、そして、こうした流れを加速するためにも、今後いかなる方向で本県中小企業の振興を図ろうとしているのか伺う。

 
 それぞれの大学や工業技術総合センターにおけるレンタルラボでは30社ほどのベンチャー企業が、支援を受けながら研究開発に取組んでおり、例えば、高齢社会に対応した屋内用自動ドアや階段の照明装置、竹炭を利用した脱臭・抗菌製品などが生まれている。大学内のレンタルラボでは全国でも数少ない先例となるもので、産学官連携がうまく機能している事例として、国などから高い評価を得ている。この他、中小企業創造活動促進法における計画認定も、101件、92社にのぼっている。
 これらの中には、生産拠点を持たずに製品の試作あるいは小ロットでの生産といった事業化,市場化の段階を迎えている企業が出現しつつある。テクノファクトリーは、こうした企業の投資リスクを軽減し、県内でのベンチャー企業の創業を促進しようとするものである。
  このようなスタートアップ期のベンチャー企業は、技術面での支援のほか、資金略や経営ノウハウについても十分でなく、各種の情報提供や経営指導、融資制度等の紹介などをはじめ、工業技術総合センターや県内大学の支援機能のつなぎ役を担っている「滋賀県産業支援プラザ」に運営を委託することにしている。施設の使用期間は、5年間という限られたものであるが、県としても最大限の支援を行い、滋賀県の「夢」のある企業を排出し続けることにより、産業全体の活性化につなげていく。
 中小企業振興策について、県はこれまで、いち早く中小企業支援の核となる産業支援のプラザを設立するとともに、県中小企業支援センターと地域支援センターを開設し、技術面 、経営面、あるいは資金面の支援など、中小企業の新規事業創出や経営革新に対する総合的・一体的な支援をしてきた。また、新規・成長産業の中で、本県にポテンシャルがあり、中小企業が大企業に互して戦える分野として、環境、健康・福祉、観光の3分野、いわゆる3K産業を重点に振興を図っている。今後とも県としてはIT革命の進展など経済の新しい動きを見極め、的確な対応に努める。
 

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●新しい農林水産プランについて

 我が国の農業を取り巻く環境は極めて厳しいものがあるが、県は平成13年度から平成22年度を目標年次とする新しい農林水産プランとして、「(仮称)しがの農林水産ビジョン」の策定作業を進めている。その中で、知事は常々、21世紀は農の時代になる、農産漁村が今よりも元気で、活気にあふれる状況になってほしいとの思いを込めて、新プランの策定に取り組んでいると述べられてきた。
  そして環境面では、科学肥料や農薬の使用を抑えて、農業の持つ自然循環機能を活かした持続可能な農業の展開を強調されてきた。また企業感覚を取り入れた農業経営体を育成したい、更に専業農家にとっては面 白くて儲かる農業でないとパワーの発揮ができない、面白くてやる気の出るような農業経営の環境作りをいわれてきた。
  そこで面白くて儲かる農業を創る手立てを、具体的にどのように定めようとしているのか伺う。

 
 現在策定中の(仮称)滋賀の農林水産ビジョンは農業者の方々に将来への展望を示し、一緒になって目標の実現に向けて取組んで頂けるような魅力ある農業を目指している。このためには、まず、これまで推進してきた集落営農組織をさらに発展させるとともに、認定農業者を主体とする家族や法人による農業経営体を育成することによって、経営の安定と管理能力の強化に努め、厳しい経営環境にも耐えられる経営を確立していく。
 次には、農産物価格の低迷に対しては、まず、収益を確保し、経営を維持するために、生産コストの一層の削減が必要である。特に本県の主軸になる土地利用型農業においては、農業経営体が連担した農地を集積することによって、作業の合理化を進めるとともに、省力化が可能な湛水直播など新技術を導入できるように努めていく。
  もう一つの方向としては、品質の向上をはじめとする農産物の高付加価値化と経営の多角化が必要であると考えている。そのためには生産物の加工や新たな商品開発による販売を取り入れたり、さらには観光やサービス部門を組み入れるなど工夫も重要なことと考えている。県としてはこのように複合的なアグリビジネスに取組もうとする意欲的な農業者、言うならばアグリベンチャーを積極的に支援していきたいと考えている。
 

 

 また現プランが目標を達成できなかった極めて厳しい状況でもあるので、新プランの主要指標、なかでも農作物の作付面 積の目標や生産努力目標を策定するにあたっての、基本的な考え方や基礎となるべき数値は何をより所とするのか伺う。

 
 本県の食料自給率を50%以上に維持することを基本に、10年後の農地面 積や土地利用を見通し、担い手確保の方向や品目ごとの需給動向、過去の栽培実績、さらに技術の進展や土地基盤整備などの条件整備による生産性の向上などを見込んで目標値を設定している。水稲については6%減の3万6千ヘクタールの作付け面 積を算定し、生産量は、現状をやや下回る18万7千トンとしている。
  麦・大豆については、水田の高度利用を図る観点から、米の生産調整面 積を基礎に、本県での過去の生産実績などを考慮しながら、排水対策の徹底や基本技術の励行により、品質や生産性の大幅な向上を目指し、面 積では4割程度の増加を見込み、生産量では麦で2万5千トン、大豆で1万トンと倍増する計画である。
  また、野菜などの園芸作物については、作付け面積の大幅な増加は困難な状況にあるが、省力化技術の開発導入や品目の複合化を進め、品質の向上や生産の安定化、周年栽培などにより、野菜の出荷量 を2割程度増やし、4万トンの目標を設定している。
 

 

●学校教育を取り巻く諸問題について

 少子化時代の子ども。未来の担い手たる子ども。その子どもたちの学校教育現場では「いじめ」「校内暴力」「不登校」などの深刻な問題が発生しており、あらためて学校とは何かが問われている。
  更にここ最近、「学級崩壊」という新たな現象が生まれ、「授業が始まっても着席せず、立ち歩く」「担任教師に反抗的な言動をとる」「気に入らないと大声でわめいたり、暴れたりする」「教室からエスケープする」等々、複数の児童の自己中心的な行動や学習規律の乱れのために、授業が成立しない、学級運営が困難になるというケースが多発してきている。これは、小学校に多く、しかもその多くは低学年に起きているのが特徴でもある。 まじめに勉強に向かい合っている多くの子どもたち、そして対応に必死な努力をしながらも自信を喪失していく教師のことを考えるとこの問題を放置しておくことは許されない。
 そこで、本県の「学級崩壊」の実態とその発生原因について伺う。
 
 本年6月に調査したところ、「学級がうまく機能しない状況」にある学級が17学級、そこまでに至らないが「懸念される状況」にある学級が12学級という報告を受けている。その要因としては、授業中、勝手に立ち歩いたり、奇声を発したり、あるいは教師への暴言を繰り返すなど、適切な人間関係づくりができない子どもがいること、中には教員の指導に柔軟さが欠けていることなどが考えられる。
 

 

 国の「学級運営等改善のための講師配置事業」(本県でいう「学級いきいき支援事業」)の実情と、この実施8ヶ月間での成果 はどうか伺う。
 尚、この事業は、国の補助事業であり、22校への非常勤講師の配置がなされているところであるが、平成13年度は、ぜひ県単事業でもその対象校を増やし充実させるべきと考えるが、併せて見解を伺う。
 
 県としては市町村教育委員会と連携して、担任外の教員や学年団によるチームティーチングなどのきめ細かな指導の充実を進めてきたところである。これに加えて本年度から課題のある学級に非常勤講師を配置して、複数教員により指導や対応をするための「学級いきいき支援事業」を実施し、いわゆる「学級崩壊」の解消に努めているところである。
  こうしたきめ細かな指導を通して、学級全体に落ち着いた雰囲気がつくられるとともに、課題をもつ児童のよい面 を引き出すことで、学習への意欲をもたせ、集団で学ばすことや生活することの大切さを気づかせることができるなど、学級運営の改善が図られてきていると報告を受けている。
  一方、来年度から第7次教職員配置改善計画が進められようとしているが、この中で行われる小人数授業などのきめ細かな指導は、多くの教員が児童生徒と接する機会を増やし、わかりやすい授業をつくり出すとともに、学校生活におけるルームや道徳性を身に付けさせるなど、児童生徒の発達を見守りながら、支援していくことを可能にするものというふうに考えている。いわゆる「学級崩壊」など教育課題を十分考慮しながら、対応に努めていく。
 

 

 今の学校は、子どもたちの心の変化に比べ、旧態依然の黒板と教科書による画一的な一斉指導が行われていることも問題がある、と指摘する声があります。
 もっと子どもたちの意見を取り入れ、工夫した授業、興味をもたせる授業、本音で向き合える授業を模索すべきだと思うがどのように考えているのか伺う。
 
 小学校の授業については、児童自らの主体的な学習や興味関心を大切にして、学習意欲を高める支援のあり方などを工夫しているが、特に、課題別 、習熟度別などの少人数グループによる授業やチームティーチング等、学習へのきめ細かな指導の工夫改善を行い、児童の基礎学力の定着を図っている。
 

 

 今の子どもたちの大多数が、保育所、幼稚園から小学校へと入学してくることから、保育所、幼稚園と小学校低学年の指導方法の見直し、改善も重要だがその考えを伺う。
 
保育所、幼稚園では、生活や遊びの中で、人やものとのかかわりを深め、体験を通 じて社会性を身につけさせることを目指しているが、本年度から、さらに、幼児と小学生が一緒に体験学習を行う「幼児と児童の異年齢ふれあい体験事業」を実施して、保育所、幼稚園と小学校との連携に努めている。
 

 

 いよいよ平成14年4月より、完全週5日制が導入されることとなる。実施にあたり、特に次の点に配慮した取り組みが必要だと考える。
  一点目は、教育課程や学校運営の一層の工夫改善が行われることである。これまでの学校週5日制の実施の経験を踏まえ、授業時数の運用、指導内容、指導方法などの全体にわたる工夫改善を一層進めることが重要となる。
  二点目は、家庭や地域社会における対応の充実である。家庭や地域社会においては、異年齢や同年齢の子ども同士の遊びや多様な地域活動、自然との触れ合い、青少年団体の活動への参画、ボランティア活動などの様々な活動や体験の場や機会の充実を図ることが重要となる。
 そこで、県教育委員会として、この完全学校週5日制導入まであと1年余、となった現在、どのような体制で、何を、どのようなスケジュールで検討されようとしているのか伺う。

 
 県教育委員会としては、円滑な移行を図るために、新しい学習指導要領が示す、授業時数の弾力的な運用や基礎的・基本的な内容の指導、さらに、きめ細かな授業などについて、全教員を対象にした「教育課程説明会」や学校訪問等により指導の徹底を期している。
  また、社会教育においては、子どもが休日を有意義に過ごせるよう地域における体験の場や機会を提供する「地域教育活性化推進事業」を推進するとともに、本年度から地域全体で子どもを育てる新たな仕組みをモデル的に開発するために「地域子ども体験キャンパス推進事業」を実施し、学校と地域が一体となる体験活動等の推進に努めているところであり、今後その成果 の普及を図っていきたいと考えている。
  さらに、「全国子どもプラン」を推進し、子どもの体験活動や、家庭教育に関する情報収集、提供を進める「子どもセンター」や「子ども放送局」を平成13年度末までに全市町村を網羅できるよう努めていく。
 

 

 教科書は、学校教育の基本素材であることから、その作成、選定に関しては、極めて適正かつ公正さが求められるのは当然のことである。教科書選定は、現在、文部省検定を経た上で、更に学習指導要領に基づいた公正な採択制度もとで行われており、偏向したいかなる圧力にも影響されることは許されない。
 そこで、本県の教科書採択の基本的考え方について伺う。
 
 小・中学校教科書の採択については、文部大臣の検定に合格したものの中から、採択権者である市町村教育委員会が採択地区協議会を設置し、採択をしている。その権限と責任において、適正かつ公正に行うことが必要であることから、県教育委員会としては、市町村教育委員会に対して、引き続き適切な指導助言に努める。